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3:苦痛からの開放
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ガルバーンは、キリリク村に来て、ロルフと結婚して、漸く、普通に息ができるようになった。
ガルバーンは、キリリク村とは正反対の位置にある田舎の山の中にある村で生まれ育った。先祖代々、木こりをしており、ガルバーンも成人する16歳の頃には、木こりとして本格的に働き始めた。木こりをする傍ら、家の側の小さな畑を耕し、飼っている家畜の世話をしたり、狩りの季節には狩りをしたりして、細々と、でも穏やかに暮らしていた。
それが一変したのは、魔王が現れ、神託を受けたという神官が、ガルバーンの村にやって来た時からだ。ガルバーンは、神託により、勇者に選ばれた。当時、20歳だったガルバーンは、嫌だという事も許されず、王都に連れて行かれた。そこで、厳しい訓練を受けて、剣を習得し、魔王討伐の旅に出た。
魔王討伐の旅は、ひたすら過酷で、何度死にそうな目に合いかけたか分からない。仲よくなった者達を、何人も見送った。勇者だというのに、助けられなかった自分の不甲斐なさに、酷く苛立った。ガルバーンには、『勇者』がとても重く感じられた。
死に物狂いで魔王を倒した時は、心底ほっとした。これで、親しい者の死に顔を見ずに済む。生命と心をすり減らさずに済む。
しかし、王都に凱旋したガルバーンを待ち受けていたのは、貴族教育と王の娘のいずれかとの結婚だった。貴族教育を受け、貴族として恥ずかしくない振る舞いができるようになったら、姫君の誰かと結婚することが、勝手に決められていた。
ガルバーンの望みは、故郷の村に帰り、単なる木こりとして、穏やかに静かに暮らすことだった。
ガルバーンは、何度もそう王に訴えたが、王は聞く耳を持たなかった。ガルバーンは、5年耐えた。根っから粗野なガルバーンが、貴族と同じ優雅な振る舞いができるようになる筈がない。押しつけられる貴族教育を受けても、ガルバーンは少しも上達することは無かった。元々、話すのは苦手だし、貴族の婉曲的過ぎる言葉は、何を言っているのか、さっぱり分からない。教育係は何人も変わり、4年目で、やっと匙を投げられた。
王は、それでもガルバーンに娘の誰かを嫁がせようとしたが、姫君達は酷く嫌がった。ガルバーン自身も、姫君なんかと結婚するのは心底嫌だった。
木こりだったガルバーンと、蝶よ花よと大事に育てられた姫君とは、住んでいる世界がまるで違う。仮に結婚したとしても、上手くいく筈がない。
ガルバーンは、しつこい王の言葉を頑なに拒否し続けた。すると、5年目になって、ついに王も自分の娘を嫁がせることを諦めたのか、今度は、国民全員を対象とした抽選を行い、当選した者と結婚するよう命じてきた。
ガルバーンは祈った。これはチャンスだ。息苦しい王宮から出られる。ガルバーンは、その命を受け入れた。抽選した結果、国の端っこの方にある小さな村の青年と結婚することになった。相手は男だが、そんな事は些事である。ガルバーンは、とにかく、息苦しくて堪らない王宮から出たかった。
国の端っこの田舎ならば、きっと楽に息ができるようになる。故郷の村とは真逆の位置にあるので、里帰りはできないだろうが、それでもよかった。静かな場所で、穏やかに暮らせたら、それだけで十分である。
ガルバーンは、浮かれきった気分で、伴侶となる男がいるキリリク村に向かった。
伴侶となったロルフは、とても平凡な農夫だった。ガルバーンよりも3歳年下で、気の弱そうな、でも優しそうな男だった。
ロルフは、突然押しかけたガルバーンの為に、部屋を用意してくれて、粗末ながら温かい食事を作ってくれた。静かな小さな家で、2人で食べる温かい食事は、ガルバーンの荒みきった心を、随分と慰めてくれた。王宮にいた頃は、毒味だ何だと、冷めきった料理を1人で食べていた。それも、教育係の監視付きで。どれだけ豪華な食事でも、ガルバーンは王宮で食べるものを美味いと思ったことはない。
