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4その5
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倫敦に在りながらも、角型の吊り灯籠がオリエンタルな雰囲気を醸し出している、その宿屋のエントランスは、ある種の奇妙な懐かしさを千早に抱かせた。この感情をあえて言葉にするなら「膨大な距離と時間とを経てすっかり歪められてしまった郷愁」とでも例えるのが近しいだろうか。英国建築に、清国の伝統建築を無理やりくっ付けて、その上から更に日本風という流行の要素をひとつまみほど取り入れる節操の無さこそが、きっとこの感慨の理由に違いない。
垂直に立つビルジングの壁には、取って付けたような軒が手前に伸びていて、その上に葺かれた瓦の方も、装飾的な意味合いが強いらしく赤く派手な色彩は酷くまとまりがなかった。
「まあ。本当に、悪趣味な建物ね」
マギエラが、顔をしかめたままキャビンを降りている。けれども、眼前にあるそれの意匠がはたしてリージェント街の「東洋機巧」とどれほど違うのか、千早にはさっぱり分からない。趣味の悪さで言えば団栗の背比べだ。
「殺されたレリンの部屋は四階……いや、屋根裏の物置とでも言った方が正確だな。彼女は、昨今は街で見かけることもすっかり珍しくなった今時のメイドの待遇を思えば、随分と前時代的な扱いを受けていたようだ」
入って正面のマントルピースに景徳鎮の模造品だろう青花磁器瓶を戴く、エントランスホールはいわゆるシノワズリ様式で、節操の無い外観に比べれば内装は、まだ多少はマトモらしい。そこを千早達は、グラント警部に案内されるまま、飲食用のテーブルが並ぶ一階レストラン部分を横目に、入口から左手に見えている階段を上に行く。
途中、階段の踊り場で、上等な身成をした一人の男と擦れ違う。するとグラント警部が千早を振り返った。
「君達は、先に行っていてくれたまえ」
「えっ、先に……?」
そんなことを言われても屋根裏部屋の場所が分からないのだが――と、そうグラント警部に伝えようとしていると、開けた口を動かす前に、マギエラが無言で千早の腕を引いた。そのまま階段を上り切って、男の姿が見えなくなったところで彼女が耳打ちする。
「今のアレ、わたしの胸にいやらしい目を向けて、あげく擦れ違いざまに髪を触ってきたわ。……ほんと、不愉快ね」
なるほど、先程の警部の言にはそうした事情があったらしい。事実、しばらくすると階下から男の呻き声が聞こえてきた。
次第に声量を増していく会話に、耳を傾けてみる。
「う、ぐぅ……わ、分かった。分かったから手、てを」
「ほぅ? するとなんだ、これからはお前さんが、殺されたレリンの分も仕事をすると言うのだな? 少女と見れば物色しているようなヤツにそれが出来るものか、甚だ疑問だがね。とはいえ……まあ、安心すると良い。次にオールワークスなんて仕事を少女にさせてみろ、牢にブチ込んでそのまま出られなくしてやるからな」
警部の、低くドスの利いた声は怒気に満ちていて、地獄の底から響くようだ。
ときに、存外にもグラント警部のそうした声はすぐに聞こえなくなった。代わりに、肉を殴打する鈍い音が、男の悲鳴と共に二度三度と響いて、やがてすっかり静かになる。
「……へえ、まさか今の男が、ね」
小太りながら身綺麗にしていて、やもすると偉丈夫にも見えそうだったのだが、会話の内容から察するに、先程の擦れ違った男が「西上海茶屋」の主人だったらしい。少々意外ではあった。
「ええ、そうね。けれど……リーリンはとても可哀想な娘だわ」
マギエラは、目を伏せて憂鬱そうに言う。「先程の、わたしを見たあの様子だと、アレはケダモノよ。だけどリーリンは、か弱くて綺麗なメイドの少女だもの、きっと手籠めにだってされていたに違いないわ」
「分からないでもないけど、なかなかの言い草だね……」
「そんなことないわ。だって間違いなくペド野郎なのだもの」
うん? ぺ、ぺど……なんだって? 聞き慣れない単語だ。いや、まあいいか。どうせ、ろくでもない言葉に違いないのだ。
それから、ふと、いま一度腕を引かれる。それで千早は、マギエラがまだ手を握っていることに気が付いた。
