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『モーターボッツ(ホビーマシン、略称 MTB、またはMB)』
『モーターボ(超高出力機関)』
『Jボッツリーグ、またはJBリーグ(略称 JBL)』
『ナイツ(競技選手、別名 ボッツリーガー)』
『ボッツゲーム(ボッツバトル=団体戦、ボッツファイト=個人戦)』
『Jモーターボッツ財団、またはJMB財団(略称 JMBF)』
『セイバーフォース(通称 セイバーチーム)』
『セイバーマシン(超高性能プレミアムマシン、別名 ゼロボッツ)』
『スマモ(スマートモジュール)』
『モーターアリーナ(ボッツリーグ専用競技場)』
『レシオ・システム(選手応援と性能均等化制度)』
『EXオーロラマッピング・システム(略称 EXAM・システム)』
『ボッツァー(犯罪者)』
─────────────────────────
『モーターボッツ(ホビーマシン、略称 MTB、またはMB)』
『Motor』『Turbo』『Bots』のワードを組み合わせた造語。スペルは『Moturbots』
4駆(ブリットモード)、4脚(ビーストモード)、そして2脚(バトロイドモード)へと自在に変形、自由にフィールドを駆け巡り、対戦格闘やレース競技など、チーム戦・個人戦問わず、様々なレギュレーションバトルを繰り広げる、手のひらサイズの高性能プレミアムホビーマシン。
その大きさによって『ライト級』『ミドル級』『ヘビー級』『スーパーヘビー級』に分類される。(『スーパーヘビー級』はバーチャル模擬戦にのみ登場する仮想階級で、実在はしない)
一般向け仕様の『トイ(T)ボッツ』と、プレミアム仕様の『プロ(P)ボッツ』の二種類が存在し、「超高出力機関『モーターボ』が搭載可能か否か」により、『トイ』と『プロ』の差別化が図られている。
Pボッツに内蔵されたコンパクトかつハイパワーな半永久機関『モーターボ』により生み出される、「一般的な既製品の範ちゅうには収まらない、『何か』の意思が宿っているかのような挙動」と「無慈悲とも言える破壊力」は、世界中の人々の心を虜にする。
『ボッツバトル&ファイト』は、世界中の人々、特に少年少女に広く受け入れられ、『ボッツリーグ』はエンターテイメントの世界の一翼を担う新機軸競技として、大衆に歓迎された。
市販タイプのTボッツの構造は、一般人でも整備・改造し易いよう、かなり「チープな造り」となっており、その心臓部にもモーターボではなく、別の簡易的機関が使用されている。
バトルにおいても故障や破損は日常的なもので、そのカラー(シール)も、ボディに簡易的に貼付されたものがほとんどである。
価格は、数百円から数十万円と「ピンからキリまで」だが、一応一般層の手にも届く範囲である。
プレミアム仕様のPボッツは、一体の開発費が数千万円から数億円にも上り、複雑かつ超高機能なものとなっている。その生成法も、外装・内装共に丸ごと『積層一体成型法』で仕上げられるなど、基本的に「分解やメンテナンス自体が不可能」な構造となっている。
無論、機能維持に必要とされる特殊なメンテナンス法や、長期運用を見据えた拡張性の開発など、高度な技術と高額な維持費用が要求されるが、容易には損壊しない側面も持つ。
カラー(シール)は、ボディの上から超薄型の発色帯を適宜貼付する方式で、そのシールには、会場内の空間投影機や各種ドローン機とのデータリンク用に開発された、超薄型の専用チップが内蔵されている。
超大型会場において、競技シーンから離れた場所でも観戦に堪うるよう、公式競技に参加するボッツは、空間への巨大化投影を可能とする会場システムとシール機能とのリンクが必須となる。
『モーターボ(超高出力機関)』
『コンパクト性』を売りとするモーター体に『絶対的耐久力』と『爆発的パワー』の付与を成功させた夢の新動力機関。
過給器的バックアップ機関『ターボ性・サブモーター』が内蔵され、主機関と連動する事により『モーターボ』としてその真の能力を発揮する。
「特殊な3D積層プリンター加工による、パーツ一体化成形法」により生成され、その外装は『第一世代の金属タイプ』、『第二世代のカーボンタイプ』へと変遷を重ね、高耐圧・高耐熱性をメインに開発された『第三世代のポリマータイプ』は、数十トンにも及ぶ圧力や数千℃の高温にも耐え、深海や宇宙空間、燃焼環境下における作業ツールのエンジンとして、その活躍が期待された。
