9 / 45
9:ヤるしかないの!?
ペーターはうんうん唸りながら、なんとか打開策がないか考えてみた。が、何も思いつかない。どう考えても詰んでる感しかない。
シグルドのことは、なんだかんだで人としては割と好きかと思うし、騎士団時代はおっかないけど尊敬もしていた。が、セックスはしたくない。だって、髭面の顔が怖い筋肉ムキムキおっさんなんだもん。
同じように、うんうん唸りながら頭を抱えていたシグルドが、大きな溜め息を吐いて、顔を上げて遠くを見つめた。
「……もう、マジでヤるしかねぇか……」
「マジっすか。やだー! おっさん相手に童貞卒業なんてやだー!」
「俺だって嫌だっつーの! この歳で子供なんぞ産めるかーー!! つーか、子供産むなんて怖過ぎるわー!!」
「僕の母ちゃん、末っ子を40で産みましたけど、色々大変だったらしいです。なんか、高齢で出産すると、普通の妊娠・出産より色んな危険性が高いとかなんとか?」
「尚更嫌だわ」
「あっ。でも、『神様の愛』って、そもそも生殖能力が普通の男女より少し劣るって聞いたことがあるんですけど、本当にそうなんですか?」
「ん? あぁ。月のものも毎月じゃなくて、三か月に一回くらいだ」
「それなら、妊娠しない理由としては十分じゃないですか? 年齢的なものも含めて」
「ふむ。それは確かに。が、問題がある」
「なんです?」
「母上はこんなもんを寄越すくらいには俺達にセックスをさせたいらしい。多分、使用人経由で結果報告がいく。一か月何もせずに寝室に籠ってても、間違いなくセックスするまで強制休暇延長させられそうな気がする。昔っから、なんつーか、やると決めたらとことんやる人なんだよなぁ。面倒くせぇ」
「やっぱり詰んでる!! やだー! おっさんのまんこで卒業なんてやだーー!!」
「俺だって童貞の相手なんぞしたくねぇわ! 妊娠の可能性はゼロじゃねぇし!! 避妊用魔導具なんぞ用意できねぇし!!」
「あ、避妊用魔導具が無くても避妊する方法なら知ってますよー」
「あ? どんなのだ」
「金玉に魔法をかけて、精液内の子種を特殊な魔法で覆って受精を妨げるっていうやつなんですけど」
「へぇー。そんな魔法があんだな」
「ただ、これ普通の魔法使いが魔法をかけても、かなり痛いらしくて。一度魔法をかけたら、魔法の効果は1年続くらしいんですけど、仮に僕がこの魔法を使ったらどうなると思います?」
「とんでもない激痛に襲われる」
「ですよねーー!! 僕もそう思います!! 金玉痛すぎて不能になるかも……」
「つーか、なんでそんな魔法知ってんだよ。お前、童貞だよな?」
「僕の国立魔法学園時代の恩師の研究室に入り浸ってたヤリチンの先輩から習いました。頼んでもないのに教えてきたんで、一応覚えはしたんですけど、実際に使ったことはないです。市販の避妊用魔導具よりも避妊できる確率は高いそうですよー」
「ふぅん。んーーーー。よしっ! ペーター。お前、その魔法かけろ」
「うげぇ!?」
「こうなったら、ヤッてやろうじゃねぇか。こんちくしょー。ヤッたけど妊娠無理だったってんなら、母上達も諦めるだろ」
「やだー! 痛いのやだー! おっさんのまんこもやだー!」
「うるっせぇ! 本体がおっさんでも、まんこはまんこだ! 興奮しろ! 童貞!」
「エロ本だって、まともに読んだの二~三回なんですけど!? 僕!」
「マジかよ。不安しか感じねぇ」
「ヤリチンの先輩から借りた人妻もののやつしか読んだことないです……」
「俺のエロ本貸すか?」
「えーー。シグルドさんとずりネタを共有するのは微妙ですよー。ていうか、普通に嫌ですよー」
