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33:想いを編む
昼休憩の時間。今日も気合を入れて作った弁当を食べた後、デイビッドはちまちまと編み物をしていた。
隣では、リードが真剣な顔で黙々と編み物をしている。
あと二週間もしないうちに双子の就職試験がある。それに間に合わせるために、リードは毎日昼休憩の時に編み物をしている。
どうせならちょっと双子を驚かせたいからと、職場の自分の机に編み物セットを置いており、こうして昼休憩の時に集中してマフラー作りに勤しんでいる。
リードは手先が器用で、やることが速く、丁寧だ。マーカー用のマフラーはそろそろ出来上がりそうである。このペースなら、二人の受験の日に間に合うだろう。
デイビッドもだが、リードも集中しすぎると周りが見えなくなるタイプなので、デイビッドは頑張るリードをちらちら眺めながら、ゆるーく編み物をしている。
デイビッドまで集中してやったら、昼休憩終了の鐘が鳴っても気づかない自信がある。
それはマズいので、デイビッドがほどほどーの集中でやっている。
そろそろ昼休憩終了の鐘が鳴る時間だ。
リードに声をかけると、リードが手を止め、ふぅと息を吐いた。
「明日には出来上がりそう」
「速いなー」
「編み目おかしいとこないよね?」
「めちゃくちゃきれいだぞ。双子が喜ぶな」
「喜んでくれるといいなぁ」
「絶対に喜ぶと思うぞ」
「うん。あとちょっと頑張ろ」
「さて。そろそろ仕事に戻るか」
「うん。デイビッド。今日もありがとう」
「いえいえ。あ、そうだ。双子の就職試験が終わったら、親がいない時にでもお疲れ様パーティーしないか? モブリットも呼んで」
「いいね! 楽しそう! 皆すごく喜ぶよ!」
「また珈琲セットを持っていくな!」
「うん。ほんとにありがとう」
「じゃあ、また明日」
「うん。また明日」
当たり前のように、『また明日』と言えることがすごく嬉しい。デイビッドは軽やかな足取りで研究室の戻った。
新しい研究を始めたばかりなので、今は忙しくて堪らないわけではない。定時になると帰り支度をして研究室を出た。
魔術協会から出たタイミングで連絡用の魔導具にマリアンナから連絡があり、買い物を頼まれた。
了承してから買い物に行き、家へと帰る。
家に帰り着くと、マリアンナが笑顔で出迎えてくれた。
「おかえりなさい。ごめんなさいね。買い物お願いしちゃって」
「ただいまー。いいよいいよ。俺も食べるものだもん。ていうか、小麦粉は重いんだから俺が買いに行くって」
「いっそ配達してもらうようにしようかしら。ちょっと割高になるけど」
「いいんじゃないかな。他にも塩とか調味料系とか瓶ものとか、重い物をまとめて配達してもらったらいいんじゃない?」
「そうね。それなら買い物がだいぶ楽になるわね」
「あ、ばあちゃん。お願いがあるんだけど」
「なぁに?」
「リードに毛糸の帽子を作りたいんだ。本当は手袋がいいんだけど、まだ難易度高そうだし。毛糸の帽子はちょっとビックリさせたいから、リードには内緒にしといてよ。作り方を教えてください。先生」
「あらあら。勿論いいわよ! 何色の毛糸にするの?」
「青が好きらしいけど、双子のマフラーと色が被るし……いっそオレンジ? マフラーが黄色だし、リードの冬物のコートって確か黒だったから、色の組み合わせ的に変じゃないよね?」
「大丈夫だと思うわ。逆に帽子が青だったら微妙だから、オレンジの方がいいと思うわよ。まだお店が開いてる時間だから、サクッと毛糸玉を買いに行きましょうね」
「うん。あ、外は風が冷たいから温かくしてきて」
「えぇ。ちょっと待っててね。すぐに支度をするから」
「慌てなくていいよー」
デイビッドが買ったものを片付けていると、出かける準備をしたマリアンナがやって来た。
マリアンナと二人で手芸店に向かい、いい感じのオレンジ色の毛糸玉を見つけた。ちょっと渋めの落ち着いた色合いで、きっとリードに似合うと思う。
毛糸玉を買って家に帰り着いたら、二人て夕食を作って食べ、デイビッドが後片付けをしている間に、マリアンナには風呂に入ってもらった。
デイビッドも風呂から出ると、マリアンナの編み物教室の始まりである。
帽子の作り方を教えてもらいながら、一目一目丁寧に編んでいく。
リードが寒くないように。リードが心穏やかでいられるように。リードが心から笑えるように。
一目一目にたくさんの想いを込めながら、丁寧に少しずつ編んでいく。
「デイビッド」
「んー?」
「リード君、うちで暮らせたら素敵なのにね」
「あと六年は待たなきゃなんだよねー」
「あらあら。それまでは元気でいなきゃね」
「うん。うんと長生きしてよ。曽孫の顔は見せてあげられないけど、その分、俺とリードの笑顔をいっぱい見せるから」
「ふふっ。それだけで十分よ。……ブルックとフレアはいつ帰るのかしらね」
