異世界転生目立ちたく無いから冒険者を目指します

桂崇

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第356話 食事会 後編

全員が呆然としながら考えている
「アリシナさん、調べましたがイールスに付いて行く為に冒険者の練習をしているそうですね」
王妃がアリシナを見て微笑んでいる
「え! はい… 一緒にいたいので… 」
アリシナが自信無さそうに言うと、全員驚いたようにアリシナを見ている
「本当に一途なのですね… イールス本当に旅に出るのですか?」
王妃が微笑みながらイールスを見ている
「王妃様、前に約束した通り、冒険者として世界を回ってきます。 本当に楽しみにしています」
イールスが笑顔で言う
「リシリアは必ず着いていきますよ」
「リシリアには、旅の事について色々教えてあります」
「兄様とずっと一緒にいます」
リシリアが満面の笑顔で言うと、アリシナがリシリアを見て泣きそうになっている
(イールス様を取らないで… わたしのイールス様を… イールス様……イールス様…)
「あまり怒って国を滅ぼさない様にしてください。 リシリアは王女としての自覚も持つようにしてください… イールスの友達関係もしっかり覚えなさいね… イールスもあまり策略をめぐらせない様にしてください」
王妃が微笑みながら言う
「王立学院が再開したら、卒業まで勉強も頑張らせてもらいます」
イールスが笑顔で言う
「王立学院の再開ですか? すぐには無理でしょう… 結構な数の生徒が退学します。 講師もかなり減りましたから… 再建に少し時間が必要になります… 優秀な騎士や宮廷魔術師ほど、戦死していますから今後の再建を進めないと、再開も難しくなっています」
王妃が苦笑いしている
「え! そうなのですか? 非常に残念です… 折角冒険者の勉強もしたかったのに…」
イールスが落ち込んだように言う
「イールス、今回の危機で多くの家が取り潰され、多くの令嬢の婚約関係が解消されています… 跡継ぎを失い結構な家が継承問題に発展している家々もあります。 イールス早く領地を受取り、国の再建に力を貸してくださいね」
「下賤な身の未熟者の半人前ですから、領地運営や爵位など必要ありません。 冒険者として旅をするにも必要ありません」
イールスが頭を下げながら言う
「イールス、リシリアを正妻として迎え入れて、側室に領地運営を任せて旅に出ても構いません… 側室に立候補する人も多いでしょう」
王妃が微笑みながら言うと、全員王妃とリシリアとイールスを見ている
「わたしなどに側室なんて御相手に大変失礼と思います。 御相手の名声に傷が付きます。 大変申し訳ないのですが、領地など必要ありません」
イールスが頭を下げたまま言う
「本当に野心も欲望も無いのですね… 本当に困りましたわ… アリシナもエリーゼマリーナも側室になってくれれば、良かったのですが… シリカローレン様も女子爵にした責任も取って欲しいですね… 本当に責任を取らないイールスが悪いですね…出征中リシリアと一緒の馬車で寝起きもしていたとか… 責任を取って貰わないと…」
王妃がイールスを見て言うと、驚いたように王妃を視線が集まる
「すべての責任を取ってすぐに冒険者になって国を出ます… 本当に申し訳ありません」
イールスが頭を下げながら言う
「え!………」
王妃の顔が引き攣っている
(責任を取って国を出る… それを言われたら何も言い返せなくなります… 地位や名誉や名声や財産に興味無いと繋ぎ止める手段が無くなります。 王家がイールスから資金を借りている状況では強硬手段も取れませんし… 側室に領地運営を任せるのは良い案でしたのに… )
「イールス最後に最大の攻撃ですのーーー 王妃様も攻撃を完全にかわしましたのーーーーー 流石ですのーーー アリシナちゃんも可愛いですのーーーー」
メサリアが満面の笑顔で叫ぶ
「メサリア、その叫びよしなさい! メサリアのイメージが崩れますわ!!」
シンシリアがメサリアを見て怒鳴り、セーレンとメデルが呆れた様に見ている

エルキアが再び慌てて部屋に入ってきてイールスに耳打ちをしている
「え! 」
イールスが苦笑いしてアリシナを見ている
「イールス様何か有りましたか?」
アリシナがイールスの視線を感じてイールスを見ている
「アリシナ様のお母様が来訪したようなのですが… 伺っていますか?」
イールスが説明している
「え! お母様が!! 何故? もう帰らないといけないのですか?」
アリシナが驚いたように叫ぶ
「何か面白そうですね… イールス通しなさい」
王妃が笑みを浮かべて言うと、シンシリア達が苦笑いする
(あの笑み面白がって無いですか? アリシナ様のお母様が乱入なら何が起こりますか? 少し聞いてみましょうか?)

