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カレサワ

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報告書60「ドレイク、舞い降りた獄炎の使者について」

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 リソーサー・ドレイク……全高は15mかそれ以上だろうか、くの字に曲がった脚、長い尻尾、真っ赤な鱗と機械部品に覆われたような歪な体表、前脚の代わりについた巨大な翼、そして頭には幾本もの角が並び、口からは鋭い牙を覗かしているが、しかしなんと言っても、片目が禍々しい赤い光を放つカメラアイのようになっているのが、全体的にはほっそりとした印象を持つにも関わらず、こいつが凶暴なリソーサーであることを印象付けている。リソーサーの中でも強大な力を持つ、異形なるもののカテゴリーである伝説種。その中でも、最も残忍でまさに伝説級の力を持つ存在……それがこのリソーサー・ドレイクだ。伝説種好きのササヤさんが見たらさぞ狂喜することだろう。こんだけの戦闘車輌あるのに自衛軍がここで立ち往生してるわけだ。

「ちょっ、ちょっと!何なのよあれ!あんなのがいるなんて聞いてないわよ!」

 見つかる前に慌てて建物の奥まったところに待機している車輌部隊の元に駆け戻り、自衛軍兵士につんのめるようにして言い掛かるチトセ。チトセだけじゃない、俺だって驚きと衝撃で一杯だ。存在する事は知ってはいたが、まさか今日ここで対峙する事になるなんて全く予想だにしてなかっのだから。

「我々だってそうだ!このリソーサーの大量発生の原因を探るため偵察に出た途端だ!いきなりあいつにヒトハチ1輌にフタフタ2輌を潰された!外に出た奴らは悲鳴を上げる間もなく消炭だ!」

 よく見ると、建物内に残った走行兵員輸送車に機動戦闘車には所々真っ黒な焦げ跡がついており、戦闘の凄まじさを物語っている。しかしこんな重装備でもドレイクには正面からは太刀打ち出来ないとは……ここはあの大佐が言っていた救援部隊が来るまでここに籠城するしか無いのか?

 そんな考えを巡らしていると、建物内に大きな衝撃が走り、身構えていると今度は天井からはパラパラと瓦礫が降ってきた。なんだなんだ!?今度は本当に地震か!?

「隊長!ドレイクがこの建物を攻撃しています!」

「なんだと!?」

 駆け出す隊長に続いて建物入り口まで行き見てみると、なんとドレイクめ、バスタ新宿の建物に尻尾をぶつけ、蹴りをかましていた。その度にあの特徴的な外壁のガラスが砕け散り、雨のように地に降り注ぐ。まるでこの建物を崩壊させんとするかのようだ。

「まさか、我々をここから追い出そうと……?」

「だろうな。ドレイクってのは凶暴で狡猾、見つけた宝物や獲物には異常に執着するって話だ。大方一度立ち去ったフリをして出てきた所を襲うつもりだったんだけど、上手くいかないもんだから実力行使に出たってところだろ」

「……随分と詳しいんだな」

「当然でしょ。餅は餅屋、リソーサーは山師にお任せってね」

 と、ドヤ顔でキメるチトセ。答えたの俺なんだけどな……と言ってもほとんどササヤさんの受け売りで、おまけに伝説種であるドレイクについて分かっているのはこれでお終いなんだが。そんな話をしている間にも、柱は折れ曲がり天井にはヒビが入り、もうここが長くはもたないのは誰の目にも明らかだ。

「何にしてもここには長くはいられないって訳ね。航空支援でも要請してあのドレイクを追っ払って貰うって事は出来ないの?」

「どういう原理で飛んでるのか知らんが、熱探知が出来ずに対空ミサイルが誘導しやがらない。その癖高速で小回りがききやがるから戦闘ヘリをもう何機も落とされてるんでな。支援機どころか、今は墜落機のパイロットの救助機が必要なくらいだ」

 どうやらドレイクは高い飛行能力を持つって話は本当のようだ。航空支援も無し、救援部隊がここに来るまで建物は持たないだろう。外からの支援が期待できない以上、今いる俺達でなんとかするしか無い……そう思った時だ、チトセから言葉が出たのは。高らかに宣言するかのような、ハッキリとした口調で。

「なら、私達が出てってあいつを引きつけるわ。その間に車輌部隊は脱出して」

「なんだと!?山師風情に何ができる!?死にに行くようなもんだぞ!」

「お言葉ね。私達は何としても任務を成功させて、生きて帰って、そして報酬をたんまり貰わなきゃいけないのよ」

「しかし……」

 渋る隊長さんを前に、チラリとこちらを見るチトセに、ニッと笑ってグッドマークを見せる。

「俺は賛成だぜ。全くチトセに先に言われて悔しいくらいだ。後輩が特別チームに参加して、今この瞬間にも戦っているんだ、実力は及びもつかないとはいえ、俺もここいらで一働きしておかないとな、先輩の沽券に関わるってもんよ」

 なんだチトセ、少し涙ぐみやがって。らしくねぇな。

「あの特別チームに社員が選抜されてるのか……」

「……」

「……」

「了解した……それが君達の任務だと言うのなら任せるとしよう……だが例の十字砲火はどうする。あれを黙らせなくてはここを出る事なんて到底叶わんぞ」

「それについてなんですけど……イクノさん。これから送る"八龍開眼"のデータから、建物に潜むリソーサーの位置を割り出してくれませんか?」

 <<お安い御用じゃ。それにしてもあの銃撃の中で走りながら高感度空間センサーの八龍開眼を起動しておくとは、全く抜け目が無いのぅお主は>>

「チトセにくっ付いて行動してれば、否応無しにも抜け目なくなりますって」

「それ、どういう意味よ」

 チトセのジト目を受け流しつつ、イクノさんから送られてきたリソーサーの位置をこの場の全員に共有する。これで駒は揃ったって訳だ。
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