美味しく食べてね

丸井まー(旧:まー)

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美味しく食べてね

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世の中には、ごく一部に『ケーキ』『フォーク』と分類される人間がいる。『ケーキ』は先天的に『美味しい』人間で、自分が『ケーキ』であるという自覚がない。『フォーク』は後天的になるもので、味覚がなく、『ケーキ』のみを『美味しい』と感じる。『フォーク』による『ケーキ』の捕食が、たまに話題になるが、大多数を占める普通の人間には、然程関係のないことだ。今日もどこかで『ケーキ』が『フォーク』に食われているのだろうが、だからといって、多くの人々の生活に影響などない。『フォーク』に見つけられて食われた『ケーキ』は運が悪かった。ただ、それだけの話だ。



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ラザールは細心の注意を払って、暗いとある部屋に侵入した。物音を立てぬように忍び足で、部屋の住人が眠るベッドの近くに移動する。ラザールは、半分毛布に顔を埋めて眠る男ローランを見下ろし、囁くような小さな声で、眠りの魔法の呪文を唱えた。眠りの魔法がきちんと正常に発動しているかを確認する。問題がないことを確認すると、ラザールは小さく口角を上げた。これで、ローランは何が起きても魔法をとくまでは目覚めない。
 
ラザールはその場にしゃがみ込み、ベッドの上に肘をついて、じっと毛布で半分隠れたローランの寝顔を眺めた。
暗い室内でも微かに光る金髪は強めの癖っ毛で、くるくると好き勝手に巻いている。今は見えない橙色の瞳は、起きている時は、いつも少し愁いを帯びた陰りを見せる。眉間にうっすらと皺がある。ローランはいつだって気難しそうに眉間に皺を寄せているので、すっかり眉間の皺が定着しており、ぐっすり眠っている今ですら、眉間に皺が寄っている。凛々しい眉も、神経質な印象を受ける鷲鼻も、痩せてこけた頬も、すっきりとした薄い唇も、唇の右側近くにある小さな黒子も、どれもが最高に魅力的である。
ラザールは、ローランとは対照的に、真っ黒な髪と明るい水色の瞳をしている。顔立ちはそれなりに整っていて、まるで王子様みたいだと噂されたりしている。友達としても、地味なローランとは全然釣り合っていないと、直接見知らぬ人間に言われたことがある。ローラン以外の誰に何を言われても心底どうでもいいラザールは、全て聞き流している。
 
ラザールは、眠るローランの陰気だと言われがちな顔をうっとりと眺めて、小さく熱い溜め息を吐いた。なんて可愛い寝顔だろう。今すぐにでも食べてしまいたい。ラザールは、じっとローランの寝顔を見つめながら、自分の口内の左の頬肉をできるだけ大きく歯で挟み、全力で顎に力を入れ、自分の頬肉を噛み千切った。鋭い痛みと共に、口内に鉄臭い血が広がる。ラザールは、ぶつりと切れた、ぶよっとした肉の塊を舌で転がした。ラザールは口を開けずに口角を上げて、ベッドに上がった。眠るローランの身体を跨ぎ、横を向いて眠るローランの身体を優しく仰向けにしてやる。ラザールは、僅かに開いて規則正しい寝息を立てているローランの薄い唇に、そっと自分の唇を重ねた。ローランの瘦せこけた頬を両手で包み込み、口を大きく開けさせて、ラザールの血と共にラザールの肉を舌でローランの口の中へと押し込む。口を閉じさせると、無意識になのか、ローランがラザールの肉を咀嚼して、ラザールの血と共に、ラザールの肉を飲み込んだ。ほぅ、と小さくローランが息を吐いた。血の匂いがするローランの息が、ラザールの唇にかかる。ラザールは口内にじわじわと溜まり続ける血を再びローランに口移しで飲ませ、優しくローランの唇を吸ってから、伏せていた身体を起こした。自分の口に手を当てて、口内に回復魔法をかけると、抉れていた頬肉が一瞬で元に戻った。ラザールはじっとローランの寝顔を見つめながら、自分の股間をするりと撫でた。ラザールのペニスは固く勃起して、ズボンとパンツの下で酷く窮屈な思いをしている。ラザールはズボンの上からすりすりと熱く滾った自分の股間を撫で回し、ローランの寝顔を見下ろしながら、自分の血の味がする唇を舐め、ビクンッと腰を震わせて、パンツの中に射精した。ローランにラザールの精液を飲ませてやりたい。上からも。下からも。しかし、今はまだ我慢である。ローランが完全にラザールの味を覚え、虜になり、自ら求めてくるようになるまでは、ぐっと我慢だ。