「まぁ、ぶっちゃけエロ本なんて幻想らしいけどな。昔、エロ本を参考にすんなよって先輩から言われたことがある」
「あ、そうなんですね。……やっぱり色々詰んでるーー!!」
「おーし。ペーター。腹ぁ括れ。こうなったら一発だけヤるぞ。セックスした証拠のシーツとかあれば報告がいくだろうし、寝室から開放されるだろう。童貞相手に気持ちいいセックスなんぞ期待できねぇし、突っ込んだら三数えるうちに出せよ」
「三は無理でしょ!? どんだけ早漏なんですかー!」
「……まさか、遅漏じゃないだろうな」
「……ちょこっと時間がかかるだけです」
「はぁぁぁぁ!? 遅漏とかふざけんなよ! お前ぇぇぇぇ!」
「僕のせいじゃないですもーん!! それにちょこっと遅いくらいだしーー!!」
「こうなったら気合で出せ」
「がんばる……しかないのかなぁ!? ていうか、その前に金玉に魔法でしょー!? 痛すぎて不能になる可能性だってあるんですけどー!!」
「……仮によ、お前が不能になったとする」
「あ、はい」
「多分、それが母上達にバレたら、離婚させられて、俺は他の男を充てがわれる気がする。お前は放逐されて無職になる」
「……あんまりだーー!! お貴族様怖いよーー!!」
「くっそ! 自分の生まれがここまで憎たらしいと思うのは初めてだぜ! こんちくしょー!」
ペーターはなんかもういっぱいいっぱいになって、半泣きになった。痛いのは嫌だし、おっさんのまんこで童貞卒業するのも心底嫌だ。が、現状の打開策が、避妊魔法をかけた上でセックスをするというものしか思いつかない。
ペーターとて、人並みに結婚願望はあったし、自分の子供をつくって育てるんだろうなぁと漠然と夢見ていた。が、実際に結婚したのは髭面の顔が怖いおっさんだし、シグルドの年齢的に、シグルドを妊娠させるのは危険性が高くて躊躇われる。
ペーターは半泣きの状態で、腹を括った。シグルドとセックスするのは嫌だが、お貴族様怖いし、シグルドと離婚させられるのも、なんかちょっと嫌だ。なんで嫌なのかは分からないが、離婚はなんか嫌である。
ペーターは、半べそかきながら、項垂れているシグルドに声をかけた。
「金玉に魔法かけます」
「マジか。本当に大丈夫なのか? お前、へっぽこ魔法使いじゃねぇか。金玉爆発したりしねぇよな?」
「怖いこと言わないでくださいよー!! 決心が鈍るでしょーー!!」
「お、おう。とりあえず頑張ってみろ」
「はぁい。うぅ……がんばれ僕。やればできる子だ。僕」
ペーターは深呼吸をしながら、数年前に先輩から聞いた魔法の詳細を思い出して、少しだけ躊躇ってから下着を脱ぎ、自分の金玉に魔法をかけた。瞬間、言葉にできないレベルの激痛が走る。どっと脂汗が吹き出て、泣きそうというかもう吐きそうなレベルで、くっっっっそ痛い。呼吸するのも苦痛なレベルで、くっそ痛い。
ペーターは金玉を押さえて、シーツの上に突っ伏した。ぼたぼた涙が流れる。本当に痛い。ものすごく痛い。実は金玉爆発しちゃいましたと言われても信じるレベルで痛い。
温かいゴツい手が、金玉を押さえて蹲るペーターの腰を優しく擦ってきた。
「おい。大丈夫か」
「……だいじょばない……」
「大きく息を吸えー。とりあえず深呼吸して痛みを逃がせ」
「……すーー、はーー、すーー、はーー……」
ペーターは息をするのもキツい中、なんとか気合だけで深呼吸をし始めた。体感的にそれなりの時間が経った頃になって、漸く伏せていた身体を起こせる程度には激痛が和らいだ。
脂汗びっしょりなペーターの顔を見て、シグルドが気の毒そうな顔をした。
