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40:幸せパーティー
甘い匂いが漂う台所で、シェンリーを抱っこ紐でおんぶしながらデイビッドと一緒に小さめのサンドイッチを量産していると、玄関の呼び鈴が鳴った。
うきうきしているフローラと一緒に玄関に向かえば、大荷物を抱えたモブリットが立っていた。
「新年おめでとうございます。リード先輩。フローラさん。張り切りすぎちゃいました」
「おめでとう。モブリット君。もしかして、それ全部お菓子?」
「おめでとうございます! モブリットさん! 持ちますよ」
「あ、ちょっと重いから僕が運びますよ。本当は林檎のパイとオレンジのクレープだけのつもりだったんですけど、作り始めたら楽しくなっちゃって」
にこーっと笑うモブリットから癒やしオーラが出ている気がする。
ちらっとフローラを見下ろせば、キラキラと目を輝かせていた。
一緒に居間に移動して、台所からやって来たマリアンナを紹介した。
マリアンナ指導の元作っていたお菓子もちょうど出来上がったので、マリアンナにおねだりをして珈琲を淹れてもらい、リードはちびっ子用に紅茶を淹れた。
テーブルの上はすごく美味しそうなお菓子でいっぱいだ。サンドイッチも美味しそうだし、珈琲もいい香りがする。
楽しいパーティーの始まりである。
ご機嫌なシェンリーを抱っこしたまま、マリアンナが作ってくれたジャムクッキーを頬張っていると、玄関の呼び鈴が鳴った。
もしかしたらハルトかな? と思って、そのまま玄関に向かうとハルトとリリーナだった。
「新年おめでとう。兄ちゃん」
「おめでとうございます。お義兄さん」
「おめでとう。ハルト。リリーナさん。中へどうぞ。今ね、お菓子パーティーしてるんだ」
「お菓子パーティー?」
「連休中はデイビッドとデイビッドのお祖母さんが泊まってくれてて、今日はフローラの恋人も来てるんだ」
「フローラに恋人!? 早くない!?」
「あの子も十四になったじゃない。結婚するのは成人して二年働いてからにするんだって」
「どんな男?」
「ぽちゃっとしたおっとり癒し系のすごく優しい人だよ。家事育児ばっちりの料理上手」
「ならよし。どこでそんないい人見つけてきたのさ」
「ん? 僕の後輩なんだよ。ダメ元で紹介してみたんだけど、なんかねー、いい感じ」
「フローラは安心だな」
「寒いでしょ。珈琲と紅茶、どっちがいい? デイビッドのお祖母さん、マリアンナさんが淹れてくれる珈琲はすっごく美味しいよ」
「じゃあ、珈琲で」
「私も珈琲をいただいてもいいですか? あ、ハルトさん。お土産を渡さなきゃ」
「あ、そうだった。はい。リリーナと一緒に量産したクッキー。苺と林檎のジャムクッキーと胡桃のクッキー。胡桃のクッキーはアンナが好きだろ」
「ありがとう! やった! 美味しいものが増えた!」
「リリーナと一緒に作ったから、ちゃんと美味しくできたよ」
「ありがとう。リリーナさん」
「いえ! 喜んでいただけると嬉しいです」
二人と居間に移動して、デイビッドとマリアンナ、モブリットを紹介した。
久しぶりに帰ってきたハルトとリリーナに、兄弟皆が嬉しそうな歓声を上げた。
「二人の手作りクッキー貰ったよー!」
「やったーー! ありがとう! ハルト兄ちゃん! リリーナ義姉ちゃん!」
「美味しいものが増えたーー! ありがとう!! 二人とも!」
「やったわー! うーふーふー。幸せすぎて太りそう!!」
「胡桃のクッキーだぁ! 大好き!! ありがとー!」
「ハルト兄ちゃん! 抱っこ! 抱っこ!!」
