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『登場ボッツ その1』

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 登場ボッツ その1

 セイバーマシン

 『ファイアエルヴィオン』(ユウマ専用機)
 『テクニコンボス』(クリス専用機)
 『ハイクォンティスター』(オト専用機)
 『サンダーヴァスパイト』(ショウ専用機)
 『コズモヴィナーズ』(クルミ専用機)

 『コマンドコンボス』(カイ専用機)

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 『ファイアエルヴィオン』(完全カスタム・ライト級モーターボッツ ユウマ専用機)
 セイバーマシン1号機。
 ボディカラーは、あらゆる天候に映えるよう開発されたパールホワイトをベースに、あかきマグマとあおき激流、黄金おうごんの閃光のイメージを流体発光液晶で表現した、トリコロールな配色。
 心臓部のモーターボや変形機構といった既存の技術から、参考や流用を極力おこなわない、『ゼロ』から生まれた『ゼロボッツ』と呼ばれるマシン。
 7万人超の観客を招いた初お披露目イベントでは、「まるで血のかよった妖精がヨロイを着込んで舞い、戦っているかのようだ」と大絶賛を博す。
 ボッツの性能を制限するレシオ・システムにより、その真価を発揮する機会はほとんどない、謎につつまれたマシンだが、そのなめらかな挙動と弾丸ダンガンごとき瞬発力は、他のボッツの追従ついじゅうを許さない、世界に現存するあらゆるライト級ボッツの頂点に立つ存在である。
 ショウのる同クラスのサンダーヴァスパイトと比較すると、トンデモなく「ピーキーな」動きを示す場面シーンも多く、AI制御下の精密カメラワークであっても、その動きをとらえきれない事態がたびたび起こる。
 チームバトルでは、サンダーヴァスパイトと組んで、コンビネーションバトルを展開する場合が多い。

 『ブリット(4駆)モード』
 オン・オフロードに対応可能なレーシングカータイプ。
 最高走行速度は公称で時速300キロだが、EXAMエグザーム(立体映像)・システムによって、全長10メートルまで巨大投影化された「山車だし」のような物体がその速度で爆走すれば、観客に与えるストレスは相当なものになるという配慮から、現段階では時速120キロにスピード制限がかけられている。
 「時速300キロで走行できる、世界一速いホビーマシン」として、ゲネスブックに掲載されており、そのスピードは、一般のライト級ブリットボッツの平均最高速度90キロを軽く超えることから、通常の対戦レースでは、あえて最終走者アンカーからはずれる配慮がなされている。

 『ビースト(4脚)モード』
 キャバリアー(ユニコーン)タイプ。最高走行速度は時速120キロ(制限なしの状態)
 スピード・パワー・走行安定性が、もっともバランスのとれた形態。
 世界中に現存する「競走馬・騎馬の映像」すべてを、財団開発の専用AI(通称 UMA・AIウマーイ)が解析・集約、その高速走行や競り合い等が、ボッツプログラミングとして挙動に反映されている。(チーム内の全ボッツのビーストモードの挙動も、「ベースとなるビースト」が実在・架空にかかわらず、この『競走馬・騎馬の解析・集約による挙動プログラミング』が一括で反映されている)
 頭部のツノ『スパイラルコーン』は、バトロイドモード時には分離パージして『ツインダガー』となる。
 オプションパーツをボディに追加装備することで、他メンバーのボッツとドッキングできる『チャリオットモード』に変形可能。

 『バトロイド(2脚)モード』
 『ツインダガー』を装備するナイト(軽装騎士)タイプ。最高走行速度は時速70キロ(制限なしの状態)
 ライト級の超軽量ボディと、ブーストによる加速をかした「ヒット&アウェイ」を得意とする形態。

 『必殺技』
 バトル中に発生した余剰エネルギーをバトロイドモード時のツインダガー(またはビーストモード時のコーン)に蓄積チャージ。相手に突き立てざまに全放出する『スタンバイト・スパコーン』

