6 / 45
6 レイファ兄さまのアドバイス③
しおりを挟む
!レイファ兄さまの手のひらに樽くらいの大きさの火の塊が発現した。
すごい!おっきい!かっこいい!レイファ兄さまの顔が火の作り出す影で揺らめいていてとても神秘的だ。
「これが一度だけ詠唱した火の大きさだね」
そう言って手を握りしめると火は消滅する。
「……で、詠唱を重ねがけしてみよう」
レイファ兄さまがさっきと同じ姿勢を取り呪文を唱えた。
「炎よ来たれ」
今度はさっきの火よりもずっともっと大きな炎が出現した。
呪文が違うのは分かったけど、これが重ねがけなの?
わたしの心の質問をレイファ兄さまは察したようだ。炎を消して答えてくれる。
「つまりね。言の葉で魔法を倍がけしたんだよ。日常でも火→炎→爆炎というように火の威力が単語で変わっていくだろう?それを利用して言霊の力を借りて魔法効果を重ねがけしているんだ」
……難しい。
「言の葉とは"こころの言葉"でもある。火を発現するときまず爆炎を思い浮かべて、こころの言葉で何度も何度も同じ言葉を思い浮かべてみてごらん?」
えっと……つまり、自分の想像出来る一番大きい火を思い描いて、そこから何度も何度も同じ火を最初の火に重ねていく……
ブツブツと呟きながらやってみたけれど、ほんのちょっと指先から出る火が大きくなったかな?というくらいしか変化は見られなかった。
誰から見ても分かるくらいがっくり肩を落とすメリルにレイファは優しく微笑んだ。
「これはすぐに出来るものじゃないと思うよ。いずれメリルもきっと出来るようになるから、毎日コツコツ頑張ってごらん。アクアオッジ家門は積み重ねることを厭わない一族なんだから」
そう言って兄さまは騎士のみんなに挨拶をして王宮に戻って行った。なんと第一王子が第三王子と一緒にアクアオッジ家に迎えに来たのだ。王族がお忍びでこんな辺境を訪れたことよりも、兄さまをわざわざ迎えにきたということがびっくりだった。
実は第三王子が鍛錬場にこっそり見学にきていたのだけれど、メリルは全く気が付かなかった。
すごい!おっきい!かっこいい!レイファ兄さまの顔が火の作り出す影で揺らめいていてとても神秘的だ。
「これが一度だけ詠唱した火の大きさだね」
そう言って手を握りしめると火は消滅する。
「……で、詠唱を重ねがけしてみよう」
レイファ兄さまがさっきと同じ姿勢を取り呪文を唱えた。
「炎よ来たれ」
今度はさっきの火よりもずっともっと大きな炎が出現した。
呪文が違うのは分かったけど、これが重ねがけなの?
わたしの心の質問をレイファ兄さまは察したようだ。炎を消して答えてくれる。
「つまりね。言の葉で魔法を倍がけしたんだよ。日常でも火→炎→爆炎というように火の威力が単語で変わっていくだろう?それを利用して言霊の力を借りて魔法効果を重ねがけしているんだ」
……難しい。
「言の葉とは"こころの言葉"でもある。火を発現するときまず爆炎を思い浮かべて、こころの言葉で何度も何度も同じ言葉を思い浮かべてみてごらん?」
えっと……つまり、自分の想像出来る一番大きい火を思い描いて、そこから何度も何度も同じ火を最初の火に重ねていく……
ブツブツと呟きながらやってみたけれど、ほんのちょっと指先から出る火が大きくなったかな?というくらいしか変化は見られなかった。
誰から見ても分かるくらいがっくり肩を落とすメリルにレイファは優しく微笑んだ。
「これはすぐに出来るものじゃないと思うよ。いずれメリルもきっと出来るようになるから、毎日コツコツ頑張ってごらん。アクアオッジ家門は積み重ねることを厭わない一族なんだから」
そう言って兄さまは騎士のみんなに挨拶をして王宮に戻って行った。なんと第一王子が第三王子と一緒にアクアオッジ家に迎えに来たのだ。王族がお忍びでこんな辺境を訪れたことよりも、兄さまをわざわざ迎えにきたということがびっくりだった。
実は第三王子が鍛錬場にこっそり見学にきていたのだけれど、メリルは全く気が付かなかった。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
695
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる