RESET WORLD

初めての社交界。

はじめまして

ルティーの表情が曇ったところで、行かなければならないため、無情にも馬車は進む。

レティーとメティーが心配そうにルティーを見つめる。

そして5分もしないうちに王宮に着いてしまった。

門番からの馬車のチェックが入り、王宮に入る。

そこからしばらく馬車が走りさらに10分後、王宮の今回の会場である温室に到着した。

｢ルティー、着いたよ。大丈夫？｣

｢ルティー、泣かないで！お姉様が一緒にいてあげるから。｣

｢うん。僕も一緒にいるよ。｣

目がうるうるして、今にも泣き出しそうなルティーを2人が慰める。

｢…………あい。わかりました。｣

きゅっと目をつぶったルティーが小さな声でそう答える。

まずレティーが馬車から降り、メティーに手を差し伸べる。

その手を取り、メティーが馬車から降りる。

その後まだ小さなルティーを、レティーが馬車から抱き上げ入口まで歩いた。

社交界での常識として、身分の低いものから集まり、身分の高いものが遅れて到着し、帰りは身分の低いものから帰るというものがある。

そうしなければ大変失礼に値する。

そのため、国内で3つしか存在しない公爵家。

さらに、その公爵家をまとめるスピリチュアル公爵家は王家が到着する直前に会場に入ることになる。

つまり何が言いたいかというと、既に会場内は王族を除く全ての参加者が揃っており、パーティは盛り上がりを見せているということだ。

そこに公爵家であるルティー達が登場する。

それも病弱ということで今まで社交界に出ていなかったルティーを連れて。

そして言わずもがなルティー達に大量の視線が突き刺さったのだった。