75 / 78
75:愛し愛される家族がいる幸せ
しおりを挟む
冬華祭の7日前。
今日は、ドーラの結婚式だ。ドーラは、20歳になり、無事に上級治癒魔法士の資格試験に合格して、神殿の医務室で、治癒魔法士として本格的に働き始めたばかりである。ドーラの結婚相手は、同じく神殿の医務室で働く治癒魔法士で、柔和な顔立ちをした、穏やかで優しい男だ。1年間、恋人として過ごし、ドーラが無事に上級治癒魔法士になれたので、結婚するということになった。
ダンテと結婚して4年。何度か、ちょっとした喧嘩はしたけれど、2人と一匹で、仲良く穏やかに暮らせている。ダンテが任務で不在の時は、祥平は、医務室の受付で働いている。受付の仕事は、それなりに忙しいが、寂しさが紛れるので、かなり助かっている。
祥平は、ピエリーを肩に乗せて、ダンテと一緒に、大広間の近くの個室に向かった。部屋のドアをノックすれば、すぐに部屋のドアが開いた。ドーラの結婚相手のリーガルが、穏やかな笑みで中に入れてくれた。リーガルの鮮やかな青色の髪と同じ色のアオザイもどきを着たドーラは、本当にキレイだった。化粧もして、長い髪を結い上げたドーラは、すっかり大人の女性になっている。
祥平は、なんだか感極まって、じわぁっと涙が滲んできた。ハンカチで目を押さえていると、ドーラがすぐ近くにやって来て、呆れた顔をした。
「もう! 泣くのは早いわよ! ショーヘイ!」
「だってぇ。ドーラちゃん。本当にキレイだよ。うっ、うっ、あんなにお転婆だったのに、大人になったねぇ……」
「うわ、本気で泣き出した。ダンテさん。どうにかしてよ」
「まぁまぁ。ショーヘイは嬉しいだけだから。本当にキレイだよ。ドーラちゃん。ちょっと早いけど、ご結婚おめでとう。家族が増えるね」
「ありがとう! そのうち、甥っ子姪っ子の顔を見せるから、楽しみにしてて!」
「うぇぇぇぇ……ドーラちゃーん! 誰よりも幸せになるんだよーー!」
「落ち着きなさいよ。ショーヘイ。家族が増えるだけでしょ。別に、どっか遠くに嫁ぐ訳でないし」
「…………それもそうか」
「あ、泣きやんだ」
「リーガル君!」
「はい」
「ドーラちゃんをよろしく! ドーラちゃんは俺達の妹だから、君も今日から俺達の弟ってことで!」
「はい。よろしくお願いしますね」
「ショーヘイ。ちょっと顔を洗った方がいいかも。鼻水がね」
「うげっ。ちょっと顔を洗ってきます。あ、ドーラちゃん。多分、そろそろお祖父ちゃん達とミミーナさんが顔見に来るだろうから」
「分かったわ」
「結婚式で泣いちゃったらどうしよ……」
「もう泣いたじゃない」
「間違いなくキリバさんは泣くから、まぁいいか。俺だけじゃないし」
「ショーヘイ」
「んー?」
「あのね、私、ショーヘイが来るまで、ずっと寂しかったの。キリバさんもニー先生達も、皆、優しかったわ。でも、ずっと、ずっと、寂しくて、この世界にいるのが怖くて堪らなかった」
「…………」
「ショーヘイのお陰なのよ。この世界を好きになれたの。『選択の日』に治癒魔法士になるって決めたのは、本当は、なんとなくだったの。この世界でやりたいことなんか無くて、とりあえず選んでみたってだけ。でも、ショーヘイが、いつだって一生懸命応援してくれて、『ドーラちゃんなら優しい治癒魔法士になれるよ』って言ってくれて。だから、本気で治癒魔法士になりたいって思えたの。ショーヘイ。大好きよ。これからも、側で見守っていて」
「ドーラちゃん……」
「まぁ、弟が増えるけど、ショーヘイの妹の座は私だけのものだし? 末っ子なんだから、これから先もずーーーーっと! 甘やかしてよね!」
