花咲く少年達

丸井まー(旧:まー)

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七話

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 アダルフォは、萎えたペニスをゆっくりとイスマエルのアナルから引き抜いた。四つん這いになったイスマエルの柔らかい尻肉を両手で広げれば、閉じ切らないアナルから、こぽぉと白い精液が溢れ出し、赤い会陰を伝って、陰嚢にまで垂れ落ち、ぽたっとシーツに落ちていった。酷くいやらしい光景に、また興奮してペニスが元気になる。
 アダルフォがイスマエルの尻をふにふにと揉んでいると、イスマエルがゆっくりと動いて、ころんとシーツの上に仰向けになった。お互い、まだ荒い息が整っていない。はぁはぁと荒い息を吐きながら、イスマエルがアダルフォを見上げて、小さく笑った。


「ルフォ。休憩」

「うん」


 アダルフォもイスマエルのすぐ隣にころんと寝転がり、汗ぐっちょりなイスマエルの身体に横から抱きついた。イスマエルの肩にキスをすると、イスマエルがもぞもぞと動いて、アダルフォの方を向き、唇に触れるだけのキスをした。
 荒い息を吐きながら、イスマエルが楽しそうに笑った。


「セックスってすごいね」

「気持ちよ過ぎてマジでヤバい。俺はまだ元気いっぱいですよー。ほら」

「ははっ。僕もまだしたい」

「えっへへー。イス、可愛いね」

「ルフォの方が可愛いよ」

「格好いいの方がいいなー」


 アダルフォは話しながら、イスマエルの鼻先や赤く染まったままの頬に何度もキスをした。イスマエルが擽ったそうに小さく笑って、ゆるく勃起しているアダルフォのペニスを、やんわりと撫で回した。背筋がゾクゾクする快感に熱い息を吐くと、イスマエルがアダルフォの下唇にやんわりと噛みついて、ねろーっとアダルフォの下唇に熱い舌を這わせた。なんとも大変いやらしい。イスマエルがこんなにドスケベだとは思っていなかった。いや、舐め合いっこをしていた時点で、イスマエルはドスケベの子だったのかもしれない。真面目が服を着ているみたいなイスマエルの、普段とは違った顔に、ドキドキが止まらない。

 アダルフォが、ムラムラしながら、イスマエルの唇に何度も吸いついて、イスマエルの熱い口内を舐め回し、舌をぬるぬると絡めていると、イスマエルの手がアダルフォの手を握り、自分のペニスにアダルフォの手を触れさせた。イスマエルのペニスは、またガチガチに硬く熱くなっていた。はぁっと熱い息を吐きながら、イスマエルが唇を触れ合わせたまま、囁いた。


「ねぇ。もう一回」

「はい喜んでーー!!」

「ふふっ。今度は僕が上でいい?」

「是非ともお願いしまっす!」

「あはっ! 楽しいね。ルフォ」

「うん。イス。もっと気持ちよくなろー」

「うん」


 イスマエルがいつもの控えめな笑みを浮かべ、ちゅくっとアダルフォの唇を優しく吸ってから、身体を起こした。仰向けになったアダルフォに跨り、イスマエルが水魔術を発動させて、ぬるぬるの水を掌に生成した。ビンッと天井に向かって元気よく勃起しているアダルフォのペニスを、ひんやりとしたぬるぬるの手で、イスマエルがやんわりと撫で回した。それだけで気持ちよくて、射精感が一気に高まるが、もっとすごい快感を既に知っているので、ぐっと下腹部に力を入れて、射精を堪える。
 イスマエルが片手でアダルフォのペニスを支えて、熱くひくつく自分のアナルに、アダルフォのペニスの先っぽを押しつけた。イスマエルがゆっくりと腰を下ろしていけば、キツイ括約筋でペニスの皮が自然と剥かれ、剥き出しになった敏感な亀頭や竿が、熱くぬるついた柔らかい腸壁に包まれていく。本当に気持ちよくて堪らない。
 アダルフォのペニスを根元近くまでアナルで咥えこんだイスマエルが、うっとりと笑った。背筋がぞくりとする程色っぽい。イスマエルはドスケベ大王決定である。ほっそりとした成長途中の柔らかさが残る身体をくねらせて、イスマエルが気持ちよさそうな息をもらしながら、身体を揺すってアナルでアダルフォのペニスを刺激してくる。単純に気持ちがいいし、なにより、視覚的刺激が強い。イスマエルがアダルフォのペニスで気持ちよくなっているのが、よく分かって、興奮し過ぎて本気で鼻血が出そうな勢いである。

 イスマエルが両手を後ろ手につき、膝を立てて、両足を大きく広げた。イスマエルがそのまま、身体ごと上下に小刻みに動いて、きゅっとキツく括約筋でアダルフォのペニスを締めつけながら、アナルでアダルフォのペニスを扱き始めた。ぷらんぷらんと、イスマエルの勃起したペニスが揺れている。上下に身体を動かしながら、器用に腰をくねらせて、イスマエルが大きく喘いだ。唯でさえキツいアナルの締めつけが、更にキツくなる。