「さあ、リーリンの部屋に行きましょう」
「行きましょう、って……ええと、部屋が何処に在るか分かるのかい?」
「呆れた。あなた……わたしが、どうしてグレンの資料に目を通したと思っているのよ」
マギエラいわく、麗玲の使っていた屋根裏部屋へは「二階から一度外に出て、そこから外階段を経由して直接入る」か、あるいは「三階奥の物置部屋から行ける」らしい。
屋内から屋根裏へと行けるにもかかわらず専用の外階段が設けてある事実と、麗玲が、客の前ではパーラーメイドらしく華美なエプロンに身を包みながらも裏で質素な召物を着せられていた点を考慮すれば、宿の主人は、オールワークスとして働く彼女には外からの出入りを強要していたに違いない。
「しかしながら……外階段だけで、お客の眼に留まらないよう歩き回るとなると、これは中々に大変そうだね」
「そう? 高価なエプロンで服の汚れる仕事をしているならともかく、澄まし顔で立っているだけのパーラーメイドを、普通の客は、物珍しく思いこそすれさほど気に留めないものよ。まあ、美人なら口説かれることもあるでしょうけど、リーリンは可愛くても子供だから。それと掃除などの仕事は、居てもせいぜい数人程度の宿泊客が寝静まる、夜間にさせるだけのことよ。暗ければ姿を見られても誤魔化しが利くからね」
ふむ、なるほど。しかし……すると、麗玲に寝る時間があったのかどうか、考えるだけで暗澹たる気分にさせられる。
外へ出たなら、頭上にある廂は申し訳程度の長さで、あまり機能していないと分かった。それ故か、長年の風雨に晒されて端々の痛んだ外階段は、木板を当てた補修が随所に見られた。
「へぇ、意外と手入れがしてあるのね。それとも、リーリンが自分で直していたのかしら」
あるいは、麗玲を殺害した犯人も、この外階段を利用したのかもしれない。
して、やや急な角度をしたその階段を上り始めたマギエラは、およそ十五段ほど上ったところで立ち止まった。
訝しげに「これ……」と呟いた彼女の視線を辿れば、小さな凹みが、風雨で傷んだ木板を穿つようにして足元に付けられていた。
「比較的新しい傷で、おそらく杖を付いて出来た跡だわ。リーリンが杖を使うことはなかったでしょうし、だから……そうね、グレン達警察が現場を荒らしたという事情が無いことを祈りたいわね」
「それは、我々警察が不注意で傷を作ったと言いたいのかね」
矢庭に背後から声がして、振り向けば、しかめ面のグラント警部が立っていた。
「あら? だって、あなたの資料、この傷について触れていなかったでしょう? 現場検証をしておきながらこの程度の物証を見逃す、警察の手際を疑うなと言う主張には無理があると思うわ」
なかなかどうして手厳しいものである。さしものグラント警部も、ぐうの音も出ない様子で押し黙ってしまった。
「ええと……とにかく、この傷がいつからある物なのか、宿の主人に確認してみてはどうですか?」
「う、うむ……そ、そうだな」
千早の言に頷いて「よし、ぜひともそうしよう」などと繰り返したグラント警部の心境は、さながら渡りに船といったものだったのだろう。マギエラの視線を避けるように踵を返した彼は、そそくさと階下へと降りて行ってしまった。
「ふん、無駄に駆けて行ったわね」
瞳に軽蔑の気配を滲ませたまま警部を振り返りもしないマギエラだ。そんな彼女の後を追う形で階段を上り切る。そうして、切妻屋根の下に設えられた扉を押し開くと、そこが件の屋根裏である。
麗玲の部屋は、至って質素なものだった。
まず、入って左手に階下の物置へと続く階段がある。正面にはひび割れた窓があって、通りを見下ろせるようだ。部屋にひとつだけ設けられた窓にカーテンの類は無く、マントルピースも無ければ暖炉すらも存在しない。家具の類は、十代半ばの少女が使うには窮屈だろう小さなベッドと、その傍らには粗末なテーブルがひとつ。椅子はない。他には、洋服棚だろうキャビネットが隅に鎮座していた。
テーブルにはささくれが目立っていて、上にオイルランプと写真立が置かれている。
テーブルのオイルランプは、芯が根元の所まで焼け落ちていて、ガラス瓶の中には一滴の油も残っていない。また、写真には麗玲だろうはにかみ笑いを浮かべる綺麗な少女と並んで、上等な身成をした三十代半ばほどと思しき紳士が写っていた。