ロルフが作ってくれた温かい食事は、ガルバーンの心に、じんわりと染み渡った。
ロルフの家で暮らし始めて、結婚式も終え、ガルバーンはロルフの嫁という立場になった。重い『勇者』の肩書から開放され、ロルフの嫁として、キリリク村で生きていくことになった。
キリリク村は、同じ田舎とはいえ、故郷の村とは随分と違った。キリリク村は、その殆どが平地で、畑が多くあり、山はなく、森しか無かった。それでも、ガルバーンは、ロルフと一緒に暮らし、ロルフの手伝いをする中で、故郷の村でやっていた事を、徐々に思い出すことができた。
随分と久しぶりにやる農作業も、家畜の世話も、狩りも、家事も、楽しくて仕方がなかった。
ガルバーンは、キリリク村での生活を、心から満喫している。
冬の朝。ガルバーンは、朝日が昇る前に起き出し、家の裏の井戸で水を汲んだ。木桶に水を溜め、台所の大きな水瓶に水を入れる。王都は、水道があるし、魔導具や魔導製品が普及していて、生活にかかる労力がかなり少ないらしいが、キリリク村には水道は無いし、魔導具も魔導製品も見かけない。ガルバーンの故郷もそうだったので、特に苦には感じない。
井戸の冷たい荒縄を引っ張って、深い井戸から何度も水を汲み、台所の大きな水瓶がいっぱいになる頃に、ロルフが起きてきた。ロルフが申し訳なさそうな顔をしながら、ガルバーンにお礼を言った。
「寝過ごしてすいません。お水、ありがとうございます。助かります。あ、明日は、もっと早く起きるので、一緒にやりましょう」
「別に俺1人で構わん」
「寒いし、水が冷たいでしょう。ふ、2人でやった方が、早く終わりますし!」
「……まぁ、そうだが」
「朝ご飯を作りますね。先に卵を取ってきます。今朝は卵の雑穀粥でいいですか?」
「あぁ」
「あっ! た、足りないようなら、昨日獲ってきてくれた猪肉を焼きますけど……」
「頼む」
「はい。すぐに作りますね」
「手伝う」
「えっと……じゃあ、猪肉を切って、えーと、これとこれ、それから塩を少し、猪肉に擦り込んでおいてください」
「あぁ」
ガルバーンは、床下の貯蔵庫から猪肉の塊を取り出して、自分が食べる分とロルフが食べる分を切り分けた。ロルフは、ガルバーンよりも頭一つ分背が低い。日々、肉体労働をしているから、締まった身体つきをしているが、それでも痩せている方だと思う。きっと、貧しい暮らしをしてきたからだろう。ロルフは、そんなに量を食べない。多分、腹いっぱい食べられない時期が長かったからだと思う。
ガルバーンから見て、ロルフは少し頼りない。もう少し、太った方がいい。ガルバーンは、ロルフが食べ切れそうなくらいの猪肉を切ると、ロルフから指定された乾燥させた香草と塩を猪肉に擦りこんだ。
温かい朝食を食べると、今日も家畜の世話と農作業が待っている。今日は狩りには行かない。あまり頻繁に森の獣を狩ると、獣の数が減ってしまってよくない。
ガルバーンは、冬野菜の収穫を手伝った後、野菜を売りに行くロルフを見送った。
ロルフは、野菜を八百屋や飯屋に売るだけでなく、いつも、孤児院に無償で野菜を持っていっている。今日は、余っていた猪肉も持たせたから、孤児院の夕食が、少しだけ豪華なものになるだろう。ガルバーンは、一度だけ、野菜を売りに行くロルフについていったが、八百屋や飯屋の者達は萎縮するし、孤児院の子供達には怯えて泣かれた。ガルバーンは、一応、自分の人相が怖がられるものだと自覚しているので、それからは、ロルフについていっていない。唯、近くの街から来る商人とのやり取りは、ガルバーンがやっている。ロルフは優しく、押しに弱いので、ロルフに任せたら、安くで買い叩かれる。ガルバーンが売りに行けば、商人がビビって、それなりに高値で買ってくれるので、自分の人相の悪さも良し悪しである。
