それってつまり、うまれたときから愛してるってこと

多賀 はるみ

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 目を開けると、朝日が差し込んでいた。あれ、いつの間にか寝てしまっていたようだ。ふと、視線を感じて、そちらに目を向けると、シュウとバッチリ目があった。

「おはよう」

 ガサガサとした、自分の声に驚く。

「おはよ」

 反対に、シュウはスッキリとした声で返される。
 とてもとても、幸せそうな笑顔つきで。
 体のベタつきがないから、恐らくシュウが、色々してくれたのだろう。

「いつから起きて……げほっ」

「少し前。水飲むか?」

 こくんと、頷く。
 ベッド横に置いてあるペットボトルを手に取ってくれたから、そのままくれるのかと思いきや、自分で水を飲んでしまった。

 え、それ俺にくれるんじゃ……と、ジトリと見つめると顔を近づけられ、そのまま口を塞がれた。くちゅりと、少しずつ水が入ってきた。
 普通に飲ませろよ、と思わなくもないが喉が渇いていたし、気持ちよくて、もっとくれと意思表示のように、吸い付いた。
 それを、三度程繰り返したところで「まだ、いるか?」と、聞かれたので、大丈夫だと首を振る。

 ずくんと、腰やあらぬところが痛んだ。だんだんと、恥ずかしさが募る。ぎゅっと、抱き締められる。一体、何度抱き締めるんだよ。

「はぁ」

「何したの?」

「いや、俺のもんになったんだなって」

「ふはっ。何だよそれ。ここ数年はお預けしてたの、自分じゃん!   ……てか、その……当たってるんだけど」

「あー、朝勃ち……なぁ、今からもっかいダメか……?」

 思わず笑ってしまった。そんな、しょげた犬のように言われても。

「なに笑ってんだよ」

「可愛いなって」

「あ?」

「ふふ、いいよ。俺も勃った。シたい」

 ついさっきまで笑われたことに不機嫌そうにしていたのに、ん、と照れたような笑顔を見せられてキュンとした。
 こんな図体デカい男が可愛くみえて仕方ない。

 この姿が見れるのは、きっと俺だけ。

 そのまま、昨日の名残が残っている穴に、ローションを入れられ、くちゅくちゅと少し弄られたかと思うと、ズンっと中に挿入ってきた。
 朝だから、そんな激しくされないだろうと思っていたのに、ガンガンこられて、あ、これ腰死んだなと思ったが、自分も気持ちよくなってしまい、まぁいっかとシュウの腰に足を絡ませ、自分からも腰を動かす。

 俺のそんなノリノリの様子に、スイッチが完璧に入ってしまったシュウにそのまま、抜かずのニ発くらってしまった。シュウって、もしや絶倫か?
 その間、自分は五回イかされて、俺、昨日、脱処女したばかりなのに……と、意識を手放す。






 ピチョンという音に、目を覚ます。
 どうやら、風呂場まで運んでくれたみたいで、後ろからシュウに抱き込まれて湯船に浸かっている。

「起きたか」

「うん」

「悪い、ちょっとヤりすぎた」

 反省している風だが、ちょっとだと……?
 大分、無理をされた気がするんだが。
 肩の辺りを吸われたかと思えば、甘咬みされる。
 絶対、跡付いてる。首を少し後ろに向ける。
 気になっていたことを聞いてみた。

「シュウってさ、俺のこといつから好きだったの?」

「いつから……いつからだろうな。気がついたら、どうしようもなく好きだと思ったからなぁ。ま、可愛いと初めて思った時は覚えてる」

「え、なにそれ。いつ?」

「お前がうまれたばかりで、初めて家に来た時。すっげー小さくて可愛かった。お袋いわく、俺はお前に甲斐甲斐しく世話を焼いてたんだと」

「ふーん」

「お前、自分から聞いておいて興味なさそうだな」

「そんなことないよ。ただ、俺はいつからシュウのこと好きだったのかなって考えた時に……」

「考えた時に?   なんだよ、いつだよ」

「なんでもない!!」

 そう言って風呂にブクブクと顔の半分を埋める。

 俺だって、いつからシュウのことが好きなのかなんてわからない。
 俺はきっと、うまれたときからシュウに甲斐甲斐しくお世話をされて、きっとその瞬間からシュウなしではいられなくなったんだと思う。

 つまり俺は、シュウのこと、うまれたときから愛してるってことかよ。






「ねぇ、俺、絶対こっちの大学に合格するからさ、一緒に暮らしたい。ダメ……?」

 ちゅっと、今度は口にキスをされる。

「そんな嬉しい提案、俺が断るとでも思ったのかよ。むしろ、そうしてほしかった。待ってるから、絶対受かれよ。まぁ、お前の頭なら大丈夫か」

 こんなに嬉しそうなシュウの顔は見たことないかも。
 やっぱり、俺がこっちに来ること期待してたんだ。良かった。今まで以上に、勉強頑張らなきゃな、と決意を新たにした。と、ともに少し危機感を感じる。
 腰のあたりに硬いものがあたってますよ、シュウさん。
 そして、なんか乳首を弄り始めたよね。
 このまま初風呂エッチに突入しそうな気がするんですけどー。
 俺もう、体力限界だよ?


 受験勉強もしながら、体力もつけなきゃなと考える俺だった。


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