「……ははっ。ドーラちゃん。俺もドーラちゃんが本当に大好きだよ。なんせ、可愛い妹だからね。……ドーラちゃんのお陰で、俺はこの世界で前を向いて歩けるようになった。ずっと欲しかった『温かい家族』がいっぱいできた。ドーラちゃん。これからもよろしくね。一緒に笑って生きていこう。俺達、『家族』だから」
祥平は、やんわりとドーラを抱き締めた。ドーラが小さく鼻を啜って、囁いた。
「大好きよ。お兄ちゃん」
「俺もだよ。ドーラちゃん」
祥平は、また涙がこみ上げてきて、ぐっと奥歯を噛み締めて、涙を堪えた。
祥平は、ダンテと2人で部屋を出て、トイレに寄って顔を洗った。大広間に向かいながら、ダンテが、祥平の手を優しく握った。ダンテを見上げれば、ダンテがおっとりと笑った。
「ドーラちゃんは、誰よりも幸せになれるから大丈夫。なんたって、ショーヘイの妹だもの」
「……ははっ。そうですね」
「家族がどんどん増えるね」
「はい。すごく嬉しいです」
「ショーヘイ。愛してるよ。心から。ずっと一緒に生きて、老後は、太っちょとハゲと美人なピエリーと3人でのんびり暮らそうね」
「ははっ! 太っちょとハゲは確定ですか。……ダンテさん。俺も貴方を愛してます。今なら、胸張って叫べますよ」
「叫ばれるのは、嬉しいけど恥ずかしいなぁ」
「ダンテさんを好きになれたお陰で、大事な人がいっぱい増えました。俺は、特別なことなんか無いけど、すごく、すごく、幸せです」
「私も、すごく幸せ」
「これからも、俺と幸せであり続ける努力をしてくれませんか?」
「勿論。ショーヘイが嫌だって言っても、絶対にするよ」
「ははっ! 嫌だなんて言いませんよ。……一緒に、幸せに歳をとっていきましょうか」
「うん。私が太っちょになっても引かないでね」
「太っちょのダンテさんも可愛いから問題無いですね。『可愛い』の権化だし」
「あははっ。またそれ言ってる」
祥平は、ダンテと顔を見合わせて、へらっと笑った。
ドーラの結婚式では、また感極まって、ガチ泣きしてしまった。えぐえぐ泣く祥平の肩を、ダンテがずっと抱いていてくれた。
ドーラがいてくれたから、異世界に来ちゃっても、絶望せずに済んだ。ダンテがいてくれたから、この世界を好きになれた。ミミーナやパラス、ニー達がいてくれたから、ずっと心に絡みついていた足枷を取っ払って、心から人を愛する勇気が出た。
祥平は、血の繋がりなんて無いけど、大事な大事な家族ができた。
大いに盛り上がったパーティーの後。昨年、家政婦を引退したミミーナも一緒に、3人と一匹で、のんびり茜色に染まる丘を下りる。
「素敵な結婚式でしたわねぇ。ショーヘイがあんまり泣くから、私もつられて泣いちゃったわ」
「いやー。お恥ずかしい。だって、感極まっちゃったんですもん」
「ははっ! ドーラちゃんは妹だからしょうがないね。初めて会った時は、まだ幼さが残る女の子だったのに、あっという間に大人の女性になっちゃったね」
「本当に。とてもキレイになって。嬉しい限りですわ」
「うぅ……思い出したら、また泣いちゃいそう」
「あらあら。まぁまぁ。泣くのは、帰ってからにしてちょうだいな。つられて泣いちゃうじゃない」
「ずずっ……がんばります……」
「ははっ! 帰ったら胸を貸すよ。ショーヘイ」
「ちょー借ります」
「ふふっ。いくつになっても仲良しねぇ。素敵なことだわ。……ショーヘイもドーラちゃんも、本当に『神様からの贈り人』なのね。貴方達が笑っているとね、周りまで自然と笑顔になっちゃうの。それって、貴方達が、いつだって懸命に生きて、笑ってくれているからよ。私達は、笑顔と幸せのお裾分けを貰ってるようなものね」