天井にも笠の大きなオイルランプが下がっていて、見たところ、これの油は切れていないようだった。
「なるほど」
天井のランプを点ける前に麗玲は殺されたのだ。すなわち、部屋に戻って、手に持っていたランプをテーブルに置いた直後の犯行だったということが推察できる。
ベッドに腰掛けてマギエラが、ふと呟いた。
「あら? この写真の男、何処かで……」
「あのさ、エリー。なんてところに座っているのさ」
と言うのも、生前の麗玲が清潔に保っていただろう白のシーツには、散った血の飛沫が、赤黒い水玉模様を描いていたのだ。掛けたお尻のすぐ隣に至っては、大きな染みが出来ていて生々しい。
「いったい、何処で見たのかしら……」
まったく、聞いちゃいない。
「警部から貰った資料で見ただけじゃないかい?」
被写体は、東洋人のメイド少女と中産階級の紳士なのである。記念の一枚にしては、なんとも奇妙な組み合わせと言えるだろう。すると当然、グラント警部の資料がこの写真について触れていないという道理は無いはずだ。
「え? ああ、なるほど。思えばそうした記述があったわね。うーん、けど……」
はて、どうにも得心がいかない様子である。
それでもマギエラは、しかつめらしい顔になりつつ、グラント警部の資料を取り出す。
「ふむ……確かに、写真もあるわね。ジョルジ・アンリ・シャルダン。ロンドンに幾つもの工場を持つ実業家――いわゆる、郷紳階級にある家の子息で、歳は二十八。彼の曾祖父の代には、フランス革命を命からがら逃れて英国に入国しているわ」
「二十八? 写真だと、随分と落ち着いた紳士に見えるのだけれど……確かかい?」
話を遮られたマギエラは千早を一瞥して、フンと鼻で笑いつつ肩をすくめた。
「ちなみに、ジョルジは三人兄弟の末っ子よ。この英国では、長男が家の事業を継ぐという慣例があって、家業に携わることの出来ない彼は、今のところ大学で数学講師をしているわ。落ち着いて見えるのは、きっとこうした職業のせいね。
とはいえ、結婚していないこともあって、住家の方は、ロンドン郊外にある屋敷に居候しているみたい。通勤も、当然のように実家の自動車を使っているし、甘やかされているのよ。まあ、写真を見る限りは美形だから、これらは母親の方針なのかしらね。
そして肝心の……リーリンとの関係については、店のレストランを利用した際に彼女の時間を買い取って、空いている客室で英語の日常会話や読み書きを教えていたそうよ」
日常会話を?
「麗玲は、英語が喋れなかったのかい?」
「そうね、少なくとも堪能ではなかったのでしょうよ。そうでなければ、今時の娘が、こんな宿のオールワークスを薄給でする理由がないもの。熱心なメイドが不足しがちな昨今は、大きな屋敷での仕事の求人が溢れているのだからね。あるいは、工場労働の方がメイド稼業よりも楽でマシというものよ。
実際、ジョルジ・シャルダンについては西上海茶屋の主人が『教育熱心で助かっている』という旨の証言をしているわ。良い印象しか持っていない、とも話しているけれどアテにならない話ね。メイドの時間を良い値段で買い取る彼は、どう考えても上客だから、あの店主がシャルダンを悪く言うことは出来ないはずだもの」
なるほど、いやしかし……。
「なんと言うかエリーは、このシャルダンという男について、あまり良い印象を持っていないみたいだね」
先程から言葉の端々に棘がある気がするのだ。
「そう? そんな気はなかったのだけれど……でも、そうね。あなたがそう感じたのだとしたら、それはこの男が怪しいからじゃないかしら」
「怪しい?」
「いえ、ちょっと不穏な言い方だったわね。誤解の無いように言い換えると、およそ『理解し難い』が適当かもしれないわ。大学で教鞭を執っていながら、哀れだという理由だけで少女に勉学を――それもお金を支払ってまでして教えるだなんて、普通じゃないわ。異常よ。気味が悪いわ」
「けれど、それは『高潔なる責務』ってやつじゃないのかい?」
「ノブレス……それって、ノーブル・オブリゲーションのことかしら?」
眉をひそめてそれから、かぶりを振る。「グレンも言っていたけれど、貴族階級で流行っている慈善活動は、貧者等を支援漬けにするだけの偽善よ。言うなれば、使い切れないお金を少しばら撒くだけの簡単な活動だわ。少ない資金で労働者等のガス抜きが出来ると思えば安いもので、教育とは真逆の行為よ」