ラザールはもう一度身体を伏せて、ローランの唇に触れるだけのキスをしてから、静かにベッドから下りた。物音を立てないように部屋のドアの所にまで移動し、ローランにかけた眠りの魔法をといてから、ローランの部屋を出る。
 
ラザールとローランは、魔法省の寮に住んでおり、部屋は隣同士だ。隣の自分の部屋に戻ったラザールは、部屋の中に入るなり、ズボンと精液まみれのパンツを脱ぎ捨て、未だに半勃ちの自分のペニスを掴み、立ったまま激しくペニスを擦り始めた。唇には、まだローランの意外と柔らかい唇の感触が残っている。口の中は、自分の血の味の余韻で溢れている。ラザールは、何度も何度もローランの名前を譫言のように呼びながら、腰を突き上げるようにして、勢いよく射精した。
 
ローランは『フォーク』だ。そして、ラザールの親友であり、長年の想い人でもある。ラザールもローランも男同士だが、そんなことは些事である。愛の前では、性別など小さなことだ。
 
ローランとは魔法学園の初等科で出会った。席が隣で、すぐに仲良くなり、以来20年近く親友として一緒にいる。ローランは華やかな髪色に反して、とても物静かな性格をしている。ラザールはある理由から人間不信だったから、静かに本を読むことを好み、控えめに笑い、いつだって真面目過ぎる程真面目なローランの側は、非常に心地よかった。ローランは嘘をつかないし、ラザールを傷つけない。いつだって気難しそうな顔をしているから誤解されやすいが、ローランはラザールが知る中で、一番優しい人間だ。ラザールはずっとローランが大好きだったが、10代半ばの頃に、それが恋心の方の『好き』だと自覚した。以来、ラザールはずっとローランに片思いをしている。
 
ローランは、元々は『フォーク』じゃなかった。つい半年程前に、『フォーク』になってしまった。ラザールは、ローランが『フォーク』になってしまったことに、すぐに気がついた。普通の食事の時に、変なものを食べたような顔をしたり、そのうち、どんな料理でも苦しそうに食べるようになった。ここ3ヶ月は、無理やり食べさせないと、自分から食事をしようとしなくなった。ローランは何も言わないが、間違いなく味覚が無くなっている。『フォーク』は味覚がない。唯一、『フォーク』が食べて『美味しい』と感じられるものは、『ケーキ』だけである。
ラザールは歓喜した。ローランにさえ話したことがないが、ラザールは『ケーキ』である。5歳の時に、叔父であった『フォーク』に食われそうになって判明した。幸い、腕や太腿の肉を食い千切られただけで済み、その傷はラザールの叫び声を聞いて駆けつけた父親によって治してもらえた。ラザールの父親は、叔父を屋敷の地下牢に閉じ込めた。それでも、幼心に刻み込まれた食われる恐怖は全く消えなかった。ラザールは自室に引き籠り、もっと小さな頃から身近にいた周囲の人間にさえ怯える毎日を送った。

そんなラザールを、父親はラザールが7歳になる年に、全寮制の魔法学園へと入学させた。『叔父の存在を感じない場所で、自分を守る術を身につけろ』と言われた。ラザールはローランと親友になるまで、毎日ずっと怯えていた。ローランと仲良くなり、魔法を少しずつ使えるようになって、次第にラザールの心に掬っていた食われる恐怖心は薄れていった。食われる恐怖心よりも、ローランが好きだという思いの方がどんどん大きくなっていった。
 
ローランは『フォーク』になり、元々痩せていた身体がどんどん細くなっていった。特に最近は、無理やり食べさせようとしても、中々食べようとせず、まるで緩やかに自殺をはかっているようだ。『フォーク』は『ケーキ』を求めて、『ケーキ』を食べる。つまり、人間を食べたい欲求があるということだ。そんなこと、真面目なローランには耐えられないのだろう。たとえ自分が飢えて死んでも、人の道に外れることはしたくないのだ。ローランはそういう男だ。
 
