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21:年越しの準備
ペーターは家の裏で、シグルドと三つ年下の弟パーシーと一緒に、絞めた鶏の羽を毟っていた。明日はいよいよ年越しの日なので、ご馳走に使う材料の準備中である。今年はシグルドが大量に用意してくれた食料があるから、例年よりもずっと豪華な料理が沢山食べられそうだ。
鶏の羽をむしむししながら、パーシーが話しかけてきた。
「ねぇ。ペーター兄ちゃん」
「なにー?」
「お貴族様の家にいた方が、楽して美味しいものが食えたんじゃないの?」
「はっはっは。お貴族様パーティーに参加させられて胃が死ぬね! ご馳走を味わうどころじゃないよー」
「うへぇ。お貴族様パーティーとか想像もできないわー」
「結婚式の後の披露パーティーとかね……本当に粗相しないかと緊張しまくって、なんも食べれなかったよ……」
「うわぁ……お気の毒……あ、そうそう。僕さー、そろそろ結婚が決まりそう」
「おー! よかったじゃない。相手は誰?」
「薬師の家のミレーラ」
「ミレーラちゃんかー。可愛いお嫁さんでいいねぇ。婿入りすんの?」
「その予定。多分、結婚式は来年の夏くらいになるかな?」
「こちらの結婚式がどんなものか見てみたいな。めでたい話だし、パーシーの結婚式に合わせて夏も帰ってくるか」
「マジですか! シグルドさん! やったー! あ、でも、お仕事大丈夫ですかね? 僕達、なんだかんだでお仕事休みまくってますけど」
「あーー。微妙なとこだな。移動に時間がかかるのがなぁ。お前が転移魔法使えたら気軽に帰れるんだが。まぁ、期待するだけ無駄だな」
「酷いっ! 本当のことだけど!」
「ペーター兄ちゃん、マジでへっぽこ魔法使いなんだなー」
「転移魔法はちょー難易度が高いから使えないだけですぅ!」
「ペーター兄ちゃん、魔法薬は作れんの?」
「一応作れるけど、飲み薬は激苦くなるし、塗り薬はものすごーく沁みるやつしか出来ないねぇ。何故か」
「うん。ペーター兄ちゃんの魔法薬を売り物にするのはやめるわ! そんなもん売ったら苦情がくる」
「安定のへっぽこ魔法使いだな」
「2人とも酷くないっ!? まぁ、確かに売ったら苦情きそうな代物だけどさ!?」
「ペーター。毟り終わった」
「あ、シグルドさん、早いですねー。僕もあとちょっとで終わります。終わったら、明日の朝まで保存用の小屋に置いときます。外の方が冷えるんで」
「これ、どうするんだ?」
「腸を取り出して、お腹の中に野菜と香草を突っ込んで、表面に塩と香草を擦り込んでから丸焼きにしますよー。毎年、年越しの日にしか食べられないご馳走なんです! ちょー楽しみー!」
「母ちゃんが今年はケーキを多めに作るってさ。小麦粉もバターもいっぱいだから。改めて、シグルド兄ちゃん、ありがとうございます!」
「いや。俺も食べるものだしな。母ちゃんは料理上手だな」
「素朴な疑問なんだけど、お貴族様のシグルド兄ちゃんの舌にも合うんですか?」
「ん? 素直に美味いと思うぞ。特に豆のペーストが最高だな。酒にも合う」
「へぇー」
「シグルドさんって、街の屋台とか道中の庶民的な店のものでも美味しく食べてますし、割と庶民舌なんですか?」
「あー。かもな。ていうか、18で騎士団に入団したし、休みの日には同期の奴らと飲みに行ったりしてたから、貴族形式の食事よりも庶民的な食事の方が楽しめる」
「「へぇー」」
「出来たての温かい飯をがっついて食う方が性に合ってるわ」
「僕もその方が好きですー。明日は朝早くからご馳走いっぱい作るんで、いっぱい食べましょうね!」
「お貴族様のご飯ってちょっと憧れるけど、なんかマナーとか色々気にして味が分からなそうだなー。うん。僕は一生平民生活を楽しむわー」
「ははは……来年の年越しパーティーとかが今から憂鬱……シグルドさん、フォローよろしくお願いしますー」
「おー。といっても、俺もパーティーに出るのはかなり久しぶりだからなぁ。来年の年越しもこっちに来てぇなぁ。毎日忙しいが、めちゃくちゃ気が楽」
「ですよねー。よし! おーわり」
「僕もおーわり。小屋に置いたら、明日用の野菜を採りに行こー」
「うん。多めに採っておいた方がいいよね。シグルドさん。力仕事お願いしまーす」
「あぁ。任せておけ」
