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3話 脱サラ

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ダンジョン管理局に行ってから1週間後
今、俺は人生の岐路に立っている。

「社長、会社を辞めようと思います」

入社式の時以来の社長室。
俺は辞表と書いた封筒を社長に渡す。
社長は俺の辞表を片手で受け取り、それを机の端に置いた。

「……ふむ、辞めるのか?」

社長とはあまり面識は無い。故に緊張がすごい。
心臓がバクバク、額から滝のように汗が流れる。

「はい、辞めたいと思います。」

俺はもう一度自らの意思を伝える。

「そうか。ちなみに理由を聞いても良いか?」

「他にやりたい事ができました。」

俺は敢えてダンジョンの事は伏せる。
変な噂が広がっても嫌だしな。

「そうか、いいんじゃないか?正直な所、君が一人居なくなってもうちに支障は無い。後、厳しい事を言うがここを辞めて他で成功するのは難しいだろう。まぁ頑張りなさい」

なんだが嫌味だな。話し中、俺の方をずっと見てないし
おそらく、これがこの人の本音なんだろうな
一瞬、少しいい人なのかなと思ったのに、まぁこんなもんか。

「はい、今までありがとうございました。」

俺は社長室から出て、その後事務の人に今後の手続きについて話を聞き、会社を後にした。

すぅぅーーはぁーー

思い切り深呼吸をする。

なんだろう。
この爽快感は……
全身の解放感がハンパない。
大型連休に入る時の数十倍だ。
全身に自由か満ちている。

しかし、これで俺は無職。
かなり迷った選択だが悔いはない。
俺は冒険者になる。
そして、所有するダンジョンで稼ぐ。

ちなみに何故俺がこれほどやる気になっているかというとあのスレ主に感化されたからだ。

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【朗報】

俺の家にダンジョンが出現したのだが、どうすればいい?
part10


1.田舎の脱サラリーマン
久しぶり。皆に報告がある

2.熱血関西人
音信不通になったからおっ死んだかと思ったわ
で、なんや?

3.Mr.マッスル
ダンジョンでも売ったのか?

4.名無しA
大富豪への道途絶えるwwww

5.名無しB
いや、主の言葉を聞こう。
話はそれからだ

6.世渡り上手パパ
>>5
あぁ、その通りだな
さぁ聞かせてくれ、お前の物語を

7.田舎の脱サラリーマン
いいだろう。では順に話していく。
ちなみに結果からは話さない、男には珍しく結果から話さないタイプの人間なんでな。
まずだが、俺は死んでも補償無しの冒険者登録をした後
ダンジョンに一人で入った。
そして、出会った"ゴブリン"に

8.田舎のサラリーマン
展開早すぎやろ!ってかヤバ

9.Mr.マッスル
あぁ……言葉を失う

10.名無しA
えw何w、誰が説明よろ

11.世渡り上手パパ
ゴブリンは5級に認定される魔物で、ある程度経験を積んだ冒険者がパーティを組んでようやく倒せる魔物だ。
また初心者は最下級の6級ダンジョンから始めるのがセオリー。
ちなみに戦力差を分かりやすく例えると小学生がプロボクサーに喧嘩売るぐらいのヤバさ。

12.田舎の脱サラリーマン
え……そうだったのか
ちなみにダンジョンに入ったらゴブリンがいたから、出会い頭に攻略用に買った催涙スプレーを吹きつけたら、目を押さえて、暴れ始めたんだ。だから、後ろに回り込んで金属バットで殴りまくった。多分20スイングはした。もう必死で

13.熱血関西人
マジで……ゴブリン倒したん?

14.Mr.マッスル
お主、戦の申し子か……

15.世渡り上手パパ
という事はついにやったという事か

16.田舎の脱サラリーマン
ついに"初レベルアップ"とスキルを獲得した。
そのスキルとは……
おっと!良いところだけど、今日はここで一旦終わりみたいだ。
ダンジョン管理局からの連絡みたいだ。

17.名無しB
まさかのおあずけ!!
強くなったもんだ。あいつも



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田舎のサラリーマンは田舎のサラリーマンへと変貌していた。
そして、俺は感化されてしまった。
我ながら単純だと思うがな。
という訳で明日には自宅のダンジョンに管理局の人が来てダンジョン調査が行われる。その結果により、ダンジョンの所有権がいくらになるかがわかる。
さぁ、俺の退職金で足りる事を祈るのみだ。

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