3 / 40
壱ノ章:最強の守護霊
第一話 『綺麗なお姉さん』
しおりを挟む「…お前、いつ見てもやっぱり凄いのが憑いているよな…?」
「またそれかよ…」
俺の名前は折笠裕也。
何の変哲もない血気盛んな高校2年生だ。
そして、俺を…いや、俺の後ろを見ながら引きつったような顔を浮かべるのは、俺の親友である黒部慎吾。
慎吾とは小学生の頃からずっと一緒で家も近く、家族ぐるみで仲がいい所謂幼馴染というやつだ。
慎吾の実家は由緒ある神社で、代々続く神職を生業としている両親の子供という事もあってか、昔から霊感があるらしい。
ちなみにだが、俺には霊感なんてものはない。
幽霊だって見た事はないし、怪奇現象とか心霊番組とかも信じてないタイプの人間だ。
だから慎吾も、最初は見えてないのに見えていると嘘をついているだけだろ…くらいにしか思っていなかったのだが、一緒にいる内に慎吾の言っている事は本当なのだと信じるようになった。
そして極めつけが、俺の後ろに凄いのが憑いているとかなんとか言っているこのやり取りだ。
「…マジでいい加減聞き飽きたんだけど…」
実を言うと、慎吾が誰もいない俺の背後を見ながら”凄いのが憑いている“と言ってくるようになったのは、小学生の頃から始まっていた。
「なぁ、ゆうや?なんでお前に“ソレ”が憑いているんだ?」
「はぁ?ソレってなに?」
「…」
小学生の時、始めて言われた時はさすがにビビった。
だって、何度見ても誰もいないのに、慎吾はまるでそこに誰かがいて、その人と普通に話をし始めるんだから。
そりゃあ怖いだろ。
「おれは、くろべしんご。お姉ちゃんはだれ?…うん…うん…へぇ、そうなんだ」
「お、おいしんご!誰もいないのに誰と喋ってるんだよ!」
目線を上げて誰かと話をしながら相槌を打ち始める慎吾にゾッとした。
「え?ちゃんといるよ?おねえちゃんが」
ホラ、見えるでしょ?と言って慎吾が指を差す方を見るが、そこにはやっぱり誰もいない。
「はあ!?いないから!!怖いこと言うなって!」
見えない誰かに向かって自己紹介を始めた時は本当に怖かった。
性格上、慎吾は嘘をつく事はしない。
だから尚更、慎吾には俺には見えない“何か”が見えているのだと感じた。
その後、中学生になっても…
「相変わらず凄いな。お前の後ろの人…。前より凄い力を感じる…」
慎吾が俺の後ろを見て言ってくるこの会話は続いていた。
いや、いつまで続くんだよこの会話…
「…前から聞きたかったんだけどさ、俺の後ろにはどういう人が憑いてんの?」
「綺麗な女の人」
「はぁ?いや、綺麗とかそういう話じゃなくて!どういう幽霊なのか、なんで俺に憑いているのかを聞きたいんだけど」
「――さぁ?」
少しだけ間を置いてから慎吾が返事をする。
「はぁ!?そこまで視えて話せるなら、それくらい聞けるだろ!」
「教えてくれないんだから、仕方がないだろ?」
「…」
意味がわからねぇ…
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
プール終わり、自分のバッグにクラスメイトのパンツが入っていたらどうする?
九拾七
青春
プールの授業が午前中のときは水着を着こんでいく。
で、パンツを持っていくのを忘れる。
というのはよくある笑い話。
旧校舎の地下室
守 秀斗
恋愛
高校のクラスでハブられている俺。この高校に友人はいない。そして、俺はクラスの美人女子高生の京野弘美に興味を持っていた。と言うか好きなんだけどな。でも、京野は美人なのに人気が無く、俺と同様ハブられていた。そして、ある日の放課後、京野に俺の恥ずかしい行為を見られてしまった。すると、京野はその事をバラさないかわりに、俺を旧校舎の地下室へ連れて行く。そこで、おかしなことを始めるのだったのだが……。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる