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第一章
名前呼び
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俺が起きてからかなりの時間が経っていた。
この世界にも月や太陽があるようなので、だいたいの時間が分かった。
太陽がほぼ真上に昇っていたことから、今は正午くらいだと予測できた。
この部屋には誰も来ていないし、いったん外に出てみた方がいいのだろうか。
考えていてもただ時間が経つだけで何も解決しないので、部屋を出ることにした。
誰かいればいいな、と思いながらドアを開ける。
「出てくんの遅すぎ、昨日何時に寝たの」
ダリウス君がドアのすぐ横の壁に寄りかかって立っていた。
廊下から物音一つしていなかったので、誰もいないものだと思っていた。
「オレ、グラヴィス様にアンタが部屋から出てきたら、大広間に連れてくるよう言われて、ここでずっと待ってたんだけど。
昼前になっても出てこないし。
アンタがマイペースなせいで、グラヴィス様をずっと待たせてんだぞ」
部屋のベッドで寝転がりながら、考えごとをしていたとは言えない。
言えば最後、どこかの物陰に連れ込まれてボコボコにされるかもしれない。
「ねえ、ダリウス君」
「オレを名前で呼ばないでくれる。
オレ、認めた人にしか名前呼ばれたくないんだよ。
もちろん、アンタなんて論外」
では、名字で呼べと?
レンプトン君だと、かみそうになる。
呼び方を考えていると、ダリウス君は馬鹿にするように、いや実際馬鹿にして笑いながら言った。
「でも、アンタ一応は王様だから、名前で呼ぶの許してやるよ。
本当はイヤだけど、仕方ない」
何だか知らないが、名前で呼ぶ許可をくれた。
ダリウス君は名前の方が呼びやすいから、その方が助かる。
「それじゃあ、今から大広間まで行くからチャンと付いてきてよ。
オレ後ろを振り返って、確認しながら歩くなんて面倒なことしたくないから」
部屋に案内してもらったときのようにこちらを一切顧みることなく歩いていった。
会話はもちろんなく、気まずい雰囲気が流れていた。
そんな中、ぽつりとダリウス君があることを呟いた。
「それにしても、今回の竜王は当たりだったのか?
グラヴィス様が召喚した王を殺さないところ、久しぶりに見たかも」
それを聞き、俺は歩みを止めてしまった。
この世界にも月や太陽があるようなので、だいたいの時間が分かった。
太陽がほぼ真上に昇っていたことから、今は正午くらいだと予測できた。
この部屋には誰も来ていないし、いったん外に出てみた方がいいのだろうか。
考えていてもただ時間が経つだけで何も解決しないので、部屋を出ることにした。
誰かいればいいな、と思いながらドアを開ける。
「出てくんの遅すぎ、昨日何時に寝たの」
ダリウス君がドアのすぐ横の壁に寄りかかって立っていた。
廊下から物音一つしていなかったので、誰もいないものだと思っていた。
「オレ、グラヴィス様にアンタが部屋から出てきたら、大広間に連れてくるよう言われて、ここでずっと待ってたんだけど。
昼前になっても出てこないし。
アンタがマイペースなせいで、グラヴィス様をずっと待たせてんだぞ」
部屋のベッドで寝転がりながら、考えごとをしていたとは言えない。
言えば最後、どこかの物陰に連れ込まれてボコボコにされるかもしれない。
「ねえ、ダリウス君」
「オレを名前で呼ばないでくれる。
オレ、認めた人にしか名前呼ばれたくないんだよ。
もちろん、アンタなんて論外」
では、名字で呼べと?
レンプトン君だと、かみそうになる。
呼び方を考えていると、ダリウス君は馬鹿にするように、いや実際馬鹿にして笑いながら言った。
「でも、アンタ一応は王様だから、名前で呼ぶの許してやるよ。
本当はイヤだけど、仕方ない」
何だか知らないが、名前で呼ぶ許可をくれた。
ダリウス君は名前の方が呼びやすいから、その方が助かる。
「それじゃあ、今から大広間まで行くからチャンと付いてきてよ。
オレ後ろを振り返って、確認しながら歩くなんて面倒なことしたくないから」
部屋に案内してもらったときのようにこちらを一切顧みることなく歩いていった。
会話はもちろんなく、気まずい雰囲気が流れていた。
そんな中、ぽつりとダリウス君があることを呟いた。
「それにしても、今回の竜王は当たりだったのか?
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それを聞き、俺は歩みを止めてしまった。
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