ラザールは1ヶ月程前から、夜な夜なローランの部屋に忍び込み、眠るローランに自分の血肉を食わせるようになった。ラザールは、ローランに食われたかった。ローランの唇が肌に触れ、白い歯が肌を突き破り、肉を噛み千切って、血を啜り、ラザールの肉を咀嚼して、飲み込み、ローランの飢えた心がラザールによって満たされ、ラザールがローランの血肉になっていく。最高だと思った。愛してやまないローランに食われるなんて、まさに本望である。ローランに対しては、食われる恐怖を感じない。むしろ、ラザールを食べてもらいたくて仕方がない。ローランに血の一滴も残さずに食ってもらえたら、それは最高に幸せなことである。そうすれば、ラザールはローランの血肉となり、ローランの記憶にずっと刻み込まれる。
ラザールは手始めに、こっそりローランにラザールを少しずつ食わせて、ラザールの味を覚えさせ、ラザールを求めるよう仕向けることにした。
ラザールの味を知ったからだろう。ローランは最近、益々普通の食事を取りたがらなくなった。どんどん痩せて窶れていくローランが哀れであると同時に、酷く興奮する。ローランはラザールを求めている。ラザールの味の虜になっている。
 
ある日、ついにローランが倒れた。原因は栄養失調である。ラザールは、いよいよローランに食われる時がきたと、こっそり口角を上げた。



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ラザールは瓶入りの果物のジュースを何本も買って、ローランの部屋を訪れた。倒れた日から、ローランは仕事を休んでいる。病院で栄養剤を点滴してもらい、服用するタイプの栄養剤を沢山処方されていた。
  
ラザールが部屋のドアをノックして、外から声をかけて部屋の中に入ると、ローランはベッドに横になり、虚ろな目で天井を見上げていた。まるで、これから死にゆく老人のような雰囲気である。ラザールはジュースの瓶が入った袋を小さなテーブルの上に置き、静かにベッドに腰かけた。


「よっ。ローラン。具合はどうだ。ジュースを買ってきたから、一緒に飲もうぜ」

「ラザール……ラザール。君に言わなければいけないことがある」

「ん?」

「……僕は……僕は……『フォーク』だ」


ローランが泣きそうに顔を歪めて、小さな声で苦しそうにそう言った。ラザールは、ニッと笑って手を伸ばし、ローランの癖の強い金髪をやんわりと撫でた。


「知ってる」

「え……?」

「まぁ、普通に気づいてた」


ローランが驚いたように、大きく目を見開いた。うっすらと涙が浮かんでいる橙色の瞳が、とても美しい。ラザールはじっとローランの瞳を見つめながら、身体を捻るようにして伏せ、驚いた顔をしているローランに自分の顔を近づけた。お互いの吐息がかかる程近くで、ラザールは笑みを浮かべて囁いた。


「俺ね、『ケーキ』なんだわ」


驚愕に固まるローランの唇を吸い、ラザールはローランの口内に舌を突っ込んだ。奥の方で縮こまっているローランの舌に自分の舌を擦りつけながら、唾液をローランの口の中へと流し込む。ローランの熱い舌を舐め回し、上顎を擽り、歯の裏を舌先でなぞって、歯茎や頬の肉を余すところなく舐め回す。されるがままだったローランの舌が、動き出した。ラザールの唾液をもっと求めるように、ラザールの舌に自分の舌を絡め、ラザールの口内に舌を突っ込み、技巧を何もなく、ただめちゃくちゃに舐め回してくる。ラザールはがっしりとローランに頭を両手で掴まれながら、貪るようにローランに口内を舐め回された。
 
ローランの唇の感触と、ぬるつく舌の熱さに、ゾクゾクゾクッと興奮が背を走り抜ける。ラザールは機嫌よく目を細めて、自分の口内のローランの舌に自分の舌を擦りつけた。
 
興奮してガチガチに勃起しているペニスが、地味に痛い。ラザールは夢中でローランと舌を絡めながら、ベッドに上がり、ローランの身体を跨いだ。手探りで自分のベルトを外し、ズボンのボタンを外してチャックを下げ、パンツごとズボンをずり下す。窮屈だった勃起ペニスが解放されて、ラザールはローランに舌を吸われながら、小さく喘いだ。
 
自分の頭を掴んでいる細いローランの手を握り、無理やり手を離させて、身体を起こす。熱に浮かされたような常とは違う理性を失った目をしたローランの顔を跨ぎ、ラザールはローランの口に自分のペニスを突っ込んだ。


「うぐっ」


喉の奥の方までペニスを押し込めば、ローランが苦しそうに眉間の皺を深くして呻いた。ラザールのペニスを口に咥えているローランの顔を見下ろしながら、ラザールは満面の笑みを浮かべ、ローランの口を犯すように腰を振り始めた。ローランの熱い口内のぬるつく感触が気持ちよくて堪らない。喉の奥の方を突く度に、ローランが苦しそうな声をもらし、涙を溢した。このままローランにペニスを食い千切られても構わない。興奮と快感で頭がおかしくなりそうだ。既におかしくなっているのかもしれないが。
 