ガス抜き……なんとも捻くれた解釈である。
「するとエリーは、このジョルジ・シャルダンという男が犯人だと言うのかい?」
「一連の事件において犯人がアナメタルの刃を使用しているらしいことは、あなたも知っているでしょう? 少なくとも、わたしの首に傷を付けた刃物はまだ世に出ていない機巧に違いないのよ。だから、それとこれは別の話だわ」
マギエラは言って、嘆息しつつ肩をすくめる。「犯人は、最先端の機巧を自前で拵えることが出来る人物よ。このシャルダンが、人より少々賢かったところで所詮はただの数学教師だもの、高度な蒸気機巧術が扱えるとは思えないわ」
するとマギエラの口を悪くしている要因は、単に「気に入らないだけ」ということのようだ。
「人を、ただの印象だけで悪く言うものじゃないよ」
「印象だけ? とんでもない誤解だわ。いい歳をして結婚もしていない郷紳の子弟が、イーストエンドの危険な貧民街をフラフラと遊び回るだけでも良い趣味とは言えないのに、たまの気まぐれで、右も左も分からないような女の子を相手に『二人きりで』勉強を教えるだなんて、妙な下心が有るんじゃないかと疑うのが普通よ」
するとマギエラは、いかがわしい関係を想像しているらしい。ところが、そこへ階段の方から野太い声が届いた。
「残念ながら、殺された時のレリンは処女だったようだぞ」
グラント警部である。「切り出されてベッドの上に散らかしてあった女性器を調べた医者の診断だ」
警部の言にマギエラが顔をしかめた。シーツに残る大きな染みを見下ろしながら口を開く。
「それ、あなたの資料には書いてなかったわよね」
「書かなかったんだ。お前さんは、一応は未成年なわけで、そんな娘に渡す資料となれば残虐非道な現場の全てを載せるわけにもいくまい」
「ドロシーの遺体を直に見せておいて、今更だわ」
「ドロシー・エミー・コールマンは、遺体の損壊具合が軽微だったろう。それに、わたしもこれ以上、チハヤ少年に口煩く言われるのは御免被りたいのだよ」
「ふん、なるほど。そっちが本音みたいね」
言って、口元だけが笑う。「たしかに煩いものだわ」
なぜだろう、どうして睨まれなければならないのだろうか。理不尽という奴ではあるまいか。
ピンクオパールの瞳から眼を逸らしつつ千早は、グラント警部にひとつ訊ねた。
「ところで……階段の傷は、いつの物だったか分かりましたか?」
「いいや、駄目だったよ。なにせ、ここの主人はレリンの境遇についてあまりに無関心のようなんだ。階段の補修に使う木材にしても屋根の修繕で出た端材を充てていた始末ときている。
とはいえ……彼女の他には、外階段に立ち入る者もいなかったそうだからね。まあ、仮に立ち入る者がいたところで宿の客層は、その殆どが貧民街に根城を構えるような輩だ、日常的に杖を使うことなどあるまいよ。数少ない郷紳階級の客であるジョルジ・シャルダン氏が客室を使って勉強を教えていたとなれば、あれは犯人が付けた傷と考えて相違ないだろう」
なるほど。杖に関するグラント警部の説明は、手袋の事情と同じだろう。出先であまり手を使わなくてよい貴族や郷紳階級でもない限りは、杖など無用の長物というわけだ。
「では、犯人は……貴族や郷紳といった上流や中産階級の、蒸気機巧術技師ということですね」
千早の呟きにグラント警部は、しかつめらしい顔になって小さく唸った。そうしておもむろに口を開きつつ、苦々し気に口の端を歪めていく。
「いかにも厄介な相手だな……。貴族や郷紳くらいであれば引っ立てることは造作もないことだが、ことこれに蒸気機巧術が加わると事情が変わってしまう。なにせ彼等は、その功績と能力によって、国から一定の庇護を受けているからな。証拠を隠蔽する力を、郷紳の財力が盤石な物にしてしまう」
「ふん、どうでもいいことだわ」
衣擦れの音と共に声がして、見れば、マギエラがベッドを降りていた。懐から一枚の紙片を取り出した彼女が、折り畳まれたそれを警部に渡す。
「うん? ……何だ、これは」
「グレンに調べて欲しいことがそこに書いてあるわ。最初は自分でやろうと思っていたのだけれど、近頃は一人で外出するとチハヤが怒るから諦めることにしたの。じゃあ、任せたわね」