「マジでヤバい激痛だった?」
「……金玉爆発したかと思いました」
「……こわ……想像しただけで玉ヒュンするわ」
「僕の金玉、ちゃんとついてますよね? 大丈夫ですよね?」
「おー。ちゃんとついてる。つーか、改めて見ると金玉でけぇな。お前」
「はぁーー。ちょっと『みて』みます。……あ、魔法成功してます」
「そいつはよかったな。これで失敗してたら、ただ痛い思いをしただけになってた」
「それは完全に心が折れるやつぅ! 成功してますっ! ちゃんと大丈夫です! ちんこ勃つかは分かんないですけど!」
「こうなったら気合で勃たせろ」
「はぁい……がんばる……ちょーがんばれ……僕の相棒」
避妊魔法はとんでもない激痛を伴ったが、なんとか無事に成功した。あとは、ちょー頑張ってペニスを勃起させて、シグルドとセックスをするだけである。
ペーターは、下着を脱ぎ捨てたシグルドがころんと仰向けに寝転がると、膝を立てて足を広げているシグルドの足の間を陣取った。
ちょー頑張れ。ペーターのペーター。
シグルドのことは、なんだかんだで人としては割と好きかと思うし、騎士団時代はおっかないけど尊敬もしていた。が、セックスはしたくない。だって、髭面の顔が怖い筋肉ムキムキおっさんなんだもん。
同じように、うんうん唸りながら頭を抱えていたシグルドが、大きな溜め息を吐いて、顔を上げて遠くを見つめた。
「……もう、マジでヤるしかねぇか……」
「マジっすか。やだー! おっさん相手に童貞卒業なんてやだー!」
「俺だって嫌だっつーの! この歳で子供なんぞ産めるかーー!! つーか、子供産むなんて怖過ぎるわー!!」
「僕の母ちゃん、末っ子を40で産みましたけど、色々大変だったらしいです。なんか、高齢で出産すると、普通の妊娠・出産より色んな危険性が高いとかなんとか?」
「尚更嫌だわ」
「あっ。でも、『神様の愛』って、そもそも生殖能力が普通の男女より少し劣るって聞いたことがあるんですけど、本当にそうなんですか?」
「ん? あぁ。月のものも毎月じゃなくて、三か月に一回くらいだ」
「それなら、妊娠しない理由としては十分じゃないですか? 年齢的なものも含めて」
「ふむ。それは確かに。が、問題がある」
「なんです?」
「母上はこんなもんを寄越すくらいには俺達にセックスをさせたいらしい。多分、使用人経由で結果報告がいく。一か月何もせずに寝室に籠ってても、間違いなくセックスするまで強制休暇延長させられそうな気がする。昔っから、なんつーか、やると決めたらとことんやる人なんだよなぁ。面倒くせぇ」
「やっぱり詰んでる!! やだー! おっさんのまんこで卒業なんてやだーー!!」
「俺だって童貞の相手なんぞしたくねぇわ! 妊娠の可能性はゼロじゃねぇし!! 避妊用魔導具なんぞ用意できねぇし!!」
「あ、避妊用魔導具が無くても避妊する方法なら知ってますよー」
「あ? どんなのだ」
「金玉に魔法をかけて、精液内の子種を特殊な魔法で覆って受精を妨げるっていうやつなんですけど」
「へぇー。そんな魔法があんだな」
「ただ、これ普通の魔法使いが魔法をかけても、かなり痛いらしくて。一度魔法をかけたら、魔法の効果は1年続くらしいんですけど、仮に僕がこの魔法を使ったらどうなると思います?」
「とんでもない激痛に襲われる」
「ですよねーー!! 僕もそう思います!! 金玉痛すぎて不能になるかも……」
「つーか、なんでそんな魔法知ってんだよ。お前、童貞だよな?」
