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8度:穏やかな時間
26話
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「早くご飯を食べて、イチャイチャしたいですね」
今度は不敵な笑みを浮かべながら、そう言われた。
この悪魔な笑みに、私は完全に落ちてしまっている。
「…ご飯は後にして、先にイチャイチャする?」
勇気を出して、私から誘ってみた。
私ももう我慢できなかった。早く慧くんが欲しかった。
「京香さんがいいなら、望んでイチャイチャさせて頂きます」
慧くんが私の頬に手を添えてきた。
そのままゆっくり顔が近づいてきて。そっと唇と唇が優しく触れ合う。
暫くの間、優しく触れ合うだけのキスを繰り返した後、次第に唇が深く重なっていき、どんどん甘い蜜に心も身体も溺れていく。
この熱の甘さを知ってしまった私は、ずっとこの熱に溺れていたいと思ってしまうほど、熱に浮かされていた。
*
昨夜、あれだけ散々求め合ったというのに、朝も激しく求め合ってしまった。
その上、今夜もまた会う約束をした。もしかして今夜もするのかな…?!
いや、それはさすがにないだろう。昨日、あれだけたくさん求め合ったのだから。
それでもまだ物足りないと感じ、更に望んでしまう。
このままじゃダメだ。ちゃんと自分をコントロールしないと。
頭では分かっていても、上手くコントロールできない。
仕事中ですら、慧くんのことを考えてしまい、ぼーっとしてしまう始末…。
切り替えないと、このままじゃ仕事に支障をきたす。
そう思っていた、矢先の出来事だった…。
「葉月、ちょっとこっちに来い」
私に声をかけてきたのは、如月くんだった。
あれから如月くんと話していない。お互いに気まずくて避けている。
そんな如月くんと久しぶりに話すので、身構えてしまい、緊張感が一気に走る…。
「あと、もう一人の羽月も。悪いけど、会議室を借りるな」
慧くんも呼び出されるなんて、何事だろうか。
もしかして、私達の部で何か大きな失態でも犯したのだろうか。一気に不安が押し寄せてくる。
「…おい、二人共。しっかりしろ。惚け過ぎだ」
会議室に入った途端、如月くんから説教された。
説教されても当然だ。実際、自分でも惚け過ぎているという自覚はある。
それぐらい今の私達は、周りが見えていない状態で。恋愛に溺れていた。
「…すみません」
「会社の人間に内緒で付き合っているのなら、もう少し自重して抑えろ。いつかバレるぞ」
確かに私達は、会社の人達に内緒で付き合っている。
極力、バレたくない。このままバレずに慧くんとのお付き合いを続けたい。
如月くんの言う通り、少し自重しないといけないなと反省した。
「そうだね。気をつけます」
恋愛にばかり現を抜かしていられない。
ちゃんと仕事をしないと、周りの人達に迷惑をかけてしまう。
なるべく迷惑はかけたくないので、私は気持ちを切り替えて、ちゃんと仕事をする決意を固めた。
「悔しいですけど、今回だけはあなたの指摘を素直に受け入れます」
慧くんは悔しそうな表情を浮かべながら、素直に自分の非を認め、受け入れた。
「…伝えたかったことはそれだけだ。それじゃ、お先に失礼する」
如月くんは伝えたいことだけを伝えたら、本当に会議室を出て行った。
残された私達は、お互いに微笑み合った。如月くんの優しさに胸がほっこりした。まるで今までの出来事が幻かのように…。
そう思わせるくらい、如月くんは自分の中にある心の壁を乗り越えた。
私達もずっとこのままではまずいと、危機感を抱いた。
「今夜は自重しますね」
私も同じことを考えていた。
良い意味で夢から醒めて、落ち着きを取り戻せたのかもしれない。
「そうだね。また違う日に…」
これじゃ、違う日ならオッケーといっているようなものだ。そう受け取られても仕方がない。
とはいえ、あながち間違ってもいないので、敢えて否定はしなかった。否定する方が無粋だからである。
「それはもちろん。今は我慢して抑えているだけなので」
その言葉でさえも、胸がキュンとしてしまう。
恋は盲目とはよく言った言葉だ。本当に気をつけようと、改めて気を引き締めた。
「さぁ、仕事に戻ろう」
「はい。そうですね。戻りましょうか」
