異世界転生目立ちたく無いから冒険者を目指します

第30話 アーゼリアストリア王立学院 入学

アーゼリアストリア王立学院の入学式の日になり、イールスは門から入り歩いている
「あ！！ イールス様」
アリシナが笑顔で手を振りながら言うと、隣でクレーシアが微笑みながら見ている
「アリシナ様、クレーシア様、お久し振りです。お元気でしたか？」
「はい！！ イールス様、中々パーティーで会えなくて、寂しかったです」
アリシナが満面の笑顔で言う
「アリシナは、毎回イールス様がいないか、探し回っています。イールス様は中々パーティーに、参加してないので、悲しいですね」
クレーシアが、微笑みながらイールスを見ている
「迷宮で鍛練していましたので、あまり参加してませんでした。申し訳ありません」
頭を下げながら言うと、他の生徒達が見ている
「あ！ イールス様早く中に行きましょう」
アリシナが笑顔で言うと、一緒に歩いて教室を探しに向かう

クレーシアと別れて、アリシナと教室に入ると、教室は、講堂のように机が並び、生徒が既に席に座っている
「イールス様、席は自由なので、一緒に座りましょう」
アリシナが笑顔で言うと、窓側の席に向かう

「アリシナ、イールスこっちです」
フレシカが笑顔で言う
「フレシカ様も、御一緒で安心しました」
「イールス様が、家柄を言わ無かったのですね、一緒だと思いませんでした」
フレシカが微笑みながら言う
「え？ 何故ですか？」
不思議そうに聞く
「え？ 知らなかったのですか？ 子爵以上の家柄は、強制的に隣のクラスに別けられています。」
フレシカが真剣に言う
「そうなのですか？ 成績で別けられていると思っていました」
イールスが真剣に言う
（やっぱりイールス様ですが…良いのでしょうか？）
「何故願書に、苗字書かなかったのですか？」
「はい！ 必要無いと有りましたので、書いてません、冒険者になるつもりなので、必要有りませんよね？」
「やっぱり、イールス様です」
フレシカが微笑んでいると、アリシナが不思議そうに聞いている

講師が入ってくると、注意事項の説明を始め、入学式の為に移動を始める
「イールス君ですね…少し話が有ります」
講師が真剣に言うと、別室に案内される

「イールス君、君だけ家柄がはっきりしないが…何故ですか？」
講師が真剣に聞く
「家柄など、必要ないですよね？」
「そうだが…平民ではなく…成績は断トツのトップだったが、首席にするには、爵位が有る程度無いと困る…」
講師が真剣に説明を始める

「卒業したら、冒険者になるつもりなので、必要無いと思われます。 王立学院に通わないと、鍛練も冒険者にもなれないので、仕方無く受けました。」
「仕方無く…イールス君、冒険者になるのに、王立学院に通う人は始めてです…学院長に報告しておくが、家柄を教えて欲しい」
講師が真剣に言う
「お断りします。下賤な身、家柄を言うのも…大変申し訳ないので…申し訳ありません」
頭を下げながら言う
「強制出来ないが…学院長に伝えておく」
講師が諦めて言う

入学式に向かうと、アリシナが待っている
「イールス様、講師様から何か言われたのですか？」
アリシナが心配そうに聞くと、フレシカが見ている
「家柄を教えて欲しいと言われましたが、断りました」
「何故ですか？」
「首席に出来ないからだそうです」
「え！ 首席！！ イールス様…イールス様なら当たり前です」
アリシナが考えながら言うと、フレシカが真剣にイールスを見ている
（家柄問題ですね…伯爵家と知られたら、即隣のクラスに変更になりそう）

入学式が始まり、在校生代表の挨拶や国王の挨拶が終わり、入学生代表の挨拶にエリーゼマリーナが壇上で挨拶をしている

もしかして…首席は、挨拶が有るの？ 首席はなりたくないな…エリーゼマリーナに首席になって貰おう

入学式が終わると、教室に戻り、講師がやってくるのを待っている
「これから、学院内の案内を始めますので、ついてきてください」
講師が言うと、学院内を歩いて案内を始め、終わると、教室で授業の説明をしてくれる