「僕の国立魔法学園時代の恩師の研究室に入り浸ってたヤリチンの先輩から習いました。頼んでもないのに教えてきたんで、一応覚えはしたんですけど、実際に使ったことはないです。市販の避妊用魔導具よりも避妊できる確率は高いそうですよー」
「ふぅん。んーーーー。よしっ! ペーター。お前、その魔法かけろ」
「うげぇ!?」
「こうなったら、ヤッてやろうじゃねぇか。こんちくしょー。ヤッたけど妊娠無理だったってんなら、母上達も諦めるだろ」
「やだー! 痛いのやだー! おっさんのまんこもやだー!」
「うるっせぇ! 本体がおっさんでも、まんこはまんこだ! 興奮しろ! 童貞!」
「エロ本だって、まともに読んだの二~三回なんですけど!? 僕!」
「マジかよ。不安しか感じねぇ」
「ヤリチンの先輩から借りた人妻もののやつしか読んだことないです……」
「俺のエロ本貸すか?」
「えーー。シグルドさんとずりネタを共有するのは微妙ですよー。ていうか、普通に嫌ですよー」
「まぁ、ぶっちゃけエロ本なんて幻想らしいけどな。昔、エロ本を参考にすんなよって先輩から言われたことがある」
「あ、そうなんですね。……やっぱり色々詰んでるーー!!」
「おーし。ペーター。腹ぁ括れ。こうなったら一発だけヤるぞ。セックスした証拠のシーツとかあれば報告がいくだろうし、寝室から開放されるだろう。童貞相手に気持ちいいセックスなんぞ期待できねぇし、突っ込んだら三数えるうちに出せよ」
「三は無理でしょ!? どんだけ早漏なんですかー!」
「……まさか、遅漏じゃないだろうな」
「……ちょこっと時間がかかるだけです」
「はぁぁぁぁ!? 遅漏とかふざけんなよ! お前ぇぇぇぇ!」
「僕のせいじゃないですもーん!! それにちょこっと遅いくらいだしーー!!」
「こうなったら気合で出せ」
「がんばる……しかないのかなぁ!? ていうか、その前に金玉に魔法でしょー!? 痛すぎて不能になる可能性だってあるんですけどー!!」
「……仮によ、お前が不能になったとする」
「あ、はい」
「多分、それが母上達にバレたら、離婚させられて、俺は他の男を充てがわれる気がする。お前は放逐されて無職になる」
「……あんまりだーー!! お貴族様怖いよーー!!」
「くっそ! 自分の生まれがここまで憎たらしいと思うのは初めてだぜ! こんちくしょー!」
ペーターはなんかもういっぱいいっぱいになって、半泣きになった。痛いのは嫌だし、おっさんのまんこで童貞卒業するのも心底嫌だ。が、現状の打開策が、避妊魔法をかけた上でセックスをするというものしか思いつかない。
ペーターとて、人並みに結婚願望はあったし、自分の子供をつくって育てるんだろうなぁと漠然と夢見ていた。が、実際に結婚したのは髭面の顔が怖いおっさんだし、シグルドの年齢的に、シグルドを妊娠させるのは危険性が高くて躊躇われる。
ペーターは半泣きの状態で、腹を括った。シグルドとセックスするのは嫌だが、お貴族様怖いし、シグルドと離婚させられるのも、なんかちょっと嫌だ。なんで嫌なのかは分からないが、離婚はなんか嫌である。
ペーターは、半べそかきながら、項垂れているシグルドに声をかけた。
「金玉に魔法かけます」
「マジか。本当に大丈夫なのか? お前、へっぽこ魔法使いじゃねぇか。金玉爆発したりしねぇよな?」
「怖いこと言わないでくださいよー!! 決心が鈍るでしょーー!!」
「お、おう。とりあえず頑張ってみろ」
「はぁい。うぅ……がんばれ僕。やればできる子だ。僕」