よろしく、と言われて眉をひそめるグラント警部を尻目に、マギエラが部屋を後にする。
して、グラント警部の手元で広げられた紙には、次のように書いてあった。
『次のハンサムキャブを見付ける。
「LA8178」
無ければ、当該番号の自動車とその所有者をロンドン近辺に探すこと。
なお、結果はフェアリーズ・シェルフまで』
垂直に立つビルジングの壁には、取って付けたような軒が手前に伸びていて、その上に葺かれた瓦の方も、装飾的な意味合いが強いらしく赤く派手な色彩は酷くまとまりがなかった。
「まあ。本当に、悪趣味な建物ね」
マギエラが、顔をしかめたままキャビンを降りている。けれども、眼前にあるそれの意匠がはたしてリージェント街の「東洋機巧」とどれほど違うのか、千早にはさっぱり分からない。趣味の悪さで言えば団栗の背比べだ。
「殺されたレリンの部屋は四階……いや、屋根裏の物置とでも言った方が正確だな。彼女は、昨今は街で見かけることもすっかり珍しくなった今時のメイドの待遇を思えば、随分と前時代的な扱いを受けていたようだ」
入って正面のマントルピースに景徳鎮の模造品だろう青花磁器瓶を戴く、エントランスホールはいわゆるシノワズリ様式で、節操の無い外観に比べれば内装は、まだ多少はマトモらしい。そこを千早達は、グラント警部に案内されるまま、飲食用のテーブルが並ぶ一階レストラン部分を横目に、入口から左手に見えている階段を上に行く。
途中、階段の踊り場で、上等な身成をした一人の男と擦れ違う。するとグラント警部が千早を振り返った。
「君達は、先に行っていてくれたまえ」
「えっ、先に……?」
そんなことを言われても屋根裏部屋の場所が分からないのだが――と、そうグラント警部に伝えようとしていると、開けた口を動かす前に、マギエラが無言で千早の腕を引いた。そのまま階段を上り切って、男の姿が見えなくなったところで彼女が耳打ちする。
「今のアレ、わたしの胸にいやらしい目を向けて、あげく擦れ違いざまに髪を触ってきたわ。……ほんと、不愉快ね」
なるほど、先程の警部の言にはそうした事情があったらしい。事実、しばらくすると階下から男の呻き声が聞こえてきた。
次第に声量を増していく会話に、耳を傾けてみる。
「う、ぐぅ……わ、分かった。分かったから手、てを」
「ほぅ? するとなんだ、これからはお前さんが、殺されたレリンの分も仕事をすると言うのだな? 少女と見れば物色しているようなヤツにそれが出来るものか、甚だ疑問だがね。とはいえ……まあ、安心すると良い。次にオールワークスなんて仕事を少女にさせてみろ、牢にブチ込んでそのまま出られなくしてやるからな」
警部の、低くドスの利いた声は怒気に満ちていて、地獄の底から響くようだ。
ときに、存外にもグラント警部のそうした声はすぐに聞こえなくなった。代わりに、肉を殴打する鈍い音が、男の悲鳴と共に二度三度と響いて、やがてすっかり静かになる。
「……へえ、まさか今の男が、ね」
小太りながら身綺麗にしていて、やもすると偉丈夫にも見えそうだったのだが、会話の内容から察するに、先程の擦れ違った男が「西上海茶屋」の主人だったらしい。少々意外ではあった。
「ええ、そうね。けれど……リーリンはとても可哀想な娘だわ」
マギエラは、目を伏せて憂鬱そうに言う。「先程の、わたしを見たあの様子だと、アレはケダモノよ。だけどリーリンは、か弱くて綺麗なメイドの少女だもの、きっと手籠めにだってされていたに違いないわ」
「分からないでもないけど、なかなかの言い草だね……」
「そんなことないわ。だって間違いなくペド野郎なのだもの」
うん? ぺ、ぺど……なんだって? 聞き慣れない単語だ。いや、まあいいか。どうせ、ろくでもない言葉に違いないのだ。
それから、ふと、いま一度腕を引かれる。それで千早は、マギエラがまだ手を握っていることに気が付いた。
「さあ、リーリンの部屋に行きましょう」
「行きましょう、って……ええと、部屋が何処に在るか分かるのかい?」
「呆れた。あなた……わたしが、どうしてグレンの資料に目を通したと思っているのよ」
マギエラいわく、麗玲の使っていた屋根裏部屋へは「二階から一度外に出て、そこから外階段を経由して直接入る」か、あるいは「三階奥の物置部屋から行ける」らしい。
