異世界転生目立ちたく無いから冒険者を目指します

桂崇

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第40話 ルーゼント伯爵家のパーティー 中編

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パーティーの準備が終わり、イールスはリーシアノリアを迎えに行く
「イールス様、本日はよろしくお願いします」
リーシアノリアがイールスを見付けて笑顔で言う
「リーシアノリア様、本日もお元気そうで、嬉しく存じ上げます」
イールスが丁寧に挨拶をする
「実は、去年1人で寂しかったので、御姉様が気にしていてくれました」
「本日は邪魔をしないように気を付けますが、至らない点が有りましたら言ってください」
イールスが微笑みながら言うと、リーシアノリアが嬉しそうにしている

パーティーが始まると、リーシアノリアの横で挨拶に来た人に一緒に挨拶をしている。リーシアノリアが対応に困りそうになると、イールスが手助けをしている
「リーシアノリア様、少し御休憩なさいますか?」
イールスが、リーシアノリアの少し疲れた顔を見ながら聞く
「はい! イールス様」
リーシアノリアが少し嬉しそうに言うと、イールスの腕に掴まり、会場を離れる

「イールス様、大体の挨拶は終わりましたので、若い人達と話をさせるように、旦那様から指示です」
侍女が伝えにくる
「はい、畏まりました。 女性と…男性も話した方がよろしいですか?」
考えながら聞くと、侍女が微笑みながら頷き、詳しく説明をしている

「イールス様、何か有りましたか?」
リーシアノリアが侍女と話しをしている、イールスを不思議そうに見て聞く
「挨拶が大体終わりましたので、話の輪に加わるように致しますが、宜しいでしょうか?」
「え! 少し自信は有りませんが…イールス様守ってください…」
リーシアノリアが考えながら言う
「リーシアノリア様、戻りましょう」
リーシアノリアが嬉しそうに、イールスの腕掴まり、会場に戻っていく

あ! あいつは…少し嫌がらせするかな?

ブライヤスト男爵家の子息達の元に歩いていく
「え! リーシアノリア様!!」
子息が驚いて叫び、イールスを見ている
「リーシアノリア様、こちらは、ブライヤスト男爵家の人です。 王立学院で同じクラスになります」
微笑みながらリーシアノリアに言うと、リーシアノリアが少し驚いた顔をしている。子息が慌てて頭を下げて挨拶をしている
「イールス様と仲良いのですか?」
リーシアノリアが笑顔で聞く
「え! いえ…その…」
子息が青ざめて少し震えている。遠くでシンシリアが見て微笑んでいる
(リーシアノリアをブライヤスト男爵の子息に挨拶を? やっぱりイールスは面白いですね)
「イールス様…仲良くないのですか?」
リーシアノリアが、イールスの横顔を見ている
「はい…リーシアノリア様、仲は良くないです。ルーゼント伯爵家の分家になりますので、リーシアノリア様は、顔を覚えていて頂きたいと思います」
微笑みながら言う
「仲良くないのですか? どうしてでしょうか?」
リーシアノリアが少し悲しそうに、イールスの横顔を見ていると、子息キョロキョロしている
「どうかしましたか? 顔色が悪いようですが…」
子息を見ながら言うと、リーシアノリアが子息を見ている
「申し訳ありません!! ちょっと所用に!!」
子息が慌てて立ち去っていくと、リーシアノリアが見送っている

あの人達は、分家だったような…

イールスは、リーシアノリアと歩いて、少女達の方に向かい、挨拶をすると、少女達がイールスを見て嬉しそうにしている
「リーシアノリア様、隣のイールス様とはどのような御関係ですか?」
少女がリーシアノリアを見て聞くと、少女達の視線が集まる
「え! えーと、シンシリア御姉様が…その…エスコートを頼んでくれました」
リーシアノリアが真っ赤になって言う
「エスコートを? イールス様はパーティーに誘うのも大変と噂を聞いてましたが…」
「シンシリア御姉様が、王立学院経由で招待状を出してくれました」
リーシアノリアが笑顔で言う
「あ!! 伺いました!! 確か誰かが、イールス様を殴り、シンシリア様が乗り込んで相当怒っていたと…」
少女が笑顔で言うと、少女達が口々に噂話をしている。リーシアノリアが驚きイールスの腕をぎゅーと握りしめている
(え! イールス様が殴られた? 何故? イールス様大丈夫なのですか?  誰に聞けば…)
「シンシリア様が教室まで来訪して頂き、本当に申し訳無いと思いました」
「御姉様が廊下で見て挨拶をしましたが、無視され相当御立腹だったと、聞きましたわ! あんなに怒られたシンシリア様を見た事が無いと家で大騒ぎでした」
少女が笑顔で言う
「あ!! あの日!! イールス様、何が有ったのですか? 急に出掛けて…帰ってきたら、機嫌が直ってましたが…」
リーシアノリアが心配そうに聞く
「シンシリア様に後で聞いてくださいね」
微笑みながら、リーシアノリアの顔を見て言うと、リーシアノリアと目線が合う
「シンシリア御姉様が、教えてくれますか?」
「シンシリア様は、リーシアノリア様を凄く大切に思っています」
「本当でしょうか? いつも怒られ、少し怖いのですが…」
リーシアノリアが自信無さそうに言う
「シンシリア様が御立腹されたのは、リーシアノリア様の為です。自信を持って、パーティーでお友達を沢山作りましょうね」
「はい、イールス様」
リーシアノリアが笑顔で言う

「リーシアノリア様、イールス様と本当に仲良いのですね…兄妹のように見えます」
少女達が笑顔で言うと、リーシアノリアと話ながら、イールスとの出会いについて詳しく聞き始める
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