ペーターは保存用の小屋に何羽もの羽を毟った鶏を置くと、2人と一緒に畑に移動した。畑には手が空いている家族が何人もいて、草むしりに精を出している。冬場でも畑に生える雑草は元気だ。収穫の合間に、頻繁に草むしりをしている。
明日のご馳走に使う野菜を収穫して、保存用の小屋にひとまず置いておくと、ペーターは裏の井戸で手を洗ってから、シグルドと2人で台所へ向かった。
ベルナや兄嫁、妹が待ち構えていたので、早速魔法で竈に火をつける。火の魔法も実はそんなに得意じゃないので、火が強くなり過ぎないように、慎重に竈の前で火力の調節をする。
シグルドは、ベルナ達と一緒にお喋りをしながら料理の下ごしらえをしている。シグルドは、ビックリする程ペーターの実家の面々と馴染んでいる。一般庶民の家の家事なんてしたことがないのに、ほんの数日で基本的なことはできるようになった。なんだか領地にいる時よりも生き生きとしている気がする。
竈の火が安定してきたので、ペーターも大量の野菜を切る手伝いをしていると、ベルナに話しかけられた。
「ペーター。午後から森に香草を採りに行くから、アンタもついてきなさいよ。シグルドさんも一緒に行くって」
「いいよー。庭に植えてるのだけじゃ足りない感じ?」
「そうなの。今年は多めにご馳走を作るからねー。散歩がてら森に行くわよー」
「母ちゃん。弓を持っていってもいいですか? 兎でもいたら、狩りたいです」
「あらまぁ! 肉が増えるのは大歓迎よ! シグルドさん! 頑張って狩ってちょうだい!」
「はい。ペーター。兎くらいなら、個人的に狩っても問題ないんだろ?」
「多分大丈夫だと思いますよー。お昼ご飯食べたら、父ちゃんに弓矢を借りて、森に行きますかー」
「香草が自生してるのは森の入り口あたりだから、あたしとペーターで香草を採ってる間にシグルドさんは兎を狩ってきてちょうだいね!」
「はい。上手く見つかるといいです」
「シグルドさん、獲物見つけるのめちゃくちゃ得意じゃないですかー。狩りに行った時に、村のベテラン達も驚いてたくらいでしたし」
「魔獣を見つけるので鍛えられているからな。普通の獣は魔獣よりも見つけやすい」
「「へぇー」」
「いや、ペーター。お前は『へぇー』じゃねぇだろ。お前だって騎士団所属だっただろうが」
「僕は『戦闘以外で余計なことをするな』と先輩から言われてましたぁ!」
「流石、へっぽこ魔法使い。ブレねぇな」
「酷いっ!」
「ペーター。アンタ、シグルドさんのお婿さんになって正解だったんじゃない? 魔法使いとしては微妙だったんでしょ? 魔獣を狩るのって危ないだろうし、あたしとしては、騎士団を辞めてもらって安心だわ」
「えー。そう?」
「母ちゃん。確かにペーターはへっぽこ魔法使いですが、意外な程肝が据わってるし努力家だから、年数が経ってへっぽこっぷりが無くなれば、隊の大きな戦力になってましたよ」
「えへっ。えへへーー! 照れます!」
「あら。そうなの? シグルドさん。まぁ、でもずっと心配してたもの。親としてはね、子供が危険な仕事をしてるのは、やっぱり心配するものなのよー」
「そういうものですか」
「そうなのよー。さて、下ごしらえおーわり。サクッと作り上げるわよー! お昼ご飯食べたら出かけるしね!」
「はぁい」
ベルナを中心に女性陣と一緒に昼食を作り上げると、畑から帰ってきた家族達と一緒に賑やかに美味しい昼食をもりもり食べた。
昼食後、ペーターは籠を背負って、弓矢を持ったシグルドとベルナと一緒に森に向かった。
ベルナと喋りながら、森の入り口あたりに自生している香草を摘んでいると、森の奥の方に行っていたシグルドが兎を片手に戻ってきた。
「母ちゃん。一匹だけですが、兎が獲れました。木の上に栗鼠がいたから、罠を持ってくればよかったです」
「あらまぁ! シグルドさん! すごいわ! ありがとう! 兎はパイにしましょうね! ふっふっふ。今年はバターがいっぱいあるから、パイもいっぱい作れるわー」
「やったー! 明日が楽しみー」
「兎のパイに使う香草もいるから、もうちょっと摘むわよ。ふふー。今年の年越しは本当に豪華になるわねー。皆、お腹いっぱい食べられるし、本当に最高だわ!」
ベルナがとても嬉しそうに笑った。
必要なだけ香草を摘んだら、家へと帰る。明日のご馳走作りの段取りを話しながらのんびり歩いていると、遊びに行っていた末っ子がやって来た。シグルドが持っている兎を見て、末っ子が『シグルド兄ちゃん、格好いいーー!』と大はしゃぎした。シグルドが照れくさそうに笑った。