屋内から屋根裏へと行けるにもかかわらず専用の外階段が設けてある事実と、麗玲が、客の前ではパーラーメイドらしく華美なエプロンに身を包みながらも裏で質素な召物を着せられていた点を考慮すれば、宿の主人は、オールワークスとして働く彼女には外からの出入りを強要していたに違いない。
「しかしながら……外階段だけで、お客の眼に留まらないよう歩き回るとなると、これは中々に大変そうだね」
「そう? 高価なエプロンで服の汚れる仕事をしているならともかく、澄まし顔で立っているだけのパーラーメイドを、普通の客は、物珍しく思いこそすれさほど気に留めないものよ。まあ、美人なら口説かれることもあるでしょうけど、リーリンは可愛くても子供だから。それと掃除などの仕事は、居てもせいぜい数人程度の宿泊客が寝静まる、夜間にさせるだけのことよ。暗ければ姿を見られても誤魔化しが利くからね」
ふむ、なるほど。しかし……すると、麗玲に寝る時間があったのかどうか、考えるだけで暗澹たる気分にさせられる。
外へ出たなら、頭上にある廂は申し訳程度の長さで、あまり機能していないと分かった。それ故か、長年の風雨に晒されて端々の痛んだ外階段は、木板を当てた補修が随所に見られた。
「へぇ、意外と手入れがしてあるのね。それとも、リーリンが自分で直していたのかしら」
あるいは、麗玲を殺害した犯人も、この外階段を利用したのかもしれない。
して、やや急な角度をしたその階段を上り始めたマギエラは、およそ十五段ほど上ったところで立ち止まった。
訝しげに「これ……」と呟いた彼女の視線を辿れば、小さな凹みが、風雨で傷んだ木板を穿つようにして足元に付けられていた。
「比較的新しい傷で、おそらく杖を付いて出来た跡だわ。リーリンが杖を使うことはなかったでしょうし、だから……そうね、グレン達警察が現場を荒らしたという事情が無いことを祈りたいわね」
「それは、我々警察が不注意で傷を作ったと言いたいのかね」
矢庭に背後から声がして、振り向けば、しかめ面のグラント警部が立っていた。
「あら? だって、あなたの資料、この傷について触れていなかったでしょう? 現場検証をしておきながらこの程度の物証を見逃す、警察の手際を疑うなと言う主張には無理があると思うわ」
なかなかどうして手厳しいものである。さしものグラント警部も、ぐうの音も出ない様子で押し黙ってしまった。
「ええと……とにかく、この傷がいつからある物なのか、宿の主人に確認してみてはどうですか?」
「う、うむ……そ、そうだな」
千早の言に頷いて「よし、ぜひともそうしよう」などと繰り返したグラント警部の心境は、さながら渡りに船といったものだったのだろう。マギエラの視線を避けるように踵を返した彼は、そそくさと階下へと降りて行ってしまった。
「ふん、無駄に駆けて行ったわね」
瞳に軽蔑の気配を滲ませたまま警部を振り返りもしないマギエラだ。そんな彼女の後を追う形で階段を上り切る。そうして、切妻屋根の下に設えられた扉を押し開くと、そこが件の屋根裏である。
麗玲の部屋は、至って質素なものだった。
まず、入って左手に階下の物置へと続く階段がある。正面にはひび割れた窓があって、通りを見下ろせるようだ。部屋にひとつだけ設けられた窓にカーテンの類は無く、マントルピースも無ければ暖炉すらも存在しない。家具の類は、十代半ばの少女が使うには窮屈だろう小さなベッドと、その傍らには粗末なテーブルがひとつ。椅子はない。他には、洋服棚だろうキャビネットが隅に鎮座していた。
テーブルにはささくれが目立っていて、上にオイルランプと写真立が置かれている。
テーブルのオイルランプは、芯が根元の所まで焼け落ちていて、ガラス瓶の中には一滴の油も残っていない。また、写真には麗玲だろうはにかみ笑いを浮かべる綺麗な少女と並んで、上等な身成をした三十代半ばほどと思しき紳士が写っていた。
天井にも笠の大きなオイルランプが下がっていて、見たところ、これの油は切れていないようだった。
「なるほど」
天井のランプを点ける前に麗玲は殺されたのだ。すなわち、部屋に戻って、手に持っていたランプをテーブルに置いた直後の犯行だったということが推察できる。
ベッドに腰掛けてマギエラが、ふと呟いた。
