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8:誕生日のお茶会
ガチガチに緊張してじんわり痛む胃のあたりを擦りながら、リードはデイビッドと並んで歩いていた。
今日はデイビッドの誕生日のお茶会の日だ。
昨夜までは楽しみでワクワクしていたのだが、今は初めてのお呼ばれで粗相をしてしまわないかと緊張しまくっている。
デイビッドの祖母への手土産は本当にこれでよかったのだろうかと、何度も鞄を撫でてしまう。
デイビッドの案内で着いた家は、こぢんまりとした二階建ての一軒家だった。
狭い庭にはたくさんの花が植えてあり、色とりどりの花々がとてもきれいだ。
リードが大きく何度も深呼吸をすると、デイビッドが可笑しそうに笑った。
「そんなに緊張しなくていいのに。気楽に楽しめよ!」
「う、うん」
「さて。ようこそ! 我が家のお茶会へ!」
「……お邪魔します」
デイビッドと一緒に家の中に入ると、柔らかい雰囲気の温かみのある内装で、とてもきれいに掃除がされていた。
すぐに散らかすちびっ子達と完全に鼬ごっこで常に散らかっているリードの家とは全く違う。
居間に通されると、奥の方から上品な老婦人がやって来た。デイビッドの祖母だ。
リードは緊張しすぎて声が上擦ったりしないよう気をつけながら挨拶をした。
「お邪魔しております。はじめまして。リード・マルティンと申します。本日はお招きいただき、ありがとうございます」
「まぁまぁ。そう固くならずに。デイビッドの祖母のマリアンナよ。よろしくね。リード君。あなたの話はデイビッドからよく聞いているのよ」
「え?」
「さて! お茶会を始めましょうね! デイビッド。お菓子を運んでちょうだい。私はとびきり美味しい珈琲を淹れるわ」
「うん。リードは座っててよ」
「あ、う、うん」
デイビッドがソファーをぽんぽんと叩いたので、おずおずとソファーに腰掛けた。
ソファーに座るのは随分と久しぶりだ。兄弟がまだ四人だった頃は、リードの家にもソファーがあった。
兄弟が増えてテーブル一つじゃ足りなくなったので、ソファーは撤去してテーブルを二つ置くようになった。
久しぶりの柔らかいソファーの座り心地がちょっと落ち着かない。
鞄からプレゼントと手土産を取り出して、なんとなくそわそわしたまま二人が戻ってくるのを待った。
ふわっと珈琲のいい匂いがしたかと思えば、お盆を持ったマリアンナとデイビッドが戻ってきた。
穏やかな優しい笑顔でカップと皿を差し出されて、リードはしどろもどろにお礼を言った。
すぐ隣にデイビッドが座り、向かい側のソファーにマリアンナが座った。
皿を見れば、とても美味しそうなパイとジャムクッキーがのっている。ソファーの間のローテーブルの真ん中には、小さめなサンドイッチがのった皿もあった。
お呼ばれの作法なんて分からなくて困惑しながらも、まずはプレゼントと手土産を渡さねば! と、隣のデイビッドにプレゼントを手渡した。
「はい。誕生日おめでとう」
「ありがとう! 好敵手よ! めちゃくちゃ大事に使う!」
「あ、うん。あと、あの……マリアンナさんによろしければ……しゅ! 趣味じゃなかったら誰かにあげてください!」
「あらまぁ。私にも? ありがとう。見てもいいかしら?」
「ど、どうぞ」
「あらぁ! 素敵なストール! なんていい色なの! 夏物ね。情熱的な季節にぴったりだわ! ありがとう。本当に嬉しいわ。大事に使わせてもらうわね」
「あ、え、あ……い、いえ! 喜んでいただけて嬉しいです」
「ふふっ。素敵なものをいただいちゃったわ。さぁ。冷めないうちに珈琲やパイをどうぞ。苺のパイなの」
「ご馳走になります」
おずおずと珈琲が注がれたカップを手に取り、一口飲んでみる。ふわっと珈琲の香ばしい匂いが鼻に抜け、心地よい苦味が口の中に広がる。
リードは自然とふわっと笑っていた。
「美味しい……前にデイビッドから水筒に入れた珈琲を飲ませてもらったことがあるんですけど、その時よりも美味しいです」
「ばあちゃんの手は魔法の手だから。珈琲を美味しく淹れられる魔法がかかってるんだよ」
「ふふっ。魔法だなんて、物語の世界のものじゃない。魔術師なのにおかしなことを言う子ね」
「いえ。本当にそう言われても納得しちゃうくらい美味しいです」
「まぁ。ありがとう。お口に合って嬉しいわ」
