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41:悶々
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祥平は、読んでいた本をパタンと閉じて、頭の中にダンテの肉体美溢れる裸体を思い浮かべた。
「……うん。全くムラムラしねぇな」
祥平が読んでいた本は、先日、神殿に行った時にパラスから貰った男同士のセックスの仕方が書いてあるものだ。読んでみて、へえー、とは思っても、ダンテとセックスをする想像はできないし、ダンテの裸を思い浮かべてみても、まるでムラムラしない。ペニスもピクリとも反応しない。
ダンテが任務に出かけて、10日程経っている。久しぶりに自室で1人で寝ている。すっかり慣れたダンテの温もりと汗混じりの体臭が無いと、なんか違和感があって、ちょっと寝付きが悪い。
ダンテとは、ピクニックに行った森の泉の中で、触れるだけのキスはした。マジ無理ーって感じではなかったが、積極的に頻繁にキスをしたいとは思わない。男同士のセックスの仕方を知っても、ダンテとセックスがしたいとは思わない。
祥平は、だらしなく寝転がっていた状態から起き上がり、シーツの上に胡座をかいて座った。腕を組み、改めて、考えてみる。
ダンテのことは好きだ。それは間違いない。好きだと言われて、素直に嬉しかった。相手は男だが、ダンテだしなぁ、で、自分の中ではアリ判定になっている。ズリネタにされても、別に嫌でもない。だが、祥平がダンテをズリネタにできるかというと、そうでもない。ダンテの美しい裸体を思い浮かべても、羨ましいと思うだけで、ペニスは全く反応しない。
恋愛的な意味の愛には、性欲も伴うものだと思うのだが、いっそ清々しい程、ダンテとセックスがしたいと思わない。今、ダンテに対して抱いている好意は、何なのか。友愛というには、濃い気がするが、恋愛というには、薄い気がする。家族愛は、ぶっちゃけ祥平には、感覚的にいまいち分からない。
祥平は、ぼーっと男同士のセックスの仕方が書いてある本の挿絵を眺めた。男同士ならば、当然アナルセックスになる。アナルセックスは、エロ漫画で読むのは割と好きだったが、リアルでは、かなり抵抗があった。というのも、エロ漫画でアナルセックスを初めて読んだ時、好奇心で、アダルトサイトで動画を検索してみた。結果、ガチもののスカトロアダルトビデオが検索ヒットされてしまった。それをうっかり観ちゃった祥平は、それ以来、リアルなアナルセックスに対して、結構な拒否感を持ってしまった。エロ漫画なら、アナルセックスどんとこーい! だが、リアルは駄目だ。リアルは。
この国は、少数派ではあるが、同性同士での恋愛や結婚が認められているし、別に周囲から白い目で見られたりもしない。同性同士のセックスの為の便利グッズも、花街にある店で普通に売られているそうだ。
男同士の場合だと、座薬タイプの浄化剤というものとローションが必須となる。浄化剤は、アナルの中に入れると、それだけで、直腸内をキレイにしてくれるらしい。アナルを舐めても大丈夫なレベルでキレイになる便利アイテムなのだそうだ。
仮に、ダンテとセックスがしたいと思うようになるとする。そうなったら、どっちが挿れるのだろうか。祥平が抱くには、ダンテは体格がデカ過ぎて、かなり厳しいものがある。かといって、ダンテのペニスは、萎えていても太くて長くてデカかったので、自分のアナルに突っ込まれるのも抵抗がある。多分、あんなサイズのうんこなんかしたことが無いと思う。それくらい、ダンテのペニスは、体格相応にデカかった。ダンテに抱かれようと思えば、アナルを頑張って拡張するしかない。が、そこまでして、セックスがしたいとは、現段階では全く思わない。
ダンテのことは好きだ。キスをしてもいいくらいには好きだ。だが、それ以上の性的行為やセックスをしたいとは思わない。祥平は、むぅと唇を尖らせた。
焦って、無理矢理ダンテを性的に見ようとする必要は無いし、今抱いている好意を進化? させる必要も無いのだが、なんだかこう……ちょっと自分自身にもやっとしてしまう。
ダンテとピエリーと、ずっと一緒に暮らせたらいいなぁと思っている。2人と一匹で、美味しいものを食べて、何気ないことで笑いあって、寄り添って眠って。そんな日々が続くのは、多分きっと幸せなんじゃないかと思う。できることなら、そんな日々を過ごしていきたい。が、長い目で考えると、そういう生活をしようと思えば、やはり結婚するというのが一番無難なのである。
祥平は、『神様からの贈り人』だ。今は、ダンテと熱烈な恋人のフリをしているから、特に声をかけられたりとかはしていないが、神殿に住んでいるドーラには、主に貴族から、お茶会や見合いをしないかというお誘いの手紙が、今年になって、わんさか届くようになったらしい。ドーラは今年で16歳になる。結婚適齢期になるまで、あと2年もあるが、『神様からの贈り人』と縁を持ちたい貴族は、本当に多いのだろう。ドーラは、いつも元気で明るくて可愛いから、神殿を訪れる患者達にも人気があるみたいだ。中には、恋文を渡してくる者もいるのだと聞いている。