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 『テクニコンボス』(完全カスタム・ヘビー級モーターボッツ クリス専用機)
 セイバーマシン試作初号機。
 ボディカラーは、メタリックピンクをベースにライトイエローとライトグリーンが随所に配色されている。
 監督兼コーチのカイがるコマンドコンボスとは、同時期開発された兄妹きょうだい機であり、一部パーツの交換も可能である。
 その他にも、両機間でおこなわれる「特殊なシステム」が存在するが、選手ではないカイがバトルに参加することはなく、それがかされる機会はほとんどない。
 一般的なヘビー級プロボッツよりもかなり軽い構造だが、巨大なボディからり出されるスピードとパワーを遺憾なく発揮させるため、流体金属を滞流たいりゅうさせる複数のバラストタンクが追加装備されており、モードによって様々なバランス変換が可能という、他機には見られない独自機能を持つ。
 カイのコマンドコンボスを除けば、世界中に現存する、あらゆるヘビー級ボッツの頂点に立ち、パワーでは他機との比肩ひけんを許さないモンスターマシンである。
 女性的な意匠デザインは随所に見られるものの、そのヘビー級の外観と武器、パワーから『原人げんじんウーマン』などと、影で揶揄やゆされることもあるが、JBジェイビーリーグでの試合中のヘイトコールは禁止な上に、「一度でもクリスにヘイトを送ると、出禁をくらってアリーナには二度とはいれない」というまことしやかな都市伝説もあり、表立オモテだってコールする者は誰一人ダレひとりとして存在しない。

 『ブリット(6)モード』
 悪路や整地にも対応可能なトラックタイプ。最高走行速度は公称で時速280㎞だが、現段階では時速120キロにスピード制限がかけられている。
 6輪巡航とバラスト滞流たいりゅうによるコーナリング・直線の安定性と、他ボッツとのり合いや接触をモノともしない、「鉄壁」のモード。
 チームメイトの各ボッツ用オプションパーツを格納できるコンテナを牽引可能。

 『ビースト(4脚)モード』
 キャバリアー(マンモス)タイプ。最高走行速度は時速80キロ(制限なしの状態)
 『競走馬・騎馬の解析・集約による挙動プログラミング』の一番荒々しい部分が反映されており、そのノーズや牙、脚部による攻撃はおろか、テールのひと振りだけでも、一般的なボッツは軽くハジき飛ばされてしまうという。
 頭のノーズ部『チェインウィップ』、イヤー・ファング部『ツイップ・シールド』は、バトロイドモード時には分離パージ結合ドッキングして『チェインツイップ・トマホーク』となる。

 『バトロイド(2脚)モード』
 バトル中に発生した余剰エネルギーを蓄積、投擲とうてき加速用ブースターとして放出可能な『チェインツイップ・トマホーク』装備のウォーリアー(重装戦士)タイプ。最高走行速度は時速50キロ(制限なしの状態)
 バラスト内の流体金属を、ボディや武器の内部に滞流たいりゅうさせることで、攻撃のスピードやパワーを増幅、さらにブーストを併用させた「高速重圧攻撃」を得意とする。

 『必殺技』
 ヘビー級ボッツのパワーを活かし、超高速で振り回した特殊鎚斧ツイップを、ブースターでさらに加速、相手へと激突させ、物理的に機能不全を引き起こす『フライング・デッド』(バトロイドモード時)
 クリス本人による初期ネーミング案は『イヌジニ』『ドロブネ』といったトンデモないものだったが、まわりから止められたため代替案だいたいあんとしてカイが『フライング(見誤り・誤発)』+『デッド(たい)』という言葉をなかば強引にてた。

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 『ハイクォンティスター』(完全カスタム・ライト級モーターボッツ オト専用機)
 セイバーマシン3号機。
 ボディカラーは、メタリックオレンジをベースに、ガンメタルブラックとメタリックレッドが配色されている。
 戦闘力は高くはないが、チームで唯一のホバリング機能と、「昆虫の複眼」を模した超高性能カメラを搭載。一般的なボッツが、高速移動時に4~6輪のタイヤを使用するのに対し、この機体にタイヤは存在せず、ブリット・ビーストモードでは4つのホバリングローターを使用し移動をおこなう。
 高い索敵能力を持ち、その情報をチーム内のボッツへと提供サーブしたり、各ボッツが取得した情報を集積、分析するシステムも有する、情報戦に特化したボッツ。
 また、被攻撃範囲外の高所に滞空し、対戦相手の注意を引き付けるなど、チームバトルを有利に展開させる。

 『ブリット(4転)モード』
 悪路のコースやフィールドの影響を受けないホバーカータイプ。最高飛行速度は公称で時速300キロ、最高飛行高度は公称で三万メートルだが、現段階では時速120キロのスピード制限、高度10メートルの飛行制限が設けられている。
 「高度三万メートルまで上昇できる、世界一高く飛べるホビーマシン」として、ゲネスブックに掲載されており、その高度は、一般のホバリングボッツの平均最高高度一千メートルをはるかに超える。
 このホバリングローターは、移動・回避行動において、かなりのパワーとスピードを発揮し、さらに移動時に蓄積された余剰エネルギーのブースト放出は、その初動反映までのタイムラグを極限までカットする。