「クッキー! クッキー!」
「あ、マーカー。デービー。ちょっとおいで」
「ん? なに?」
「どしたの」
「はい。これ、ちょっと早いけど就職祝い。この鞄、かなり丈夫でものがいいんだ。中にポケットがいくつもあって整理しやすいし、通勤用に使えよ」
「わぁ! ありがとう! ハルト兄ちゃん!」
「めちゃくちゃ嬉しい! ありがとう! ハルト兄ちゃん!」
「二人ともよかったね」
「「うん!」」
ハルトから肩掛け鞄を貰った双子がすごく嬉しそうに笑っている。
ハルトとリリーナも加わって、お菓子パーティーはものすごーく賑やかになった。
しれっとハルトがモブリットを質問攻めにしているし、リリーナはマリアンナ作のお菓子を食べながらキラキラと目を輝かせて作り方を聞いている。
双子はちびっ子達を見つつ、幸せそうにがっつり食べているし、フローラはモブリットの隣に座って、一緒に『おいしー!』と笑いながら食べつつ、お喋りをしている。
ちびっ子達も嬉しそうに笑顔でたくさんのお菓子をちょっとずつ食べている。
リードはデイビッドが作ったサンドイッチを食べながら、ちらっと隣のデイビッドを見た。
デイビッドとマリアンナ達のお陰で、皆すごく幸せそうに笑っている。
リードの視線に気づいたのか、デイビッドがこちらを向いて、ニッと笑った。
「楽しいな。リード」
「うん。すっごく。デイビッド。本当にありがとう」
「礼を言われることじゃないさ。俺もすげぇ楽しいから。なんかいいな。賑やかなパーティーも。いつもはばあちゃんと二人でお茶会だから、めちゃくちゃ新鮮」
「マリアンナさん、疲れてないかな?」
「大丈夫だと思うぞー。あんだけ生き生きして楽しそうにしてるとこ見るの、ちょっと久しぶりかも。思い切ってばあちゃんも連れて連休初日から来て正解だったな。リードもがっつり寝かせられたし」
「お陰様で今年の年越しは目の下の隈がなかったよ」
「ははっ! 来年もこうして過ごせるといいな。親御さんがいたら難しいだろうけど。ていうか、親御さんに会ったら、ついついなんか言っちゃいそうだしなー。それでリード達がまたしんどい思いするのは嫌だし。俺もまだまだ大人になりきれてねぇから、絶対に嫌味とか言っちゃいそうな気がする」
「あー。まあ、大人になりきれてないのは僕もだよ。デイビッドとマリアンナさんに頼ってばっかりだし。恩返ししたいことがどんどん増えていく一方だよ」
「ん? 俺とばあちゃん的には、リードが楽しそうに笑ってたらそれで十分だぞ?」
「えー。でも、なんかこう、二人がすっごい喜んでくれるような恩返しがしたいよ」
「んーー。あ! じゃあ、リードが家を出たら、記念に三人で温泉旅行に行かないか? 旅行は流石に家を出るまでは厳しいだろうし」
「いいね! コツコツ貯金しとくよ! マリアンナさんに美味しいものをいっぱい食べてもらおう」
「夏場に行くのがいいな。かき氷食いたいし」
「美味しかったもんね。冷やし飴もいいなぁ」
「楽しみができたな!」
「うん! ほぁー。なんだろ。なんか幸せ」
「ははっ! 俺もー」
「……もしかして、僕は君がすごく好きなのかな?」
「うん。リード。そういうことは二人だけの時に言おうな? キスもできないだろー!」
「あ、うん? いや、ふと思って」
「リードさんや」
「なに?」
「後で思いっきりイチャイチャしたいです」
「なんで敬語? いいよ。僕もしたい」
「素直! やだ可愛い!」
「あれが元気になった?」
「気合で堪えてる」
「ちょー頑張れ」
「ちょー頑張る」
デイビッドと顔を見合わせて笑い、美味しい珈琲を飲んだ。
