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27:リードの強制休暇の日
優しく肩を揺さぶられて目が覚めた。
のろのろと目を開けると、デイビッドと目が合った。
デイビッドがニッと笑い、リードの頭をやんわりと撫でた。
「昼飯の時間だ」
「……うん」
リードは小さく欠伸をしてから、起き上がった。
今日はリードの強制休暇の日である。いつも通りちびっ子達を保育所に預けて出勤したら、デイビッドが待ち構えていた。
半日の休みを頻繁にもらっているし、夜も上の兄弟で交代で寝ているから休むわけにはいかないと主張したが、さらっと流された。
事務長からも『繁忙期じゃないし、まだ顔色が悪いから顔色が戻るまでは身体優先で。しっかり寝ておいで』と言われてしまった。
十日後にはシェンリーを保育所に預けられるようになるし、あとひと踏ん張りではあるのだが、確かにちょっと疲れている。
しかし、上の兄弟達だってしっかり休めていないのに、自分だけが休むのも申し訳なくて罪悪感で胸の奥が嫌な感じにじくじくする。
罪悪感で吐きそうだが、デイビッドや事務長の厚意を無下にするのも気が引ける。
リードは大人しくデイビッドに手を引かれてデイビッドの家に行き、楽な服を借りて、すぐに寝落ちた。
美味しい昼食を食べて一緒に片付けたら、デイビッドが珈琲を淹れてくれた。『気分転換!』と言って、前日に焼いたというジャムクッキーも出してくれた。
「ばあちゃんがいればもっと美味い珈琲飲ませられたんだけどなー」
「十分美味しいよ。そういえば、今日はマリアンナさんは?」
「そうか? ばあちゃんは一昨日から友達と温泉旅行に行ってる。土産に香草茶を渡したら、すっごい喜んでたから、ばあちゃんも旅行行ってきたら? って言ったら、『それなら久しぶりにちょっと行ってこようかしら』って友達誘って行った」
「そっか。楽しんでるといいね」
「うん。最後に旅行に行ったのって俺が生まれるちょい前らしいから、楽しんでくれてるといいなー。多めに金渡しといたから思う存分贅沢してくれるといいわ」
「デイビッドはすごいなぁ」
「そうか?」
「うん。優しいし」
「十歳の時にじいちゃんが亡くなってからは、ばあちゃん一人で俺を育ててくれたし。ちょっとでも恩返しできる時はしたいだけ」
「恩返しかぁ……おばあちゃんがほぼ一人で育ててくれたから、おばあちゃんには恩返ししたい気はするけど、まぁ今の状況じゃ無理だなぁ」
「できる時にしたらいいんだよ」
「うん」
「よっし! 珈琲飲んだし昼寝すんぞー」
「ほんとに美味しかったよ」
「おっ! ありがとな!」
デイビッドが照れたように笑った。
一緒にさっと後片付けをして、デイビッドの部屋のベッドに寝転がる。
まだ夏の終わり頃で暑いのだが、ぴったりとデイビッドにくっついた。
デイビッドの体温と匂いに不思議と安心する。デイビッドが『むぎゅー』と言って、抱きしめてくれた。
「……デイビッド」
「なんだね。リードさん」
「硬いの当たってる」
「全力で無視しろ! あれだ! お年頃だからだ!」
「舐める?」
「舐めるなー。寝ろー。ちょー寝ろー」
「僕もちんちん勃ちそう」
「……ちょこっとだけ抜く?」
「抜くってなに?」
「オナニーして射精すること」
「……セックスの方がいいって言ったら困る?」
「リードさんや」
「なに?」
「なんか鼻血出そう」
「なんで!?」
「いや、なんか! こう……ぐわぁぁぁぁっとね!」
「意味が分からないよ?」
「つ、疲れてるんだから、更に疲れることをしちゃ駄目駄目なのだよ!」
「駄目かー」
温泉旅行の時にしたセックスは、ちょっと痛かったけど気持ちよかった。なにより、デイビッドに抱きしめられてすごく安心して、その時だけは本当に何もかも忘れられた。
今も罪悪感からくる胸の奥にある嫌なじくじくを一時的にでも忘れてしまいたい。よくないことだとは分かっている。無責任にデイビッドの好意を利用しているだけだ。