ペーターは深呼吸をしながら、数年前に先輩から聞いた魔法の詳細を思い出して、少しだけ躊躇ってから下着を脱ぎ、自分の金玉に魔法をかけた。瞬間、言葉にできないレベルの激痛が走る。どっと脂汗が吹き出て、泣きそうというかもう吐きそうなレベルで、くっっっっそ痛い。呼吸するのも苦痛なレベルで、くっそ痛い。
ペーターは金玉を押さえて、シーツの上に突っ伏した。ぼたぼた涙が流れる。本当に痛い。ものすごく痛い。実は金玉爆発しちゃいましたと言われても信じるレベルで痛い。
温かいゴツい手が、金玉を押さえて蹲るペーターの腰を優しく擦ってきた。
「おい。大丈夫か」
「……だいじょばない……」
「大きく息を吸えー。とりあえず深呼吸して痛みを逃がせ」
「……すーー、はーー、すーー、はーー……」
ペーターは息をするのもキツい中、なんとか気合だけで深呼吸をし始めた。体感的にそれなりの時間が経った頃になって、漸く伏せていた身体を起こせる程度には激痛が和らいだ。
脂汗びっしょりなペーターの顔を見て、シグルドが気の毒そうな顔をした。
「マジでヤバい激痛だった?」
「……金玉爆発したかと思いました」
「……こわ……想像しただけで玉ヒュンするわ」
「僕の金玉、ちゃんとついてますよね? 大丈夫ですよね?」
「おー。ちゃんとついてる。つーか、改めて見ると金玉でけぇな。お前」
「はぁーー。ちょっと『みて』みます。……あ、魔法成功してます」
「そいつはよかったな。これで失敗してたら、ただ痛い思いをしただけになってた」
「それは完全に心が折れるやつぅ! 成功してますっ! ちゃんと大丈夫です! ちんこ勃つかは分かんないですけど!」
「こうなったら気合で勃たせろ」
「はぁい……がんばる……ちょーがんばれ……僕の相棒」
避妊魔法はとんでもない激痛を伴ったが、なんとか無事に成功した。あとは、ちょー頑張ってペニスを勃起させて、シグルドとセックスをするだけである。
ペーターは、下着を脱ぎ捨てたシグルドがころんと仰向けに寝転がると、膝を立てて足を広げているシグルドの足の間を陣取った。
ちょー頑張れ。ペーターのペーター。
あなたにおすすめの小説
繋ぎの婚約を契約通り解消しようとしたら、王宮に溺愛軟禁されました
こたま
BL
エレンは子爵家のオメガ令息として産まれた。年上のアルファの王子殿下と年齢が釣り合うオメガ令息が少なく、他国との縁組も纏まらないため家格は低いが繋ぎとして一応婚約をしている。王子のことは兄のように慕っており、初恋の人ではあるけれど、契約終了時期か王子に想い人が現れた時には解消されるものと考えていた。ところが婚約解消時期の直前に王子宮に軟禁された。結婚を承諾するまでここから出さないと王子から溢れるほどの愛を与えられる。ハッピーエンドオメガバースBLです。毎日18時50分公開予定です
その首輪は、弟の牙でしか外せない。
ゆずまめ鯉
BL
養子ゆえに、王位継承権を持たないオメガで長男のレイン(24)は、国家騎士団として秘密裏に働き、ただ義弟たちを守るためだけに生きてきた。
第一継承権を持つアルファで次男のリオール(19)は、そんな兄に「ごく潰し」と陰口を叩く連中を許せなかった。自分を犠牲にしてまで守る価値はないと思っていた。なにかと怪我の多い国家騎士団を辞めさせたかった。
初めて訪れた発情期のとき。約束をすっぽかされたリオールが不審に思い、兄の部屋へ行くと、国家騎士団の同僚──グウェンソード(28)に押し倒されるところを目撃して激高する。
「今すぐ部屋から出ろ!」
独占欲をあらわにしたリオールは、グウェンソードを部屋から追い出し、兄であるレインを欲望のままに抱いた。
翌朝、差し出されたのは特注の首輪──外せるのはリオールのみ。