夕方になると、帰っていくハルト夫婦とモブリットを玄関先で見送り、順番に風呂に入ることになった。
お菓子と軽食をずっとだらだら食べていたので、満腹で夕食が入りそうにない。今日は晩ご飯はなしということになった。
先にフローラと一緒にシェンリーを沐浴させると、浴槽にお湯を溜め始めた。
服を着せたシェンリーを抱っこすると、フローラがリードを見上げて、にやーっと楽しそうに笑った。
「お兄ちゃん。やっとデイビッドさんが好きだって自覚したの?」
「あーー。まぁ。多分?」
「ふふっ! いいわねいいわね! 早く一緒に暮らせると素敵なのに」
「まぁ、シェンリーが初等学校に入学するまではいるよ。あと六年かな?」
「私もあと四年は家にいるし、ちびっ子達はまぁなんとかなるんじゃないかしら?」
「一番の問題は母さんかな。存在が悪影響なんだよねー」
「まぁねー。同じ女として、あぁはなりたくないわ」
「フローラがなる筈ないよ。モブリット君との子どもができたら、きっと全力で愛して大事にするよ」
「ふふっ。そうね。そうかも。モブリットさんの子どもだもんね!」
「次の修羅場が明けて落ち着いたら、双子が働き始める前にモブリット君とデートしてきたら? 家でお菓子作りもいいけど、一緒に出かけてみるのもいいかもだよ。その時はこっそりお小遣いあげるし」
「やった! ありがとう! お兄ちゃん! 修羅場が明けたらモブリットさんに都合のいい日を聞いといてよ!」
「うん。いいよー」
喋っていたらお湯がいい感じに溜まったので、マリアンナから貰った入浴剤を入れ、今日はマリアンナに一番風呂に入ってもらうべく声をかけに行った。
マリアンナがいる居間に行くと、ミアがマリアンナの肩を叩いていた。
マリアンナがとても嬉しそうに笑っている。デイビーと絵本を読んでいるデイビッドも優しい顔をしていた。
なんだか本当に幸せな一日だったな、と思いながら、リードは自然と微笑んで、マリアンナに声をかけた。
うきうきしているフローラと一緒に玄関に向かえば、大荷物を抱えたモブリットが立っていた。
「新年おめでとうございます。リード先輩。フローラさん。張り切りすぎちゃいました」
「おめでとう。モブリット君。もしかして、それ全部お菓子?」
「おめでとうございます! モブリットさん! 持ちますよ」
「あ、ちょっと重いから僕が運びますよ。本当は林檎のパイとオレンジのクレープだけのつもりだったんですけど、作り始めたら楽しくなっちゃって」
にこーっと笑うモブリットから癒やしオーラが出ている気がする。
ちらっとフローラを見下ろせば、キラキラと目を輝かせていた。
一緒に居間に移動して、台所からやって来たマリアンナを紹介した。
マリアンナ指導の元作っていたお菓子もちょうど出来上がったので、マリアンナにおねだりをして珈琲を淹れてもらい、リードはちびっ子用に紅茶を淹れた。
テーブルの上はすごく美味しそうなお菓子でいっぱいだ。サンドイッチも美味しそうだし、珈琲もいい香りがする。
楽しいパーティーの始まりである。
ご機嫌なシェンリーを抱っこしたまま、マリアンナが作ってくれたジャムクッキーを頬張っていると、玄関の呼び鈴が鳴った。
もしかしたらハルトかな? と思って、そのまま玄関に向かうとハルトとリリーナだった。
「新年おめでとう。兄ちゃん」
「おめでとうございます。お義兄さん」
「おめでとう。ハルト。リリーナさん。中へどうぞ。今ね、お菓子パーティーしてるんだ」
「お菓子パーティー?」