「あぁっ! すごいっ! あたるっ! あたってるぅ!」

「あっ、はぁっ! イス、締めすぎっ、出ちゃうって!」

「まだっ! まだだめっ! あっあっあっあっ! きもちいいっ!」

「はっ、はっ、イス、イス、も、無理っ!」

「あぁっ!? あぁぁぁぁぁぁ!! すごっ! あぁぁぁっ! だめだめだめだめっ! いいっ! やぁぁぁぁぁっ!!」


 アダルフォはイスマエルの柔らかい尻肉を両手で掴み、下からガンガン激しく腰を突き上げ始めた。腹側にあるイスマエルの前立腺を刺激するように意識して腰を振りまくれば、イスマエルが仰け反るように天井を見上げ、大きく喘いだ。いやらしさ満点である。ドスケベ試験があったら、イスマエルは主席をとれると思う。
 アダルフォは、興奮と快感でぶっ飛んだ頭でそんなことを考えながら、ビクビク身体を震わせながら喘いでいるイスマエルに声をかけた。


「イス。自分でちんこ擦って。イクとこ見せて」

「ん! あぅっ! あっあっあっあっ! ほんと、イクッ! いっちゃう!」

「俺もっ、イス、イス、イッて!」

「あぁっ!? あ、あ、あ、あーーーーーーーーー!!」


 自分のペニスを片手で扱き始めたイスマエルの前立腺をガン突きしまくると、イスマエルのアナルがちょっと痛いくらいにキツく締まり、イスマエルが天井を見上げたまま、派手にペニスから精液を飛ばした。熱いイスマエルの精液が、アダルフォの胸元にまで飛んでくる。アダルフォもイスマエルのアナルのキツい締めつけに堪え切れずに、喘ぎながら、またイスマエルのアナルの中に精液をぶち撒けた。

 はぁはぁと荒い息を吐きながら、ゆっくりとした動作で、イスマエルがアダルフォに覆い被さり、だらしなく垂れていたアダルフォの涎を舐めとって、アダルフォの唇に優しく吸いついた。間近にあるイスマエルの青い瞳はとろんとしていて、まだ熱を失っていない。普段とはかけ離れた色を浮かべるイスマエルの瞳を見ているだけで、またペニスが元気になってしまう。アダルフォのペニスがまた硬く大きくなったのに気付いたのか、イスマエルがどこか嬉しそうに、ふふっと笑った。


「元気だね」

「イスもだろ?」

「うん。まだ足りない」

「ドスケベ検定があったら、確実に上級がとれそうだね!」

「あっは! ルフォも確実に上級がとれるよ。えいっ」

「はぅっ!? ちょっ、イスさん!? 今そんな締められるとですね!?」

「どうなるの?」

「……出ちゃいそうになっちゃいますけど?」

「ふふー。うりゃうりゃ」

「あっ。ちょ、マジでっ、今動かれたらヤバいって!!」

「はぁっ、ルフォ、ほんと、かわいい」


 イスマエルがうっとりと笑って、べろーっと汗が流れるアダルフォの頬を舐め上げた。やっぱりイスマエルはドスケベ大王だと思う。アダルフォは、イスマエルと一緒に、何度も何度も快感の高みに昇って、夢中で絡み合った。

 ぜぇぜぇと掠れた息を吐きながら、2人揃ってぐったりしている。何度射精したのか、本気で覚えていない。身体は汗や精液などでべたべたしているけど、こっそり風呂に入りに行く気力もない。アダルフォは、ドスケベモードから普段の顔に戻っているイスマエルに声をかけた。


「イス。魔術使う余裕ある?」

「ものすごく頑張ればギリギリ?」

「イスが水の魔術で俺達の身体とシーツを洗う。で、俺が火の魔術で温めた風の魔術で乾かすってのはどうでしょう」

「複合魔術は難易度高いけど、できそう?」

「ちょー頑張る」

「じゃあ、やってみようか」

「うん」

「ちょっとひんやりするよ」

「暑いからちょうどいいよ」

「うん」


 イスマエルがのろのろと起き上がり、胡坐をかいて座ったので、アダルフォものろのろと起き上がり、胡坐をかいて座った。イスマエルが水の魔術を発動させた。霧状の水に全身が包まれる。ひんやりとした感じが、火照った身体に気持ちがいい。シーツもしっとりしている。アダルフォは、ふーっと大きな息を吐き、集中して、風の魔術と火の魔術を発動させた。イスマエルに火傷させたら大変だから、慎重に魔術を展開する。ちょっと熱いかな? くらいの温度の風で、自分達の身体とシーツを乾かす。なんとか無事に成功して、ほっとしていると、イスマエルが正面から抱きついてきた。


「すごいね。ルフォ。完璧だ」

「えっへへー! ほーめーてー!」

「よーしよしよしよし」

「あははっ!」


 イスマエルがアダルフォの頭をわしゃわしゃと優しく撫で回しながら、何度もアダルフォの頬にキスをしてくれた。嬉しくて、だらしなく顔が弛む。
 いつの間にか床に落ちていた掛布団や毛布を拾い上げ、2人で裸のまま布団に潜り込んだ。乾いた温かい素肌が触れ合い、なんとも気分が落ち着いていく。さっきまでは、ひたすら興奮していたのに、不思議である。
 アダルフォはイスマエルにゆるく抱きついて、素足を絡めた。イスマエルの唇に触れるだけのキスをして、唇を触れ合わせたまま囁いた。