「さあ? 父さんも母さんも俺の中ではいない存在だしなぁ。興味もないや」
「……もし、二人が帰ってきて、リード君との交際を反対されたら、リード君を攫って逃げちゃいなさい。あなたは魔術師だし、リード君も事務経験があるから、きっとどこででも生きていけるわ」
「ばあちゃん残してどっかに行ったりしないよ。俺が邪魔だから置いていった人達の言う事なんて全部まるっと無視!! 俺はばあちゃんとリードと三人で暮らす気満々だからね! 俺の幸せには、リードだけじゃなくて、まだまだばあちゃんも必要なの!」
「そう……デイビッド。ありがとう。そうね。もし二人が帰ってきたら、すぐに追い返すわ。私達の平穏な生活に二人はいらないものね」
「うん。俺はばあちゃんとリードがいてくれたらいい」
「リード君とはどうなの? 少しは進展してるの?」
「すこーしずつ進展してる気がする! 我儘言ってくれるようになってきたし! 我儘……我儘? 本人は我儘って言ってるけど、あんま我儘って感じじゃないな。改めて考えると」
「ふふっ。いいことね。リード君は甘えるのが下手くそっぽいから、思いっきり甘やかしておあげなさい。最初のうちは戸惑うだろうけど、じわじわ慣らしていくのよ」
「うん。全力で甘やかしていくわ。リードは手先は器用なのに、なんかぶきっちょというか、自分のことを大事にするのが下手くそだから」
「そうね。誰かのために一生懸命になるのは素敵なことだけど、まずは自分自身を大事にしてあげないとね。リード君が下手くそなら、その分、あなたが大事にしてあげるといいわ。リード君は甘やかしすぎるくらいでちょうどいいのよ。そうやって大事にして甘やかしてるうちに、きっと身も心もデイビッドなしじゃ生きられなくなるからね! ふふっ。恋の駆け引きってこういうのもあるものなのよ」
「流石ばあちゃん! 搦め手作戦か! なんも考えないでただ甘やかしてるつもりだったけど、これからは遠慮なくガンガン甘やかしていくわ!」
「頑張りなさい。あなたの幸せにはリード君も必要なんでしょう?」
「うん。だって、どうしようもなく好きだから」
「若いっていいわぁ。私もそんな時期があったわねぇ」
「あ、ばあちゃん。ここまで編めたけど、どうすんの?」
「えっと、ここからはね……」
マリアンナに帽子の編み方を教えてもらいながら、またお喋りをしつつ、想いを込めて丁寧に編んでいく。
リードが喜ぶ顔が見たい。リードの笑顔が見たい。
デイビッドはそこそこ遅い時間まで、マリアンナと二人で編み物に勤しんだ。
隣では、リードが真剣な顔で黙々と編み物をしている。
あと二週間もしないうちに双子の就職試験がある。それに間に合わせるために、リードは毎日昼休憩の時に編み物をしている。
どうせならちょっと双子を驚かせたいからと、職場の自分の机に編み物セットを置いており、こうして昼休憩の時に集中してマフラー作りに勤しんでいる。
リードは手先が器用で、やることが速く、丁寧だ。マーカー用のマフラーはそろそろ出来上がりそうである。このペースなら、二人の受験の日に間に合うだろう。
デイビッドもだが、リードも集中しすぎると周りが見えなくなるタイプなので、デイビッドは頑張るリードをちらちら眺めながら、ゆるーく編み物をしている。
デイビッドまで集中してやったら、昼休憩終了の鐘が鳴っても気づかない自信がある。
それはマズいので、デイビッドがほどほどーの集中でやっている。
そろそろ昼休憩終了の鐘が鳴る時間だ。
リードに声をかけると、リードが手を止め、ふぅと息を吐いた。
「明日には出来上がりそう」
「速いなー」
「編み目おかしいとこないよね?」
「めちゃくちゃきれいだぞ。双子が喜ぶな」
「喜んでくれるといいなぁ」
「絶対に喜ぶと思うぞ」
「うん。あとちょっと頑張ろ」
「さて。そろそろ仕事に戻るか」
「うん。デイビッド。今日もありがとう」
「いえいえ。あ、そうだ。双子の就職試験が終わったら、親がいない時にでもお疲れ様パーティーしないか? モブリットも呼んで」
「いいね! 楽しそう! 皆すごく喜ぶよ!」
「また珈琲セットを持っていくな!」
「うん。ほんとにありがとう」
「じゃあ、また明日」
「うん。また明日」
当たり前のように、『また明日』と言えることがすごく嬉しい。デイビッドは軽やかな足取りで研究室の戻った。
新しい研究を始めたばかりなので、今は忙しくて堪らないわけではない。定時になると帰り支度をして研究室を出た。
魔術協会から出たタイミングで連絡用の魔導具にマリアンナから連絡があり、買い物を頼まれた。
了承してから買い物に行き、家へと帰る。
家に帰り着くと、マリアンナが笑顔で出迎えてくれた。
「おかえりなさい。ごめんなさいね。買い物お願いしちゃって」
「ただいまー。いいよいいよ。俺も食べるものだもん。ていうか、小麦粉は重いんだから俺が買いに行くって」