「連休中はデイビッドとデイビッドのお祖母さんが泊まってくれてて、今日はフローラの恋人も来てるんだ」
「フローラに恋人!? 早くない!?」
「あの子も十四になったじゃない。結婚するのは成人して二年働いてからにするんだって」
「どんな男?」
「ぽちゃっとしたおっとり癒し系のすごく優しい人だよ。家事育児ばっちりの料理上手」
「ならよし。どこでそんないい人見つけてきたのさ」
「ん? 僕の後輩なんだよ。ダメ元で紹介してみたんだけど、なんかねー、いい感じ」
「フローラは安心だな」
「寒いでしょ。珈琲と紅茶、どっちがいい? デイビッドのお祖母さん、マリアンナさんが淹れてくれる珈琲はすっごく美味しいよ」
「じゃあ、珈琲で」
「私も珈琲をいただいてもいいですか? あ、ハルトさん。お土産を渡さなきゃ」
「あ、そうだった。はい。リリーナと一緒に量産したクッキー。苺と林檎のジャムクッキーと胡桃のクッキー。胡桃のクッキーはアンナが好きだろ」
「ありがとう! やった! 美味しいものが増えた!」
「リリーナと一緒に作ったから、ちゃんと美味しくできたよ」
「ありがとう。リリーナさん」
「いえ! 喜んでいただけると嬉しいです」
二人と居間に移動して、デイビッドとマリアンナ、モブリットを紹介した。
久しぶりに帰ってきたハルトとリリーナに、兄弟皆が嬉しそうな歓声を上げた。
「二人の手作りクッキー貰ったよー!」
「やったーー! ありがとう! ハルト兄ちゃん! リリーナ義姉ちゃん!」
「美味しいものが増えたーー! ありがとう!! 二人とも!」
「やったわー! うーふーふー。幸せすぎて太りそう!!」
「胡桃のクッキーだぁ! 大好き!! ありがとー!」
「ハルト兄ちゃん! 抱っこ! 抱っこ!!」
「クッキー! クッキー!」
「あ、マーカー。デービー。ちょっとおいで」
「ん? なに?」
「どしたの」
「はい。これ、ちょっと早いけど就職祝い。この鞄、かなり丈夫でものがいいんだ。中にポケットがいくつもあって整理しやすいし、通勤用に使えよ」
「わぁ! ありがとう! ハルト兄ちゃん!」
「めちゃくちゃ嬉しい! ありがとう! ハルト兄ちゃん!」
「二人ともよかったね」
「「うん!」」
ハルトから肩掛け鞄を貰った双子がすごく嬉しそうに笑っている。
ハルトとリリーナも加わって、お菓子パーティーはものすごーく賑やかになった。
しれっとハルトがモブリットを質問攻めにしているし、リリーナはマリアンナ作のお菓子を食べながらキラキラと目を輝かせて作り方を聞いている。
双子はちびっ子達を見つつ、幸せそうにがっつり食べているし、フローラはモブリットの隣に座って、一緒に『おいしー!』と笑いながら食べつつ、お喋りをしている。
ちびっ子達も嬉しそうに笑顔でたくさんのお菓子をちょっとずつ食べている。
リードはデイビッドが作ったサンドイッチを食べながら、ちらっと隣のデイビッドを見た。
デイビッドとマリアンナ達のお陰で、皆すごく幸せそうに笑っている。
リードの視線に気づいたのか、デイビッドがこちらを向いて、ニッと笑った。
「楽しいな。リード」
「うん。すっごく。デイビッド。本当にありがとう」
「礼を言われることじゃないさ。俺もすげぇ楽しいから。なんかいいな。賑やかなパーティーも。いつもはばあちゃんと二人でお茶会だから、めちゃくちゃ新鮮」
「マリアンナさん、疲れてないかな?」
「大丈夫だと思うぞー。あんだけ生き生きして楽しそうにしてるとこ見るの、ちょっと久しぶりかも。思い切ってばあちゃんも連れて連休初日から来て正解だったな。リードもがっつり寝かせられたし」