開発当初のポリマータイプ・モーターボは、人間が搭乗する自動車両用の「独立したパーツとして」出力されたが、その爆発的パワー故、一般的な既存素材(接合部)との親和性は最低最悪のものであり、人流・物流をサポートする為の「車両の心臓部として」の量産・販売は、現在でも困難となっている。
だがある時、(生成上の特性にも起因するが)試験的に「手のひらサイズ」(現在のボッツの大きさに相当する)のものが「外装・内構造共に」出力され、その結果、開発者達の想定を遥かに超える、驚異的かつ安定的なパワー発現の一端を垣間見る事となる。
この時より、「外装と内構造は共に生成されるべき」という、現在にも通づる開発思想が確立されたのである。
そのモーターボ自体も、破壊どころか解体すら不可能に近く、「完全ブラックボックス」化された内部には『擬似タキオン』と呼ばれる、一般向けには正体が一切明らかにされていないエネルギー流体が充填されている。
その実態を知る者は、非常に限られている「謎の機関」である。
生産済みの現存モーターボ全てには識別番号と識別ビーコンが割り当てられ、無断で廃棄する行為は法律によって禁止されている。
『Jボッツリーグ、またはJBリーグ(略称 JBL)』
モーターボッツを使用した「国内の競技チーム群が基盤となる」連盟組織。「連盟規約や競技レギュレーション、様々な形式による試合の開催と運営、それに伴う頒布」に協賛する、複数のチームによって構成される。
世界中には数多くの『ボッツリーグ』が存在し、主人公たちのチーム『セイバーフォース』が編入されている『JBL』もその一つである。
新規チームへのリーグ参入推進、海外リーグとの交流など、国内・海外問わず競技開催や運営に大きなかかわりを持つ。
過去、ボッツ競技黎明期には、数多くの運営団体が存在していたが、「チープなTボッツ」「高額なPボッツ」それぞれの特徴の活用、『エンターテイメントスポーツ競技』としてのPR不足、観客の呼び込みや運営等々、その舵取りの難しさから消滅と再編は繰り返され、現在、国内のボッツ競技連盟の体制は『JBL』一強という形に落ち着いている。
『ナイツ(競技選手 別名 ボッツリーガー)』
ボッツリーグに参加するプロ選手の総称で、「騎馬を駆る騎士」から由来している。
プロに対し『ナイツ』と呼ぶのは当然だが、一般人やプロを夢見る少年少女が、自らを勝手に『ナイツ』を宣言し悦に入るのは、よくある話である。
ハイパワー故、運用時の安全性が重視されるPボッツ。ボッツ運用は免許制であり、『ナイツ』の名を与えられるのは、小学生から高齢者まで例外なく、厳しい試験をクリアした者のみとなる。
『ボッツゲーム(ボッツバトル=団体戦、ボッツファイト=個人戦)』
一般的なゲームレギュレーションでは、2~5人メンバーによるチーム戦を『ボッツバトル』、1対1の個人戦を『ボッツファイト』と呼称する。
『バトリング』『ファイティング』とも言い換えられるが、一般人がこの二つを取り間違えたとしても、さほど問題はない。
少年少女たちは、団体戦では「チームでバトろう! (「チバる!」など)」、個人戦では「個人戦でファイティング! (「こファる!」など)」といった、様々な『決まり文句』で対戦勧誘し合い、自らで差別化を図っている。
『Jモーターボッツ財団、またはJMB財団(略称 JMBF)』
国内のモーターボッツ競技の整備・発展を目的とし設立された財団機構。
ボッツ競技者の技術・地位向上、ボッツにかかわる様々な情報の発信といった啓蒙活動を行なっており、国内に存在するPボッツと、特にその搭載されている「すべてのモーターボ」の管理を一手に担っている。
モーターボッツ全般で発生する巨大な利権の他にも、様々な事業を展開し、その保有資産は揺るぎないものとなっている。
主人公ユウマたちが所属するチーム『セイバーフォース』を設立する。
『セイバーフォース(通称 セイバーチーム)』
Jモーターボッツ財団の肝いりで新たに設立された、ユウマたち主人公が所属するチーム。
国内ボッツ競技者の技術と地位の向上、海外流出防止の他、国内の若き競技者のスカウト・育成・活動支援を目的とする『第一次セイバープロジェクト』内の一環。