ラザールは笑いながら喘ぎ、そのまま込み上げてくる射精感に抗うことなく、ローランの喉奥に叩きつけるようにして、精液を吐き出した。ローランがラザールの精液を飲み込み、その味に惹かれたのだろう。ローランがじゅうぅぅぅぅっと強く射精しているラザールのペニスを吸い、もっと精液を出させようと、ラザールのペニスの尿道口を舌先でぐりぐりと強く刺激してくる。気持ちよ過ぎてヤバい。ローランの橙色の瞳はギラギラと飢えた獣のように輝き、完全に飛んでしまっている。ラザールは笑いながら、射精したのに未だに勃ち上がったままの自分のペニスをローランの口内から引き抜いた。

少し後ろに移動すれば、ラザールの後を追うように、ローランが身体を起こした。ラザールは、荒い興奮しきった息を吐くローランを見つめて、にっこりと笑った。


「俺を食えよ。俺もお前を食う」

「ラザール……」

「俺は『美味い』だろう?」

「……『美味い』」


ラザールは満面の笑みを浮かべて、服を脱ぎ始めた。ローランの服も脱がせて、お互いに全裸になる。ローランの身体は骨が浮き、哀れになる程やせ細っていた。ラザールはローランの身体の上に頭が上下逆になるようにして伏せ、ローランにペニスを舐め回されながら、ローランのペニスを咥え、ローランの熱と味を、じっくりと味わっていた。勃起したローランのペニスは、ラザールのものとそんなに大きさが変わらない。一つ違うのは、ローランのペニスは萎えた状態だと、半分皮を被っていた。ローランのペニスの皮を優しく指で剝いてやり、皮の内側にあった恥垢をキレイに舌で舐めとってやれば、ローランのペニスはすぐに勃起した。普段皮に包まれている敏感な亀頭やカリを舐め回し、皮も使って、ペニスの先っぽの方を小刻みに手で扱く。優しく手で皮を下げて、まるっと露出した赤い亀頭を口に含んで、舌先で先走りが溢れる尿道口を優しく抉ってやる。どっと溢れていきた青臭いような先走りをじゅるじゅると啜ってやれば、ラザールの精液を欲しがるローランに、ラザールのペニスが吸われた。強烈な快感に腰が勝手に震える。逃がさないと言わんばかりにラザールの尻を強く掴んでいるローランの手の感触にも、酷く興奮する。ラザールは快感に身体を震わせながら、飲み込めるだけ深くローランのペニスを飲み込み、頬をすぼめるようにしてペニスを吸いながら、熱い竿を唇で扱いた。然程間を置かずに、唐突に青臭くて生臭い液体が勢いよくラザールの口内に飛び込んできた。その勢いに少し驚いたが、ラザールは射精しているローランのペニスから口を離さず、じゅるじゅると精液を吐き出すローランの亀頭を吸って、ローランの精液を残さず飲み干した。素直に不味い。ローランの精液は喉にからむような何とも言えない喉越しで、それが逆に興奮を煽る。
 
ラザールは射精したローランのペニスをぺろぺろと舐め回しながら、低く喘ぎ、ローランの口内にまた射精した。精液を吐き出しているペニスを、いっそ痛い程強く吸われる。最高である。口内にはローランの精液の味が満ちていて、ローランにラザールの精液を飲まれている。精液は子種の集まりだ。つまり、体内から出たとしても、それはラザールの肉体の一部であると言えよう。ラザールの肉体が、ローランに味わってもらった後に、飲み込まれていく。ラザールは、もっともっとと、欲しがるように射精を終えたペニスを吸うローランの口から、自分のペニスを引き抜いた。
 
身体を起こし、体勢を変えて、ローランと向かい合うようにローランの身体の上に跨る。ローランのペニスは射精をしても萎えていない。ラザールは、完全に飛んでいるローランの橙色の瞳を見つめながら、にっこりと笑った。
 
ローランのペニスを片手で掴み、解してもいない自分のアナルにペニスの先っぽを押し当てる。本当はアナルを解した方がいいのだが、ローランのペニスで貫かれ、肉が裂け、血が出るのもまた一興だ。痛いだろう。苦しいだろう。しかし、それは些細なことだ。愛してやまないローランのペニスを体内に受け入れ、繋がり、ラザールの体内に精液を吐き出してもらえるなんて、本当に夢のようだ。何度も何度も、数えきれないくらい、ローランに抱かれ、ローランを抱く妄想をして、自慰をしていた。アナルを弄ろうかと思ったこともあるのだが、いつかを夢見て、自分ではアナルに触れなかった。ラザールのアナルに最初に触れるのは、ローランがよかった。
 
