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Maya

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1日目 ①

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「さてバイトも終わったし帰るか・・・・・・店長、お疲れ様です!お先に失礼します。」

「あ、一条くんお疲れ様。」

 俺は店長に挨拶を済ませ、バイト先のレンタルDVDショップを後にした。
 高校を卒業してからというもの就職活動が上手くいかず、やりたいこともなくネットゲーム漬けの日々を送っている。

「疲れたなぁ・・・・・・」

 まあ特に何か特別なことをしたわけでもないけど。
 毎日変わらない街の風景、変わらない人々、変わらない日常。
 退屈だ・・・・・・非常に退屈である。

 日も沈みがかっているし、とりあえず早く帰ってネットゲーム内のギルドメンバーとダンジョンを攻略しないと。
 そういえばそのうちの1人とここ数日連絡がつかないな。

「RINEしてみるか・・・・・・」

 スマホを取り出し、RINEのグループチャットを開くがやはり数日前から既読が1人分足りない。
 俺は慣れた手つきでスマホを操作し、メッセージを飛ばす。 

『Rinoさん数日前からゲームにログインしてないみたいだけど・・・・・・誰か何か知ってる?』

 そうメッセージを送った数分後にスマホの通知音が鳴り、スマホに目を落とした時、突然頭から何かを被せられ目の前が暗くなり何も見えなくなった。
 突然のことに驚き呆然としていると

「一条 志希(いちじょう しき)さんでよろしいですか?」

 聞き覚えのない、ドスの効いた男の声が背後から聞こえた。
 この状況は一体何?コイツは誰だ・・・・・・?
 何もわからないがとりあえず頷くと、後頭部に強い衝撃が走り、俺の意識はそこで途切れた。



 ーーかすかに聞こえる波の音、潮風の匂い・・・・・・俺はこの音も、匂いも、知っている。
 ここは海だ。

「はっ・・・・・・!」

 目を覚ますと、俺は海辺にうつ伏せで倒れていた。
 どういうことだ、これは・・・・・・
 起き上がり、今までの行動を思い返してみる。
 いつも通りにバイトが終わり、ネットゲームのギルドメンバーとRINEのグループチャットをしていた所で、急に頭に何かを被せられ、知らない男に声をかけられて・・・・・・
 まさかあの男が俺をここまで運んだのか・・・・・・?
 一体なぜ、何のために・・・・・・?

「意味がわからん」

 周りを見渡すと、ここは端から端まできっちり見渡せる小さい島だということがわかる。
 島の周りは一面濃い霧に囲まれており外の状況を確認することは出来ず、島の真ん中にはぽつんと寂しげな様子の洋館が建っていた。
 なんとも不気味な雰囲気に少しの恐怖を覚えたが、人がいる可能性にかけて思い切ってその洋館に行ってみることにした。

 近づくにつれ、洋館の全景がはっきりしてきた。
 造り自体は立派だが手入れがされている様子もなく壁にはツタが蔓延っており、よくあるホラーゲームに出てくるような異質な雰囲気にのまれながらも、突然の非日常的な目の前の光景に少しの興奮を覚えつつ洋館の入り口に立ち、思い切ってドアをノックしてみる。

「すみませーん!誰かいますか?」

 人がいる可能性にかけ大きな声で呼びかけると、窓から玄関の明かりがついたのが見えた。
 誰かいる・・・・・・!
 ガチャリと音がして、ドアが開くと同時に眼鏡をかけた男が出てきた。

「君は・・・・・・?」

「あっ・・・・・・おっ、僕、気がついたらここにいて・・・・・・っ」

「あぁ、なるほどね。」

 目の前の男が俺の言葉を遮るようにそう言った。

「何か知ってるんですか?!」

 食い気味に俺が質問すると、男はやれやれといった感じで

「詳しい話は中でしよう。」
 
 と洋館の中へ入るように促した。

「あ・・・・・・はい、失礼します!」

 洋館の中に入ると中は少し薄暗いが立派な玄関ホールがあり、あのツタだらけの外見とは違い意外と綺麗だ。

 ホールを歩く男について行くと、男はドアを開け部屋の中に入ってゆく。
 それに続くように俺も部屋の中に入ると、そこには木でできた長テーブルがあり、それを囲うように男女7人が座っている光景が目に入ってきた。

「じゃあまずは自己紹介からだね」

 と先程の眼鏡の男がこちらに振り返った。
 そんなことより何故ここに連れてこられたのかが知りたい。
 我慢出来なくなった俺は、

「その前に、俺は何故ここに?」

 そう問いかけた。
 すると俺を見ていた全員が目線を逸らし、察しろよとでも言うような表情をした。

「わかるだろう、みんな同じさ。君と同じように拉致され、気づいたらここにいた。僕なんてもう10日もここにいる。1日1人のペースでここに人が来るんだ。」

 冷静にそう言う眼鏡の男。
 びっくりしたのはコイツがもう10日もここにいるということ。
 何故助けを呼ばないんだ・・・・・・?
 あ、そういえば俺のスマホは・・・・・・?
 ポケットに手を突っ込んだと同時に、金髪の男が口を開く。

「スマホならないぜ。ここにいる全員、スマホを没収されている。」

「え・・・・・・」

 まあそうか。
 こんなの拉致だもんな、普通に考えて連絡手段なんてないのが当たり前だよな。

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