財団の庇護の下、潤沢な資金により開発された超高性能ボッツマシンの付与、高度な育成プログラムの施行、国内・海外遠征費の無償提供、ファイトマネーの透明化など、小学4年生である主人公たちは「至れり尽くせり」な待遇を受けているが、彼らはそれらを『特別』とは感じておらず、自分たちの実力をもってすれば「当然のこと」と受けとめている。
『セイバーマシン(超高性能プレミアムマシン、別名 ゼロボッツ)』
『第一次セイバープロジェクト』内の一環、「あらゆるプロ仕様ボッツを超える存在としてのマシン開発計画」において、Jモーターボッツ財団が、潤沢な資金と技術の粋を集め開発した超高性能プレミアムマシン。
ユウマが駆る『ファイアエルヴィオン』を含めた、チームメンバー五人と、監督のカイが駆る六体のボッツがこれに当たる。
ボッツに関する既存技術からの参考や流用を極力行なわず、モーターボや変形機構といった基本体系を『ゼロ』から再構築した『ゼロボッツ』と呼ばれる新機軸マシン。
一般的なプロボッツ1体の開発費が、数千万円から一億円に届くかという中、これらセイバーマシンの開発費は1体数十億円とも言われ、「冒し難き過去の範例」を率先して廃除してゆこうという忌憚なき開発思想が、これまでにないパワーとスピードを発揮する『モンスターマシン』を生み出した。
リーグ出場マシンの能力を、ある程度まで平均化させる『レシオ・システム』により、普段は抑制されているが、ピンチの場面では、瞬間的にその「真の力」を発揮する。
『モーターアリーナ(ボッツリーグ専用競技場)』
ボッツリーグを開催する為に建設された専用競技会場で、屋外型・全天候型など、様々な形式のものが国内各所や世界各国に数多く点在する。
試合開催時、アリーナ内の観客を効率良く随所に誘導する入退場補助設備『アリア・システム』が標準的に備わっている。
また、ライト級バトロイド(2脚)形態のボッツの全高が18~20㎝と、かなりのコンパクトさ故、その観戦に迫力が全く感じられないという問題に、『EXオーロラマッピング・システム』や「ドローンカメラ群を駆使した多元的カメラ中継」「リアルタイム応援投票による、レシオ・システムの限定解除」など、派手な展開を演出するシステムで対応。
JBLによって銘打たれた『超次元エンターテイメント』『革新的ステージ』の実現を念頭に、既存技術からの参考や流用は極力行なわない設計法により、建設が進められた。
ライト級ブリット(4駆)形態のボッツの走行時速が80~120㎞にも達し、周回レーンに2千mの距離が備わっていても、一周に1分~1分30秒とかからない為、レース競技で使用される周回レーンは2千m級のものが一般的となっている。
『スマモ(スマートモジュール)』
通信通話・パソコン・テレビ・決済関連・イベント会場へのシームレス入場といった多機能を標準的に内蔵し、さらに専用オプションを経由させる事で、ドライヤーやアイロン、果てはミニオーブンレンジやミニコンロなど、外出先や災害時でも「電化製品の機能」を利用可能とする「セントラル型」携帯端末。
手袋型や首かけ型、ブレスレット(腕時計)型、ゴーグル(眼鏡兼用)型、バックル型など、携帯や紛失防止に則した形状のバリエーションも多く、広く世に普及している。
一般的なパソコンのように、内部パーツのアップグレード・交換修理も容易で、外装も頑丈強固でありながらカスタマイズの自由度が高いなど、本体自体を買い替えずとも長期運用が可能である。
また、会場内誘導機能『アリア・システム』、選手応援機能『レシオ・システム』へのリンクに必要なアイテムでもある。
『レシオ・システム(選手応援と性能均等化制度)』
チーム対チームのレース戦や格闘戦において、対戦ボッツ間の性能差が明らかな場合、「最初から試合として成立しない」状況を回避する為、運営側が出場ボッツの出力等を調整・均等化し、それらの情報を公表する制度。「強いボッツ(チーム)ばかりが勝ち続ける」といった、端的で面白みの欠けた進行を避けるのが狙いである。
また、選手が故意に自機の出力を極端に下げて自滅を謀るといった八百長試合を成立させない為、微妙なアクセルワーク的操作以外は、基本、極端なパワーダウン系の操作も、この『制度』によって受けつけなくなる。(それはまるで、常に巡航を強いられるシューティングゲームの自機のようでもある)