エルキアに案内されて夫人が入ってくる
「本日はお美しいお姿を拝見できて嬉しく思います」
イールスが丁寧に挨拶を始めている
「イールス、本日はアリシナの事で話があります。 アリシナの友達の前で構わないですが…アリシナ」
夫人がイールスを睨みながら言う
「お母様、何故こちらに?」
アリシナが驚きながら夫人の前に来る
「アリシナはイールスの事しか考えられません! イールスと一緒に冒険者になると言う始末… もう令嬢として生きていけないでしょう… イールス責任を取ってくださいますか? 」
夫人がイールスを睨みながら言うと、アリシナが驚いたように夫人を見ている
「大変申し訳ないと思いますが、責任を取れと言われても困ります。 下賤な身の半人前の未熟者ですので… アリシナ様に大変申し訳ないと思いますが」
「正妻にしろとは言いません!! 妾で構わないです。 もう普通の貴族に嫁がせられません… アリシナ、よいですね!!」
夫人がアリシナを見て言う
「え! 妾!! お母様!!」
アリシナが驚いたように夫人を見ている
「もう家に帰って来なくて構わないです。 イールス、アリシナを養いなさい!! どうせ王立学院の再開も出来ないでしょうから… 責任を取ってアリシナを養いなさい!! アリシナ、荷物は侍女にまとめさせて持ってきています。 後で何処かの部屋に運んで貰います」
夫人がイールスを睨みながら言うと、シンシリア達が驚いたように夫人を見ている
「これはこれは… 面白い事になりましたね… 娘を捨てる現場を見れるなんて… 」
王妃が笑いながら言うと、全員王妃を見ている
「え! おおおおお王妃様!! 何故こちらに…… 本日はお美しいお姿を拝見できて光栄に思います」
夫人が王妃を見て慌てて挨拶をしている
(何故ここに王妃様が… まさか噂通りイールスは王族なのですか? それよりもシンシリア様にメサリア様にセーレン様にメデル様まで… 気楽なお茶会と聞いてましたが… どんな集まりなのですか?)

「まさかお茶会に乱入して娘を押し付ける現場を見れるなんて… 傑作ですね」
王妃が笑いながら夫人を見ている
「アリシナにはイールスしかいません… 娘の為です」
夫人が冷や汗をかきながら言う
「イールスは罪な人ですから… 他の保護者が乗り込んできたら大変な事になりそうですね… 1人や2人ではすまないですから」
「それでもアリシナにはイールスしかいないと思っております」
「アリシナさんの冒険者修行… 覚悟はあるのは解りますが… どうしたら良いのでしょうか? イールスどうしますか?」
王妃が笑みを浮かべてイールスを見ている
「大変申し訳ないのですが、下賤な身の半人前の未熟者ですのでお断りしたいと思います。 アリシナ様の変な噂が流れると大変申し訳ないと思いますので」
イールスが頭を下げながら言う
「妾で良いと言われてしまいましたね… 側室や正妻と違いますね… メサリアどうなさいますか?」
王妃がメサリアを見ている
「アリシナちゃんが可哀想ですのーーー 妾なんてーーー 側室で良いのですわ!!」
メサリアが満面の笑顔で言う
「リシリア良いですか?」
「嫌です!! 兄様は譲りません!!」
リシリアが王妃を睨んで言う
「妾ならリシリアが1番のままですが、争いになったら味方がいないですよ」
「兄様と一緒に国を出て帰ってきません!!」
リシリアが睨みながら言うと、アリシナが泣きそうになっている
「え! アリシナ、どうなっていますか!」
夫人も慌ててアリシナを見ている
「王妃様、遊ばれると事が混迷を極めます。 アリシナ様は帰る家を失い、イールスは何もしないなら… 娼婦になるしか無いですね… イールスが責任を取らないから仕方ないですが」
セーレンがあきれ気味に言う
「え! 何故!!」
イールスが驚いてセーレンを見る
「これは… 仕方ないですね… イールス、責任は取らないといけないですね」
シンシリアが諦めたようにイールスを見ている
「そうですのーーー アリシナちゃんがイールスを追い掛けて冒険者をしたら無理をして死んでしまいますのーーー 護衛無しに迷宮は無理ですのーーー」
メサリアが笑顔で言う
「イールス様、お友達を死に追いやるなんて… どうなさいますか? 私は妾で十分です」
シリカローレンが笑顔で言う
「シリカローレン様!! どさくさに紛れて何を言っているのですか?」
エリーゼマリーナがシリカローレンを睨んでいる
「シリカローレンちゃんも良いですのーーーー イールスの子供を沢山作ってくださいですのーーーー」
「メサリア!! いい加減な事を叫ばない!! イールスどうするのですか? アリシナさんを不幸にして良いのですか?」
シンシリアがイールスを睨んでいる
「イールス逃げ道は無いですね、責任を取りなさい… これで1人… この後は楽しみですね」
王妃が笑みを浮かべていると、アリシナがイールスを見ている。夫人も驚いたように王妃を見ている
(味方してくれるのですか? 何故? )
「アリシナちゃん、一言言いなさいですの」
メサリアがアリシナを見ている
「え! ………イールス様不束者ですが、よろしくお願いします… 何処までも一緒にいさせてください」
アリシナが真っ赤になりながら言うと、イールスが苦笑いしながら固まっている

え!逃げ道無し… 何を言ってもアリシナ様が追い掛けてきたら危険が多すぎる… 母親公認で押し掛けられた? メサリア様も王妃様もこの笑顔… 断ったら大変な事を言われそう… アリシナ様の顔も… シリカローレン様もここぞと言ってくるなんて… 早く旅に出ないと大変な事を次々と言われそうな…
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