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後編(どうやって書けば良いか?)
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さて、前回はどのように本を選ぶのが良いか?をお話しました。
今回はどんな風に書けば良いか?をご紹介したいと思います。
あなたが無事に本を一冊読めたとします。そしておもむろに原稿用紙に向かおうとします。
はいっ!!一旦待ってください。まず、いきなり原稿用紙に書き始めるのはやめましょう。高校生であれば原稿用紙5枚分、2,000文字。あなたが書こうとしている内容で埋まりますか?(まとまりますか?)。あなたが書こうとしてる内容、本当にあなたの感想ですか?
前回、少しお話したように本来、本を読んで感じることは、人それぞれ。それでも総じて非常に内向きなことだと思います。それは余りに内向きなことであるがために、自分でも本当のところをわかっていないことも多いのではと思います。
そこで、まずお勧めなのが、大きめの(以外と大きさ重要です)スケッチブックに、キーワード(なぜこの本を選んだかとか、あなたが何を感じたかとか)を書き出すことです。
少し分かりにくいので美術部員の「私」が「地獄変」を読んだとして話を進めてみます。ここで「私」が次のキーワードを書き出したとします。
①「私」がこの本を読んだ理由「「私」は絵を描くのが好きで、この本は絵師が主人公だったから」
②「私が」感じたこと「「私」にとっての絵と物語に出てくる絵師にとっての絵は違う」
はい、まず簡単に①と②を書き出しました。幾つ出てきても問題ありません。出せるだけ出しましょう。因みにここで出てくることが少なければ少ない程、この後の苦戦が予想されます。
いくつか書き出せれば、その中から深掘りするキーワードを決めましよう。ここでは②を深掘りしてみます。
③「「私」に取っての絵は「私」の内側を、言葉では表現できない「何か」を表現する方法だ。物語に出てくる絵師に取っての絵は名誉欲を満たすための手段だ」
はい、ここで人のお勧め読むと良いこと無いってお伝えした、理由がお分かり頂けるかと思います。
選んだ本との関係性が薄いと、「私に取っての」が出てこないんですよ。例えば「私に取っての絵は…」ってやろうとしても、お前絵なんて描いたこと無いじゃんってなる訳です。残念無念…。
良い読書感想文とは何か?ここで私は一般的な答えをお示しすることはできません。でも本来、読書をして何かを感じるということは非常に内向きな、個人的な行為であり、当たり前の話では有りますが、持つ感想も千差万別、全員が違うはずなのです。
感想文の文章の分かりやすさ、読んだ本の長さ、そんなことを競うので無く、自分自身の持った感想の違いを際立たせる、あなたらしい、あなただけの感想文を書く。その為にあなたの個人的な体験、経験と、選んだ本、読書した感想との関係性にフォーカスする、それも一つの答えなのでは無いでしょうか?
さて、安易に人のお勧め読んじゃった人がどうしたら良いかは最後に触れるとして、もう少し「私」の作業を進めましょう。
②を深掘りして③が出てきました。これも十分な感想かもしれません。でもここではこの感想が、「私」に取って本当の感想か深掘りしてみます。
④「「私」にとっての絵は表現方法のはず、でも褒められば嬉しいし、貶されれば腹が立つ。それは何故だろう。」とか、
⑤「物語の絵師に取っても最初は表現方法だったのでは?いつからそれが変わってしまったんだろう?それはどうしてだろう?」とか、このように自分の気持ちを確認する作業が入れば、よりあなたらしい、あなただけの読書感想文が出来るかと思います。ぜひ、頑張ってみて下さい。
また、この感想の深掘りを繰り返すと、よりあなたらしい、あなただけの感想文になっていくかと思います。
はいっ、次は何も考えずお勧め読んじゃったあなたです。あなたから、あなただけの感想が出ててくることはほぼありません。そんなあなたができること、それは「感想の深掘り」ただそれだけです。
良いですか?あなたが何となく選んだ本を読んで得た感想、それは他の人がその本を読んで得る感想と、ほとんど一緒です。何故なら、読んだ本とあなたの体験、経験に特別の関係性が無いのですから。ではどうすれば、あなたらしい、あなただけの感想文が書けるか。
「なぜ」を繰り返すことです。
「生とは何か」「死は恐ろしい」「愛情は尊い」こういった誰でも持ちそうな、漠然とした感想に対して、「どうしてそう考えたのか?」「何故そう感じたのか?」を問いかけ、出てきた答えに対してさらに同じ事を繰り返して下さい。これを繰り返せば繰り返すほど、あなたが持った感想の細部が明瞭になり、他の人と違う部分を明らかにすることができるでしょう。