その他にも、観客のリアルタイム応援がスマモを介し多く送られる事で、レシオ・システムが徐々に解放され、応援したチーム(選手)のボッツが「力を取り戻す(または、相手のボッツがパワーダウンする)」といった、観客参加制度も盛り込まれている。
「不特定多数の手を介した」設定変動の情報やその結果が「目の前で」詳細に開示され、目まぐるしく更新を続ける点や、調整スタッフや観客の『さじ加減』によって、予測不能の『激しい振れ幅』が発生する点から、すべての公式戦は『賭け事』として成立しづらくなっている。だが、その成立しづらい最大の要因は、「少年少女たちの多くで占められた選手層の」リーグを「親目線で」観戦、応援したいというファンが多く存在するからであろう。
『EXオーロラマッピング・システム(略称 EXAM・システム)』
これまでの「対象物の表面に向け、映像を投写する技術」とは一線を画す、新開発の『完全無投写・立体影像化技術』の総称。
投影専用に開発されたモーターボを原動力とする『荷電子銃』が、一般的な撮影用カメラから出力された映像を超高出力の粒子と磁場へと変換、厳密に規定された空間へと送射。それらの乱衝突を、複数のプロジェクター・ドローン群が受信し、さらに増幅、再編成・再出力させる事で、一般的なライト級バトロイド(2脚)の全高が18~20㎝、ヘビー級でも40㎝と、かなりのコンパクトなモーターボッツのボディを、何も存在しない空中に向け、最大で全高30mまで巨大化投影させる事が可能となる。
『ボッツァー(犯罪者)』
モーターボッツを悪用し、犯罪に手を染める者の俗称。
隠密性・高起動性を不正に高め、建造物侵入・無人諜報活動・爆発物搭載による破壊活動や要人暗殺など、自ら企てたり、他者からの依頼を請け負う犯罪者。
高い技術力と緻密な計画性を持つボッツァーの犯行は完全犯罪に近く、それらの事件は迷宮入りしてしまう場合が多い。だが、中には技術力を伴わない、お粗末な『エセボッツァー』による犯行・逮捕も見受けられ、しばしば世間から嘲笑を買っている。
『モーターボッツ(ホビーマシン、略称 MTB、またはMB)』
『モーターボ(超高出力機関)』
『Jボッツリーグ、またはJBリーグ(略称 JBL)』
『ナイツ(競技選手、別名 ボッツリーガー)』
『ボッツゲーム(ボッツバトル=団体戦、ボッツファイト=個人戦)』
『Jモーターボッツ財団、またはJMB財団(略称 JMBF)』
『セイバーフォース(通称 セイバーチーム)』
『セイバーマシン(超高性能プレミアムマシン、別名 ゼロボッツ)』
『スマモ(スマートモジュール)』
『モーターアリーナ(ボッツリーグ専用競技場)』
『レシオ・システム(選手応援と性能均等化制度)』
『EXオーロラマッピング・システム(略称 EXAM・システム)』
『ボッツァー(犯罪者)』
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『モーターボッツ(ホビーマシン、略称 MTB、またはMB)』
『Motor』『Turbo』『Bots』のワードを組み合わせた造語。スペルは『Moturbots』
4駆(ブリットモード)、4脚(ビーストモード)、そして2脚(バトロイドモード)へと自在に変形、自由にフィールドを駆け巡り、対戦格闘やレース競技など、チーム戦・個人戦問わず、様々なレギュレーションバトルを繰り広げる、手のひらサイズの高性能プレミアムホビーマシン。
その大きさによって『ライト級』『ミドル級』『ヘビー級』『スーパーヘビー級』に分類される。(『スーパーヘビー級』はバーチャル模擬戦にのみ登場する仮想階級で、実在はしない)
一般向け仕様の『トイ(T)ボッツ』と、プレミアム仕様の『プロ(P)ボッツ』の二種類が存在し、「超高出力機関『モーターボ』が搭載可能か否か」により、『トイ』と『プロ』の差別化が図られている。
Pボッツに内蔵されたコンパクトかつハイパワーな半永久機関『モーターボ』により生み出される、「一般的な既製品の範ちゅうには収まらない、『何か』の意思が宿っているかのような挙動」と「無慈悲とも言える破壊力」は、世界中の人々の心を虜にする。