 『ビースト(4よく)モード』
 インセクト(スズメバチ)タイプ。最高飛行速度は時速120キロ(制限なしの状態)
 メカニカルな意匠デザインはあるものの、その外観は「スズ㐅バチ」に非常に近く、運営側(EXAMエグザーム・システム)では、あらゆる客層に配慮し、この形態に対しての「強めの映像加工」をほどこしている。
 オプションパーツを追加装備することで、他メンバーのボッツとドッキングし、タクティカルな配置展開を可能とする『プリンビーモード』に変形可能。

 『バトロイド(2脚)モード』
 移動中に発生した余剰エネルギーを蓄積、投擲とうてき加速用ブースターとして放出可能な『スパイラルランス』装備のバルキリー(飛翔騎士)タイプ。最高移動速度は時速50キロ(制限なしの状態)
 現存のライト級プロボッツの中でも最軽量と言われ、バトロイドではローターの動きに制限があるものの、一般プロボッツのホバリング動作を軽く超えるジャンプ距離とスピードを発揮する。
 ローターとブーストを併用した「多角的高速攻撃」を得意とする。

 『必殺技』
 自機を中心に、ホールドした相手と共に超高速旋回スイング、認識できないほどの超スピードで投棄スローさせ、その衝撃でボッツを行動不能へとおちいらせる『スパイラル・バンカー』(バトロイドモード時)

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 『サンダーヴァスパイト』(完全カスタム・ライト級モーターボッツ ショウ専用機)
 セイバーマシン2号機。
 ボディカラー メタリックブルーをベースに、パールホワイトとメタリックイエローが配色されている。
 ファイアエルヴィオンとシルエット的に似通にかよってはいるが、設計思想は全く別のものであり、テクニコンボスのような流体金属を滞流たいりゅうさせるタイプではないが、ファイアエルヴィオンにはないバラストバランサーが内蔵されている。
 ほとんどのボッツが、余剰エネルギーを攻撃力として再利用する戦闘スタイルに対し、サンダーヴァスパイトの挙動は、それとは『真逆まギャク』のものであり、高速移動主体のレースバトル以外であれば、無駄な動きを極力排した『せいなん)』をメインスタイルとするボッツである。
 バトロイド形態において、脚部等を高速攻撃(硬反発)型にチューンするか、それを迎え撃つカウンター(軟着地)型にチューンするかといった能動的選択をあえておこなわず、チームバトルでの『こう』『なん』のツートップ・コンビネーション固定と、ファイアエルヴィオンのパートナー的存在を念頭に置かれ、設計・開発された。

 『ブリットモード』
 オン・オフロードに対応可能なレーシングカータイプ。
 最高走行速度は公称で時速290キロだが、時速120キロにスピード制限がかけられている。
  スピードではファイアエルヴィオンよりわずかに下回るものの、走行安定性ではサンダーヴァスパイトがすぐれている。

 『ビーストモード』
 キャバリアー(麒麟キリン)タイプ。最高走行速度は時速120キロ(制限なしの状態)
 スピード・パワー・安定性が、もっともバランスのとれた形態。
 『競走馬・騎馬の解析・集約による挙動プログラミング』が反映されているものの、派手な動きは少なく、基本初動には、バラストバランサーも併用されている。
 背面部のウィングは、バトロイドモード時には分離パージして『七星剣』となる。
 オプションパーツを追加装備することで、他メンバーのボッツとドッキングできる「チャリオットモード」に変形可能。

 『バトロイドモード』
 武者タイプ(七星剣を携えた軽装武士スタイル)
 蓄積された余剰エネルギーを一気に開放、接近する相手ボッツのパワーを利用しつつ、腕部・脚部を超高速で叩き込む「カウンター攻撃」を得意とする形態。

 『必殺技』
 バトル中に発生した余剰エネルギーによる瞬発的挙動を、不動の体勢からの七星剣(バトロイドモード時)、または腕部・脚部に乗せ、相手に叩き込むカウンター攻撃『七星しちせい砕き』(実際の戦闘では、七星剣の剣撃よりも徒手空拳による拳撃の頻度の方が高く、『剣』『拳』どちらの攻撃も『七星しちせい砕き』と呼称される)

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 『コズモヴィナーズ』(完全カスタム・ミドル級モーターボッツ クルミ専用機)
 セイバーマシン5号機。
 ボディカラー メタリックパープルをベースに、パールホワイトとメタリックピンクが配色されている。
 ミドル級ボッツであり、ブリットモードで5車となるのはチームで唯一、この『コズモヴィナーズ』だけである。
 ミドル級の「本体ベース」の外観は、ヘビー級のコンボスタイプよりコンパクトではあるが、様々な攻守形態を持つ大型射出構体『フレキシブル・カタパルトラダー』を標準で装備することで、その全長は一般的なヘビー級ボッツをも優に超えるものとなった。
 反面、他級ボッツのようなパワーやスピードをメインとするタイプとは違い、5輪ブリット時の安定的な挙動や、バトロイド時の一定フィールド内にとどまった長距離攻撃、ビースト時の他メンバーへのサポートなど、多角的戦術をメインとする。

