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21後始末
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*ロキ視点
予想と全く違った反応に困惑してしばらく立ち尽くしていると扉からノックの音がした。
「失礼します」
執事服をビシリと着こなした神経質そうな美青年が姿を現した。
冷静になって怒りが沸いてきたマサキ様が怒鳴り込んできたのかと思ったが違ったことに拍子抜けする。
「私はこの屋敷を取り仕切っているジョフィルです。あなたはロキですね。マサキ様より話は聞いております」
「ああ」
あの時と同じように本人ではない人間が文句を言いにきたのかと呆れる。
叱責を待ったが、それとは正反対のことが起こった。
「マサキ様が大変失礼しました。あの方は同性愛者で、しかも惚れっぽくて顔が良いと誰にでもすぐに懸想してしまう。あまりいい気はしなかったでしょうが悪気はないのです。マサキ様の発言は忘れて頂きたい」
突然下げられた頭にどうしていいのかわからない。
「従わなくていいのか? 同性愛者で相手が見つからないから奴隷買ったんだろ?」
「あの方は勇者です。勇者がそのように不純なことは許されません」
同性愛に対してなのか性奴隷に対してなのかは分からないが心底嫌そうな顔で語るジョフィル。いや、そんなことより――
「勇者って…マサキ様が?」
とてもそうは見えない。
どこにでもいる一般人Eくらいの没個性な見た目だぞ。
特徴を答えろと言われれば“地味”なことくらいしか説明が出来ない一般人中の一般人に見えるのだが。
「一見ひ弱そうですが正真正銘の勇者です。あの方の魔力は無尽蔵。我々など本気を出せば指一本で消し去ってしまえる実力者ですよ」
「ということは…マサキ様は異世界人…?」
勇者とは異世界人のことを指すのはこの世界の常識だ。
勇者とは魔王の力が強まり魔物の異常繁殖が起こる時に異世界から現れる存在であり、それは大体1000年周期で訪れるとされている。
数年前、魔王を封印する為に勇者一行が派遣されて見事成し遂げた。
その話題は大きく広まっているが、勇者自体が神話的扱いで実際はただの凄腕冒険者ではないかというのが自称情報通たちの意見だ。
勇者一行の他のメンバーは有名貴族の跡取りに神殿のトップ候補、世界的権威の学者に有名な大会を全て網羅したレジェンド武道家と名の知れた者達ばかりなのだが、肝心の勇者の詳細な話はほとんど出回っていない。
「何はともあれ、さっさと首輪を外しましょう」
――カチャン
あまりの衝撃的な事実に目を白黒させている間にジョフィルが唐突に俺の首から首輪を外してしまった。
「お、おい。いいのかよ、勝手に」
所有物の奴隷を勝手に開放することは窃盗と同じである。
すっきりと軽い首を抑えながら不安になる。
「ご心配なく。マサキ様のご命令です。元々あなたを奴隷のままにさせておく方ではない。マサキ様が買った奴隷は全て解放されるのです」
そこから受けた説明によればこの部屋には生活の基盤が整うまで居ても良いらしい。
望むなら就職の世話までしてくれるとの事だ。
「なぜそこまで…」
「マサキ様によれば同性に懸想されて嫌な思いをさせた詫びのようなものらしいです」
確かに同性愛についてはほぼ否定的な意見しか聞けないだろうが、実は隠れて存在しないこともない。
常識として同性愛を受け入れられないと言う思想が根強いだけで特に迫害などもされてはいないはずだ。
「嫌な思いをさせたのはどちらかと言えば俺だと思うが…」
「いいえ、悪いのはマサキ様です。あなたはただ施しを利用して今後の生活を立て直せばいいのです。そして一刻も早くこの屋敷から出て行って欲しいものですね。まったくマサキ様ときたら気に入った物は手当たり次第に買ってきてはこちらに丸投げですから。困ったものです」
何やら愚痴が始まってしまった。