末っ子にせがまれて、シグルドが末っ子を肩車した。『高い! すごい!』と末っ子が大喜びしている。
ペーターはほっこりした気分で、シグルドやベルナとお喋りしながら家へと帰った。
鶏の羽をむしむししながら、パーシーが話しかけてきた。
「ねぇ。ペーター兄ちゃん」
「なにー?」
「お貴族様の家にいた方が、楽して美味しいものが食えたんじゃないの?」
「はっはっは。お貴族様パーティーに参加させられて胃が死ぬね! ご馳走を味わうどころじゃないよー」
「うへぇ。お貴族様パーティーとか想像もできないわー」
「結婚式の後の披露パーティーとかね……本当に粗相しないかと緊張しまくって、なんも食べれなかったよ……」
「うわぁ……お気の毒……あ、そうそう。僕さー、そろそろ結婚が決まりそう」
「おー! よかったじゃない。相手は誰?」
「薬師の家のミレーラ」
「ミレーラちゃんかー。可愛いお嫁さんでいいねぇ。婿入りすんの?」
「その予定。多分、結婚式は来年の夏くらいになるかな?」
「こちらの結婚式がどんなものか見てみたいな。めでたい話だし、パーシーの結婚式に合わせて夏も帰ってくるか」
「マジですか! シグルドさん! やったー! あ、でも、お仕事大丈夫ですかね? 僕達、なんだかんだでお仕事休みまくってますけど」
「あーー。微妙なとこだな。移動に時間がかかるのがなぁ。お前が転移魔法使えたら気軽に帰れるんだが。まぁ、期待するだけ無駄だな」
「酷いっ! 本当のことだけど!」
「ペーター兄ちゃん、マジでへっぽこ魔法使いなんだなー」
「転移魔法はちょー難易度が高いから使えないだけですぅ!」
「ペーター兄ちゃん、魔法薬は作れんの?」
「一応作れるけど、飲み薬は激苦くなるし、塗り薬はものすごーく沁みるやつしか出来ないねぇ。何故か」
「うん。ペーター兄ちゃんの魔法薬を売り物にするのはやめるわ! そんなもん売ったら苦情がくる」
「安定のへっぽこ魔法使いだな」
「2人とも酷くないっ!? まぁ、確かに売ったら苦情きそうな代物だけどさ!?」
「ペーター。毟り終わった」
「あ、シグルドさん、早いですねー。僕もあとちょっとで終わります。終わったら、明日の朝まで保存用の小屋に置いときます。外の方が冷えるんで」
「これ、どうするんだ?」
「腸を取り出して、お腹の中に野菜と香草を突っ込んで、表面に塩と香草を擦り込んでから丸焼きにしますよー。毎年、年越しの日にしか食べられないご馳走なんです! ちょー楽しみー!」
「母ちゃんが今年はケーキを多めに作るってさ。小麦粉もバターもいっぱいだから。改めて、シグルド兄ちゃん、ありがとうございます!」
「いや。俺も食べるものだしな。母ちゃんは料理上手だな」
「素朴な疑問なんだけど、お貴族様のシグルド兄ちゃんの舌にも合うんですか?」
「ん? 素直に美味いと思うぞ。特に豆のペーストが最高だな。酒にも合う」
「へぇー」
「シグルドさんって、街の屋台とか道中の庶民的な店のものでも美味しく食べてますし、割と庶民舌なんですか?」
「あー。かもな。ていうか、18で騎士団に入団したし、休みの日には同期の奴らと飲みに行ったりしてたから、貴族形式の食事よりも庶民的な食事の方が楽しめる」
「「へぇー」」
「出来たての温かい飯をがっついて食う方が性に合ってるわ」
「僕もその方が好きですー。明日は朝早くからご馳走いっぱい作るんで、いっぱい食べましょうね!」
「お貴族様のご飯ってちょっと憧れるけど、なんかマナーとか色々気にして味が分からなそうだなー。うん。僕は一生平民生活を楽しむわー」
「ははは……来年の年越しパーティーとかが今から憂鬱……シグルドさん、フォローよろしくお願いしますー」
「おー。といっても、俺もパーティーに出るのはかなり久しぶりだからなぁ。来年の年越しもこっちに来てぇなぁ。毎日忙しいが、めちゃくちゃ気が楽」
「ですよねー。よし! おーわり」
「僕もおーわり。小屋に置いたら、明日用の野菜を採りに行こー」
「うん。多めに採っておいた方がいいよね。シグルドさん。力仕事お願いしまーす」
「あぁ。任せておけ」
ペーターは保存用の小屋に何羽もの羽を毟った鶏を置くと、2人と一緒に畑に移動した。畑には手が空いている家族が何人もいて、草むしりに精を出している。冬場でも畑に生える雑草は元気だ。収穫の合間に、頻繁に草むしりをしている。
明日のご馳走に使う野菜を収穫して、保存用の小屋にひとまず置いておくと、ペーターは裏の井戸で手を洗ってから、シグルドと2人で台所へ向かった。
