10 / 10
10
しおりを挟む目を開けると、朝日が差し込んでいた。あれ、いつの間にか寝てしまっていたようだ。ふと、視線を感じて、そちらに目を向けると、シュウとバッチリ目があった。
「おはよう」
ガサガサとした、自分の声に驚く。
「おはよ」
反対に、シュウはスッキリとした声で返される。
とてもとても、幸せそうな笑顔つきで。
体のベタつきがないから、恐らくシュウが、色々してくれたのだろう。
「いつから起きて……げほっ」
「少し前。水飲むか?」
こくんと、頷く。
ベッド横に置いてあるペットボトルを手に取ってくれたから、そのままくれるのかと思いきや、自分で水を飲んでしまった。
え、それ俺にくれるんじゃ……と、ジトリと見つめると顔を近づけられ、そのまま口を塞がれた。くちゅりと、少しずつ水が入ってきた。
普通に飲ませろよ、と思わなくもないが喉が渇いていたし、気持ちよくて、もっとくれと意思表示のように、吸い付いた。
それを、三度程繰り返したところで「まだ、いるか?」と、聞かれたので、大丈夫だと首を振る。
ずくんと、腰やあらぬところが痛んだ。だんだんと、恥ずかしさが募る。ぎゅっと、抱き締められる。一体、何度抱き締めるんだよ。
「はぁ」
「何したの?」
「いや、俺のもんになったんだなって」
「ふはっ。何だよそれ。ここ数年はお預けしてたの、自分じゃん! ……てか、その……当たってるんだけど」
「あー、朝勃ち……なぁ、今からもっかいダメか……?」
思わず笑ってしまった。そんな、しょげた犬のように言われても。
「なに笑ってんだよ」
「可愛いなって」
「あ?」
「ふふ、いいよ。俺も勃った。シたい」
ついさっきまで笑われたことに不機嫌そうにしていたのに、ん、と照れたような笑顔を見せられてキュンとした。
こんな図体デカい男が可愛くみえて仕方ない。
この姿が見れるのは、きっと俺だけ。
そのまま、昨日の名残が残っている穴に、ローションを入れられ、くちゅくちゅと少し弄られたかと思うと、ズンっと中に挿入ってきた。
朝だから、そんな激しくされないだろうと思っていたのに、ガンガンこられて、あ、これ腰死んだなと思ったが、自分も気持ちよくなってしまい、まぁいっかとシュウの腰に足を絡ませ、自分からも腰を動かす。
俺のそんなノリノリの様子に、スイッチが完璧に入ってしまったシュウにそのまま、抜かずのニ発くらってしまった。シュウって、もしや絶倫か?
その間、自分は五回イかされて、俺、昨日、脱処女したばかりなのに……と、意識を手放す。
ピチョンという音に、目を覚ます。
どうやら、風呂場まで運んでくれたみたいで、後ろからシュウに抱き込まれて湯船に浸かっている。
「起きたか」
「うん」
「悪い、ちょっとヤりすぎた」
反省している風だが、ちょっとだと……?