もう一口飲んでから、次はフォークを持って苺のパイを食べてみる。サクサクのパイ生地はバターの風味がよく、中は甘酸っぱい苺と程よい甘さの卵のクリームが入っていた。
これも本当にすっごく美味しい。まだほんのり温かいのも嬉しい。
「本当にすっごく美味しいです!」
「ばあちゃんの苺のパイは絶品って言ったろ?」
「うん。本当にすっごく美味しい! 珈琲にも合うー」
「ふふっ。よかったわ。気に入ってもらえて。デイビッドが好きだから、誕生日のお祝いの時は毎年作るのよ」
「そうなんですね。果報者だなぁ。デイビッド」
「まぁな!」
「ジャムクッキーも美味しい! 大好物なんで嬉しいです」
「甘いものだけじゃ飽きるから、サンドイッチもどうぞ。サンドイッチは俺が作った。卵のサンドイッチと、シンプルにハムとチーズのサンドイッチ」
「いただくよ。……あ、このハムすごく美味しい。どこのお店のやつ?」
「第三地区の大通りにある肉屋のハム。ちょっと高めだけど、俺が食った中では一番美味い。誕生日の楽しみの一つにしてる。誕生日は毎年二人でお茶会してるんだよ。なぁ。ばあちゃん」
「そうなの。二人で好きなものを作って、ちょっと贅沢して楽しんでるのよ。私もデイビッドもお酒を飲まないから、珈琲を楽しむの」
「……すごく素敵ですね。贅沢な時間に交ぜていただけて嬉しいです」
「デイビッドがあなたの誕生日もお茶会がしたいんですって。私も大歓迎よ! ジャムクッキー以外では、何がお好きかしら?」
「えっと……なんだろ? 好きなもの……好きなもの? ……この苺のパイは特別好きなものになりました」
「まぁ! ありがとう! んー。それじゃあ、果物だと何が好きかしら?」
「……桃? 祖母も好きで、毎年たくさん買ってジャムにしたり、タルトにしたりするんです」
「あら! 桃のタルトもいいわねぇ」
「リードも作れる? 桃のタルト」
「作れるよ。おばあちゃんといつも一緒に作ってるから」
「じゃあ、リード君は桃のタルトを作ってきてくれないかしら? 私はそうね……桃を使ったケーキを作ろうかしら」
「おぉ! いいなぁ。俺もなんか作りたい。……桃と生クリームのサンドイッチってどう思う?」
「なにそれ絶対に美味しいやつじゃない」
「いいわね! じゃあ、デイビッドは桃のサンドイッチで! あとはこのハムとチーズのサンドイッチもね」
「うん。七の月が楽しみだな!」
「ふふっ。ほんとにね。あ、珈琲のお代わりはいかが?」
「あ、是非ともいただきたいです」
「ばあちゃん。俺もー」
「はいはい。パイもクッキーもまだまだあるから、のんびりお喋りしながら楽しみましょうね」
「はい。ありがとうございます」
リードの祖母マグダラも優しいと思うが、マリアンナもすごく優しい人なんだと思う。デイビッドも優しいから、きっとマリアンナに似たのだろう。
美味しいお菓子と珈琲を楽しみながらお喋りをしていると、あっという間に一刻が過ぎていた。
楽しいと時間の経過が早く感じる。もう少しデイビッドとマリアンナとお喋りを楽しみたかったが、七の月の楽しみにとっておくことにする。
その頃には赤ちゃんが生まれているので、これが最初で最後のお茶会になるかもしれないけれど。
リードは笑顔でマリアンナにお礼を言い、デイビッドと一緒に家を出た。
魔術協会に向かいながら、リードは楽しくてふわふわしたままデイビッドに話しかけた。
「素敵なお祖母さんだね」
「まぁな。怒ると怖いけど、普段はすごく優しい」
「怒ることがあるの?」
「あるぞー。最近だと研究に没頭して四徹したら怒られた。『ちゃんと寝ないと駄目でしょう! 効率も悪くなるだけよ!』って」
「それはマリアンナさんが正しいよ」
「うん。その後爆睡したら作業効率がよくなったから、それ以降は二徹までしかしないことにしてる」
「毎日寝ろよ」
「いやー。研究が乗ってるとつい? 今日はどうだった? 楽しかった?」
「すっごく! あんなに美味しいパイや珈琲、本当に初めてだよ! 桃のタルトの自信がなくなってきたから、桃が出始めたら練習しなきゃ!」
「ははっ! リードの桃のタルトもすげぇ楽しみにしてる。今日は最高な誕生日の祝いになった。ありがとな。リード」
「こちらこそ。お茶会へ呼んでくれてありがとう。本当にすごく楽しかったよ」
デイビッドと魔術協会の前で別れると、リードは急ぎ足で家へと向かった。
本当にすごく楽しくて温かくて穏やかな時間だった。
家に帰ってからの怒涛の家事も頑張れそうだ。