ベルナや兄嫁、妹が待ち構えていたので、早速魔法で竈に火をつける。火の魔法も実はそんなに得意じゃないので、火が強くなり過ぎないように、慎重に竈の前で火力の調節をする。
シグルドは、ベルナ達と一緒にお喋りをしながら料理の下ごしらえをしている。シグルドは、ビックリする程ペーターの実家の面々と馴染んでいる。一般庶民の家の家事なんてしたことがないのに、ほんの数日で基本的なことはできるようになった。なんだか領地にいる時よりも生き生きとしている気がする。
竈の火が安定してきたので、ペーターも大量の野菜を切る手伝いをしていると、ベルナに話しかけられた。
「ペーター。午後から森に香草を採りに行くから、アンタもついてきなさいよ。シグルドさんも一緒に行くって」
「いいよー。庭に植えてるのだけじゃ足りない感じ?」
「そうなの。今年は多めにご馳走を作るからねー。散歩がてら森に行くわよー」
「母ちゃん。弓を持っていってもいいですか? 兎でもいたら、狩りたいです」
「あらまぁ! 肉が増えるのは大歓迎よ! シグルドさん! 頑張って狩ってちょうだい!」
「はい。ペーター。兎くらいなら、個人的に狩っても問題ないんだろ?」
「多分大丈夫だと思いますよー。お昼ご飯食べたら、父ちゃんに弓矢を借りて、森に行きますかー」
「香草が自生してるのは森の入り口あたりだから、あたしとペーターで香草を採ってる間にシグルドさんは兎を狩ってきてちょうだいね!」
「はい。上手く見つかるといいです」
「シグルドさん、獲物見つけるのめちゃくちゃ得意じゃないですかー。狩りに行った時に、村のベテラン達も驚いてたくらいでしたし」
「魔獣を見つけるので鍛えられているからな。普通の獣は魔獣よりも見つけやすい」
「「へぇー」」
「いや、ペーター。お前は『へぇー』じゃねぇだろ。お前だって騎士団所属だっただろうが」
「僕は『戦闘以外で余計なことをするな』と先輩から言われてましたぁ!」
「流石、へっぽこ魔法使い。ブレねぇな」
「酷いっ!」
「ペーター。アンタ、シグルドさんのお婿さんになって正解だったんじゃない? 魔法使いとしては微妙だったんでしょ? 魔獣を狩るのって危ないだろうし、あたしとしては、騎士団を辞めてもらって安心だわ」
「えー。そう?」
「母ちゃん。確かにペーターはへっぽこ魔法使いですが、意外な程肝が据わってるし努力家だから、年数が経ってへっぽこっぷりが無くなれば、隊の大きな戦力になってましたよ」
「えへっ。えへへーー! 照れます!」
「あら。そうなの? シグルドさん。まぁ、でもずっと心配してたもの。親としてはね、子供が危険な仕事をしてるのは、やっぱり心配するものなのよー」
「そういうものですか」
「そうなのよー。さて、下ごしらえおーわり。サクッと作り上げるわよー! お昼ご飯食べたら出かけるしね!」
「はぁい」
ベルナを中心に女性陣と一緒に昼食を作り上げると、畑から帰ってきた家族達と一緒に賑やかに美味しい昼食をもりもり食べた。
昼食後、ペーターは籠を背負って、弓矢を持ったシグルドとベルナと一緒に森に向かった。
ベルナと喋りながら、森の入り口あたりに自生している香草を摘んでいると、森の奥の方に行っていたシグルドが兎を片手に戻ってきた。
「母ちゃん。一匹だけですが、兎が獲れました。木の上に栗鼠がいたから、罠を持ってくればよかったです」
「あらまぁ! シグルドさん! すごいわ! ありがとう! 兎はパイにしましょうね! ふっふっふ。今年はバターがいっぱいあるから、パイもいっぱい作れるわー」
「やったー! 明日が楽しみー」
「兎のパイに使う香草もいるから、もうちょっと摘むわよ。ふふー。今年の年越しは本当に豪華になるわねー。皆、お腹いっぱい食べられるし、本当に最高だわ!」
ベルナがとても嬉しそうに笑った。
必要なだけ香草を摘んだら、家へと帰る。明日のご馳走作りの段取りを話しながらのんびり歩いていると、遊びに行っていた末っ子がやって来た。シグルドが持っている兎を見て、末っ子が『シグルド兄ちゃん、格好いいーー!』と大はしゃぎした。シグルドが照れくさそうに笑った。
末っ子にせがまれて、シグルドが末っ子を肩車した。『高い! すごい!』と末っ子が大喜びしている。
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