必修授業と選択授業か…必修授業だけで十分だから、選択授業は要らないな…

「イールス様、選択授業何を取られますか？」
アリシナが笑顔で聞く
「必要ないかな？ 鍛練もしたいので」
考えながら言う
「え！ イールス様、必修授業だけなのですか…一緒に…」
アリシナが悲しそうにイールスを見ている
「いくつかの選択授業を、見てから決めませんか？」
フレシカが慌てて言う
「考えておきます…」
アリシナを見て言うと、アリシナがイールスを見ている

イールスが１人になると、４人の生徒がイールスを取り囲む
「この平民！！ 女と仲良く話しているんだ！！平民のお前ごときが！！」
男生徒が、イールスを睨みながらいうと、教室内の生徒達が見ている
「友達ですので、仲良くしています。 何か問題でも有りますか？」
「貴様、口答えするのか！！ ブライヤスト男爵家のこの俺に！！」
男が怒鳴りながら、イールスに詰め寄る
「男爵家の名前を言えば、誰でも言う事を聞くと思っているのですか？ 」
真剣に言うと、周囲の生徒達がザワザワしている
「このクズが！！ 口答えしたらどうなるか、思い知らせてやるぞ！！」
男生徒が怒鳴り、周囲の男生徒達がイールスを取り囲む

面倒だな…どうしようかな？

イールスが苦笑いして考えていると、入口にエリーゼマリーナ達が見ている。男生徒がイールスを殴り、男達がニヤケている
「面白そうですね…イールス様に手を出したからには、どうなるか思い知らせてあげますわ」
エリーゼマリーナが睨みながら言う
「なんだ！！ 文句有るのか！！」
男生徒が怒鳴る
「そうですわ！！ イールス様に手をあげるなど、許しませんわ！！」
エリーゼマリーナの友達達が睨んでいる
「ブライヤスト男爵家は、ルーゼント伯爵家の分家でしたわね…リーシアノリアが、どれ程怒るか…イールス様を殴ったからには、面白そうですわ」
エリーゼマリーナが笑いながら睨んでいる
「え？ 何故、リーシアノリア様の名前が…」
男生徒が驚いて焦り始める
「リーシアノリア様とは、パーティーで何度か話していますが、知り合いでしたか？」
イールスが微笑みながら聞く
「え！ まさか…」
男生徒が青ざめ始める
「イールス様に対しての無礼は、許さないので、覚悟してくださいね」
エリーゼマリーナが、笑顔で睨みながら言う
「何故…平民ごときが…」
男生徒が、どうして良いか解らず、立ち尽くしている
「イールス様は、平民では有りません！！ 家を出て１人で生きていく為に、家柄を話さないだけです。 良くパーティーで、仲良くさせて貰っています…イールス様のお友達全員を、敵に回して良いのですね…」
エリーゼマリーナが睨んでいる
「イールス様、何が有ったのですか！！」
アリシナとフレシカが戻ってくると、令嬢達から話を聞いて、怒りに睨んでいる

「イールス様を殴るなんて！！ 絶対に許しません！！」
アリシナが大声で叫ぶ
「アリシナ、私も許しません！！」
クレーシアが大声で叫ぶ
「知り合いのパーティーに出入り禁止にしてあげますわ」
エリーゼマリーナが笑顔で言う
「それは良いですね！！ 締め出しましょう」
令嬢達が次々と言い始める

「何をしているのですか？」
講師がやってくると、エリーゼマリーナ達が説明をする
「暴力はいけません、イールス君は、家柄を明らかにしてませんが…平民と決めつけたのは、良くありません、注意してください。ここで謝るように」
講師が真剣に言うと、男生徒達が嫌そうにイールスに頭を下げている