特定の相手がいない『神様からの贈り人』は、一部例外を除いて、とにかくモテるらしい。なので、今のような穏やかな生活を続けようと思ったら、わりかし早めにダンテと結婚するのが、一番いいのだと思う。が、結婚をしようにも、結婚後の夜の夫婦生活、すなわちセックスができる気がしない。セックス関連のことを、ダンテに任せていたら、ものすごーーーーーーく時間がかかる上に、大惨事になる予感しかしない。だって、初でチェリーボーイなダンテだし。
ダンテは、祥平の足でオナニーしちゃったらしいので、祥平のことを性的にも見れるのだろう。いっそのこと、ダンテが押し倒してくれたら、勢いでなんとかなりそうな気もするが、いつもおっとりのほほんと笑っている初なチェリーボーイが、そんなことしてくる筈もない。
祥平は、あーと意味のない声を上げながら、ゴロンと寝転がった。祥平1人のことではないので、今後のことを考えるのなら、ダンテと一緒に考えた方がいいのだろう。だが、相手は初なチェリーボーイ。セックス方面に関しては、祥平がしっかりと知識を身につけて、リードしてやるくらいじゃないと、多分何年経っても進展しない気がする。
清らかな結婚でもいいような気もしないでもないが、どうせ結婚するのなら、セックスだってしたい。祥平だって、まだギリギリ30代前半だ。性欲は普通にある。ダンテに性的興奮をしないのが、一番の問題だ。
祥平は、意味もなくゴロンゴロンとシーツの上を転がりながら、今、ピエリーがいてくれたらいいのにと思った。悶々と考え過ぎて、なんか疲れてきた。切実に癒やしが欲しい。ピエリーだけじゃなくて、できたら、ダンテもセットがいい。ダンテの温もりがあれば、ごちゃごちゃ考えずに、すやぁと快眠できると思う。
祥平は、転がるのをやめ、自分の枕に顔を埋めた。焦る必要の無いことなのに、何故か焦っている自分がいる。ダンテを本当に愛せるのか分からないが、できることなら、愛せるようになりたいと思う。ダンテを愛して、ダンテに愛されたら、ずっと祥平の心に絡みついている足枷のようなものが吹き飛んで、消えてなくなるんじゃないかと期待している。ただ、足枷を無くしたいから、ダンテを愛したいのではない。それは確かだ。ダンテとピエリーと寄り添って生きていきたいから、ダンテを愛したい。
愛するってなんか難しい。祥平は、疲れた溜め息を吐いて、今夜も1人寂しく寝た。
「……うん。全くムラムラしねぇな」
祥平が読んでいた本は、先日、神殿に行った時にパラスから貰った男同士のセックスの仕方が書いてあるものだ。読んでみて、へえー、とは思っても、ダンテとセックスをする想像はできないし、ダンテの裸を思い浮かべてみても、まるでムラムラしない。ペニスもピクリとも反応しない。
ダンテが任務に出かけて、10日程経っている。久しぶりに自室で1人で寝ている。すっかり慣れたダンテの温もりと汗混じりの体臭が無いと、なんか違和感があって、ちょっと寝付きが悪い。
ダンテとは、ピクニックに行った森の泉の中で、触れるだけのキスはした。マジ無理ーって感じではなかったが、積極的に頻繁にキスをしたいとは思わない。男同士のセックスの仕方を知っても、ダンテとセックスがしたいとは思わない。
祥平は、だらしなく寝転がっていた状態から起き上がり、シーツの上に胡座をかいて座った。腕を組み、改めて、考えてみる。
ダンテのことは好きだ。それは間違いない。好きだと言われて、素直に嬉しかった。相手は男だが、ダンテだしなぁ、で、自分の中ではアリ判定になっている。ズリネタにされても、別に嫌でもない。だが、祥平がダンテをズリネタにできるかというと、そうでもない。ダンテの美しい裸体を思い浮かべても、羨ましいと思うだけで、ペニスは全く反応しない。
恋愛的な意味の愛には、性欲も伴うものだと思うのだが、いっそ清々しい程、ダンテとセックスがしたいと思わない。今、ダンテに対して抱いている好意は、何なのか。友愛というには、濃い気がするが、恋愛というには、薄い気がする。家族愛は、ぶっちゃけ祥平には、感覚的にいまいち分からない。
祥平は、ぼーっと男同士のセックスの仕方が書いてある本の挿絵を眺めた。男同士ならば、当然アナルセックスになる。アナルセックスは、エロ漫画で読むのは割と好きだったが、リアルでは、かなり抵抗があった。というのも、エロ漫画でアナルセックスを初めて読んだ時、好奇心で、アダルトサイトで動画を検索してみた。結果、ガチもののスカトロアダルトビデオが検索ヒットされてしまった。それをうっかり観ちゃった祥平は、それ以来、リアルなアナルセックスに対して、結構な拒否感を持ってしまった。エロ漫画なら、アナルセックスどんとこーい! だが、リアルは駄目だ。リアルは。