『ボッツバトル&ファイト』は、世界中の人々、特に少年少女に広く受け入れられ、『ボッツリーグ』はエンターテイメントの世界の一翼を担う新機軸競技として、大衆に歓迎された。
市販タイプのTボッツの構造は、一般人でも整備・改造し易いよう、かなり「チープな造り」となっており、その心臓部にもモーターボではなく、別の簡易的機関が使用されている。
バトルにおいても故障や破損は日常的なもので、そのカラー(シール)も、ボディに簡易的に貼付されたものがほとんどである。
価格は、数百円から数十万円と「ピンからキリまで」だが、一応一般層の手にも届く範囲である。
プレミアム仕様のPボッツは、一体の開発費が数千万円から数億円にも上り、複雑かつ超高機能なものとなっている。その生成法も、外装・内装共に丸ごと『積層一体成型法』で仕上げられるなど、基本的に「分解やメンテナンス自体が不可能」な構造となっている。
無論、機能維持に必要とされる特殊なメンテナンス法や、長期運用を見据えた拡張性の開発など、高度な技術と高額な維持費用が要求されるが、容易には損壊しない側面も持つ。
カラー(シール)は、ボディの上から超薄型の発色帯を適宜貼付する方式で、そのシールには、会場内の空間投影機や各種ドローン機とのデータリンク用に開発された、超薄型の専用チップが内蔵されている。
超大型会場において、競技シーンから離れた場所でも観戦に堪うるよう、公式競技に参加するボッツは、空間への巨大化投影を可能とする会場システムとシール機能とのリンクが必須となる。
『モーターボ(超高出力機関)』
『コンパクト性』を売りとするモーター体に『絶対的耐久力』と『爆発的パワー』の付与を成功させた夢の新動力機関。
過給器的バックアップ機関『ターボ性・サブモーター』が内蔵され、主機関と連動する事により『モーターボ』としてその真の能力を発揮する。
「特殊な3D積層プリンター加工による、パーツ一体化成形法」により生成され、その外装は『第一世代の金属タイプ』、『第二世代のカーボンタイプ』へと変遷を重ね、高耐圧・高耐熱性をメインに開発された『第三世代のポリマータイプ』は、数十トンにも及ぶ圧力や数千℃の高温にも耐え、深海や宇宙空間、燃焼環境下における作業ツールのエンジンとして、その活躍が期待された。
開発当初のポリマータイプ・モーターボは、人間が搭乗する自動車両用の「独立したパーツとして」出力されたが、その爆発的パワー故、一般的な既存素材(接合部)との親和性は最低最悪のものであり、人流・物流をサポートする為の「車両の心臓部として」の量産・販売は、現在でも困難となっている。
だがある時、(生成上の特性にも起因するが)試験的に「手のひらサイズ」(現在のボッツの大きさに相当する)のものが「外装・内構造共に」出力され、その結果、開発者達の想定を遥かに超える、驚異的かつ安定的なパワー発現の一端を垣間見る事となる。
この時より、「外装と内構造は共に生成されるべき」という、現在にも通づる開発思想が確立されたのである。
そのモーターボ自体も、破壊どころか解体すら不可能に近く、「完全ブラックボックス」化された内部には『擬似タキオン』と呼ばれる、一般向けには正体が一切明らかにされていないエネルギー流体が充填されている。
その実態を知る者は、非常に限られている「謎の機関」である。
生産済みの現存モーターボ全てには識別番号と識別ビーコンが割り当てられ、無断で廃棄する行為は法律によって禁止されている。
『Jボッツリーグ、またはJBリーグ(略称 JBL)』
モーターボッツを使用した「国内の競技チーム群が基盤となる」連盟組織。「連盟規約や競技レギュレーション、様々な形式による試合の開催と運営、それに伴う頒布」に協賛する、複数のチームによって構成される。
世界中には数多くの『ボッツリーグ』が存在し、主人公たちのチーム『セイバーフォース』が編入されている『JBL』もその一つである。
新規チームへのリーグ参入推進、海外リーグとの交流など、国内・海外問わず競技開催や運営に大きなかかわりを持つ。
過去、ボッツ競技黎明期には、数多くの運営団体が存在していたが、「チープなTボッツ」「高額なPボッツ」それぞれの特徴の活用、『エンターテイメントスポーツ競技』としてのPR不足、観客の呼び込みや運営等々、その舵取りの難しさから消滅と再編は繰り返され、現在、国内のボッツ競技連盟の体制は『JBL』一強という形に落ち着いている。