祖父母に下の子達の世話を任せてしまっているから、きっと二人とも疲れているだろう。帰ったらお礼を言って、いつも通り家事をしつつ、下の子達の世話をせねば。
リードは軽やかな足取りで家へと帰った。
今日はデイビッドの誕生日のお茶会の日だ。
昨夜までは楽しみでワクワクしていたのだが、今は初めてのお呼ばれで粗相をしてしまわないかと緊張しまくっている。
デイビッドの祖母への手土産は本当にこれでよかったのだろうかと、何度も鞄を撫でてしまう。
デイビッドの案内で着いた家は、こぢんまりとした二階建ての一軒家だった。
狭い庭にはたくさんの花が植えてあり、色とりどりの花々がとてもきれいだ。
リードが大きく何度も深呼吸をすると、デイビッドが可笑しそうに笑った。
「そんなに緊張しなくていいのに。気楽に楽しめよ!」
「う、うん」
「さて。ようこそ! 我が家のお茶会へ!」
「……お邪魔します」
デイビッドと一緒に家の中に入ると、柔らかい雰囲気の温かみのある内装で、とてもきれいに掃除がされていた。
すぐに散らかすちびっ子達と完全に鼬ごっこで常に散らかっているリードの家とは全く違う。
居間に通されると、奥の方から上品な老婦人がやって来た。デイビッドの祖母だ。
リードは緊張しすぎて声が上擦ったりしないよう気をつけながら挨拶をした。
「お邪魔しております。はじめまして。リード・マルティンと申します。本日はお招きいただき、ありがとうございます」
「まぁまぁ。そう固くならずに。デイビッドの祖母のマリアンナよ。よろしくね。リード君。あなたの話はデイビッドからよく聞いているのよ」
「え?」
「さて! お茶会を始めましょうね! デイビッド。お菓子を運んでちょうだい。私はとびきり美味しい珈琲を淹れるわ」
「うん。リードは座っててよ」
「あ、う、うん」
デイビッドがソファーをぽんぽんと叩いたので、おずおずとソファーに腰掛けた。
ソファーに座るのは随分と久しぶりだ。兄弟がまだ四人だった頃は、リードの家にもソファーがあった。
兄弟が増えてテーブル一つじゃ足りなくなったので、ソファーは撤去してテーブルを二つ置くようになった。
久しぶりの柔らかいソファーの座り心地がちょっと落ち着かない。
鞄からプレゼントと手土産を取り出して、なんとなくそわそわしたまま二人が戻ってくるのを待った。
ふわっと珈琲のいい匂いがしたかと思えば、お盆を持ったマリアンナとデイビッドが戻ってきた。
穏やかな優しい笑顔でカップと皿を差し出されて、リードはしどろもどろにお礼を言った。
すぐ隣にデイビッドが座り、向かい側のソファーにマリアンナが座った。
皿を見れば、とても美味しそうなパイとジャムクッキーがのっている。ソファーの間のローテーブルの真ん中には、小さめなサンドイッチがのった皿もあった。
お呼ばれの作法なんて分からなくて困惑しながらも、まずはプレゼントと手土産を渡さねば! と、隣のデイビッドにプレゼントを手渡した。
「はい。誕生日おめでとう」
「ありがとう! 好敵手よ! めちゃくちゃ大事に使う!」
「あ、うん。あと、あの……マリアンナさんによろしければ……しゅ! 趣味じゃなかったら誰かにあげてください!」
「あらまぁ。私にも? ありがとう。見てもいいかしら?」
「ど、どうぞ」
「あらぁ! 素敵なストール! なんていい色なの! 夏物ね。情熱的な季節にぴったりだわ! ありがとう。本当に嬉しいわ。大事に使わせてもらうわね」
「あ、え、あ……い、いえ! 喜んでいただけて嬉しいです」
「ふふっ。素敵なものをいただいちゃったわ。さぁ。冷めないうちに珈琲やパイをどうぞ。苺のパイなの」
「ご馳走になります」
おずおずと珈琲が注がれたカップを手に取り、一口飲んでみる。ふわっと珈琲の香ばしい匂いが鼻に抜け、心地よい苦味が口の中に広がる。
リードは自然とふわっと笑っていた。
「美味しい……前にデイビッドから水筒に入れた珈琲を飲ませてもらったことがあるんですけど、その時よりも美味しいです」
「ばあちゃんの手は魔法の手だから。珈琲を美味しく淹れられる魔法がかかってるんだよ」
「ふふっ。魔法だなんて、物語の世界のものじゃない。魔術師なのにおかしなことを言う子ね」
「いえ。本当にそう言われても納得しちゃうくらい美味しいです」
「まぁ。ありがとう。お口に合って嬉しいわ」
もう一口飲んでから、次はフォークを持って苺のパイを食べてみる。サクサクのパイ生地はバターの風味がよく、中は甘酸っぱい苺と程よい甘さの卵のクリームが入っていた。
