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カレサワ

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報告書27「キメラ、伝説種の強さは伝説級について」

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 なんとかササヤさんをキメラの前から引っ張ってこれたが、どうやら受けたブレス攻撃のせいで装備に異常が発生してしまったようだ。

「見たところヨロイには外傷は無いようだけど、機能異常があるようね。イクノ、そっちで原因が分かるかしら」

 <<うむ、恐らくあれは一種のコンピューターウィルスを運ぶマイクロマシンを吐き出す攻撃じゃ。それに感染したので装備の機能が制限されておるのじゃな。つまりは複数の状態異常を受けているという訳じゃ>>

「状態異常なら何か回復する方法は無いのか!?」

 <<うーむ……ヒーラーなら状態異常回復の技が使えるんじゃが、そのヒーラーが感染しておる状況じゃからな……予算の関係で回復アイテムも購入しとらんし……>>

 マジか……

「ごめんなさい……足引っ張っちゃって……」

 眼帯型のスキャナー部分を手で抑え、もう片方の目には涙を浮かべながら謝るササヤさん。その声のなんと弱々しい事か。

「ササヤさんのせいじゃ無いさ。予算ケチってアイテムを用意しないチトセが悪いんだから」

「ササヤさんのせいじゃ無いわ。近接担当なのに後ろで縮こまってたイワミが悪いんだから」

「何おー!」

「何よっ!」

 <<やめんか2人とも!それよりもこれからどうするのか考えるのじゃ!>>

 イクノさんに怒られ、シュンとする俺とチトセ。しかし本当にこれからどうするか。

「とにかく、私がキメラを偵察して性能を把握してから善後策を考えましょう」

「そうだな、とりあえずそれだな」

 チトセが偵察に行っている間、俺はササヤさんをパンダ橋の手すりにもたれさせ、持ってきた水筒から水を飲ませる事にした。

「本当に大丈夫か?物凄くダルそうだけど」

「機動鎧甲のパワーアシストが効いて無いみたいで……身体が重くて……これじゃロッドも使えません……」

「そうか……イクノさんによると、状態異常は自然回復するらしいからな。このまま待つのも作戦さ」

「ごめんなさい……私……」

「謝ることは無いさ。伝説種と言えどもあんな奴どうとでもなるさ」

 とは言ったものの、ササヤさんが走れないとなると一度撤退して出直す事も出来ないな……と、そこへ偵察からチトセが帰ってきた。

「聞いて。やっぱりあいつが例の新しい個体のキメラで間違いないわ。これがドラゴンが混ざったアークキメラや、変異種のヌエだったら打つ手無しだったわね」

「それはそれは朗報だな。それで何か弱点は見つかったのか?」

「正面からは頭の獅子、上からは背中の山羊、背後からは尾の蛇がそれぞれカバーしているようで全方位死角が無いわね……」

「となると結局は力押ししか無いのか……よし、千葉駅ダンジョンの時のように行くか。俺が前で、チトセは後ろから援護を頼む」

「良いけど、相手はブラッドハウンドよりもずっと強敵よ。あんたも気をつけな……」

「危ない!」

 その時だった。チトセの背後からキメラが飛びかかってきたのは!

「ぐっ……おぉぉぉお!」

 チトセをどかして刀でキメラの突進を受け止めたのは良いが、そのまま押されまくってしまう。なんて力なんだ!

「イワミ!」

「くそっ!とにかくまずはササヤさんを安全なところに!早く!」

「……分かったわ!あんたも気をつけなさいよ!」

 なんとか突進をいなすが、その後に続けて繰り出してきた前腕による攻撃は重く鋭く、反撃どころか受け止めるのに精一杯だ。それにしても謎が一つ。

「なんで俺達の居場所がバレた……!?」

 チトセだって距離を取って偵察していたはずなのに、匂いでも嗅ぎつけたか?

 <<背中に付いてる山羊の頭の角はアンテナのようじゃな。恐らく信号を拾う高性能のセンサーアレイになっていて、それでこちらの位置を逆探されたのじゃな……ぬかったわ……>>

 なんて奴だ。機動鎧甲はインナーの表面に張り巡らせたセンサーが神経からの信号を拾う事で誤差なく動きに追随できる。つまりら常に何らかの信号を発しているんだから、奴の視覚に入らなくても、機動鎧甲を装着している以上こちらの位置は丸分かりって事じゃないか。

「くそぉぉお!」

 このままじゃ押し切られる……!その前に奴にとっておきをお見舞いしてやるしかないっ。そのための前準備として後ろに飛び、キメラから距離を取る。間合いの開いたこの状況で奴が取る行動は……

 案の定、周囲の空気までをも震わせる雄叫びの後、キメラは飛び掛かり攻撃をしてきた!いける!

「気爆噴射片手突き……鬼雨ぇぇえ!」

 伝説種のキメラと言えども、突進に合わせて突きを繰り出されたら、避けられないしお互いから向かい合う力の衝撃で一溜りも無いだろ……

「うっ!?」

 しかし真っ直ぐ突き出された刀身は獅子の頭を貫通できず、俺の予想と同じように外れてしまい、勢いそのままの突進を受けた俺は連絡橋の手すりに叩きつけられたのだった。







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