『ナイツ(競技選手 別名 ボッツリーガー)』
ボッツリーグに参加するプロ選手の総称で、「騎馬を駆る騎士」から由来している。
プロに対し『ナイツ』と呼ぶのは当然だが、一般人やプロを夢見る少年少女が、自らを勝手に『ナイツ』を宣言し悦に入るのは、よくある話である。
ハイパワー故、運用時の安全性が重視されるPボッツ。ボッツ運用は免許制であり、『ナイツ』の名を与えられるのは、小学生から高齢者まで例外なく、厳しい試験をクリアした者のみとなる。
『ボッツゲーム(ボッツバトル=団体戦、ボッツファイト=個人戦)』
一般的なゲームレギュレーションでは、2~5人メンバーによるチーム戦を『ボッツバトル』、1対1の個人戦を『ボッツファイト』と呼称する。
『バトリング』『ファイティング』とも言い換えられるが、一般人がこの二つを取り間違えたとしても、さほど問題はない。
少年少女たちは、団体戦では「チームでバトろう! (「チバる!」など)」、個人戦では「個人戦でファイティング! (「こファる!」など)」といった、様々な『決まり文句』で対戦勧誘し合い、自らで差別化を図っている。
『Jモーターボッツ財団、またはJMB財団(略称 JMBF)』
国内のモーターボッツ競技の整備・発展を目的とし設立された財団機構。
ボッツ競技者の技術・地位向上、ボッツにかかわる様々な情報の発信といった啓蒙活動を行なっており、国内に存在するPボッツと、特にその搭載されている「すべてのモーターボ」の管理を一手に担っている。
モーターボッツ全般で発生する巨大な利権の他にも、様々な事業を展開し、その保有資産は揺るぎないものとなっている。
主人公ユウマたちが所属するチーム『セイバーフォース』を設立する。
『セイバーフォース(通称 セイバーチーム)』
Jモーターボッツ財団の肝いりで新たに設立された、ユウマたち主人公が所属するチーム。
国内ボッツ競技者の技術と地位の向上、海外流出防止の他、国内の若き競技者のスカウト・育成・活動支援を目的とする『第一次セイバープロジェクト』内の一環。
財団の庇護の下、潤沢な資金により開発された超高性能ボッツマシンの付与、高度な育成プログラムの施行、国内・海外遠征費の無償提供、ファイトマネーの透明化など、小学4年生である主人公たちは「至れり尽くせり」な待遇を受けているが、彼らはそれらを『特別』とは感じておらず、自分たちの実力をもってすれば「当然のこと」と受けとめている。
『セイバーマシン(超高性能プレミアムマシン、別名 ゼロボッツ)』
『第一次セイバープロジェクト』内の一環、「あらゆるプロ仕様ボッツを超える存在としてのマシン開発計画」において、Jモーターボッツ財団が、潤沢な資金と技術の粋を集め開発した超高性能プレミアムマシン。
ユウマが駆る『ファイアエルヴィオン』を含めた、チームメンバー五人と、監督のカイが駆る六体のボッツがこれに当たる。
ボッツに関する既存技術からの参考や流用を極力行なわず、モーターボや変形機構といった基本体系を『ゼロ』から再構築した『ゼロボッツ』と呼ばれる新機軸マシン。
一般的なプロボッツ1体の開発費が、数千万円から一億円に届くかという中、これらセイバーマシンの開発費は1体数十億円とも言われ、「冒し難き過去の範例」を率先して廃除してゆこうという忌憚なき開発思想が、これまでにないパワーとスピードを発揮する『モンスターマシン』を生み出した。
リーグ出場マシンの能力を、ある程度まで平均化させる『レシオ・システム』により、普段は抑制されているが、ピンチの場面では、瞬間的にその「真の力」を発揮する。
『モーターアリーナ(ボッツリーグ専用競技場)』
ボッツリーグを開催する為に建設された専用競技会場で、屋外型・全天候型など、様々な形式のものが国内各所や世界各国に数多く点在する。
試合開催時、アリーナ内の観客を効率良く随所に誘導する入退場補助設備『アリア・システム』が標準的に備わっている。
また、ライト級バトロイド(2脚)形態のボッツの全高が18~20㎝と、かなりのコンパクトさ故、その観戦に迫力が全く感じられないという問題に、『EXオーロラマッピング・システム』や「ドローンカメラ群を駆使した多元的カメラ中継」「リアルタイム応援投票による、レシオ・システムの限定解除」など、派手な展開を演出するシステムで対応。
