とよとも

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9)中学入学式

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中学校の入学式の日を

俺は「俺のヤンキーデビューの日」

そう自分で決めていた。



入学式はC君から頂いた

お下がりの長ランとドカン

これがかなり大きいサイズだった。



極虎一家の政の様だった。



それと、前日にあてたパンチパーマ



これで完璧!

 

ついにその日が来た。

朝から鏡を何度も見て髪の毛を丁寧に整え

いざ登校。



中学の入学式に意気揚々と参加した。

俺は小柄だ。

ダボダボの長ランとドカンにパンチパーマ。



目立ったようだ。

とても。とても。



案の定、中学の職員に囲まれてしまった。

「オマエッッ!なんちゅう格好やっっっ!」

職員の方々は非常に怒り狂っていた。



そして、俺は別室へ連れて行かれた。



いまでもあるのだろうか?「生活指導室」

まるで過疎地域の新入生1人の入学式の様だった

 

しかし、良い事もある。

俺の名前は入学式当日に覚えてもらえた。

中学校生活はかなり楽しかった。

バイクに乗せてもらえる
(まだハンドルは握っていない。
後ろに乗せてもらっていた)



いっぱいケンカ出来る

学校でもタバコが吸える

お腹が空いたら差し入れがある

お金に困る事もほとんどなく、というか

お金はなかったが

生きてく上で不自由は無かった。

 

先輩に、夜な夜なバイクの後ろに乗せてもらい

街中を散歩。

えんじ色の特攻服を身にまとい

隣町のバイク集団と戯れ、警察と戯れ

そして力尽き、収監される。

(色々やらかし、後に鑑別所や少年院暮らしも経験した。これについては後に書くことにする)



こんな俺だからこそ

人違いされる事はほとんど無いハズだが。。。





ある日、理解し難い出来事が起こった。
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