「あら? この写真の男、何処かで……」
「あのさ、エリー。なんてところに座っているのさ」
と言うのも、生前の麗玲が清潔に保っていただろう白のシーツには、散った血の飛沫が、赤黒い水玉模様を描いていたのだ。掛けたお尻のすぐ隣に至っては、大きな染みが出来ていて生々しい。
「いったい、何処で見たのかしら……」
まったく、聞いちゃいない。
「警部から貰った資料で見ただけじゃないかい?」
被写体は、東洋人のメイド少女と中産階級の紳士なのである。記念の一枚にしては、なんとも奇妙な組み合わせと言えるだろう。すると当然、グラント警部の資料がこの写真について触れていないという道理は無いはずだ。
「え? ああ、なるほど。思えばそうした記述があったわね。うーん、けど……」
はて、どうにも得心がいかない様子である。
それでもマギエラは、しかつめらしい顔になりつつ、グラント警部の資料を取り出す。
「ふむ……確かに、写真もあるわね。ジョルジ・アンリ・シャルダン。ロンドンに幾つもの工場を持つ実業家――いわゆる、郷紳階級にある家の子息で、歳は二十八。彼の曾祖父の代には、フランス革命を命からがら逃れて英国に入国しているわ」
「二十八? 写真だと、随分と落ち着いた紳士に見えるのだけれど……確かかい?」
話を遮られたマギエラは千早を一瞥して、フンと鼻で笑いつつ肩をすくめた。
「ちなみに、ジョルジは三人兄弟の末っ子よ。この英国では、長男が家の事業を継ぐという慣例があって、家業に携わることの出来ない彼は、今のところ大学で数学講師をしているわ。落ち着いて見えるのは、きっとこうした職業のせいね。
とはいえ、結婚していないこともあって、住家の方は、ロンドン郊外にある屋敷に居候しているみたい。通勤も、当然のように実家の自動車を使っているし、甘やかされているのよ。まあ、写真を見る限りは美形だから、これらは母親の方針なのかしらね。
そして肝心の……リーリンとの関係については、店のレストランを利用した際に彼女の時間を買い取って、空いている客室で英語の日常会話や読み書きを教えていたそうよ」
日常会話を?
「麗玲は、英語が喋れなかったのかい?」
「そうね、少なくとも堪能ではなかったのでしょうよ。そうでなければ、今時の娘が、こんな宿のオールワークスを薄給でする理由がないもの。熱心なメイドが不足しがちな昨今は、大きな屋敷での仕事の求人が溢れているのだからね。あるいは、工場労働の方がメイド稼業よりも楽でマシというものよ。
実際、ジョルジ・シャルダンについては西上海茶屋の主人が『教育熱心で助かっている』という旨の証言をしているわ。良い印象しか持っていない、とも話しているけれどアテにならない話ね。メイドの時間を良い値段で買い取る彼は、どう考えても上客だから、あの店主がシャルダンを悪く言うことは出来ないはずだもの」
なるほど、いやしかし……。
「なんと言うかエリーは、このシャルダンという男について、あまり良い印象を持っていないみたいだね」
先程から言葉の端々に棘がある気がするのだ。
「そう? そんな気はなかったのだけれど……でも、そうね。あなたがそう感じたのだとしたら、それはこの男が怪しいからじゃないかしら」
「怪しい?」
「いえ、ちょっと不穏な言い方だったわね。誤解の無いように言い換えると、およそ『理解し難い』が適当かもしれないわ。大学で教鞭を執っていながら、哀れだという理由だけで少女に勉学を――それもお金を支払ってまでして教えるだなんて、普通じゃないわ。異常よ。気味が悪いわ」
「けれど、それは『高潔なる責務』ってやつじゃないのかい?」
「ノブレス……それって、ノーブル・オブリゲーションのことかしら?」
眉をひそめてそれから、かぶりを振る。「グレンも言っていたけれど、貴族階級で流行っている慈善活動は、貧者等を支援漬けにするだけの偽善よ。言うなれば、使い切れないお金を少しばら撒くだけの簡単な活動だわ。少ない資金で労働者等のガス抜きが出来ると思えば安いもので、教育とは真逆の行為よ」
ガス抜き……なんとも捻くれた解釈である。
「するとエリーは、このジョルジ・シャルダンという男が犯人だと言うのかい?」
「一連の事件において犯人がアナメタルの刃を使用しているらしいことは、あなたも知っているでしょう? 少なくとも、わたしの首に傷を付けた刃物はまだ世に出ていない機巧に違いないのよ。だから、それとこれは別の話だわ」