そんな自分が気持ち悪くて腹立たしくて反吐が出る。
リードが大人しく寝ようとデイビッドの胸元に額をくっつけると、デイビッドが優しく頭を撫で、背中を優しくぽんぽんしてきた。
「その、あの、なんだ」
「ん?」
「……ど、どうしてもしたいなら一回だけなら?」
「……したい」
「終わったら迎えに行くギリッギリまで寝ること! それが条件だ!」
「うん。デイビッド。ありがとう」
「お礼はいらない。役得だし。むしろ弱ってるお前につけ込んでる感が半端なくて、罪悪感がヤバい」
「僕は君の好意を利用してる感が半端なくて罪悪感がすっごい」
「……気持ちいいことして忘れちゃうか」
「うん。いっぱい抱きしめて」
「うん。むぎゅー!」
「ふはっ! ちょっと苦しい」
「リード。ちゅーしよ」
「ん」
デイビッドがリードの唇に何度も優しく吸いついた。舌を伸ばせば、ぬるぅっと絡めてくれる。
息が上がるまで長いキスをして、いっぱい触って舐めてもらって、いっぱい抱きしめてもらった。
ちょっと痛かったけど、不思議と安心して、リードはデイビッドが与えてくる熱と快感に溺れた。
一緒に風呂に入って、ベッドのシーツを交換すると、並んでベッドに寝転がった。
程よく疲れて眠たい。リードが小さく欠伸をすると、デイビッドがやんわりとリードを抱きしめて鼻先にキスをした。
「なんも考えずに寝ちまえー」
「うん。……デイビッド。恋をするってどんな感じ?」
「ん? んー。なんか気づいたら相手のこと考えてて、会えたらすっげぇ嬉しいし、笑顔が見れたら幸せー! みたいな?」
「ふぅん。そういうものなんだ」
「まぁ、多分恋も人それぞれなんだろうけど。起きたら桃のゼリーを食おうぜ。昨日買っておいた」
「ありがとう。デイビッド。……デイビッドへの恩返し、何がいいかな」
「ん? いらないぞ? 今こうしてるだけでも幸せー! って感じだし」
「君の幸せ、お手軽すぎない?」
「そうでもない。リードのことが好きだって認めてやるのに十年かかったしなー。今はリードのこと抱きしめられるし、感無量って感じ?」
「……そっか。我儘言っていい?」
「どんとこい!!」
「抱きしめてて。起きたらちゅーして」
「喜んで!」
リードはデイビッドに抱きしめられたまま、またすとんと寝落ちた。
リードがちょっと擽ったくて目覚めると、デイビッドがリードの顔中にキスをしていた。
唇にも何度も優しいキスをされる。なんだか頭の中がふわふわして心地いい。これはなんなのだろう。
デイビッドが『むぎゅー』と言いながらリードの身体をぎゅっと抱きしめ、ニッと笑った。
「帰る前に甘いもので元気を補給しとこうぜ!」
「うん。デイビッド」
「ん?」
「ちゅー、もっかい」
「ん!」
デイビッドがリードの唇にキスをして、照れたように、嬉しそうに笑った。
なんだか胸の奥がむずむずして、ちょっと落ち着かない。なんだろこれ? と思いながら起き上がり、デイビッドに手を引かれて台所へと移動した。
デイビッドが珈琲を淹れる様子をなんとなくくっついて眺める。珈琲のいい香りを嗅いでいると、気持ちが凪いでいく。
魔導冷蔵庫から取り出した桃のゼリーと一緒にお盆にのせて居間に行くと、並んでソファーに座った。
デイビッドが淹れてくれた珈琲もすごく美味しい。デイビッドがすぐ隣にいてくれるのもなんだか安心する。
ひんやりとした桃のゼリーの柔らかい甘さがじんわりと身体に染み込む気がした。
美味しい珈琲とゼリーを楽しみながら、ぼんやりと恋がしてみたいと思った。
デイビッドに恋ができたら、きっとすごく幸せなんじゃないかと思う。今は恋なんてしてる余裕はない。でも、いつか、下の子達がある程度大きくなったら、デイビッドと恋がしたい。
二人でデートに行って、美味しいものを食べて笑って、熱と快感を分け合って、抱きしめられながら眠れたら、それだけで幸せだと思う。
リードは隣のデイビッドをちらっと見た。
デイビッドと目が合ったかと思えば、唇に触れるだけの優しいキスをされた。
