魔王にレイプされてゴミのように棄てられた女戦士は、悪役令嬢に生まれ変わって復讐します

戸影絵麻

文字の大きさ
147 / 471
第1章 覚醒

#39 悪役令嬢への道⑪

しおりを挟む
 サトの涙に、ルビイは胸を突かれる思いだった。

 自分のために涙を流す他人。

 そんな者がいようとは、思ってもみなかったのだ。

 もっとも、サトはルビイがルリの身体に転生したことなど知らないから、その涙は純粋に脳死したルリを思ってのものである。

 が、それはルビイにはうれしかった。

 この子を産んでよかったと思った。

 ルリは一度も意識を持つことなく、母親である私に身体を乗っ取られてしまった。

 でも、すぐ近くにその身を案じる者がちゃんといてくれたのだ。

 スナフとサトという、ふたりが。

 
 気を取り直したように、サトが手の甲で涙をぬぐい、ルビイに向き直った。

「何をするつもりなの…?」

 愚問とわかっていながら、ルビイはそう訊ねずにはいられなかった。 

 優しい心根の持ち主でありながら、この娘の本質は性奴隷なのだ。

 その性奴隷が服を脱ぎ捨てた以上、目的は決まっている。

「サトは、ご主人さまから、ルリさまの身体の感覚を呼び覚ますようにと仰せつかっております。決して不快な思いをさせぬように、とも釘を刺されました。ですから、ご安心ください。サトは、心をこめて、ルリさまを至福の境地にお導きする所存です」

 サトは小さなバケツのような形をした小物入れを提げてきていた。

 服を脱ぐ時、手近なテーブルの上に置いたその容器から、何かチューブのようなものを取り出した。

 ふたを外すと、そのチューブを片手にルビイに近づいてきた。

 なにかしら?

 ルビイは警戒するように、サトの動きを目で追っている。

「失礼します」

 ルビイの疑念をよそに、チューブをベッドサイドのテーブルに置くと、サトが手際よくルビイのローブを脱がせにかかった。

 薄物の下から現れたのは、形よく胸当てを押し上げた乳房と、股間をかろうじて覆った小さな布切れである。

「なんてお美しい…」

 ルビイの裸体を見下ろし、サトがうっとりとつぶやいた。

「何度見ても、ルリさまのお身体はお美しいです…。覚えていらっしゃいますか? サトが毎日、このお身体を丹精込めてマッサージしてさしあげたのを…」
しおりを挟む
感想 29

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

夫婦交換

山田森湖
恋愛
好奇心から始まった一週間の“夫婦交換”。そこで出会った新鮮なときめき

私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。

MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。

服を脱いで妹に食べられにいく兄

スローン
恋愛
貞操観念ってのが逆転してる世界らしいです。

友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。

石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。 だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった 何故なら、彼は『転生者』だから… 今度は違う切り口からのアプローチ。 追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。 こうご期待。

セクスカリバーをヌキました!

ファンタジー
とある世界の森の奥地に真の勇者だけに抜けると言い伝えられている聖剣「セクスカリバー」が岩に刺さって存在していた。 国一番の剣士の少女ステラはセクスカリバーを抜くことに成功するが、セクスカリバーはステラの膣を鞘代わりにして収まってしまう。 ステラはセクスカリバーを抜けないまま武闘会に出場して……

極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です

朝陽七彩
恋愛
 私は。 「夕鶴、こっちにおいで」  現役の高校生だけど。 「ずっと夕鶴とこうしていたい」  担任の先生と。 「夕鶴を誰にも渡したくない」  付き合っています。  ♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡  神城夕鶴(かみしろ ゆづる)  軽音楽部の絶対的エース  飛鷹隼理(ひだか しゅんり)  アイドル的存在の超イケメン先生  ♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡  彼の名前は飛鷹隼理くん。  隼理くんは。 「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」  そう言って……。 「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」  そして隼理くんは……。  ……‼  しゅっ……隼理くん……っ。  そんなことをされたら……。  隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。  ……だけど……。  え……。  誰……?  誰なの……?  その人はいったい誰なの、隼理くん。  ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。  その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。  でも。  でも訊けない。  隼理くんに直接訊くことなんて。  私にはできない。  私は。  私は、これから先、一体どうすればいいの……?

処理中です...