異世界転生目立ちたく無いから冒険者を目指します

桂崇

文字の大きさ
6 / 369

第6話 アーセリオドールと勉強

しおりを挟む
翌日、イールスはいつも通り、剣の鍛練をしてから、教育係からの勉強を受けている

アーセリオドールは、ビヨールとロイホールと話しながら、ビヨールとロイホールの態度に怒り、怒鳴り声が屋敷中に聞こえている
「今日は、ここまでですが…」
教育係が呟く
「この後は、ロイホール様の勉強でしたか?」
「無理そうですね…アーセリオドール様がこんなに怒っている何て…何をしたのでしょうか?」
「ビヨール様に対して、怒り始めた様に聞こえてましたが、今はロイホール様に対して怒ってます…ロイホール様も可哀想ですから、勉強の時間と伝えた方が良いと思います」
イールスが真剣に言う
「そうですね…イールス様が見に行って言ったら、逆効果ですね」
教育係が溜め息をしてから、部屋を出ていく

「イールス様、今日はどの様な本を読みますか?」
サメーリアが笑顔で聞く
「歴史物は、もう読み終わったから、何が良いかな?」
「イールス様は、物語は読んで無いですよね? 少し読まれたら?…実は侍女長と執事から勧める様に言われて…」
サメーリアが考えてから正直に言う
「そうなのか…執事さんに聞いてから、読もうかな?」
イールスが真剣に言う

執事さんが言うなら、理由が有るのかな?
侍女長まで言うなら、ヘルクドール様の指示かもしれない

「執事さん、少しよろしいですか?」
イールスが執事を見つけて声をかけると、サメーリアを見てから
「お勧めの物語ですね…」
執事が微笑みながら言うと、書庫に向かう
「この辺りの物語が有名です。貴族なら皆読んでいます」
執事が真剣に勧める
「ヘルクドール様の指示ですか?それとも…何か理由が有るのですか?」
イールスが真剣に聞く
「イールス様、パーティー等に行かれたら、話のネタは必要です。御理解下さい」
執事が真剣に言う
「解りました。歴史物もほとんど読んだので、物語を読みます」
イールスが笑顔で言うと、執事が勧めた本を持って部屋に戻っていく

3日後、剣の鍛練をしている
「イールスは、本当に真面目に訓練をしているな」
アーセリオドールがイールスの訓練風景を真剣に見ながら声を掛ける
「アーセリオドール様、おはようございます。」
イールスが慌てて鍛練を止めて、挨拶をする
「鍛練の邪魔したか…」
「アーセリオドール様、滅相も有りません、何か御用ですか?」
「今日は一緒に話さないか?」
アーセリオドールが真剣に言うと、鍛練を切りあげて、アーセリオドールの部屋に向かう

「イールス、ビヨールとロイホールの事はどうしたら、真剣に勉強をすると思うか?」
アーセリオドールが真剣に聞く
「余り話さないので、解りませんが…引き離した方が良いと思います。」
「やっぱりか…ロイホールが態度が悪いのは、ビヨールの所為か…歳が近いから、一緒にいるのは良いが、パーティーには連れていけないと、問題だ」
「何故ですか?」
「イールスも13歳だから、王都でパーティーに出ないといけないが、優秀なら婿養子として、話しも出るだろうが…」
アーセリオドールが真剣に言う
「婿養子? 貴族になりたくないので、どうでも良いです」
「イールス!! 本当に家を出るつもりか?」
「はい、出来れば冒険者になろうと思います」
イールスが真剣に言う
「はぁ? ぼぼぼぼっ冒険者だと!! 何故だ」
「家を出たら、一人です。若い人がなれる仕事は少ないです。それに、冒険者なら旅も出来ます」
「まだ2年有る…考えを改める時間も有るから、可能性を考えるように」
アーセリオドールが真剣に言う
(イールス…しっかりしているが、まさか、冒険者になると言うとは…勿体無いような…フレールとザイネラの態度も有るが…)

「イールス様、勉強の時間ですが、どうなさいますか?」
教育係が、申し訳なさそうに入ってくる
「ロイホール達は終わったのか?」
アーセリオドールが真剣に聞く
「ロイホール様は、終わりました。ビヨール様は部屋を出て来なかったので、イールス様が終わったら、もう一度行きます」
「イールスの勉強も観察したいから、ここでやれば良い」
アーセリオドールが真剣に言うと、教育係が本を持ってくると、いつもの様に本を読みながら、説明を始める

「イールス様、物の値段ですが、下げる為にはどうしたら、良いですか?」
「例えば、小麦なら安い地域から大量に運んできて、流通させれば、需要と供給の関係で、供給量が増えるので、下がります。」
イールスが真剣に答える
「需要とは何ですか?」
「物を買いたい人です。必要量と思って良いです」
「イールス様正解です。次は歴史の問題です」
教育係が真剣に次々と問題を言うと、イールスが次々と答えていると、アーセリオドールが考え込んでいる
(ちょっと待て! 今の話、全部答えられるのか!! 優秀過ぎる…教育係が経験が必要だと言うのも間違いない…ロイホールとビヨールも見習ってほしい)

教育係の話が終わる
「イールスに勉強は必要か?」
「アーセリオドール様、数日休まれても構わないです。おそらく、この後も本を読んで勉強をしていますので、1人で勉強も出来ます」
教育係が真剣に言う
「書庫の本を読んでいるとは、聞いていたが、どのぐらい読んだ?」
「歴史書や常識的な本は、ほとんど読みました。今は、執事さんからのお勧めの物語を読んでいます」
「は? 数百冊有ったと思ったが…何か欲しい本は有るか?」
アーセリオドールが驚いて聞く
「えーと、魔導書なども読んでみたいと思います」
イールスが考えながら言う