ラザールはローランの橙色の瞳を見つめながら、一気に腰を下ろした。指すらも受け入れたことがなかったアナルが、ローランのペニスで抉じ開けられ、背中に脂汗が噴き出すほどの激痛を感じる。ラザールはあまりの痛みに叫びながら、しょろしょろとおしっこを漏らした。痛い。痛くて堪らない。圧迫感が酷く苦しくて、今にも吐いてしまいそうだ。しかし、同時に心が歓喜で沸き立っている。ラザールは生理的に溢れてきた涙を流しながら、うっとりと微笑んだ。根元近くまで、ローランのペニスがラザールのアナルに深く入っている。ローランと繋がっている。おそらく、ラザールのアナルは切れて血が出ているだろう。それでも酷く満たされて、実に最高な気分だ。ローランがギラギラと目を輝かせながら、ラザールの腰を強く掴み、痛みと興奮に震えるラザールのアナルの奥を突き上げるように、激しく腰を動かし始めた。内臓に感じる痛みと圧迫感、異物感に耐えきれなくなり、ラザールはローランに激しく揺さぶられながら、吐いた。吐瀉物がびしゃびしゃとローランの痩せた身体を汚していく。念のため、朝食を食べずにいて助かった。流石に、消化しかけの半固形物でローランを汚すのは気が引ける。身体を起こしたローランが、嘔吐いて苦痛の声を上げるラザールの身体を深く繋がったまま押し倒し、そのままガンガンと更に激しく腰を振り、吐瀉物まみれのラザールの口内に舌を突っ込んだ。ラザールは苦痛に呻きながらも、自分に覆い被さって本能の赴くままに腰を振っているローランのほっそりとした首に両腕を絡めた。両足もローランの腰に絡め、全身でローランにしがみつく。今、ラザールはローランに愛されている。ローランに食われている。幸せ過ぎてヤバい。痛くて痛くて、苦しくて堪らないが、それでもラザールは幸せの中にいた。
 
ローランが低く唸り、一際強くラザールのアナルの奥深くを突き上げ、ぐりぐりと下腹部を強くラザールの尻に押しつけた。ラザールの中で、本当に極々僅かに、ローランのペニスが震えているのを感じる。ローランがラザールの中で射精した。ラザールは満面の笑みを浮かべて、快感の余韻で呆けているローランの唇に吸いついた。
荒い息を吐きながら、ローランの唇をねっとり舐め、ラザールは唇を触れ合わせたまま、囁いた。


「ローラン。もっと食い合おう」

「ラザール」

「まだ足りないだろう? 俺が食いたいだろう?」

「……食いたい」

「ははっ。ローラン。愛してる。もっともっと俺を味わってくれ」


ラザールは満面の笑みを浮かべた。
ローランにペニスを抜いてもらい、裂けて血が出たローランの精液まみれのアナルを舐め回してもらってから、今度はラザールがローランを押し倒した。所謂ちんぐり返しの体勢にしてから、ローランのアナルを舐め回す。ローランの肉付きが薄い尻を揉みしだき、周りに少し毛が生えたアナルの皺を一枚一枚丁寧に伸ばすように優しく舌を這わせる。ラザールはローランから与えられる痛みも苦痛もばっちこい!だが、ローランに痛い思いをさせたくない。直腸に浄化魔法をかけた後で、自然とローランのアナルが柔らかく綻び、ローランの顔が快感一色になるまで、じっくりと時間をかけて、ラザールはローランのアナルを舌で味わいつつ解した。
 
ローランの顔がいい感じに卑猥に蕩け、掠れた喘ぎ声をもらし、ひくひくといやらしくアナルが大きく収縮するようになると、ラザールはローランのアナルから口を離し、掌に水魔法を発動させた。少し特殊な水魔法で、水の粘度を調節できるというものだ。下品な下ネタ大好きという職場の先輩に教えてもらった魔法である。
 