ガルバーンは、ロルフが戻ってくるまでの間、牛や山羊の世話をして過ごした。
ガルバーンは、キリリク村とは正反対の位置にある田舎の山の中にある村で生まれ育った。先祖代々、木こりをしており、ガルバーンも成人する16歳の頃には、木こりとして本格的に働き始めた。木こりをする傍ら、家の側の小さな畑を耕し、飼っている家畜の世話をしたり、狩りの季節には狩りをしたりして、細々と、でも穏やかに暮らしていた。
それが一変したのは、魔王が現れ、神託を受けたという神官が、ガルバーンの村にやって来た時からだ。ガルバーンは、神託により、勇者に選ばれた。当時、20歳だったガルバーンは、嫌だという事も許されず、王都に連れて行かれた。そこで、厳しい訓練を受けて、剣を習得し、魔王討伐の旅に出た。
魔王討伐の旅は、ひたすら過酷で、何度死にそうな目に合いかけたか分からない。仲よくなった者達を、何人も見送った。勇者だというのに、助けられなかった自分の不甲斐なさに、酷く苛立った。ガルバーンには、『勇者』がとても重く感じられた。
死に物狂いで魔王を倒した時は、心底ほっとした。これで、親しい者の死に顔を見ずに済む。生命と心をすり減らさずに済む。
しかし、王都に凱旋したガルバーンを待ち受けていたのは、貴族教育と王の娘のいずれかとの結婚だった。貴族教育を受け、貴族として恥ずかしくない振る舞いができるようになったら、姫君の誰かと結婚することが、勝手に決められていた。
ガルバーンの望みは、故郷の村に帰り、単なる木こりとして、穏やかに静かに暮らすことだった。
ガルバーンは、何度もそう王に訴えたが、王は聞く耳を持たなかった。ガルバーンは、5年耐えた。根っから粗野なガルバーンが、貴族と同じ優雅な振る舞いができるようになる筈がない。押しつけられる貴族教育を受けても、ガルバーンは少しも上達することは無かった。元々、話すのは苦手だし、貴族の婉曲的過ぎる言葉は、何を言っているのか、さっぱり分からない。教育係は何人も変わり、4年目で、やっと匙を投げられた。
王は、それでもガルバーンに娘の誰かを嫁がせようとしたが、姫君達は酷く嫌がった。ガルバーン自身も、姫君なんかと結婚するのは心底嫌だった。
木こりだったガルバーンと、蝶よ花よと大事に育てられた姫君とは、住んでいる世界がまるで違う。仮に結婚したとしても、上手くいく筈がない。
ガルバーンは、しつこい王の言葉を頑なに拒否し続けた。すると、5年目になって、ついに王も自分の娘を嫁がせることを諦めたのか、今度は、国民全員を対象とした抽選を行い、当選した者と結婚するよう命じてきた。
ガルバーンは祈った。これはチャンスだ。息苦しい王宮から出られる。ガルバーンは、その命を受け入れた。抽選した結果、国の端っこの方にある小さな村の青年と結婚することになった。相手は男だが、そんな事は些事である。ガルバーンは、とにかく、息苦しくて堪らない王宮から出たかった。
国の端っこの田舎ならば、きっと楽に息ができるようになる。故郷の村とは真逆の位置にあるので、里帰りはできないだろうが、それでもよかった。静かな場所で、穏やかに暮らせたら、それだけで十分である。
ガルバーンは、浮かれきった気分で、伴侶となる男がいるキリリク村に向かった。
伴侶となったロルフは、とても平凡な農夫だった。ガルバーンよりも3歳年下で、気の弱そうな、でも優しそうな男だった。
ロルフは、突然押しかけたガルバーンの為に、部屋を用意してくれて、粗末ながら温かい食事を作ってくれた。静かな小さな家で、2人で食べる温かい食事は、ガルバーンの荒みきった心を、随分と慰めてくれた。王宮にいた頃は、毒味だ何だと、冷めきった料理を1人で食べていた。それも、教育係の監視付きで。どれだけ豪華な食事でも、ガルバーンは王宮で食べるものを美味いと思ったことはない。
ロルフが作ってくれた温かい食事は、ガルバーンの心に、じんわりと染み渡った。