「イス。俺、イスが好きだよ」

「僕もルフォが一番好き」

「秘密の恋人になってよ。堂々と恋人宣言するのは、大人になってから」

「うん。その方が多分いいだろうね。ふふっ。僕達だけの秘密だ」


 イスマエルが嬉しそうにクスクスと笑った。そんなイスマエルが可愛くて、胸の奥がキュンキュンする。アダルフォはイスマエルと寄り添って、深い眠りに落ちた。翌朝、2人揃って朝寝坊しちゃったのはご愛敬である。






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 アダルフォは真新しい看板を眺めて、むふふっと上機嫌に笑った。『ルフォイス診療所』。真新しい看板には、そう書かれてある。すぐ隣に立っているイスマエルが、嬉しそうに控えめな笑みを浮かべた。


「やっとここまできたね」

「いやー。長かったわー」

「でも、予定より少し早めに始められたね」

「俺もイスもマジで頑張ったもーん」

「うん」


 アダルフォとイスマエルが35歳を迎える年の春、漸く念願だった2人の診療所を始めることができるようになった。アダルフォは医療魔術師として、イスマエルは薬事魔術師として、これから2人で診療所を切り盛りしていく。高等学校に無事進学してからも、2人で切磋琢磨し合い、高等学校を卒業して、それぞれの魔術師の資格試験に合格すると、修行の為に、街の大きな総合病院で働き始めた。2人でこつこつ貯金をしながら、必死に働きながら修行して、なんとか一人前だと胸を張って言えるようになる頃には、貯金も目標額に達していた。アダルフォは、イスマエルと、ずっと2人で頑張り続けた。
 アダルフォは、イスマエルの大人になった大きな手をやんわりと握って、中古で買って改築した診療所兼我が家へと入った。

 改築したばかりでピカピカの台所で珈琲を淹れて、休憩スペースの小部屋でのんびりと珈琲を楽しむ。珈琲のお供に持ってきたクッキーを食べながら、アダルフォは口を開いた。


「アイン爺ちゃんにも見せたかったなー」

「そうだね。楽しみにしててくれたから。でもきっと、お空の上で喜んでいるよ」

「だと嬉しいな」


 アインは一昨年に病気で亡くなった。古書店はイスマエルの従兄が継いでいる。大好きだったアインが亡くなってしまって、本当に悲しくて、助けられなかった悔しさがいっぱいで、アダルフォはイスマエルと一緒にいっぱい泣いた。アインは、成人と同時に、2人が恋人になったと宣言した時も、『おや。いいことだねぇ』と笑って受け入れてくれた。アダルフォも、勿論イスマエルも、アインのことが本当に大好きだった。
 アインのことを思って、ちょっとしんみりした空気になったが、イスマエルがずりずりと椅子ごとアダルフォのすぐ隣に移動してきて、アダルフォの身体に寄りかかるようにくっついてきた。


「ルフォ。これからも一緒に頑張ろう。これまでみたいに」

「おうよ! イス」

「ん?」

「ちょー愛してる」

「あっは! 僕も」


 イスマエルがほわっと柔らかく笑った。アダルフォはにへっと笑いながら、イスマエルと手を繋いで指を絡め、イスマエルの唇に触れるだけのキスをした。



(おしまい)



【おまけ】

 イスマエルと一緒にシャワーを浴びていると、身体の泡を流したイスマエルが、アダルフォの正面にしゃがんだ。


「イス?」

「君も立派になったよねぇ。昔はあんなに可愛かったのに」

「イスマエルさーん。どこに話しかけてるのかなー?」

「君のちんこ? すっかりズル剥けになっちゃって。しかも僕のより大きくなったし」

「はっはっは。照れます!」

「えいっ」

「はうっ!? ちょっ、いきなり先っぽぐりぐりすんのは勘弁してっ!」

「じゃあ、舐めてあげる」

「うおっ!? もー! このドスケベ大王様めー」

「君程じゃないよ」

「あっ、ちょっ、イス、マジでヤバい、マジでヤバいから!」

「んー。ぷはぁ。ね、ルフォ」

「な、なんでしょう?」

「此処でしよ?」

「どしゅけべーー!! 可愛いなぁ! もう!」

「ははっ。ルフォの方が可愛いよ」


 アダルフォの勃起しちゃった赤黒いペニスに頬擦りをしながら、イスマエルがアダルフォを見上げて、うっとりと笑った。イスマエルのドスケベ大王っぷりは、30代半ばになっても健在である。むしろ、年々パワーアップしていっている気がする。アダルフォはそんなイスマエルに翻弄されながらも、歳を重ねる毎に、イスマエルへの愛おしさが増すばかりである。

 アダルフォは風呂場でイスマエルとイチャイチャちゅっちゅっしながら、多分イスマエルには一生勝てないだろうなぁと思った。



(おしまい)

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