「俺以外に触らせるな」
そう囁かれたレインは、何年も首輪と弟の執着に縛られ続けてきた。
弟には婚約者がいるのに、こんな関係を続けてもいいのか。
本当にこのままでもいいのか。
ひたすら執着して独占したがる弟と、罪悪感に苛まれる兄。
その首輪は、いつか弟の牙で血に染まるのか──。
どうにかしてレインを落としたいリオールと、弟との関係に悩むレインのオメガバースです。
リオール・グランケット(19)×レイン・グランケット(24)
※この作品は2015年頃に本文を書き、2017年頃にオメガバースに改稿、さらに2026年に手直しした作品になります。読みにくいかもしれません。ご了承ください。
三人称ですが攻めだったり受けだったり視点がよくかわります。攻め視点多めです。
番を拒み続けるΩと、執着を隠しきれないαが同じ学園で再会したら逃げ場がなくなった話 ――優等生αの過保護な束縛は恋か支配か
雪兎
BL
第二性が存在する世界。
Ωであることを隠し、平穏な学園生活を送ろうと決めていた転校生・湊。
しかし入学初日、彼の前に現れたのは――
幼い頃に「番になろう」と言ってきた幼馴染のα・蓮だった。
成績優秀、容姿端麗、生徒から絶大な信頼を集める完璧なα。
だが湊だけが知っている。
彼が異常なほど執着深いことを。
「大丈夫、全部管理してあげる」
「君が困らないようにしてるだけだよ」
座席、時間割、交友関係、体調管理。
いつの間にか整えられていく環境。
逃げ場のない距離。
番を拒みたいΩと、手放す気のないα。
これは保護か、それとも束縛か。
閉じた学園の中で、二人の関係は静かに歪み始める――。
借金のカタで二十歳上の実業家に嫁いだΩ。鳥かごで一年過ごすだけの契約だったのに、氷の帝王と呼ばれた彼に激しく愛され、唯一無二の番になる
水凪しおん
BL
名家の次男として生まれたΩ(オメガ)の青年、藍沢伊織。彼はある日突然、家の負債の肩代わりとして、二十歳も年上のα(アルファ)である実業家、久遠征四郎の屋敷へと送られる。事実上の政略結婚。しかし伊織を待ち受けていたのは、愛のない契約だった。
「一年間、俺の『鳥』としてこの屋敷で静かに暮らせ。そうすれば君の家族は救おう」
過去に愛する番を亡くし心を凍てつかせた「氷の帝王」こと征四郎。伊織はただ美しい置物として鳥かごの中で生きることを強いられる。しかしその瞳の奥に宿る深い孤独に触れるうち、伊織の心には反発とは違う感情が芽生え始める。
ひたむきな優しさは、氷の心を溶かす陽だまりとなるか。
孤独なαと健気なΩが、偽りの契約から真実の愛を見出すまでの、切なくも美しいシンデレラストーリー。
影武者は身の程知らずの恋をする
永川さき
BL
孤児院出身のライリーは農場で働いている傍ら、冒険者を副業としている。
しかし、農場では副業が禁止である上に、冒険者は孤児院で嫌悪の対象となっている。
解雇や失望されてしまう可能性があっても冒険者として働くのは、貧しい孤児院に仕送りをするためだった。
そんなある日、冒険者ギルドから帰宅する途中、正体不明の男に尾行される。
刃を交え、ギリギリのところで男を振り切ったが、逃げ切れていなかったとわかったのは、その数日後のこと。
孤児院に現れたのは王宮の近衛騎士の三人。
そのうちの一人であるユリウスは、ライリーが尾行を振り切った正体不明の男だった。
自身の出自を餌に、そして言外に副業やその内容をバラすと脅され、王宮に行くことを決意したライリーを待ち受ける運命とは……。
近衛騎士×元孤児の影武者の切ない身分差BL。