 『ブリット(5)モード』
 オン・オフロードに対応可能なカミオンタイプ。最高走行速度は公称で時速260キロだが、現段階では時速120キロにスピード制限がかけられている。
 「時計盤の長短針」と「ムチ」の動きをあわせ持つ、車体天井部の『フレキシブル・カタパルトラダー』は、内蔵された複数のフライホイールが、コーナリングの安定性を生む他に、相手ボッツへの攻撃・防御もそなえる「万能」のモードである。

 『ビースト(4脚)モード』
 キャバリアー(ブラキオ)タイプ。最高走行速度は時速70キロ
 テクニコンボス同様、『競走馬・騎馬の解析・集約による挙動プログラミング』の一番荒々しい部分が反映されており、そのネック部とテール部による旋回・鞭打べんだ攻撃は、あらゆるモノを寄せつけない。
 ネック部テール部の『フレキシブル・カタパルトラダー』は、バトロイドモード時には分離パージし、大型弩弓兼シールド『ヴァニッシュメンター』となる。
 オプションパーツを追加装備することで、他メンバーのオプションパーツやボッツ自体を音速射出することができる「カタパルトモード」に変形可能。

 『バトロイド(2脚)モード』
 バトル中に発生した余剰エネルギーを蓄積、射出用ブースターとして利用可能な『ヴァニッシュメンター』装備のレンジャー(中装戦士)タイプ。最高走行速度は時速40キロ(制限なしの状態)
 一定フィールド内に展開した防御陣での「後方援護攻撃」、または「敵中撹乱攻撃」を得意とする。

 『必殺技』
 ラダー内に装填されているフライホイールの射出や、弾切れの際、相手ボッツへの殴打、その他もろもろ、『フレキシブル・カタパルトラダー』から派生する技すべてを『カオス・ミューティレイト』とクルミ自身は呼んでいる。

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 『コマンドコンボス』(完全カスタム・ヘビー級モーターボッツ カイ専用機)
 セイバーマシン試作ゼロ号機。
 ボディカラーは、メタリックレッドをベースに、パールホワイトとメタリックブルーが配色されている。
 『第一次セイバープロジェクト』において「一番最初に設計・製造された」セイバーマシン。後発のセイバーマシンの指針となるべく、そのヘビー級のボディには、現在プロジェクト内で実現可能とされるすべての技術的思想が詰め込まれている。
 競技選手専用のボッツではないため、公式戦には参加しないものの、エキシビションマッチやイベント等でごくまれに運用される場合がある。
 クリスのるテクニコンボスとは、同時期開発の兄妹きょうだい機であり、限定的だが、緊急時に一部パーツの提供が可能。その他にも、両機間でおこなわれる「特殊なシステム」が存在するが、あくまで「次期プロジェクトを見据えた」試作的システムであり、それが発動される機会は現時点ではない。
 一般的なヘビー級プロボッツよりもかなり軽い構造だが、大量の流体金属が滞流たいりゅうする複数のバラストタンクが内蔵されており、モードによって様々なバランス変換が可能である。
 ヘビー級ボッツの頂点に立つテクニコンボスと同等のパワーとスピードをほこる。

 『ブリット(6)モード』
 悪路や整地にも対応可能なトラックタイプ。最高走行速度は公称で時速280キロ

 『ビースト(4脚)モード』
 キャバリアー(エレファント)タイプ。最高走行速度は時速80キロ
 『競走馬・騎馬の解析・集約による挙動プログラミング』が反映されている。
 頭のノーズ部『ベロウズソード』、イヤー・ファング部『ブーストガーダー』は、バトロイドモード時には分離パージする。

 『バトロイド(2脚)モード』
 バトル中に発生した余剰エネルギーを蓄積し、投擲とうてきと防御用のブースターとして放出可能な『ブーストガーダー』と、蛇腹剣『ベロウズソード』装備のナイト(重装騎士)タイプ。最高走行速度は時速50キロ
 バラスト内の流体金属を、ボディや武器の内部に滞流たいりゅうさせることで、攻撃のスピードやパワーを増幅、さらにブーストを併用させた「高速重打じゅうだ攻撃」を得意とする。

 『必殺技』
 フレキシブルな可動部分から放出されるブースターによる予測不能な斬撃で相手ボッツを攻撃。物理的な機能不全を引き起こす『ミラージュフェンサー』(バトロイドモード時)
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