ロルフの家で暮らし始めて、結婚式も終え、ガルバーンはロルフの嫁という立場になった。重い『勇者』の肩書から開放され、ロルフの嫁として、キリリク村で生きていくことになった。
キリリク村は、同じ田舎とはいえ、故郷の村とは随分と違った。キリリク村は、その殆どが平地で、畑が多くあり、山はなく、森しか無かった。それでも、ガルバーンは、ロルフと一緒に暮らし、ロルフの手伝いをする中で、故郷の村でやっていた事を、徐々に思い出すことができた。
随分と久しぶりにやる農作業も、家畜の世話も、狩りも、家事も、楽しくて仕方がなかった。
ガルバーンは、キリリク村での生活を、心から満喫している。
冬の朝。ガルバーンは、朝日が昇る前に起き出し、家の裏の井戸で水を汲んだ。木桶に水を溜め、台所の大きな水瓶に水を入れる。王都は、水道があるし、魔導具や魔導製品が普及していて、生活にかかる労力がかなり少ないらしいが、キリリク村には水道は無いし、魔導具も魔導製品も見かけない。ガルバーンの故郷もそうだったので、特に苦には感じない。
井戸の冷たい荒縄を引っ張って、深い井戸から何度も水を汲み、台所の大きな水瓶がいっぱいになる頃に、ロルフが起きてきた。ロルフが申し訳なさそうな顔をしながら、ガルバーンにお礼を言った。
「寝過ごしてすいません。お水、ありがとうございます。助かります。あ、明日は、もっと早く起きるので、一緒にやりましょう」
「別に俺1人で構わん」
「寒いし、水が冷たいでしょう。ふ、2人でやった方が、早く終わりますし!」
「……まぁ、そうだが」
「朝ご飯を作りますね。先に卵を取ってきます。今朝は卵の雑穀粥でいいですか?」
「あぁ」
「あっ! た、足りないようなら、昨日獲ってきてくれた猪肉を焼きますけど……」
「頼む」
「はい。すぐに作りますね」
「手伝う」
「えっと……じゃあ、猪肉を切って、えーと、これとこれ、それから塩を少し、猪肉に擦り込んでおいてください」
「あぁ」
ガルバーンは、床下の貯蔵庫から猪肉の塊を取り出して、自分が食べる分とロルフが食べる分を切り分けた。ロルフは、ガルバーンよりも頭一つ分背が低い。日々、肉体労働をしているから、締まった身体つきをしているが、それでも痩せている方だと思う。きっと、貧しい暮らしをしてきたからだろう。ロルフは、そんなに量を食べない。多分、腹いっぱい食べられない時期が長かったからだと思う。
ガルバーンから見て、ロルフは少し頼りない。もう少し、太った方がいい。ガルバーンは、ロルフが食べ切れそうなくらいの猪肉を切ると、ロルフから指定された乾燥させた香草と塩を猪肉に擦りこんだ。
温かい朝食を食べると、今日も家畜の世話と農作業が待っている。今日は狩りには行かない。あまり頻繁に森の獣を狩ると、獣の数が減ってしまってよくない。
ガルバーンは、冬野菜の収穫を手伝った後、野菜を売りに行くロルフを見送った。
ロルフは、野菜を八百屋や飯屋に売るだけでなく、いつも、孤児院に無償で野菜を持っていっている。今日は、余っていた猪肉も持たせたから、孤児院の夕食が、少しだけ豪華なものになるだろう。ガルバーンは、一度だけ、野菜を売りに行くロルフについていったが、八百屋や飯屋の者達は萎縮するし、孤児院の子供達には怯えて泣かれた。ガルバーンは、一応、自分の人相が怖がられるものだと自覚しているので、それからは、ロルフについていっていない。唯、近くの街から来る商人とのやり取りは、ガルバーンがやっている。ロルフは優しく、押しに弱いので、ロルフに任せたら、安くで買い叩かれる。ガルバーンが売りに行けば、商人がビビって、それなりに高値で買ってくれるので、自分の人相の悪さも良し悪しである。
ガルバーンは、ロルフが戻ってくるまでの間、牛や山羊の世話をして過ごした。
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