「……俺達だけの力じゃないです。ダンテさんがいて、ミミーナさんがいて、ドーラちゃんがいて、お祖父ちゃん達がいて……沢山の人に支えられて、今までずっと生きて、笑ってこられました。ミミーナさんは、俺のお師匠様ですしね!」
「ふふっ! そうね。そういう風に考えてくれる貴方だから、手助けしたくなるのよ」
「ありがとうございます。ミミーナさん」
「こっちこそ、沢山の素敵な出会いをありがとう。これからも、よろしくね」
「はいっ!」
ミミーナを家に送り届けると、祥平は、ダンテと手を繋いで、のんびり家に帰った。
玄関のドアから中に入ると、祥平は正面からダンテに抱きついた。ダンテが、ぎゅっと強く抱きしめてくれる。
「ダンテさん。俺、間違いなく世界で一番幸せな男です」
「私もだよ。ショーヘイ。愛してる。ずっと、ずっと、一緒に笑っていよう。私とショーヘイとピエリーと、それから、沢山の家族と一緒に」
「……はい。俺、ダンテさんを愛せて、愛してもらえて、本当に、本当に幸せです」
祥平は、ダンテの温もりに包まれながら、ちょこっとだけ、温かい涙を流した。
落ち着くと、ダンテの胸に顔をぐりぐり擦りつけてから、祥平はダンテを見上げて、ニッと笑った。
「晩飯、作りましょうか」
「うん」
「ぴるるるるっ!」
祥平は着替えると、ピエリーを頭に乗せ、穏やかに笑うダンテと一緒に、台所で美味しい夕食を作り始めた。
(おしまい)
今日は、ドーラの結婚式だ。ドーラは、20歳になり、無事に上級治癒魔法士の資格試験に合格して、神殿の医務室で、治癒魔法士として本格的に働き始めたばかりである。ドーラの結婚相手は、同じく神殿の医務室で働く治癒魔法士で、柔和な顔立ちをした、穏やかで優しい男だ。1年間、恋人として過ごし、ドーラが無事に上級治癒魔法士になれたので、結婚するということになった。
ダンテと結婚して4年。何度か、ちょっとした喧嘩はしたけれど、2人と一匹で、仲良く穏やかに暮らせている。ダンテが任務で不在の時は、祥平は、医務室の受付で働いている。受付の仕事は、それなりに忙しいが、寂しさが紛れるので、かなり助かっている。
祥平は、ピエリーを肩に乗せて、ダンテと一緒に、大広間の近くの個室に向かった。部屋のドアをノックすれば、すぐに部屋のドアが開いた。ドーラの結婚相手のリーガルが、穏やかな笑みで中に入れてくれた。リーガルの鮮やかな青色の髪と同じ色のアオザイもどきを着たドーラは、本当にキレイだった。化粧もして、長い髪を結い上げたドーラは、すっかり大人の女性になっている。
祥平は、なんだか感極まって、じわぁっと涙が滲んできた。ハンカチで目を押さえていると、ドーラがすぐ近くにやって来て、呆れた顔をした。
「もう! 泣くのは早いわよ! ショーヘイ!」
「だってぇ。ドーラちゃん。本当にキレイだよ。うっ、うっ、あんなにお転婆だったのに、大人になったねぇ……」
「うわ、本気で泣き出した。ダンテさん。どうにかしてよ」
「まぁまぁ。ショーヘイは嬉しいだけだから。本当にキレイだよ。ドーラちゃん。ちょっと早いけど、ご結婚おめでとう。家族が増えるね」
「ありがとう! そのうち、甥っ子姪っ子の顔を見せるから、楽しみにしてて!」
「うぇぇぇぇ……ドーラちゃーん! 誰よりも幸せになるんだよーー!」
「落ち着きなさいよ。ショーヘイ。家族が増えるだけでしょ。別に、どっか遠くに嫁ぐ訳でないし」
「…………それもそうか」