魔導書読んで、魔法使えるようになれば、冒険者として、やっていけそうだし…

「魔導書か? 才能が有るか調べる必要も有るが、覚えておいて悪い事は無いな」
アーセリオドールが言うと考え始める

イールスが部屋を出ていく
「イールスに教えられる事が無くなったのか?」
「実は、もう無いです。経験を積んで学んで欲しいです」
教育係が真剣に言う
「王都に連れて帰るしか、無いな…」
アーセリオドールが考え込んでいる
しおりを挟む
感想 296

あなたにおすすめの小説

ブラック企業で心身ボロボロの社畜だった俺が少年の姿で異世界に転生!? ~鑑定スキルと無限収納を駆使して錬金術師として第二の人生を謳歌します~

楠富 つかさ
ファンタジー
 ブラック企業で働いていた小坂直人は、ある日、仕事中の過労で意識を失い、気がつくと異世界の森の中で少年の姿になっていた。しかも、【錬金術】という強力なスキルを持っており、物質を分解・合成・強化できる能力を手にしていた。  そんなナオが出会ったのは、森で冒険者として活動する巨乳の美少女・エルフィーナ(エル)。彼女は魔物討伐の依頼をこなしていたが、強敵との戦闘で深手を負ってしまう。 「やばい……これ、動けない……」  怪我人のエルを目の当たりにしたナオは、錬金術で作成していたポーションを与え彼女を助ける。 「す、すごい……ナオのおかげで助かった……!」  異世界で自由気ままに錬金術を駆使するナオと、彼に惚れた美少女冒険者エルとのスローライフ&冒険ファンタジーが今、始まる!

白いもふもふ好きの僕が転生したらフェンリルになっていた!!

ろき
ファンタジー
ブラック企業で消耗する社畜・白瀬陸空(しらせりくう)の唯一の癒し。それは「白いもふもふ」だった。 ある日、白い子犬を助けて命を落とした彼は、異世界で目を覚ます。 ふと水面を覗き込むと、そこに映っていたのは―― 伝説の神獣【フェンリル】になった自分自身!? 「どうせ転生するなら、テイマーになって、もふもふパラダイスを作りたかった!」 「なんで俺自身がもふもふの神獣になってるんだよ!」 理想と真逆の姿に絶望する陸空。 だが、彼には規格外の魔力と、前世の異常なまでの「もふもふへの執着」が変化した、とある謎のスキルが備わっていた。 これは、最強の神獣になってしまった男が、ただひたすらに「もふもふ」を愛でようとした結果、周囲の人間(とくにエルフ)に崇拝され、勘違いが勘違いを呼んで国を動かしてしまう、予測不能な異世界もふもふライフ!

三歳で婚約破棄された貧乏伯爵家の三男坊そのショックで現世の記憶が蘇る

マメシバ
ファンタジー
貧乏伯爵家の三男坊のアラン令息 三歳で婚約破棄され そのショックで前世の記憶が蘇る 前世でも貧乏だったのなんの問題なし なによりも魔法の世界 ワクワクが止まらない三歳児の 波瀾万丈

捨て子の僕が公爵家の跡取り⁉~喋る聖剣とモフモフに助けられて波乱の人生を生きてます~

伽羅
ファンタジー
 物心がついた頃から孤児院で育った僕は高熱を出して寝込んだ後で自分が転生者だと思い出した。そして10歳の時に孤児院で火事に遭遇する。もう駄目だ! と思った時に助けてくれたのは、不思議な聖剣だった。その聖剣が言うにはどうやら僕は公爵家の跡取りらしい。孤児院を逃げ出した僕は聖剣とモフモフに助けられながら生家を目指す。

転生者は力を隠して荷役をしていたが、勇者パーティーに裏切られて生贄にされる。

克全
ファンタジー
第6回カクヨムWeb小説コンテスト中間選考通過作 「カクヨム」と「小説家になろう」にも投稿しています。 2020年11月4日「カクヨム」異世界ファンタジー部門日間ランキング51位 2020年11月4日「カクヨム」異世界ファンタジー部門週間ランキング52位

フリーター転生。公爵家に転生したけど継承権が低い件。精霊の加護(チート)を得たので、努力と知識と根性で公爵家当主へと成り上がる 

SOU 5月17日10作同時連載開始❗❗
ファンタジー
400倍の魔力ってマジ!?魔力が多すぎて範囲攻撃魔法だけとか縛りでしょ 25歳子供部屋在住。彼女なし=年齢のフリーター・バンドマンはある日理不尽にも、バンドリーダでボーカルからクビを宣告され、反論を述べる間もなくガッチャ切りされそんな失意のか、理不尽に言い渡された残業中に急死してしまう。  目が覚めると俺は広大な領地を有するノーフォーク公爵家の長男の息子ユーサー・フォン・ハワードに転生していた。 ユーサーは一度目の人生の漠然とした目標であった『有名になりたい』他人から好かれ、知られる何者かになりたかった。と言う目標を再認識し、二度目の生を悔いの無いように、全力で生きる事を誓うのであった。 しかし、俺が公爵になるためには父の兄弟である次男、三男の息子。つまり従妹達と争う事になってしまい。 ユーサーは富国強兵を掲げ、先ずは小さな事から始めるのであった。 そんな主人公のゆったり成長期!!

【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜

一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m ✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。 【あらすじ】 神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!   そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!  事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます! カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。

転生したら名家の次男になりましたが、俺は汚点らしいです

NEXTブレイブ
ファンタジー
ただの人間、野上良は名家であるグリモワール家の次男に転生したが、その次男には名家の人間でありながら、汚点であるが、兄、姉、母からは愛されていたが、父親からは嫌われていた

処理中です...