じわっと微かに顔が熱くなる。なんだろこれ……と思いながら、リードもデイビッドの唇にやんわりと吸いついた。
のろのろと目を開けると、デイビッドと目が合った。
デイビッドがニッと笑い、リードの頭をやんわりと撫でた。
「昼飯の時間だ」
「……うん」
リードは小さく欠伸をしてから、起き上がった。
今日はリードの強制休暇の日である。いつも通りちびっ子達を保育所に預けて出勤したら、デイビッドが待ち構えていた。
半日の休みを頻繁にもらっているし、夜も上の兄弟で交代で寝ているから休むわけにはいかないと主張したが、さらっと流された。
事務長からも『繁忙期じゃないし、まだ顔色が悪いから顔色が戻るまでは身体優先で。しっかり寝ておいで』と言われてしまった。
十日後にはシェンリーを保育所に預けられるようになるし、あとひと踏ん張りではあるのだが、確かにちょっと疲れている。
しかし、上の兄弟達だってしっかり休めていないのに、自分だけが休むのも申し訳なくて罪悪感で胸の奥が嫌な感じにじくじくする。
罪悪感で吐きそうだが、デイビッドや事務長の厚意を無下にするのも気が引ける。
リードは大人しくデイビッドに手を引かれてデイビッドの家に行き、楽な服を借りて、すぐに寝落ちた。
美味しい昼食を食べて一緒に片付けたら、デイビッドが珈琲を淹れてくれた。『気分転換!』と言って、前日に焼いたというジャムクッキーも出してくれた。
「ばあちゃんがいればもっと美味い珈琲飲ませられたんだけどなー」
「十分美味しいよ。そういえば、今日はマリアンナさんは?」
「そうか? ばあちゃんは一昨日から友達と温泉旅行に行ってる。土産に香草茶を渡したら、すっごい喜んでたから、ばあちゃんも旅行行ってきたら? って言ったら、『それなら久しぶりにちょっと行ってこようかしら』って友達誘って行った」
「そっか。楽しんでるといいね」
「うん。最後に旅行に行ったのって俺が生まれるちょい前らしいから、楽しんでくれてるといいなー。多めに金渡しといたから思う存分贅沢してくれるといいわ」
「デイビッドはすごいなぁ」
「そうか?」
「うん。優しいし」
「十歳の時にじいちゃんが亡くなってからは、ばあちゃん一人で俺を育ててくれたし。ちょっとでも恩返しできる時はしたいだけ」
「恩返しかぁ……おばあちゃんがほぼ一人で育ててくれたから、おばあちゃんには恩返ししたい気はするけど、まぁ今の状況じゃ無理だなぁ」
「できる時にしたらいいんだよ」
「うん」
「よっし! 珈琲飲んだし昼寝すんぞー」
「ほんとに美味しかったよ」
「おっ! ありがとな!」
デイビッドが照れたように笑った。
一緒にさっと後片付けをして、デイビッドの部屋のベッドに寝転がる。
まだ夏の終わり頃で暑いのだが、ぴったりとデイビッドにくっついた。
デイビッドの体温と匂いに不思議と安心する。デイビッドが『むぎゅー』と言って、抱きしめてくれた。
「……デイビッド」
「なんだね。リードさん」
「硬いの当たってる」
「全力で無視しろ! あれだ! お年頃だからだ!」
「舐める?」
「舐めるなー。寝ろー。ちょー寝ろー」
「僕もちんちん勃ちそう」
「……ちょこっとだけ抜く?」
「抜くってなに?」
「オナニーして射精すること」
「……セックスの方がいいって言ったら困る?」
「リードさんや」
「なに?」
「なんか鼻血出そう」
「なんで!?」
「いや、なんか! こう……ぐわぁぁぁぁっとね!」
「意味が分からないよ?」
「つ、疲れてるんだから、更に疲れることをしちゃ駄目駄目なのだよ!」
「駄目かー」
温泉旅行の時にしたセックスは、ちょっと痛かったけど気持ちよかった。なにより、デイビッドに抱きしめられてすごく安心して、その時だけは本当に何もかも忘れられた。
今も罪悪感からくる胸の奥にある嫌なじくじくを一時的にでも忘れてしまいたい。よくないことだとは分かっている。無責任にデイビッドの好意を利用しているだけだ。
そんな自分が気持ち悪くて腹立たしくて反吐が出る。