「あ、泣きやんだ」
「リーガル君!」
「はい」
「ドーラちゃんをよろしく! ドーラちゃんは俺達の妹だから、君も今日から俺達の弟ってことで!」
「はい。よろしくお願いしますね」
「ショーヘイ。ちょっと顔を洗った方がいいかも。鼻水がね」
「うげっ。ちょっと顔を洗ってきます。あ、ドーラちゃん。多分、そろそろお祖父ちゃん達とミミーナさんが顔見に来るだろうから」
「分かったわ」
「結婚式で泣いちゃったらどうしよ……」
「もう泣いたじゃない」
「間違いなくキリバさんは泣くから、まぁいいか。俺だけじゃないし」
「ショーヘイ」
「んー?」
「あのね、私、ショーヘイが来るまで、ずっと寂しかったの。キリバさんもニー先生達も、皆、優しかったわ。でも、ずっと、ずっと、寂しくて、この世界にいるのが怖くて堪らなかった」
「…………」
「ショーヘイのお陰なのよ。この世界を好きになれたの。『選択の日』に治癒魔法士になるって決めたのは、本当は、なんとなくだったの。この世界でやりたいことなんか無くて、とりあえず選んでみたってだけ。でも、ショーヘイが、いつだって一生懸命応援してくれて、『ドーラちゃんなら優しい治癒魔法士になれるよ』って言ってくれて。だから、本気で治癒魔法士になりたいって思えたの。ショーヘイ。大好きよ。これからも、側で見守っていて」
「ドーラちゃん……」
「まぁ、弟が増えるけど、ショーヘイの妹の座は私だけのものだし? 末っ子なんだから、これから先もずーーーーっと! 甘やかしてよね!」
「……ははっ。ドーラちゃん。俺もドーラちゃんが本当に大好きだよ。なんせ、可愛い妹だからね。……ドーラちゃんのお陰で、俺はこの世界で前を向いて歩けるようになった。ずっと欲しかった『温かい家族』がいっぱいできた。ドーラちゃん。これからもよろしくね。一緒に笑って生きていこう。俺達、『家族』だから」
祥平は、やんわりとドーラを抱き締めた。ドーラが小さく鼻を啜って、囁いた。
「大好きよ。お兄ちゃん」
「俺もだよ。ドーラちゃん」
祥平は、また涙がこみ上げてきて、ぐっと奥歯を噛み締めて、涙を堪えた。
祥平は、ダンテと2人で部屋を出て、トイレに寄って顔を洗った。大広間に向かいながら、ダンテが、祥平の手を優しく握った。ダンテを見上げれば、ダンテがおっとりと笑った。
「ドーラちゃんは、誰よりも幸せになれるから大丈夫。なんたって、ショーヘイの妹だもの」
「……ははっ。そうですね」
「家族がどんどん増えるね」
「はい。すごく嬉しいです」
「ショーヘイ。愛してるよ。心から。ずっと一緒に生きて、老後は、太っちょとハゲと美人なピエリーと3人でのんびり暮らそうね」
「ははっ! 太っちょとハゲは確定ですか。……ダンテさん。俺も貴方を愛してます。今なら、胸張って叫べますよ」
「叫ばれるのは、嬉しいけど恥ずかしいなぁ」
「ダンテさんを好きになれたお陰で、大事な人がいっぱい増えました。俺は、特別なことなんか無いけど、すごく、すごく、幸せです」
「私も、すごく幸せ」
「これからも、俺と幸せであり続ける努力をしてくれませんか?」
「勿論。ショーヘイが嫌だって言っても、絶対にするよ」
「ははっ! 嫌だなんて言いませんよ。……一緒に、幸せに歳をとっていきましょうか」
「うん。私が太っちょになっても引かないでね」
「太っちょのダンテさんも可愛いから問題無いですね。『可愛い』の権化だし」
「あははっ。またそれ言ってる」
祥平は、ダンテと顔を見合わせて、へらっと笑った。
ドーラの結婚式では、また感極まって、ガチ泣きしてしまった。えぐえぐ泣く祥平の肩を、ダンテがずっと抱いていてくれた。