ぬるぬるの液体をまとわりつかせた指先で、くるくるとローランのアナルの表面を優しく撫で回し、ゆっくりとローランのアナルの中へと指を押し込んでいく。キツい締めつけの括約筋を通り過ぎれば、指が熱くて柔らかい腸壁に包まれていく。ラザールは思わず熱い息を吐いた。ローランの体内に指を入れてしまった。ローランの中は、狭く、熱く、柔らかい。ラザールは優しくローランを傷つけないように気をつけながら、ローランの直腸内を指で探った。特殊な水魔法を教えてくれた先輩から、男の直腸内には前立腺というものがあると聞いた。ものすごく気持ちよくなれる所らしい。ラザールは、ローランをぐちゃぐちゃになるまで気持ちよくしてやりたい。そして、ラザールを物理的に食べてもらい、心も身体も満たして欲しい。ラザールはローランの反応をじっと観察しながら、ぬこぬことローランのアナルに指を抜き差しした。
 
中指の腹が、微かな痼のようなものに触れた。瞬間、ローランが裏返った大きな声を上げ、ビクッと大きく身体を震わせた。ここが噂の前立腺なのだろう。ラザールは、じぃっと喘ぐローランを見つめながら、熱心にそこばかりを指の腹でぐりぐりと擦った。興奮しすぎてペニスが痛い。ぶっちゃけ裂けているアナルも痛いが、それは全く気にならない。はぁ、はぁ、と興奮して荒い息を吐きながら、ラザールはローランのアナルから指を引き抜き、今度は2本の揃えた指をひくつくローランのアナルに押し込んだ。
 
ローランのアナルがラザールの3本の指を飲み込み、ぬぽぬぽとスムーズに動かせるようになる頃には、ローランは啜り泣いていた。どうやら、気持ちよ過ぎるらしい。喘ぎ、泣き、何度も何度もラザールの名前を呼んでいる。
 
ラザールは納得がいくまでしっかりとローランのアナルを解すと、指を引き抜いて、高く上げさせていたローランの腰をベッドに下ろしてやった。手を伸ばしてローランの枕を取り、ローランの腰の下に枕を置いてから、ほっそりとしたローランの足を掴んで、大きく広げさせる。ローランのペニスは勃起していて、先走りで濡れててらてらといやらしく光っていた。
 
ラザールは水魔法で出したぬるぬるの液体を自分の痛いくらいに張り詰めたペニスにしっかりと塗り込み、指を1本優しくローランのアナルに突っ込んで、ぬるぬるの液体をローランの直腸内にたっぷりと入れてから、ローランのひくつくアナルに自分のペニスの先っぽを押しつけた。身体を伏せ、だらしなく開けっ放しの口から垂れ流されているローランの涎を舐めとりつつ、腰を動かして、ゆっくりとローランのアナルにペニスを押し込んでいく。キツイ括約筋を通り過ぎ、熱くぬるついた柔らかい腸壁にペニスが包まれると、快感と興奮で堪らなくなって、ラザールは少しだけ精液を漏らした。ぐっと下腹部に力を入れて、しっかりと根元近くまでペニスをローランのアナルに挿れてから、ラザールは微かに震えるローランの身体を強く抱きしめた。ラザールは、自分の口内の頬肉を歯で挟み、強く噛みしめ、頬肉を噛み千切った。慣れた鋭い痛みと鉄臭い血の匂いを感じながら、ぶよんとした肉の塊を、ローランに口移しで食べさせる。どんどん溢れてくる血も飲ませると、ローランがうっとりとした蕩けた顔で、ラザールの肉を咀嚼し、血と一緒にごくんと飲み込んだ。きゅっとアナルでペニスが締めつけられる。ラザールは血塗れの舌でローランの唇を舐め、ローランの蕩けた橙色の瞳を見つめながら、にっこりと笑った。


「美味いか?」

「美味い」

「こっちでも食おうな」

「あっ、あぁっ!」


ラザールは小刻みに腰を揺すった。ローランの顔が気持ちよさそうに歪む。大きく腰を動かし、ゆっくりと先っぽギリギリまでペニスを引き抜いて、またゆっくりと奥深くへと押し込んでいく。前立腺がある位置をカリでぐりぐりと少し強めに刺激してやれば、ローランが気持ちよさそうな声を上げ、キツくアナルでラザールのペニスを締めつけた。気持ちがよくて堪らない。暫くの間、できるだけゆっくり優しく腰を動かしていたが、ラザールはどうにも我慢ができなくなって、激しく腰を振り始めた。ローランが悲鳴のような喘ぎ声を上げながら、ラザールの首に両腕を絡め、ぎゅっとラザールに抱きついた。きゅんきゅんきゅんっとラザールの胸が高鳴る。可愛いが過ぎてヤバい。ローラン可愛い。ラザールは激しく腰を動かしながら、ぎゅっと抱きついているローランの細い身体を強く抱きしめた。ローランのアナルにずっぽり入っているペニスも熱いが、不思議と鼻の辺りも熱い。ラザールの肩に額を押しつけていたローランが顔を上げ、少しだけ身体を離して、ラザールの頬を両手で掴み、ラザールの鼻の下を舐め回した。もしかしたら、興奮し過ぎて、うっかり鼻血が出たのかもしれない。間近にある橙色の瞳は、うっとりと蕩けている。ローランがいいのなら、それでよい。ラザールはローランに鼻血を啜られながら、無我夢中で腰を振り、高まり続ける射精感に抗うことなく、ローランの直腸の奥深くに思いっきり精液をぶち撒けた。
 