さて、ここまでで、必要な原稿用紙分埋めれそうななったなら、後は感想文を書いていくだけです。技術的なことをお話することは私には難しいので、簡単なアドバイスのみで。
一文は出来るだけ短くした方が、わかりやすくなります。また「主語」と「述語」が一対一になるような文章の方が誤解がありません。でもこれはやり過ぎると非常に堅苦しく、違和感が出てしまうので気をつけて下さい。
良く考えて本を選んだ方は、自分だけのエピソードを交えた方が筆が進むかと思います。先ほどの例であれば絵画展に応募したこと、家族からの感想に感じたこと、今後も絵を続けようと思っているかなどがあれば良い題材になるように思います。特により個人的なエピソードほど、読書感想文とは相性が良かったりするので探してみて下さい。
何も考えず、本を選んでしまった人は、とにかく深掘りを頑張って下さい。深掘りをするのは大変で、かつ誰にでも出来ることなので、「あなたらしさ」を見つけるのは大変だと思います。
でも思考を繰り返すこと、自分自身の出した答えにさらに問いかけをするは、とても大切なことだと思うのです。矛盾することを書きますが、この作業をすること自体は割とお勧めだったりします。
今の時代は感じること、考えること、説明すること、全てに速さが大事にされすぎているように思います。その場で、良い感じなことが言える。それはそれで大事な事かもしれませんが、考える力が強いかどうかとは少し違うように思うのです。
中学生、もしくは高校生の夏のひと時を自分の考える力を鍛えるのに使う。自分自身の出した答えに10回、20回と何故をくり返す。それはそれで素敵なことでは無いでしょうか?
どちらにしても、皆様が素敵な物語に出会えること、自らの経験や思考に向き合えること、素敵な夏休みを過ごせることを祈ってます。
今回はどんな風に書けば良いか?をご紹介したいと思います。
あなたが無事に本を一冊読めたとします。そしておもむろに原稿用紙に向かおうとします。
はいっ!!一旦待ってください。まず、いきなり原稿用紙に書き始めるのはやめましょう。高校生であれば原稿用紙5枚分、2,000文字。あなたが書こうとしている内容で埋まりますか?(まとまりますか?)。あなたが書こうとしてる内容、本当にあなたの感想ですか?
前回、少しお話したように本来、本を読んで感じることは、人それぞれ。それでも総じて非常に内向きなことだと思います。それは余りに内向きなことであるがために、自分でも本当のところをわかっていないことも多いのではと思います。
そこで、まずお勧めなのが、大きめの(以外と大きさ重要です)スケッチブックに、キーワード(なぜこの本を選んだかとか、あなたが何を感じたかとか)を書き出すことです。
少し分かりにくいので美術部員の「私」が「地獄変」を読んだとして話を進めてみます。ここで「私」が次のキーワードを書き出したとします。
①「私」がこの本を読んだ理由「「私」は絵を描くのが好きで、この本は絵師が主人公だったから」
②「私が」感じたこと「「私」にとっての絵と物語に出てくる絵師にとっての絵は違う」
はい、まず簡単に①と②を書き出しました。幾つ出てきても問題ありません。出せるだけ出しましょう。因みにここで出てくることが少なければ少ない程、この後の苦戦が予想されます。
いくつか書き出せれば、その中から深掘りするキーワードを決めましよう。ここでは②を深掘りしてみます。
③「「私」に取っての絵は「私」の内側を、言葉では表現できない「何か」を表現する方法だ。物語に出てくる絵師に取っての絵は名誉欲を満たすための手段だ」
はい、ここで人のお勧め読むと良いこと無いってお伝えした、理由がお分かり頂けるかと思います。
選んだ本との関係性が薄いと、「私に取っての」が出てこないんですよ。例えば「私に取っての絵は…」ってやろうとしても、お前絵なんて描いたこと無いじゃんってなる訳です。残念無念…。
良い読書感想文とは何か?ここで私は一般的な答えをお示しすることはできません。でも本来、読書をして何かを感じるということは非常に内向きな、個人的な行為であり、当たり前の話では有りますが、持つ感想も千差万別、全員が違うはずなのです。
感想文の文章の分かりやすさ、読んだ本の長さ、そんなことを競うので無く、自分自身の持った感想の違いを際立たせる、あなたらしい、あなただけの感想文を書く。その為にあなたの個人的な体験、経験と、選んだ本、読書した感想との関係性にフォーカスする、それも一つの答えなのでは無いでしょうか?