ドーラがいてくれたから、異世界に来ちゃっても、絶望せずに済んだ。ダンテがいてくれたから、この世界を好きになれた。ミミーナやパラス、ニー達がいてくれたから、ずっと心に絡みついていた足枷を取っ払って、心から人を愛する勇気が出た。
祥平は、血の繋がりなんて無いけど、大事な大事な家族ができた。
大いに盛り上がったパーティーの後。昨年、家政婦を引退したミミーナも一緒に、3人と一匹で、のんびり茜色に染まる丘を下りる。
「素敵な結婚式でしたわねぇ。ショーヘイがあんまり泣くから、私もつられて泣いちゃったわ」
「いやー。お恥ずかしい。だって、感極まっちゃったんですもん」
「ははっ! ドーラちゃんは妹だからしょうがないね。初めて会った時は、まだ幼さが残る女の子だったのに、あっという間に大人の女性になっちゃったね」
「本当に。とてもキレイになって。嬉しい限りですわ」
「うぅ……思い出したら、また泣いちゃいそう」
「あらあら。まぁまぁ。泣くのは、帰ってからにしてちょうだいな。つられて泣いちゃうじゃない」
「ずずっ……がんばります……」
「ははっ! 帰ったら胸を貸すよ。ショーヘイ」
「ちょー借ります」
「ふふっ。いくつになっても仲良しねぇ。素敵なことだわ。……ショーヘイもドーラちゃんも、本当に『神様からの贈り人』なのね。貴方達が笑っているとね、周りまで自然と笑顔になっちゃうの。それって、貴方達が、いつだって懸命に生きて、笑ってくれているからよ。私達は、笑顔と幸せのお裾分けを貰ってるようなものね」
「……俺達だけの力じゃないです。ダンテさんがいて、ミミーナさんがいて、ドーラちゃんがいて、お祖父ちゃん達がいて……沢山の人に支えられて、今までずっと生きて、笑ってこられました。ミミーナさんは、俺のお師匠様ですしね!」
「ふふっ! そうね。そういう風に考えてくれる貴方だから、手助けしたくなるのよ」
「ありがとうございます。ミミーナさん」
「こっちこそ、沢山の素敵な出会いをありがとう。これからも、よろしくね」
「はいっ!」
ミミーナを家に送り届けると、祥平は、ダンテと手を繋いで、のんびり家に帰った。
玄関のドアから中に入ると、祥平は正面からダンテに抱きついた。ダンテが、ぎゅっと強く抱きしめてくれる。
「ダンテさん。俺、間違いなく世界で一番幸せな男です」
「私もだよ。ショーヘイ。愛してる。ずっと、ずっと、一緒に笑っていよう。私とショーヘイとピエリーと、それから、沢山の家族と一緒に」
「……はい。俺、ダンテさんを愛せて、愛してもらえて、本当に、本当に幸せです」
祥平は、ダンテの温もりに包まれながら、ちょこっとだけ、温かい涙を流した。
落ち着くと、ダンテの胸に顔をぐりぐり擦りつけてから、祥平はダンテを見上げて、ニッと笑った。
「晩飯、作りましょうか」
「うん」
「ぴるるるるっ!」
祥平は着替えると、ピエリーを頭に乗せ、穏やかに笑うダンテと一緒に、台所で美味しい夕食を作り始めた。
(おしまい)
849
あなたにおすすめの小説
《本編 完結 続編 完結》29歳、異世界人になっていました。日本に帰りたいのに、年下の英雄公爵に溺愛されています。
かざみはら まなか
BL
24歳の英雄公爵✕29歳の日本に帰りたい異世界転移した青年
異世界にやってきたら氷の宰相様が毎日お手製の弁当を持たせてくれる
七瀬京
BL
異世界に召喚された大学生ルイは、この世界を救う「巫覡」として、力を失った宝珠を癒やす役目を与えられる。