特殊な慈善事業のようなものと捉えていいのだろうか。
予想と全く違った反応に困惑してしばらく立ち尽くしていると扉からノックの音がした。
「失礼します」
執事服をビシリと着こなした神経質そうな美青年が姿を現した。
冷静になって怒りが沸いてきたマサキ様が怒鳴り込んできたのかと思ったが違ったことに拍子抜けする。
「私はこの屋敷を取り仕切っているジョフィルです。あなたはロキですね。マサキ様より話は聞いております」
「ああ」
あの時と同じように本人ではない人間が文句を言いにきたのかと呆れる。
叱責を待ったが、それとは正反対のことが起こった。
「マサキ様が大変失礼しました。あの方は同性愛者で、しかも惚れっぽくて顔が良いと誰にでもすぐに懸想してしまう。あまりいい気はしなかったでしょうが悪気はないのです。マサキ様の発言は忘れて頂きたい」
突然下げられた頭にどうしていいのかわからない。
「従わなくていいのか? 同性愛者で相手が見つからないから奴隷買ったんだろ?」
「あの方は勇者です。勇者がそのように不純なことは許されません」
同性愛に対してなのか性奴隷に対してなのかは分からないが心底嫌そうな顔で語るジョフィル。いや、そんなことより――
「勇者って…マサキ様が?」
とてもそうは見えない。
どこにでもいる一般人Eくらいの没個性な見た目だぞ。
特徴を答えろと言われれば“地味”なことくらいしか説明が出来ない一般人中の一般人に見えるのだが。
「一見ひ弱そうですが正真正銘の勇者です。あの方の魔力は無尽蔵。我々など本気を出せば指一本で消し去ってしまえる実力者ですよ」
「ということは…マサキ様は異世界人…?」
勇者とは異世界人のことを指すのはこの世界の常識だ。
勇者とは魔王の力が強まり魔物の異常繁殖が起こる時に異世界から現れる存在であり、それは大体1000年周期で訪れるとされている。
数年前、魔王を封印する為に勇者一行が派遣されて見事成し遂げた。
その話題は大きく広まっているが、勇者自体が神話的扱いで実際はただの凄腕冒険者ではないかというのが自称情報通たちの意見だ。
勇者一行の他のメンバーは有名貴族の跡取りに神殿のトップ候補、世界的権威の学者に有名な大会を全て網羅したレジェンド武道家と名の知れた者達ばかりなのだが、肝心の勇者の詳細な話はほとんど出回っていない。
「何はともあれ、さっさと首輪を外しましょう」
――カチャン
あまりの衝撃的な事実に目を白黒させている間にジョフィルが唐突に俺の首から首輪を外してしまった。
「お、おい。いいのかよ、勝手に」
所有物の奴隷を勝手に開放することは窃盗と同じである。
すっきりと軽い首を抑えながら不安になる。
「ご心配なく。マサキ様のご命令です。元々あなたを奴隷のままにさせておく方ではない。マサキ様が買った奴隷は全て解放されるのです」
そこから受けた説明によればこの部屋には生活の基盤が整うまで居ても良いらしい。
望むなら就職の世話までしてくれるとの事だ。
「なぜそこまで…」
「マサキ様によれば同性に懸想されて嫌な思いをさせた詫びのようなものらしいです」
確かに同性愛についてはほぼ否定的な意見しか聞けないだろうが、実は隠れて存在しないこともない。
常識として同性愛を受け入れられないと言う思想が根強いだけで特に迫害などもされてはいないはずだ。
「嫌な思いをさせたのはどちらかと言えば俺だと思うが…」
「いいえ、悪いのはマサキ様です。あなたはただ施しを利用して今後の生活を立て直せばいいのです。そして一刻も早くこの屋敷から出て行って欲しいものですね。まったくマサキ様ときたら気に入った物は手当たり次第に買ってきてはこちらに丸投げですから。困ったものです」
何やら愚痴が始まってしまった。
特殊な慈善事業のようなものと捉えていいのだろうか。
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