ローランの身体を抱きしめて、ゆるゆると精液を全て出し切るように腰を動かした。ラザールは大きく息を吐いてから、抱きしめていたローランの身体から腕をとき、繋がったまま上体を起こした。ローランの下腹部やペニスを見れば、白い精液で汚れていた。どうやら、アナルだけでイったらしい。いやらしすぎて最高である。
 
また勃起しそうな予感しかしないが、ラザールはローランのアナルから萎えたペニスを引き抜いた。
荒い息を吐くローランはぼんやりとしていて、いつもの雰囲気とはかけ離れている。口周りが少しラザールの血で汚れている。ラザールはほんの少しだけ考えてから、ローランに眠りの魔法をかけた。すぅっとローランが眠りに落ちる。
 
眠ったローランの汗や色んな液体で汚れた身体を、全身くまなく舐めてキレイにすると、ラザールはシーツでローランの身体を包みこみ、四苦八苦しながらローランの身体を担ぎ上げ、周囲に人がいないかを確認してから、必死で歩き、隣の自分の部屋にローランを連れ込んだ。手早くお湯を沸かして、適温にしたお湯に浸けて絞った温かいタオルで、舐めてキレイにしたローランの身体を改めてキレイにしてやる。自分の楽な寝間着をローランに着せてからベッドに寝かせ、ローランの身体に毛布や掛布団をかけてから、ラザールは大きく息を吐き、へなへなと床にへたりこんだ。腰とアナルがくっそ痛い。現在進行形で脂汗が噴き出し続けている程痛い。最中は全く気にならなかったが、今はくっそ痛くて堪らない。普段ならすぐに回復魔法をかけて治す口内もズキンズキンと痛む。ラザールはのろのろと動き、なんとか頑張って回復魔法の呪文を唱えて、口内とアナルの傷を治した。自分の汚れた身体をキレイにする気力がない。というか、傷は治したがこれ以上動けない。ラザールは床に寝転がり、すぐに夢も見ない程深い眠りに落ちた。



------
ラザールが目覚めた時は、まだローランは眠っていた。眠りの魔法をかけたままなので当然である。ぐっすり寝て少しだけ体力が回復したので、ラザールは起き上がり、部屋についているシャワーで身体をキレイにして服を着てから、ローランにかけた眠りの魔法をといた。
 
ローランはすぐに目覚めた。暫くぼんやりとしていたが、ラザールがローランの名前を呼ぶと、がばっと勢いよく起き上がった。真っ青な顔でぱくぱくと口を開け閉めするローランに笑いかけ、ラザールはベッドに腰かけた。


「ローラン。おはよう」

「……ラザール……僕は、僕は、なんてことを……」

「ローラン。俺はローランが好きだ」

「……」

「ローラン。俺を食べ続けてくれ。この先一生。俺は美味しかっただろ?」

「……ダメだ……そんなこと許されない」

「ローランは俺が好きじゃない?」

「……好きだ……でも、それは親友としてで……」

「うん。今はそれでいい。安心しろ。これから全力でお前を口説くから」

「……は?」

「俺にメロメロになって、俺しか見なくなって、俺しか食べたくなくなるくらい口説く」

「……い、いやいやいやいや」

「ははっ。ローラン。色々諦めろ。俺はお前を逃がさない」


ローランが青白い顔を引き攣らせた。そんな顔も可愛いローランを見つめながら、ラザールはにっこりと笑った。何年も何年もかけて煮凝ったラザールのローランへの愛を、ローランにぶつけて、溺れさせてやろう。ラザールはローランを逃がしてやる気がない。ローランを寿命まで生かし、ラザールを食わせ続け、最後の一瞬までローランの側にいる。
 
