Guardian Spirit-最強ノ守護霊〜俺に憑いている幽霊が最強神クラスの龍神様なんて聞いてない!〜

神坂ろん

文字の大きさ
37 / 40
弐ノ章:魑魅魍魎のモノ達

三十五話『不穏な気配』【雪女編5】

しおりを挟む



「う、それは…」

「うう~…でもぉ…」

俺と慎吾の説教に、2人共言い返せずに言葉を詰まらせる。
俺達4人のスキーレベルは、学校で習って滑られるようになった程度。他にも家族で何度か来たりしているから初心者ではないが、上級者でもない。
問題なく滑られる程度の普通レベル。標準がどのくらいかは分からないが、恐らく中の下と言った所だろう。


よくこんなレベルで上級者コースに行こうと思えたな…。裕貴なんて怖がりのビビりのくせに。
初心者コースで雪だるまになるようじゃ、上級者コースなんて無理だ。


「だ、大丈夫だっつーの!俺、家族でもよくスキー行っていたし!結構上手い方だと思うぜ!?だから、余裕余裕!!さっき転んじまったのは、あんな所に凹凸があるから悪いんだよ!あんなの気付かねえじゃん!」


…こいつ、懲りてねぇな。


「そうそう!あんな所にあるなんて分かんねぇ―もん!それに、上級者コースに挑戦している人も結構いるらしいし、遭難なんてしねーって!」


ここにも凝りていないバカがいる…。


呆れすぎて何も言えない…というより、言う気も失せて来た。


「どうしても行きたいのなら、お前らだけで行ってこい。俺と裕也は行かない」


慎吾が冷たく言い放った。

慎吾のヤツめちゃくちゃ怒ってんじゃん…。
まぁなんかの気配を感じていたみたいだし、余計になのかもしれないけど。


「ちぇー!分かったよぉ~…んじゃあ俺と昌で行ってくるから、お前らはコテージで休んでていいぜ!」

「よし!それじゃあパパ―っと行って滑ってくるか!」

「おう!」

意気揚々と上級者コースに行くリフトの方へ滑り出した2人に、大きくため息をつく。


「全くアイツら…本当に大丈夫かよ。どうなっても知らねぇからな…」


「じゃあ行ってくる――!!」

「じゃあな――!!」


「昌ぁー!裕貴ぃー!暗くなる前に戻って来いよ――!!あと、何かあったらすぐに電話しろよ――!!」

俺は、振り返って手を振って来る2人に向かって叫んだ。
なにかあっても知らないとは言ったが、本心はかなり心配だ。

2人の姿が消え、スキー場に設置された時計を見れば、時刻はもう少しで4時をまわろうとしていた。

「さて、と…もう少しで4時か…」

ほんの少し前まで明るかったスキー場の景色が暗くなってきているのを感じながら、山を見渡す。
日が沈んだことで冷えたからなのか、しとしとと雪も降り始めて来ていて、スキーウエアに当たった雪が解けて消える。


「慎吾、俺達はどうする?昼飯食ってなかったし、コテージのレストランでなにか食って待ってるか―――」


「……。」


「…って、ん?慎吾、どうした?」



しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

服を脱いで妹に食べられにいく兄

スローン
恋愛
貞操観念ってのが逆転してる世界らしいです。

夫婦交換

山田森湖
恋愛
好奇心から始まった一週間の“夫婦交換”。そこで出会った新鮮なときめき

旧校舎の地下室

守 秀斗
恋愛
高校のクラスでハブられている俺。この高校に友人はいない。そして、俺はクラスの美人女子高生の京野弘美に興味を持っていた。と言うか好きなんだけどな。でも、京野は美人なのに人気が無く、俺と同様ハブられていた。そして、ある日の放課後、京野に俺の恥ずかしい行為を見られてしまった。すると、京野はその事をバラさないかわりに、俺を旧校舎の地下室へ連れて行く。そこで、おかしなことを始めるのだったのだが……。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

自習室の机の下で。

カゲ
恋愛
とある自習室の机の下での話。

プール終わり、自分のバッグにクラスメイトのパンツが入っていたらどうする?

九拾七
青春
プールの授業が午前中のときは水着を着こんでいく。 で、パンツを持っていくのを忘れる。 というのはよくある笑い話。

処理中です...