とよとも

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19)俺のスイッチをONにしたF男

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俺は入学式という行事を無事終えて

帰りたいだけだった。



我慢の限界が来つつも、アホを相手したくない。



F男が超至近距離で俺に何かブツブツと。

しつこい。かなりウザい。

どう考えても俺に対しての挑発。



F男は「オイッ!コラァッ!ヤるんかッ!」

そう言いながら

F男の指が俺の頭をチョンとかすめた。



はい、スイッチON

俺はF男に頭突きをしてあげた。



F男が俺のスイッチをONにしてしまった。



その後、俺はあまり記憶にないが…。


俺はスイッチOFFに切り替え下を見た。



F男は血だらけになり

体育館の床に転がっていていた。



教員らしき人は血だらけのF男見て慌てていたが

俺はゆっくり歩いて体育館を出た。



俺は入学式に参加し高校生になれた喜びを

味わいたかったが・・・



終るまで参加出来ずに帰路についた。



俺はただ前を向いて立っていただけだ!



なのに俺は悪者になってしまったと同時に

高校という体験は1時間程で終了。



高校中退扱いにもならないだろう。



ちなみに、F男も俺と同じ様な格好だったが…。



真面目にしていても結局は悪者になる。



悪い事をしていても悪者になる。



俺、15才。



この先の俺の将来へ続く道を
歩き始めていたのかもしれない。



後日、警察官が自宅に来た。

連行された。

どうやら、F男は顎にボルトを入れたらしい。



俺の15才の春は

通算2度目の鑑別所への入所となった。



俺?

無傷だが…

心にとても大きな傷を負っている気分だった。



俺は格闘技も何も経験なし。 

体も小さな方。

ひたすら腕をバタバタさせて相手が

動かなくなるまで殴るだけ。



スタミナが同世代より多かったかもしれない。

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