だが、異界の食べ物を受けつけない身体に苦しみ、倒れてしまう。
そんな彼を救ったのは、“氷の宰相”と呼ばれる美貌の男・ルースア。
唯一ルイが食べられるのは、彼の手で作られた料理だけ――。
優しさに触れるたび、ルイの胸に芽生える感情は“感謝”か、それとも“恋”か。
穏やかな日々の中で、ふたりの距離は静かに溶け合っていく。
――心と身体を癒やす、年の差主従ファンタジーBL。
【完】心配性は異世界で番認定された狼獣人に甘やかされる
おはぎ
BL
起きるとそこは見覚えのない場所。死んだ瞬間を思い出して呆然としている優人に、騎士らしき人たちが声を掛けてくる。何で頭に獣耳…?とポカンとしていると、その中の狼獣人のカイラが何故か優しくて、ぴったり身体をくっつけてくる。何でそんなに気遣ってくれるの?と分からない優人は大きな身体に怯えながら何とかこの別世界で生きていこうとする話。
知らない世界に来てあれこれ考えては心配してしまう優人と、優人が可愛くて仕方ないカイラが溺愛しながら支えて甘やかしていきます。
やっと退場できるはずだったβの悪役令息。ワンナイトしたらΩになりました。
毒島醜女
BL
目が覚めると、妻であるヒロインを虐げた挙句に彼女の運命の番である皇帝に断罪される最低最低なモラハラDV常習犯の悪役夫、イライ・ロザリンドに転生した。
そんな最期は絶対に避けたいイライはヒーローとヒロインの仲を結ばせつつ、ヒロインと円満に別れる為に策を練った。
彼の努力は実り、主人公たちは結ばれ、イライはお役御免となった。
「これでやっと安心して退場できる」
これまでの自分の努力を労うように酒場で飲んでいたイライは、いい薫りを漂わせる男と意気投合し、彼と一夜を共にしてしまう。
目が覚めると罪悪感に襲われ、すぐさま宿を去っていく。
「これじゃあ原作のイライと変わらないじゃん!」
その後体調不良を訴え、医師に診てもらうととんでもない事を言われたのだった。
「あなた……Ωになっていますよ」
「へ?」
そしてワンナイトをした男がまさかの国の英雄で、まさかまさか求愛し公開プロポーズまでして来て――
オメガバースの世界で運命に導かれる、強引な俺様α×頑張り屋な元悪役令息の元βのΩのラブストーリー。
【完結】抱っこからはじまる恋
* ゆるゆ
BL
満員電車で、立ったまま寄りかかるように寝てしまった高校生の愛希を抱っこしてくれたのは、かっこいい社会人の真紀でした。接点なんて、まるでないふたりの、抱っこからはじまる、しあわせな恋のお話です。
ふたりの動画をつくりました!
インスタ @yuruyu0 絵もあがります。
YouTube @BL小説動画 アカウントがなくても、どなたでもご覧になれます。
プロフのwebサイトから飛べるので、もしよかったら!
完結しました!
おまけのお話を時々更新しています。
BLoveさまのコンテストに応募するお話に、真紀ちゃん(攻)視点を追加して、倍以上の字数増量でお送りする、アルファポリスさま限定版です!
名前が * ゆるゆ になりましたー!
中身はいっしょなので(笑)これからもどうぞよろしくお願い致しますー!
「今夜は、ずっと繋がっていたい」というから頷いた結果。
猫宮乾
BL
異世界転移(転生)したワタルが現地の魔術師ユーグと恋人になって、致しているお話です。9割性描写です。※自サイトからの転載です。サイトにこの二人が付き合うまでが置いてありますが、こちら単独でご覧頂けます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる