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2章:「ルール」
21話
「電車大丈夫か?」
心配されるほど、顔色が悪かったのであろう。
大丈夫か大丈夫じゃないかといえば、大丈夫ではない。今すぐにでも人酔いしそうだ。
でもここで引き下がれない。覚悟を持ってここまで来たのだから。
「大丈夫です。悠翔さんがいますから」
一人じゃ電車には乗れない。いつからか乗れなくなってしまった。
どうして外に出ることができなくなってしまったのだろうか。自分でも分からない。
でも不思議だ。悠翔さんが傍に居ると思うと全然苦しくなかった。
「そうか。それなら良かった」
すると悠翔さんが私の手を掴み、手を繋いでくれた。
「今日は土日で混んでるからはぐれても困るし、それにこうした方が奈緒が安心するかなと思って…」
悠翔さんの言う通り、悠翔さんの温もりを感じた瞬間、私の中で苦しい気持ちが一気に吹き飛んだ。
「ありがとうございます。一気に軽くなりました」
本物の夫婦ではない。それに性的接触はルール上禁止だ。
でも手を繋ぐくらいなら問題ないと悠翔さんは判断したのであろう。
もし私が嫌がっていたら違ったかもしれないが、私は悠翔さんに手を繋いでもらえて嫌じゃなかった。
寧ろ嬉しかった。悠翔さんとずっと手を繋いでいたいと思うほどに…。
「まもなく○番線に電車が参ります。黄色い線の内側に並んでお待ちください…」
電車がやってくるアナウンスが鳴った。いよいよ電車に乗る…。
「乗ってみて無理だったら言ってな?そしたら電車を降りてタクシーで向かうから」
気を遣って悠翔さんはそう言ってくれたが、私はできればこれを機に克服したかった。
悠翔さんなしで一人で乗るのは難しいと思うが、せめて悠翔さんと一緒に乗れるようになりたい。
「大丈夫…です。そんなに遠くないんですよね?でしたら電車に乗っている時間も短いと思うので。これを機に少しでも克服したいんです」
いざ実際に電車に乗ってみたら無理かもしれない。
体調が悪くなった場合は降りるしかないが、できれば降りずに目的地まで頑張って乗りたい。
心配されるほど、顔色が悪かったのであろう。
大丈夫か大丈夫じゃないかといえば、大丈夫ではない。今すぐにでも人酔いしそうだ。
でもここで引き下がれない。覚悟を持ってここまで来たのだから。
「大丈夫です。悠翔さんがいますから」
一人じゃ電車には乗れない。いつからか乗れなくなってしまった。
どうして外に出ることができなくなってしまったのだろうか。自分でも分からない。
でも不思議だ。悠翔さんが傍に居ると思うと全然苦しくなかった。
「そうか。それなら良かった」
すると悠翔さんが私の手を掴み、手を繋いでくれた。
「今日は土日で混んでるからはぐれても困るし、それにこうした方が奈緒が安心するかなと思って…」
悠翔さんの言う通り、悠翔さんの温もりを感じた瞬間、私の中で苦しい気持ちが一気に吹き飛んだ。
「ありがとうございます。一気に軽くなりました」
本物の夫婦ではない。それに性的接触はルール上禁止だ。
でも手を繋ぐくらいなら問題ないと悠翔さんは判断したのであろう。
もし私が嫌がっていたら違ったかもしれないが、私は悠翔さんに手を繋いでもらえて嫌じゃなかった。
寧ろ嬉しかった。悠翔さんとずっと手を繋いでいたいと思うほどに…。
「まもなく○番線に電車が参ります。黄色い線の内側に並んでお待ちください…」
電車がやってくるアナウンスが鳴った。いよいよ電車に乗る…。
「乗ってみて無理だったら言ってな?そしたら電車を降りてタクシーで向かうから」
気を遣って悠翔さんはそう言ってくれたが、私はできればこれを機に克服したかった。
悠翔さんなしで一人で乗るのは難しいと思うが、せめて悠翔さんと一緒に乗れるようになりたい。
「大丈夫…です。そんなに遠くないんですよね?でしたら電車に乗っている時間も短いと思うので。これを機に少しでも克服したいんです」
いざ実際に電車に乗ってみたら無理かもしれない。
体調が悪くなった場合は降りるしかないが、できれば降りずに目的地まで頑張って乗りたい。
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