これも本当にすっごく美味しい。まだほんのり温かいのも嬉しい。
「本当にすっごく美味しいです!」
「ばあちゃんの苺のパイは絶品って言ったろ?」
「うん。本当にすっごく美味しい! 珈琲にも合うー」
「ふふっ。よかったわ。気に入ってもらえて。デイビッドが好きだから、誕生日のお祝いの時は毎年作るのよ」
「そうなんですね。果報者だなぁ。デイビッド」
「まぁな!」
「ジャムクッキーも美味しい! 大好物なんで嬉しいです」
「甘いものだけじゃ飽きるから、サンドイッチもどうぞ。サンドイッチは俺が作った。卵のサンドイッチと、シンプルにハムとチーズのサンドイッチ」
「いただくよ。……あ、このハムすごく美味しい。どこのお店のやつ?」
「第三地区の大通りにある肉屋のハム。ちょっと高めだけど、俺が食った中では一番美味い。誕生日の楽しみの一つにしてる。誕生日は毎年二人でお茶会してるんだよ。なぁ。ばあちゃん」
「そうなの。二人で好きなものを作って、ちょっと贅沢して楽しんでるのよ。私もデイビッドもお酒を飲まないから、珈琲を楽しむの」
「……すごく素敵ですね。贅沢な時間に交ぜていただけて嬉しいです」
「デイビッドがあなたの誕生日もお茶会がしたいんですって。私も大歓迎よ! ジャムクッキー以外では、何がお好きかしら?」
「えっと……なんだろ? 好きなもの……好きなもの? ……この苺のパイは特別好きなものになりました」
「まぁ! ありがとう! んー。それじゃあ、果物だと何が好きかしら?」
「……桃? 祖母も好きで、毎年たくさん買ってジャムにしたり、タルトにしたりするんです」
「あら! 桃のタルトもいいわねぇ」
「リードも作れる? 桃のタルト」
「作れるよ。おばあちゃんといつも一緒に作ってるから」
「じゃあ、リード君は桃のタルトを作ってきてくれないかしら? 私はそうね……桃を使ったケーキを作ろうかしら」
「おぉ! いいなぁ。俺もなんか作りたい。……桃と生クリームのサンドイッチってどう思う?」
「なにそれ絶対に美味しいやつじゃない」
「いいわね! じゃあ、デイビッドは桃のサンドイッチで! あとはこのハムとチーズのサンドイッチもね」
「うん。七の月が楽しみだな!」
「ふふっ。ほんとにね。あ、珈琲のお代わりはいかが?」
「あ、是非ともいただきたいです」
「ばあちゃん。俺もー」
「はいはい。パイもクッキーもまだまだあるから、のんびりお喋りしながら楽しみましょうね」
「はい。ありがとうございます」
リードの祖母マグダラも優しいと思うが、マリアンナもすごく優しい人なんだと思う。デイビッドも優しいから、きっとマリアンナに似たのだろう。
美味しいお菓子と珈琲を楽しみながらお喋りをしていると、あっという間に一刻が過ぎていた。
楽しいと時間の経過が早く感じる。もう少しデイビッドとマリアンナとお喋りを楽しみたかったが、七の月の楽しみにとっておくことにする。
その頃には赤ちゃんが生まれているので、これが最初で最後のお茶会になるかもしれないけれど。
リードは笑顔でマリアンナにお礼を言い、デイビッドと一緒に家を出た。
魔術協会に向かいながら、リードは楽しくてふわふわしたままデイビッドに話しかけた。
「素敵なお祖母さんだね」
「まぁな。怒ると怖いけど、普段はすごく優しい」
「怒ることがあるの?」
「あるぞー。最近だと研究に没頭して四徹したら怒られた。『ちゃんと寝ないと駄目でしょう! 効率も悪くなるだけよ!』って」
「それはマリアンナさんが正しいよ」
「うん。その後爆睡したら作業効率がよくなったから、それ以降は二徹までしかしないことにしてる」
「毎日寝ろよ」
「いやー。研究が乗ってるとつい? 今日はどうだった? 楽しかった?」
「すっごく! あんなに美味しいパイや珈琲、本当に初めてだよ! 桃のタルトの自信がなくなってきたから、桃が出始めたら練習しなきゃ!」
「ははっ! リードの桃のタルトもすげぇ楽しみにしてる。今日は最高な誕生日の祝いになった。ありがとな。リード」
「こちらこそ。お茶会へ呼んでくれてありがとう。本当にすごく楽しかったよ」
デイビッドと魔術協会の前で別れると、リードは急ぎ足で家へと向かった。
本当にすごく楽しくて温かくて穏やかな時間だった。
家に帰ってからの怒涛の家事も頑張れそうだ。
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