この国は、少数派ではあるが、同性同士での恋愛や結婚が認められているし、別に周囲から白い目で見られたりもしない。同性同士のセックスの為の便利グッズも、花街にある店で普通に売られているそうだ。
男同士の場合だと、座薬タイプの浄化剤というものとローションが必須となる。浄化剤は、アナルの中に入れると、それだけで、直腸内をキレイにしてくれるらしい。アナルを舐めても大丈夫なレベルでキレイになる便利アイテムなのだそうだ。
仮に、ダンテとセックスがしたいと思うようになるとする。そうなったら、どっちが挿れるのだろうか。祥平が抱くには、ダンテは体格がデカ過ぎて、かなり厳しいものがある。かといって、ダンテのペニスは、萎えていても太くて長くてデカかったので、自分のアナルに突っ込まれるのも抵抗がある。多分、あんなサイズのうんこなんかしたことが無いと思う。それくらい、ダンテのペニスは、体格相応にデカかった。ダンテに抱かれようと思えば、アナルを頑張って拡張するしかない。が、そこまでして、セックスがしたいとは、現段階では全く思わない。
ダンテのことは好きだ。キスをしてもいいくらいには好きだ。だが、それ以上の性的行為やセックスをしたいとは思わない。祥平は、むぅと唇を尖らせた。
焦って、無理矢理ダンテを性的に見ようとする必要は無いし、今抱いている好意を進化? させる必要も無いのだが、なんだかこう……ちょっと自分自身にもやっとしてしまう。
ダンテとピエリーと、ずっと一緒に暮らせたらいいなぁと思っている。2人と一匹で、美味しいものを食べて、何気ないことで笑いあって、寄り添って眠って。そんな日々が続くのは、多分きっと幸せなんじゃないかと思う。できることなら、そんな日々を過ごしていきたい。が、長い目で考えると、そういう生活をしようと思えば、やはり結婚するというのが一番無難なのである。
祥平は、『神様からの贈り人』だ。今は、ダンテと熱烈な恋人のフリをしているから、特に声をかけられたりとかはしていないが、神殿に住んでいるドーラには、主に貴族から、お茶会や見合いをしないかというお誘いの手紙が、今年になって、わんさか届くようになったらしい。ドーラは今年で16歳になる。結婚適齢期になるまで、あと2年もあるが、『神様からの贈り人』と縁を持ちたい貴族は、本当に多いのだろう。ドーラは、いつも元気で明るくて可愛いから、神殿を訪れる患者達にも人気があるみたいだ。中には、恋文を渡してくる者もいるのだと聞いている。
特定の相手がいない『神様からの贈り人』は、一部例外を除いて、とにかくモテるらしい。なので、今のような穏やかな生活を続けようと思ったら、わりかし早めにダンテと結婚するのが、一番いいのだと思う。が、結婚をしようにも、結婚後の夜の夫婦生活、すなわちセックスができる気がしない。セックス関連のことを、ダンテに任せていたら、ものすごーーーーーーく時間がかかる上に、大惨事になる予感しかしない。だって、初でチェリーボーイなダンテだし。
ダンテは、祥平の足でオナニーしちゃったらしいので、祥平のことを性的にも見れるのだろう。いっそのこと、ダンテが押し倒してくれたら、勢いでなんとかなりそうな気もするが、いつもおっとりのほほんと笑っている初なチェリーボーイが、そんなことしてくる筈もない。
祥平は、あーと意味のない声を上げながら、ゴロンと寝転がった。祥平1人のことではないので、今後のことを考えるのなら、ダンテと一緒に考えた方がいいのだろう。だが、相手は初なチェリーボーイ。セックス方面に関しては、祥平がしっかりと知識を身につけて、リードしてやるくらいじゃないと、多分何年経っても進展しない気がする。
清らかな結婚でもいいような気もしないでもないが、どうせ結婚するのなら、セックスだってしたい。祥平だって、まだギリギリ30代前半だ。性欲は普通にある。ダンテに性的興奮をしないのが、一番の問題だ。
祥平は、意味もなくゴロンゴロンとシーツの上を転がりながら、今、ピエリーがいてくれたらいいのにと思った。悶々と考え過ぎて、なんか疲れてきた。切実に癒やしが欲しい。ピエリーだけじゃなくて、できたら、ダンテもセットがいい。ダンテの温もりがあれば、ごちゃごちゃ考えずに、すやぁと快眠できると思う。
祥平は、転がるのをやめ、自分の枕に顔を埋めた。焦る必要の無いことなのに、何故か焦っている自分がいる。ダンテを本当に愛せるのか分からないが、できることなら、愛せるようになりたいと思う。ダンテを愛して、ダンテに愛されたら、ずっと祥平の心に絡みついている足枷のようなものが吹き飛んで、消えてなくなるんじゃないかと期待している。ただ、足枷を無くしたいから、ダンテを愛したいのではない。それは確かだ。ダンテとピエリーと寄り添って生きていきたいから、ダンテを愛したい。
愛するってなんか難しい。祥平は、疲れた溜め息を吐いて、今夜も1人寂しく寝た。
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