この日以来、会社では上手く気持ちを抑えられるようになった。
その分帰宅した後、思う存分イチャイチャしている。
ちゃんと時と場所を選び、これからも上手く気持ちを切り替えられるように頑張ろうと、私達は心に誓った。
今度は不敵な笑みを浮かべながら、そう言われた。
この悪魔な笑みに、私は完全に落ちてしまっている。
「…ご飯は後にして、先にイチャイチャする?」
勇気を出して、私から誘ってみた。
私ももう我慢できなかった。早く慧くんが欲しかった。
「京香さんがいいなら、望んでイチャイチャさせて頂きます」
慧くんが私の頬に手を添えてきた。
そのままゆっくり顔が近づいてきて。そっと唇と唇が優しく触れ合う。
暫くの間、優しく触れ合うだけのキスを繰り返した後、次第に唇が深く重なっていき、どんどん甘い蜜に心も身体も溺れていく。
この熱の甘さを知ってしまった私は、ずっとこの熱に溺れていたいと思ってしまうほど、熱に浮かされていた。
*
昨夜、あれだけ散々求め合ったというのに、朝も激しく求め合ってしまった。
その上、今夜もまた会う約束をした。もしかして今夜もするのかな…?!
いや、それはさすがにないだろう。昨日、あれだけたくさん求め合ったのだから。
それでもまだ物足りないと感じ、更に望んでしまう。
このままじゃダメだ。ちゃんと自分をコントロールしないと。
頭では分かっていても、上手くコントロールできない。
仕事中ですら、慧くんのことを考えてしまい、ぼーっとしてしまう始末…。
切り替えないと、このままじゃ仕事に支障をきたす。
そう思っていた、矢先の出来事だった…。
「葉月、ちょっとこっちに来い」
私に声をかけてきたのは、如月くんだった。
あれから如月くんと話していない。お互いに気まずくて避けている。
そんな如月くんと久しぶりに話すので、身構えてしまい、緊張感が一気に走る…。
「あと、もう一人の羽月も。悪いけど、会議室を借りるな」
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もしかして、私達の部で何か大きな失態でも犯したのだろうか。一気に不安が押し寄せてくる。
「…おい、二人共。しっかりしろ。惚け過ぎだ」
会議室に入った途端、如月くんから説教された。
説教されても当然だ。実際、自分でも惚け過ぎているという自覚はある。
それぐらい今の私達は、周りが見えていない状態で。恋愛に溺れていた。
「…すみません」
「会社の人間に内緒で付き合っているのなら、もう少し自重して抑えろ。いつかバレるぞ」
確かに私達は、会社の人達に内緒で付き合っている。
極力、バレたくない。このままバレずに慧くんとのお付き合いを続けたい。
如月くんの言う通り、少し自重しないといけないなと反省した。
「そうだね。気をつけます」
恋愛にばかり現を抜かしていられない。
ちゃんと仕事をしないと、周りの人達に迷惑をかけてしまう。
なるべく迷惑はかけたくないので、私は気持ちを切り替えて、ちゃんと仕事をする決意を固めた。
「悔しいですけど、今回だけはあなたの指摘を素直に受け入れます」
慧くんは悔しそうな表情を浮かべながら、素直に自分の非を認め、受け入れた。
「…伝えたかったことはそれだけだ。それじゃ、お先に失礼する」
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そう思わせるくらい、如月くんは自分の中にある心の壁を乗り越えた。
私達もずっとこのままではまずいと、危機感を抱いた。
「今夜は自重しますね」
私も同じことを考えていた。
良い意味で夢から醒めて、落ち着きを取り戻せたのかもしれない。
「そうだね。また違う日に…」
これじゃ、違う日ならオッケーといっているようなものだ。そう受け取られても仕方がない。
とはいえ、あながち間違ってもいないので、敢えて否定はしなかった。否定する方が無粋だからである。
「それはもちろん。今は我慢して抑えているだけなので」
その言葉でさえも、胸がキュンとしてしまう。
恋は盲目とはよく言った言葉だ。本当に気をつけようと、改めて気を引き締めた。
「さぁ、仕事に戻ろう」
「はい。そうですね。戻りましょうか」
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