ラザールはローランのやせ細った身体に抱きついて、固まっているローランの頬に小さく音を立ててキスをした。


「絶対にこの世で一番幸せな男にしてやるから、覚悟しておけよ」


ローランが驚いたように目を見開き、泣きそうに顔を歪めて、小さく笑った。



(おしまい)

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第二性が存在する世界。 Ωであることを隠し、平穏な学園生活を送ろうと決めていた転校生・湊。 しかし入学初日、彼の前に現れたのは―― 幼い頃に「番になろう」と言ってきた幼馴染のα・蓮だった。 成績優秀、容姿端麗、生徒から絶大な信頼を集める完璧なα。 だが湊だけが知っている。 彼が異常なほど執着深いことを。 「大丈夫、全部管理してあげる」 「君が困らないようにしてるだけだよ」 座席、時間割、交友関係、体調管理。 いつの間にか整えられていく環境。 逃げ場のない距離。 番を拒みたいΩと、手放す気のないα。 これは保護か、それとも束縛か。 閉じた学園の中で、二人の関係は静かに歪み始める――。

邪神の祭壇へ無垢な筋肉を生贄として捧ぐ

BL
鍛えられた肉体、高潔な魂―― それは選ばれし“供物”の条件。 山奥の男子校「平坂学園」で、新任教師・高尾雄一は静かに歪み始める。 見えない視線、執着する生徒、触れられる肉体。 誇り高き男は、何に屈し、何に縋るのか。 心と肉体が削がれていく“儀式”が、いま始まる。

愛してやまなかった婚約者は俺に興味がない

了承
BL
卒業パーティー。 皇子は婚約者に破棄を告げ、左腕には新しい恋人を抱いていた。 青年はただ微笑み、一枚の紙を手渡す。 皇子が目を向けた、その瞬間——。 「この瞬間だと思った。」 すべてを愛で終わらせた、沈黙の恋の物語。   IFストーリーあり 誤字あれば報告お願いします!

執着

紅林
BL
聖緋帝国の華族、瀬川凛は引っ込み思案で特に目立つこともない平凡な伯爵家の三男坊。だが、彼の婚約者は違った。帝室の血を引く高貴な公爵家の生まれであり帝国陸軍の将校として目覚しい活躍をしている男だった。

後宮の男妃

紅林
BL
碧凌帝国には年老いた名君がいた。 もう間もなくその命尽きると噂される宮殿で皇帝の寵愛を一身に受けていると噂される男妃のお話。

三十年後に届いた白い手紙

RyuChoukan
ファンタジー
三十年前、帝国は一人の少年を裏切り者として処刑した。 彼は最後まで、何も語らなかった。 その罪の真相を知る者は、ただ一人の女性だけだった。 戴冠舞踏会の夜。 公爵令嬢は、一通の白い手紙を手に、皇帝の前に立つ。 それは復讐でも、告発でもない。 三十年間、辺境の郵便局で待ち続けられていた、 「渡されなかった約束」のための手紙だった。 沈黙のまま命を捨てた男と、 三十年、ただ待ち続けた女。 そして、すべてを知った上で扉を開く、次の世代。 これは、 遅れて届いた手紙が、 人生と運命を静かに書き換えていく物語。

兄弟カフェ 〜僕達の関係は誰にも邪魔できない〜

紅夜チャンプル
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ある街にイケメン兄弟が経営するお洒落なカフェ「セプタンブル」がある。真面目で優しい兄の碧人(あおと)、明るく爽やかな弟の健人(けんと)。2人は今日も多くの女性客に素敵なひとときを提供する。 ただし‥‥家に帰った2人の本当の姿はお互いを愛し、甘い時間を過ごす兄弟であった。お店では「兄貴」「健人」と呼び合うのに対し、家では「あお兄」「ケン」と呼んでぎゅっと抱き合って眠りにつく。 そんな2人の前に現れたのは、大学生の幸成(ゆきなり)。純粋そうな彼との出会いにより兄弟の関係は‥‥?

鎖に繋がれた騎士は、敵国で皇帝の愛に囚われる

結衣可
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戦場で捕らえられた若き騎士エリアスは、牢に繋がれながらも誇りを折らず、帝国の皇帝オルフェンの瞳を惹きつける。 冷酷と畏怖で人を遠ざけてきた皇帝は、彼を望み、夜ごと逢瀬を重ねていく。 憎しみと抗いのはずが、いつしか芽生える心の揺らぎ。 誇り高き騎士が囚われたのは、冷徹な皇帝の愛。 鎖に繋がれた誇りと、独占欲に満ちた溺愛の行方は――。

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