弱テン才

愚者

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一章【蒼白の洞窟編】

決戦 【第三召喚者】青悪魔ディアルゴ戦

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「おはようございますルテロちゃん。エメラちゃん。」
「おはようございます!ディアさん」
「おはようございます…」
俺とエメラは朝起きて机に用意されていたご飯を食べながらディアさんを見る。昨日の一件で深く寝れなかった。ディアさんは俺が寝るまでついてくれたけど全然寝れなかったためかなり複雑だった
「さて…早速ですが今日はお手伝いはお休みしましょう」
「え?なんでディアさん?」
「…え…?」
「今日は一つ。手合わせをします」
「手合わせ!?良いよ!ルテロッテ!早くご飯食べて訓練場行くよ!」
「いえ…ルテロちゃんとではないですよエメラちゃん」
「へ?」
「ご飯を食べたら身支度を済ませて…訓練場に来てください」
「……どう言うこと?」
俺は唾を飲んでいた。まさかだよね…


俺ら二人は訓練場のなかに入った瞬間訓練場は大きく揺れた
「わぁ!?何々!?」
揺れたあと訓練場の周りには槍が生え出れなくなった。それと同時にディアさんは亜空間から槍を取り出す
「さて、エメラちゃん。ルテロちゃん…今日の手合わせの相手は私です。」
「え!?!?ディアさん!?」
まさかだ
「…ルテロちゃん!貴女は覚悟を決めなければなりません!」
ディアさんは今までにない声量で喋った
「いつでもここにいても私は別に構いません!!ここにいれば貴女は殺意を忘れれる。しかし…!いつまでもここにいて変わることはありません!」
「…………」
「私は昨日。悩んで決めました!貴女達の背中を押すことが私の勤めだということを!私が悪魔となって貴女達を解放するべきだと!」
「この世界は想像以上に恐ろしい。この世界で生き抜くためには自分を守る力がないと行けません」
「しかし貴女達は外に出なければなりません!そのために私と手合わせをしなければならないのです!」

ディアさんの目は本気だった。この人は本気で俺を外に出してくれようとしている。勇気つけようとしてくれている。そして鞭を向けてくれているんだ
「どう言うことだかまっっったく分からないしディアさんとルテロッテが昨日話したことを私は聞いてないから何を思ってディアさんがこの話をしているかまっっったく分からないんだけど…とりあえずルテロッテと二人でディアさんに勝てば良いんだね!」
「そうです!さぁ!お二人とも!全力でかかってきてください!」
「………ルテロッテ…」
エメラも本気の目になった
「…よし…行こう」
覚悟は決まった。殺意を抑え込む勇気も少しばかりだが沸いてきた。今ならなんでも出来る気がする


「では…始めましょう!」
そういうとディアさんは槍を正面に構え大きな翼を広げた。その瞬間あの優しいディアさんは確かに歴戦を生きた存在だということを理解した。
「うおりゃぁぁぁぁぁぁ!!!!」
エメラは大剣をおもいっきり飛びながら斬りかかりに行った。怒涛の斬りつけをするがそれをすべて受け流しエメラの腹部におもいっきり槍の持ち手部分をぶっこんだ。
「ガッ!!!!!」
俺はエメラが飛ばされた瞬間に十発の水球を勢い良く飛ばす
「…やっ!」
ディアさんは槍ですべての水球を斬り飛ばし最後に斬った槍を直線上に飛ばした。
飛ばされた槍は目の前までやってきた。エメラの投げ対策で考えた石壁を作り出せば!
「ビュンっ!」
槍は方向を変え高く上を上がり壁を乗り越え俺の方に飛んできた。もちろん刃とは逆の持ち手で
多分…ディアさんは手加減している…最低限の守りと最低限の攻撃で。あれが刃なら俺はやられている
俺は石壁を斜めにし上からの槍を防ぐと槍を複数生成したディアさんは俺に対し弾幕になるように飛ばし続けた
「やぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
俺に対してディアさんが攻撃をしている最中エメラが体勢を既に整えておりディアさんの背後に容赦なく襲いかかる
「…見えてます!」
槍を操作しながらディアさんはエメラの剣をしっかり受け止めた。エメラの数多に渡る無茶苦茶な追撃を軽々と受け流した。
「強い…!勝てない…!」
エメラから声が溢れた。このままじゃ俺もエメラもスタミナ切れになって負ける。何か意表をつける策を考えなきゃ…でも考えれる余裕が…ない…
「負けるなんてそんなの絶対嫌だ!私はディアさんに強くなったって…!証明するんだ!!!!」
「…ッ…」
するとエメラの無茶苦茶攻撃は速度を増していく。もちろん受け流されてこそいるのだが確実にディアさんは動揺している。
もちろん俺にも弾幕は飛んでいるのだが…少し正確性が少なくなっている。しめた…この機会。利用させて貰おう。
「今だ!」
俺は魔力をフルに出した。今水球をひとつの手で出しているが出せる魔力の見えない手を増やした。見えない手を複数使用して出せる魔法の量を増やす…ひそかに練習してた…!
「…生成能力が上がった…。なるほど」
ディアさんは弾幕を減らし何発か俺の攻撃を避けながらエメラの攻撃を受け流すようになった。
「…エメラ!俺に剣を!」
「…?…!!分かった!!」
俺はエメラを見ながら手を上にあげた。エメラはその合図を見て俺の方に小剣を投げる。
「…!!」
俺は投げられた瞬間走り出した。ディアさんの方に近付きながらその小剣をキャッチし大きくジャンプしディアさんに斬りかかった…何も筋力を使えなくたって全体重を使って斬りかかればそれなりにはなる
「ジャンプ斬り!」
「はぁっ!」
ディアさんはそのジャンプ斬りに対して槍で受け止め宙に押し出すと羽を大きくバタつかせ風で吹き飛ばした。俺は無様に吹き飛ばされたが何も俺がメインじゃない。俺に注意が行ってる今がチャンス…!
「エメラ!!」
「うおりゃぁぁぁぁぁぁぁああああ!!!!!!!」
「っ…」
エメラに完全に注意の行ってなかったディアさん背後で筋力を極限まで溜めていたエメラに気付いていなかった。
「うぐっ…!?」
横に斬りつけた大剣をディアさんは槍で受け止めようとしたが間に合わなかったようで体勢を崩し



「ギュィィィン!!!!!」



けたたましい音を鳴らすと槍がディアさんの手からぶっ飛び地面に落ちる
「カン…カラカラ……」
槍が地面を転がり滑る音が辺りを沈黙に包む。俺に向けた弾幕は止みエメラは耐えられた衝撃をしっかり受け止め。ゆっくり顔をあげる
「……ふふっ…よくここまで強くなりましたね…お二人とも」
「…はぁ…!…はぁ…私達が…ディアさんに…勝てた…?」
「…お二人の勝ちです!ふふっ♪」
顔をあげたディアさんはそっと微笑んだ
「やったぁ!!!!!勝ったよ!!!!!ルテロッテ!!!!!」
「やった…」
「よく頑張りましたね♪正直…こんなに成長をするとは思わなかったです…。こんなに強くなられたお二人にはしっかりとお話する必要がありますね」
「お話…?」
「いえ!なんでもないです。今日はご馳走ですよ!!」
「…んー…まぁとにかくわぁぁぁい!!!!」
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