リードが大人しく寝ようとデイビッドの胸元に額をくっつけると、デイビッドが優しく頭を撫で、背中を優しくぽんぽんしてきた。
「その、あの、なんだ」
「ん?」
「……ど、どうしてもしたいなら一回だけなら?」
「……したい」
「終わったら迎えに行くギリッギリまで寝ること! それが条件だ!」
「うん。デイビッド。ありがとう」
「お礼はいらない。役得だし。むしろ弱ってるお前につけ込んでる感が半端なくて、罪悪感がヤバい」
「僕は君の好意を利用してる感が半端なくて罪悪感がすっごい」
「……気持ちいいことして忘れちゃうか」
「うん。いっぱい抱きしめて」
「うん。むぎゅー!」
「ふはっ! ちょっと苦しい」
「リード。ちゅーしよ」
「ん」
デイビッドがリードの唇に何度も優しく吸いついた。舌を伸ばせば、ぬるぅっと絡めてくれる。
息が上がるまで長いキスをして、いっぱい触って舐めてもらって、いっぱい抱きしめてもらった。
ちょっと痛かったけど、不思議と安心して、リードはデイビッドが与えてくる熱と快感に溺れた。
一緒に風呂に入って、ベッドのシーツを交換すると、並んでベッドに寝転がった。
程よく疲れて眠たい。リードが小さく欠伸をすると、デイビッドがやんわりとリードを抱きしめて鼻先にキスをした。
「なんも考えずに寝ちまえー」
「うん。……デイビッド。恋をするってどんな感じ?」
「ん? んー。なんか気づいたら相手のこと考えてて、会えたらすっげぇ嬉しいし、笑顔が見れたら幸せー! みたいな?」
「ふぅん。そういうものなんだ」
「まぁ、多分恋も人それぞれなんだろうけど。起きたら桃のゼリーを食おうぜ。昨日買っておいた」
「ありがとう。デイビッド。……デイビッドへの恩返し、何がいいかな」
「ん? いらないぞ? 今こうしてるだけでも幸せー! って感じだし」
「君の幸せ、お手軽すぎない?」
「そうでもない。リードのことが好きだって認めてやるのに十年かかったしなー。今はリードのこと抱きしめられるし、感無量って感じ?」
「……そっか。我儘言っていい?」
「どんとこい!!」
「抱きしめてて。起きたらちゅーして」
「喜んで!」
リードはデイビッドに抱きしめられたまま、またすとんと寝落ちた。
リードがちょっと擽ったくて目覚めると、デイビッドがリードの顔中にキスをしていた。
唇にも何度も優しいキスをされる。なんだか頭の中がふわふわして心地いい。これはなんなのだろう。
デイビッドが『むぎゅー』と言いながらリードの身体をぎゅっと抱きしめ、ニッと笑った。
「帰る前に甘いもので元気を補給しとこうぜ!」
「うん。デイビッド」
「ん?」
「ちゅー、もっかい」
「ん!」
デイビッドがリードの唇にキスをして、照れたように、嬉しそうに笑った。
なんだか胸の奥がむずむずして、ちょっと落ち着かない。なんだろこれ? と思いながら起き上がり、デイビッドに手を引かれて台所へと移動した。
デイビッドが珈琲を淹れる様子をなんとなくくっついて眺める。珈琲のいい香りを嗅いでいると、気持ちが凪いでいく。
魔導冷蔵庫から取り出した桃のゼリーと一緒にお盆にのせて居間に行くと、並んでソファーに座った。
デイビッドが淹れてくれた珈琲もすごく美味しい。デイビッドがすぐ隣にいてくれるのもなんだか安心する。
ひんやりとした桃のゼリーの柔らかい甘さがじんわりと身体に染み込む気がした。
美味しい珈琲とゼリーを楽しみながら、ぼんやりと恋がしてみたいと思った。
デイビッドに恋ができたら、きっとすごく幸せなんじゃないかと思う。今は恋なんてしてる余裕はない。でも、いつか、下の子達がある程度大きくなったら、デイビッドと恋がしたい。
二人でデートに行って、美味しいものを食べて笑って、熱と快感を分け合って、抱きしめられながら眠れたら、それだけで幸せだと思う。
リードは隣のデイビッドをちらっと見た。
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