JBLによって銘打たれた『超次元エンターテイメント』『革新的ステージ』の実現を念頭に、既存技術からの参考や流用は極力行なわない設計法により、建設が進められた。
ライト級ブリット(4駆)形態のボッツの走行時速が80~120㎞にも達し、周回レーンに2千mの距離が備わっていても、一周に1分~1分30秒とかからない為、レース競技で使用される周回レーンは2千m級のものが一般的となっている。
『スマモ(スマートモジュール)』
通信通話・パソコン・テレビ・決済関連・イベント会場へのシームレス入場といった多機能を標準的に内蔵し、さらに専用オプションを経由させる事で、ドライヤーやアイロン、果てはミニオーブンレンジやミニコンロなど、外出先や災害時でも「電化製品の機能」を利用可能とする「セントラル型」携帯端末。
手袋型や首かけ型、ブレスレット(腕時計)型、ゴーグル(眼鏡兼用)型、バックル型など、携帯や紛失防止に則した形状のバリエーションも多く、広く世に普及している。
一般的なパソコンのように、内部パーツのアップグレード・交換修理も容易で、外装も頑丈強固でありながらカスタマイズの自由度が高いなど、本体自体を買い替えずとも長期運用が可能である。
また、会場内誘導機能『アリア・システム』、選手応援機能『レシオ・システム』へのリンクに必要なアイテムでもある。
『レシオ・システム(選手応援と性能均等化制度)』
チーム対チームのレース戦や格闘戦において、対戦ボッツ間の性能差が明らかな場合、「最初から試合として成立しない」状況を回避する為、運営側が出場ボッツの出力等を調整・均等化し、それらの情報を公表する制度。「強いボッツ(チーム)ばかりが勝ち続ける」といった、端的で面白みの欠けた進行を避けるのが狙いである。
また、選手が故意に自機の出力を極端に下げて自滅を謀るといった八百長試合を成立させない為、微妙なアクセルワーク的操作以外は、基本、極端なパワーダウン系の操作も、この『制度』によって受けつけなくなる。(それはまるで、常に巡航を強いられるシューティングゲームの自機のようでもある)
その他にも、観客のリアルタイム応援がスマモを介し多く送られる事で、レシオ・システムが徐々に解放され、応援したチーム(選手)のボッツが「力を取り戻す(または、相手のボッツがパワーダウンする)」といった、観客参加制度も盛り込まれている。
「不特定多数の手を介した」設定変動の情報やその結果が「目の前で」詳細に開示され、目まぐるしく更新を続ける点や、調整スタッフや観客の『さじ加減』によって、予測不能の『激しい振れ幅』が発生する点から、すべての公式戦は『賭け事』として成立しづらくなっている。だが、その成立しづらい最大の要因は、「少年少女たちの多くで占められた選手層の」リーグを「親目線で」観戦、応援したいというファンが多く存在するからであろう。
『EXオーロラマッピング・システム(略称 EXAM・システム)』
これまでの「対象物の表面に向け、映像を投写する技術」とは一線を画す、新開発の『完全無投写・立体影像化技術』の総称。
投影専用に開発されたモーターボを原動力とする『荷電子銃』が、一般的な撮影用カメラから出力された映像を超高出力の粒子と磁場へと変換、厳密に規定された空間へと送射。それらの乱衝突を、複数のプロジェクター・ドローン群が受信し、さらに増幅、再編成・再出力させる事で、一般的なライト級バトロイド(2脚)の全高が18~20㎝、ヘビー級でも40㎝と、かなりのコンパクトなモーターボッツのボディを、何も存在しない空中に向け、最大で全高30mまで巨大化投影させる事が可能となる。
『ボッツァー(犯罪者)』
モーターボッツを悪用し、犯罪に手を染める者の俗称。
隠密性・高起動性を不正に高め、建造物侵入・無人諜報活動・爆発物搭載による破壊活動や要人暗殺など、自ら企てたり、他者からの依頼を請け負う犯罪者。
高い技術力と緻密な計画性を持つボッツァーの犯行は完全犯罪に近く、それらの事件は迷宮入りしてしまう場合が多い。だが、中には技術力を伴わない、お粗末な『エセボッツァー』による犯行・逮捕も見受けられ、しばしば世間から嘲笑を買っている。
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