さて、安易に人のお勧め読んじゃった人がどうしたら良いかは最後に触れるとして、もう少し「私」の作業を進めましょう。
②を深掘りして③が出てきました。これも十分な感想かもしれません。でもここではこの感想が、「私」に取って本当の感想か深掘りしてみます。
④「「私」にとっての絵は表現方法のはず、でも褒められば嬉しいし、貶されれば腹が立つ。それは何故だろう。」とか、
⑤「物語の絵師に取っても最初は表現方法だったのでは?いつからそれが変わってしまったんだろう?それはどうしてだろう?」とか、このように自分の気持ちを確認する作業が入れば、よりあなたらしい、あなただけの読書感想文が出来るかと思います。ぜひ、頑張ってみて下さい。
また、この感想の深掘りを繰り返すと、よりあなたらしい、あなただけの感想文になっていくかと思います。
はいっ、次は何も考えずお勧め読んじゃったあなたです。あなたから、あなただけの感想が出ててくることはほぼありません。そんなあなたができること、それは「感想の深掘り」ただそれだけです。
良いですか?あなたが何となく選んだ本を読んで得た感想、それは他の人がその本を読んで得る感想と、ほとんど一緒です。何故なら、読んだ本とあなたの体験、経験に特別の関係性が無いのですから。ではどうすれば、あなたらしい、あなただけの感想文が書けるか。
「なぜ」を繰り返すことです。
「生とは何か」「死は恐ろしい」「愛情は尊い」こういった誰でも持ちそうな、漠然とした感想に対して、「どうしてそう考えたのか?」「何故そう感じたのか?」を問いかけ、出てきた答えに対してさらに同じ事を繰り返して下さい。これを繰り返せば繰り返すほど、あなたが持った感想の細部が明瞭になり、他の人と違う部分を明らかにすることができるでしょう。
さて、ここまでで、必要な原稿用紙分埋めれそうななったなら、後は感想文を書いていくだけです。技術的なことをお話することは私には難しいので、簡単なアドバイスのみで。
一文は出来るだけ短くした方が、わかりやすくなります。また「主語」と「述語」が一対一になるような文章の方が誤解がありません。でもこれはやり過ぎると非常に堅苦しく、違和感が出てしまうので気をつけて下さい。
良く考えて本を選んだ方は、自分だけのエピソードを交えた方が筆が進むかと思います。先ほどの例であれば絵画展に応募したこと、家族からの感想に感じたこと、今後も絵を続けようと思っているかなどがあれば良い題材になるように思います。特により個人的なエピソードほど、読書感想文とは相性が良かったりするので探してみて下さい。
何も考えず、本を選んでしまった人は、とにかく深掘りを頑張って下さい。深掘りをするのは大変で、かつ誰にでも出来ることなので、「あなたらしさ」を見つけるのは大変だと思います。
でも思考を繰り返すこと、自分自身の出した答えにさらに問いかけをするは、とても大切なことだと思うのです。矛盾することを書きますが、この作業をすること自体は割とお勧めだったりします。
今の時代は感じること、考えること、説明すること、全てに速さが大事にされすぎているように思います。その場で、良い感じなことが言える。それはそれで大事な事かもしれませんが、考える力が強いかどうかとは少し違うように思うのです。
中学生、もしくは高校生の夏のひと時を自分の考える力を鍛えるのに使う。自分自身の出した答えに10回、20回と何故をくり返す。それはそれで素敵なことでは無いでしょうか?
どちらにしても、皆様が素敵な物語に出会えること、自らの経験や思考に向き合えること、素敵な夏休みを過ごせることを祈ってます。
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