「お陰様で今年の年越しは目の下の隈がなかったよ」
「ははっ! 来年もこうして過ごせるといいな。親御さんがいたら難しいだろうけど。ていうか、親御さんに会ったら、ついついなんか言っちゃいそうだしなー。それでリード達がまたしんどい思いするのは嫌だし。俺もまだまだ大人になりきれてねぇから、絶対に嫌味とか言っちゃいそうな気がする」
「あー。まあ、大人になりきれてないのは僕もだよ。デイビッドとマリアンナさんに頼ってばっかりだし。恩返ししたいことがどんどん増えていく一方だよ」
「ん? 俺とばあちゃん的には、リードが楽しそうに笑ってたらそれで十分だぞ?」
「えー。でも、なんかこう、二人がすっごい喜んでくれるような恩返しがしたいよ」
「んーー。あ! じゃあ、リードが家を出たら、記念に三人で温泉旅行に行かないか? 旅行は流石に家を出るまでは厳しいだろうし」
「いいね! コツコツ貯金しとくよ! マリアンナさんに美味しいものをいっぱい食べてもらおう」
「夏場に行くのがいいな。かき氷食いたいし」
「美味しかったもんね。冷やし飴もいいなぁ」
「楽しみができたな!」
「うん! ほぁー。なんだろ。なんか幸せ」
「ははっ! 俺もー」
「……もしかして、僕は君がすごく好きなのかな?」
「うん。リード。そういうことは二人だけの時に言おうな? キスもできないだろー!」
「あ、うん? いや、ふと思って」
「リードさんや」
「なに?」
「後で思いっきりイチャイチャしたいです」
「なんで敬語? いいよ。僕もしたい」
「素直! やだ可愛い!」
「あれが元気になった?」
「気合で堪えてる」
「ちょー頑張れ」
「ちょー頑張る」
デイビッドと顔を見合わせて笑い、美味しい珈琲を飲んだ。
夕方になると、帰っていくハルト夫婦とモブリットを玄関先で見送り、順番に風呂に入ることになった。
お菓子と軽食をずっとだらだら食べていたので、満腹で夕食が入りそうにない。今日は晩ご飯はなしということになった。
先にフローラと一緒にシェンリーを沐浴させると、浴槽にお湯を溜め始めた。
服を着せたシェンリーを抱っこすると、フローラがリードを見上げて、にやーっと楽しそうに笑った。
「お兄ちゃん。やっとデイビッドさんが好きだって自覚したの?」
「あーー。まぁ。多分?」
「ふふっ! いいわねいいわね! 早く一緒に暮らせると素敵なのに」
「まぁ、シェンリーが初等学校に入学するまではいるよ。あと六年かな?」
「私もあと四年は家にいるし、ちびっ子達はまぁなんとかなるんじゃないかしら?」
「一番の問題は母さんかな。存在が悪影響なんだよねー」
「まぁねー。同じ女として、あぁはなりたくないわ」
「フローラがなる筈ないよ。モブリット君との子どもができたら、きっと全力で愛して大事にするよ」
「ふふっ。そうね。そうかも。モブリットさんの子どもだもんね!」
「次の修羅場が明けて落ち着いたら、双子が働き始める前にモブリット君とデートしてきたら? 家でお菓子作りもいいけど、一緒に出かけてみるのもいいかもだよ。その時はこっそりお小遣いあげるし」
「やった! ありがとう! お兄ちゃん! 修羅場が明けたらモブリットさんに都合のいい日を聞いといてよ!」
「うん。いいよー」
喋っていたらお湯がいい感じに溜まったので、マリアンナから貰った入浴剤を入れ、今日はマリアンナに一番風呂に入ってもらうべく声をかけに行った。
マリアンナがいる居間に行くと、ミアがマリアンナの肩を叩いていた。
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