「いっそ配達してもらうようにしようかしら。ちょっと割高になるけど」
「いいんじゃないかな。他にも塩とか調味料系とか瓶ものとか、重い物をまとめて配達してもらったらいいんじゃない?」
「そうね。それなら買い物がだいぶ楽になるわね」
「あ、ばあちゃん。お願いがあるんだけど」
「なぁに?」
「リードに毛糸の帽子を作りたいんだ。本当は手袋がいいんだけど、まだ難易度高そうだし。毛糸の帽子はちょっとビックリさせたいから、リードには内緒にしといてよ。作り方を教えてください。先生」
「あらあら。勿論いいわよ! 何色の毛糸にするの?」
「青が好きらしいけど、双子のマフラーと色が被るし……いっそオレンジ? マフラーが黄色だし、リードの冬物のコートって確か黒だったから、色の組み合わせ的に変じゃないよね?」
「大丈夫だと思うわ。逆に帽子が青だったら微妙だから、オレンジの方がいいと思うわよ。まだお店が開いてる時間だから、サクッと毛糸玉を買いに行きましょうね」
「うん。あ、外は風が冷たいから温かくしてきて」
「えぇ。ちょっと待っててね。すぐに支度をするから」
「慌てなくていいよー」
デイビッドが買ったものを片付けていると、出かける準備をしたマリアンナがやって来た。
マリアンナと二人で手芸店に向かい、いい感じのオレンジ色の毛糸玉を見つけた。ちょっと渋めの落ち着いた色合いで、きっとリードに似合うと思う。
毛糸玉を買って家に帰り着いたら、二人て夕食を作って食べ、デイビッドが後片付けをしている間に、マリアンナには風呂に入ってもらった。
デイビッドも風呂から出ると、マリアンナの編み物教室の始まりである。
帽子の作り方を教えてもらいながら、一目一目丁寧に編んでいく。
リードが寒くないように。リードが心穏やかでいられるように。リードが心から笑えるように。
一目一目にたくさんの想いを込めながら、丁寧に少しずつ編んでいく。
「デイビッド」
「んー?」
「リード君、うちで暮らせたら素敵なのにね」
「あと六年は待たなきゃなんだよねー」
「あらあら。それまでは元気でいなきゃね」
「うん。うんと長生きしてよ。曽孫の顔は見せてあげられないけど、その分、俺とリードの笑顔をいっぱい見せるから」
「ふふっ。それだけで十分よ。……ブルックとフレアはいつ帰るのかしらね」
「さあ? 父さんも母さんも俺の中ではいない存在だしなぁ。興味もないや」
「……もし、二人が帰ってきて、リード君との交際を反対されたら、リード君を攫って逃げちゃいなさい。あなたは魔術師だし、リード君も事務経験があるから、きっとどこででも生きていけるわ」
「ばあちゃん残してどっかに行ったりしないよ。俺が邪魔だから置いていった人達の言う事なんて全部まるっと無視!! 俺はばあちゃんとリードと三人で暮らす気満々だからね! 俺の幸せには、リードだけじゃなくて、まだまだばあちゃんも必要なの!」
「そう……デイビッド。ありがとう。そうね。もし二人が帰ってきたら、すぐに追い返すわ。私達の平穏な生活に二人はいらないものね」
「うん。俺はばあちゃんとリードがいてくれたらいい」
「リード君とはどうなの? 少しは進展してるの?」
「すこーしずつ進展してる気がする! 我儘言ってくれるようになってきたし! 我儘……我儘? 本人は我儘って言ってるけど、あんま我儘って感じじゃないな。改めて考えると」
「ふふっ。いいことね。リード君は甘えるのが下手くそっぽいから、思いっきり甘やかしておあげなさい。最初のうちは戸惑うだろうけど、じわじわ慣らしていくのよ」
「うん。全力で甘やかしていくわ。リードは手先は器用なのに、なんかぶきっちょというか、自分のことを大事にするのが下手くそだから」
「そうね。誰かのために一生懸命になるのは素敵なことだけど、まずは自分自身を大事にしてあげないとね。リード君が下手くそなら、その分、あなたが大事にしてあげるといいわ。リード君は甘やかしすぎるくらいでちょうどいいのよ。そうやって大事にして甘やかしてるうちに、きっと身も心もデイビッドなしじゃ生きられなくなるからね! ふふっ。恋の駆け引きってこういうのもあるものなのよ」
「流石ばあちゃん! 搦め手作戦か! なんも考えないでただ甘やかしてるつもりだったけど、これからは遠慮なくガンガン甘やかしていくわ!」
「頑張りなさい。あなたの幸せにはリード君も必要なんでしょう?」
「うん。だって、どうしようもなく好きだから」
「若いっていいわぁ。私もそんな時期があったわねぇ」
「あ、ばあちゃん。ここまで編めたけど、どうすんの?」
「えっと、ここからはね……」
マリアンナに帽子の編み方を教えてもらいながら、またお喋りをしつつ、想いを込めて丁寧に編んでいく。
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