マギエラは言って、嘆息しつつ肩をすくめる。「犯人は、最先端の機巧を自前で拵えることが出来る人物よ。このシャルダンが、人より少々賢かったところで所詮はただの数学教師だもの、高度な蒸気機巧術が扱えるとは思えないわ」
するとマギエラの口を悪くしている要因は、単に「気に入らないだけ」ということのようだ。
「人を、ただの印象だけで悪く言うものじゃないよ」
「印象だけ? とんでもない誤解だわ。いい歳をして結婚もしていない郷紳の子弟が、イーストエンドの危険な貧民街をフラフラと遊び回るだけでも良い趣味とは言えないのに、たまの気まぐれで、右も左も分からないような女の子を相手に『二人きりで』勉強を教えるだなんて、妙な下心が有るんじゃないかと疑うのが普通よ」
するとマギエラは、いかがわしい関係を想像しているらしい。ところが、そこへ階段の方から野太い声が届いた。
「残念ながら、殺された時のレリンは処女だったようだぞ」
グラント警部である。「切り出されてベッドの上に散らかしてあった女性器を調べた医者の診断だ」
警部の言にマギエラが顔をしかめた。シーツに残る大きな染みを見下ろしながら口を開く。
「それ、あなたの資料には書いてなかったわよね」
「書かなかったんだ。お前さんは、一応は未成年なわけで、そんな娘に渡す資料となれば残虐非道な現場の全てを載せるわけにもいくまい」
「ドロシーの遺体を直に見せておいて、今更だわ」
「ドロシー・エミー・コールマンは、遺体の損壊具合が軽微だったろう。それに、わたしもこれ以上、チハヤ少年に口煩く言われるのは御免被りたいのだよ」
「ふん、なるほど。そっちが本音みたいね」
言って、口元だけが笑う。「たしかに煩いものだわ」
なぜだろう、どうして睨まれなければならないのだろうか。理不尽という奴ではあるまいか。
ピンクオパールの瞳から眼を逸らしつつ千早は、グラント警部にひとつ訊ねた。
「ところで……階段の傷は、いつの物だったか分かりましたか?」
「いいや、駄目だったよ。なにせ、ここの主人はレリンの境遇についてあまりに無関心のようなんだ。階段の補修に使う木材にしても屋根の修繕で出た端材を充てていた始末ときている。
とはいえ……彼女の他には、外階段に立ち入る者もいなかったそうだからね。まあ、仮に立ち入る者がいたところで宿の客層は、その殆どが貧民街に根城を構えるような輩だ、日常的に杖を使うことなどあるまいよ。数少ない郷紳階級の客であるジョルジ・シャルダン氏が客室を使って勉強を教えていたとなれば、あれは犯人が付けた傷と考えて相違ないだろう」
なるほど。杖に関するグラント警部の説明は、手袋の事情と同じだろう。出先であまり手を使わなくてよい貴族や郷紳階級でもない限りは、杖など無用の長物というわけだ。
「では、犯人は……貴族や郷紳といった上流や中産階級の、蒸気機巧術技師ということですね」
千早の呟きにグラント警部は、しかつめらしい顔になって小さく唸った。そうしておもむろに口を開きつつ、苦々し気に口の端を歪めていく。
「いかにも厄介な相手だな……。貴族や郷紳くらいであれば引っ立てることは造作もないことだが、ことこれに蒸気機巧術が加わると事情が変わってしまう。なにせ彼等は、その功績と能力によって、国から一定の庇護を受けているからな。証拠を隠蔽する力を、郷紳の財力が盤石な物にしてしまう」
「ふん、どうでもいいことだわ」
衣擦れの音と共に声がして、見れば、マギエラがベッドを降りていた。懐から一枚の紙片を取り出した彼女が、折り畳まれたそれを警部に渡す。
「うん? ……何だ、これは」
「グレンに調べて欲しいことがそこに書いてあるわ。最初は自分でやろうと思っていたのだけれど、近頃は一人で外出するとチハヤが怒るから諦めることにしたの。じゃあ、任せたわね」
よろしく、と言われて眉をひそめるグラント警部を尻目に、マギエラが部屋を後にする。
して、グラント警部の手元で広げられた紙には、次のように書いてあった。
『次のハンサムキャブを見付ける。
「LA8178」
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