柔らかな色

飛馬 光

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柔らかな色

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君が柔らかい色を見たいと言い出した
これはまたなかなか難しい

僕は少し考えて僕のとっておきの場所に連れて行くことにした
暖かい陽だまりのある森の中

君はちょっとはしゃいでステップを踏みながら踊るように歩く
僕は危ないよ,といいながら慌てて手を取って一緒に進む
君の瞳に景色は映らないけれど
気に入ってくれるといいな


着いたよ


そういうと僕は陽だまりの草むらに君を座らせた

感じるかい?この暖かさ
これがこの星で一番柔らかな色

それからね 耳を澄ませて
鳥の囀り 風の音 木々が話す声
みんなそれぞれ色を持っている

君になら見えるかな
どれも優しくて柔らかい色をしているよ

君はちょこっと首を傾げて
目を閉じて耳を澄ませた

君が自然と一体になる瞬間
全ての五感が一つになって
この星と繋がる

視界が閉ざされている君だからこそ
君は全身でその色を感じられるはずだ


分かった!


君はとびきりの笑顔で答えた

でもね
本当は君の瞳の色が一番柔らかい色をしている
それに吸い込まれそうになって
僕は慌てて眼を逸らした
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