大分、無理をされた気がするんだが。
肩の辺りを吸われたかと思えば、甘咬みされる。
絶対、跡付いてる。首を少し後ろに向ける。
気になっていたことを聞いてみた。
「シュウってさ、俺のこといつから好きだったの?」
「いつから……いつからだろうな。気がついたら、どうしようもなく好きだと思ったからなぁ。ま、可愛いと初めて思った時は覚えてる」
「え、なにそれ。いつ?」
「お前がうまれたばかりで、初めて家に来た時。すっげー小さくて可愛かった。お袋いわく、俺はお前に甲斐甲斐しく世話を焼いてたんだと」
「ふーん」
「お前、自分から聞いておいて興味なさそうだな」
「そんなことないよ。ただ、俺はいつからシュウのこと好きだったのかなって考えた時に……」
「考えた時に? なんだよ、いつだよ」
「なんでもない!!」
そう言って風呂にブクブクと顔の半分を埋める。
俺だって、いつからシュウのことが好きなのかなんてわからない。
俺はきっと、うまれたときからシュウに甲斐甲斐しくお世話をされて、きっとその瞬間からシュウなしではいられなくなったんだと思う。
つまり俺は、シュウのこと、うまれたときから愛してるってことかよ。
「ねぇ、俺、絶対こっちの大学に合格するからさ、一緒に暮らしたい。ダメ……?」
ちゅっと、今度は口にキスをされる。
「そんな嬉しい提案、俺が断るとでも思ったのかよ。むしろ、そうしてほしかった。待ってるから、絶対受かれよ。まぁ、お前の頭なら大丈夫か」
こんなに嬉しそうなシュウの顔は見たことないかも。
やっぱり、俺がこっちに来ること期待してたんだ。良かった。今まで以上に、勉強頑張らなきゃな、と決意を新たにした。と、ともに少し危機感を感じる。
腰のあたりに硬いものがあたってますよ、シュウさん。
そして、なんか乳首を弄り始めたよね。
このまま初風呂エッチに突入しそうな気がするんですけどー。
俺もう、体力限界だよ?
受験勉強もしながら、体力もつけなきゃなと考える俺だった。
21
この作品は感想を受け付けておりません。
あなたにおすすめの小説
最愛の
星川過世
BL
「俺はお兄ちゃんだから、弟を守らないと」
血の繋がった兄と弟の恋。
兄×弟のつもりで書いていますが、本番シーンは無いのでどちらともとれると思います。
*受けが女性と付き合う描写があります*
他サイト様にも掲載中。
完結保証。
ポンコツ半魔の契約書
鳫葉あん
BL
人と悪魔の間に生まれた半魔のリーフはある日満身創痍の男・レックスを拾う。服従契約を結んだ彼は記憶を失っていた。
とても強い力を持ったレックスの正体。レックスを探る者の存在。日常の変化はリーフの人生を大きく狂わせていくことになる。
つよつよ下僕×ひ弱なご主人様のファンタジー系ラブコメ?です。
他のサイトにも投稿します。
ミスターコン1位と1位が仲良くなりすぎる話
タタミ
BL
ミスターコン優勝経験者の大学3年生と大学1年生が出会って仲良くなる話です。
▼登場人物
長瀬天:大学3年生。とてもイケメン
築城晴馬:大学1年生。とてもイケメン
吉場京介:天の親友。フツメン
そのモブは、私の愛しい唯一無二
ミクリ21
BL
アズエル・ミスティアはある日、前世の記憶を思い出した。
所謂、BLゲームのモブに転生していたのだ。
しかし、アズエルにはおかしなことに思い出した記憶が一つだけではなかった。
最初はモブだと信じきっていたのに、副会長セス・フェリクスに迫られ続けるアズエルの話。
悪役のはずだった二人の十年間
海野璃音
BL
第三王子の誕生会に呼ばれた主人公。そこで自分が悪役モブであることに気づく。そして、目の前に居る第三王子がラスボス系な悪役である事も。
破滅はいやだと謙虚に生きる主人公とそんな主人公に執着する第三王子の十年間。
※ムーンライトノベルズにも投稿しています。
男同士で番だなんてあってたまるかよ
だいたい石田
BL
石堂徹は、大学の授業中に居眠りをしていた。目覚めたら見知らぬ場所で、隣に寝ていた男にキスをされる。茫然とする徹に男は告げる。「お前は俺の番だ。」と。
――男同士で番だなんてあってたまるかよ!!!
※R描写がメインのお話となります。
この作品は、ムーンライト、ピクシブにて別HNにて投稿しています。
毎日21時に更新されます。8話で完結します。
2019年12月18日追記
カテゴリを「恋愛」から「BL」に変更いたしました。
カテゴリを間違えてすみませんでした。
ご指摘ありがとうございました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる