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第2章 跪いて足をお舐め

#63 愛と性のファシズム④

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 薄い布を通した感触で、マリウスの性器の形がわかる。

 意外にもたくましい一物を備えているようだ。

 太さはさほどではないが、長さといい、カリの張り出し方といい、竿の部分の硬さといい、申し分ない。

 亀頭の表面に親指の腹を当て、こねるように撫でさする。

 同時に乳首をつまみあげ、右に左にひねってやる。

「ああああ…」

 マリウスが切なげにうめき、がっくりと膝をついた。

 ルビイの指に触れるズボンの布は、だんだんと湿ってきている。

 それが男の射精の前兆であることは、ルビイもよく知っていた。

「勝たせてあげる。ひとつだけ、約束してくれれば」

 顔を真っ赤にして震える若者の耳の穴に生温かい息を吹きかけ、ルビイはささやいた。

「な、なにを…?」

 マリウスが、悔しそうな眼でルビイを見た。

 が、ルビイの指が亀頭の裏に回り、そこを強くこすり上げると、とたんに瞳が不安定に泳ぎ出した。

「や、やめて…で、出る…」

「ふふ、何が出ちゃうの? おぼっちゃん?」

 ルビイの舌が、マリウスの耳の穴を舐めた。

 ついでに耳タブを甘噛みしてやると、

「くうううう…」

 マリウスが天を仰いで喘ぎ始めた。

「さ、どうするの? ここで出しちゃう? みんなの見ている前で、けもののように」

 ルビイは笑った。

 サトに習った、とびっきり淫靡な笑い方だった。

「い、いやだ。そ、そんなことは、できない…」

「でも、もう、イキそうだよね?」

 ルビイは布越しにペニスの竿の部分をつかむと、ゆっくり上下にしごき始めた。

 それに合わせて顔をマリウスの左胸に寄せ、硬くなったアンズのような乳首を唇ではさんでやる。

 左手で右の乳首の乳頭をねじる。

 唇で左乳首を転がしながら、尖らせた舌の先で乳頭をつつく。

 右手はペニスを強く握り、手首の裏側まで使ってペニス全体に間断なく強烈な刺激を与えていく。
 
 はあはあはあはあ…。

 マリウスは首をのけぞらせ、しきりに喘いでいる。

 唇の端からはよだれが垂れ、瞳孔が半ば開きかけているようだ。

「わ、わかった…な、なんでも、いうことを、聞く…だから。こ、これ以上は…」

 喉の奥から絞り出すような声で、ようやくマリウスがささやいた。

「商談成立ね。いいわ。私のお願いはただひとつ」

 マリウスの勃起乳首から口を離し、にいっと微笑んでルビイは言った。

「今晩遅く、ひとりで私の家に来て」

「え? そ、それだけ?」

 驚きで目を丸くするマリウスに、甘い声で告げてやる。

「この続き、ふたりっきりで、思う存分、楽しみましょ」

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