22 / 151
2章:「ルール」
22話
「奈緒がそう言うなら頑張ってみますか。俺も傍に居るし、ずっと手を繋いでるから…」
悠翔さんの手は温かくて。その手の温もりが私の緊張を和らげてくれている。
「ありがとう…ございます。電車がきましたね。乗りましょう」
自分から手を引っ張り、悠翔さんと一緒に電車に乗った。
乗った瞬間、車内の人の多さに気持ち悪くなった。
「奈緒、席空いてるから座って…」
そう言って悠翔さんに空いてる席へ導かれた。両隣共女性だった。
きっと隣が女性の席を探してくれたのだと思う。何から何まで感謝だ。
「悠翔さん、ありがとう…」
女性が隣…ということもあり、安心して座ることができた。これなら体調も少しは良くなりそうだ。
「たまたま空いてただけだよ。座れて良かったな」
まるで自分は何も気を遣ってませんと言わんばかりの態度。
ここは知らないふりをしてあげた。悠翔さんの気持ちを汲み取ることにした。
「そうなんですね。それでも空いてる席を探してくれてありがとうございます」
悠翔さんが空いてる席を見つけてくれなかったら、今頃体調が悪化し、電車を降りなければならなかったかもしれない。
でも悠翔さんのお陰で目的地まで乗ることができそうだ。
「おう…」
照れ臭そうにしていた。そんな悠翔さんを見て、私は思わず笑みが溢れた。
「どうした?何かおかしいことでもあったか?」
「特に何もないですよ。お気になさらないでください」
私がそう言うと、悠翔さんは怪訝そうな顔をした。
この気持ちは私の心の中だけに留めておくことにした。
「そうか。分かった」
座れたのは良かったが、座ったことで手が離れてしまった。少し寂しいと感じた。
でも目的地まで三駅だ。もしかしたらまた手が繋げるかもしれないという淡い期待を胸に秘めた。
たった三駅がとても長く感じた。早く悠翔さんと手を繋ぎたいと思った。
「体調は大丈夫か?」
私の様子を確認してくれた。常に私のことを心がけてくれている悠翔さんの優しさが嬉しかった。
「今のところ大丈夫です。心配して下さり、ありがとうございます…」
「そうか。それなら良かった。次目的地だからそろそろ降りるぞ」
三駅なんてあっという間だった。先程まで長く感じていたのが不思議なくらいに…。
悠翔さんの手は温かくて。その手の温もりが私の緊張を和らげてくれている。
「ありがとう…ございます。電車がきましたね。乗りましょう」
自分から手を引っ張り、悠翔さんと一緒に電車に乗った。
乗った瞬間、車内の人の多さに気持ち悪くなった。
「奈緒、席空いてるから座って…」
そう言って悠翔さんに空いてる席へ導かれた。両隣共女性だった。
きっと隣が女性の席を探してくれたのだと思う。何から何まで感謝だ。
「悠翔さん、ありがとう…」
女性が隣…ということもあり、安心して座ることができた。これなら体調も少しは良くなりそうだ。
「たまたま空いてただけだよ。座れて良かったな」
まるで自分は何も気を遣ってませんと言わんばかりの態度。
ここは知らないふりをしてあげた。悠翔さんの気持ちを汲み取ることにした。
「そうなんですね。それでも空いてる席を探してくれてありがとうございます」
悠翔さんが空いてる席を見つけてくれなかったら、今頃体調が悪化し、電車を降りなければならなかったかもしれない。
でも悠翔さんのお陰で目的地まで乗ることができそうだ。
「おう…」
照れ臭そうにしていた。そんな悠翔さんを見て、私は思わず笑みが溢れた。
「どうした?何かおかしいことでもあったか?」
「特に何もないですよ。お気になさらないでください」
私がそう言うと、悠翔さんは怪訝そうな顔をした。
この気持ちは私の心の中だけに留めておくことにした。
「そうか。分かった」
座れたのは良かったが、座ったことで手が離れてしまった。少し寂しいと感じた。
でも目的地まで三駅だ。もしかしたらまた手が繋げるかもしれないという淡い期待を胸に秘めた。
たった三駅がとても長く感じた。早く悠翔さんと手を繋ぎたいと思った。
「体調は大丈夫か?」
私の様子を確認してくれた。常に私のことを心がけてくれている悠翔さんの優しさが嬉しかった。
「今のところ大丈夫です。心配して下さり、ありがとうございます…」
「そうか。それなら良かった。次目的地だからそろそろ降りるぞ」
三駅なんてあっという間だった。先程まで長く感じていたのが不思議なくらいに…。
あなたにおすすめの小説
黒瀬部長は部下を溺愛したい
桐生桜
恋愛
イケメン上司の黒瀬部長は営業部のエース。
人にも自分にも厳しくちょっぴり怖い……けど!
好きな人にはとことん尽くして甘やかしたい、愛でたい……の溺愛体質。
部下である白石莉央はその溺愛を一心に受け、とことん愛される。
スパダリ鬼上司×新人OLのイチャラブストーリーを一話ショートに。
俺様上司に今宵も激しく求められる。
美凪ましろ
恋愛
鉄面皮。無表情。一ミリも笑わない男。
蒔田一臣、あたしのひとつうえの上司。
ことあるごとに厳しくあたしを指導する、目の上のたんこぶみたいな男――だったはずが。
「おまえの顔、えっろい」
神様仏様どうしてあたしはこの男に今宵も激しく愛しこまれているのでしょう。
――2000年代初頭、IT系企業で懸命に働く新卒女子×厳しめの俺様男子との恋物語。
**2026.01.02start~2026.01.17end**
◆エブリスタ様にも掲載。人気沸騰中です!
https://estar.jp/novels/26513389
婚活嫌いのパイロットは約束妻に恋をする
円山ひより
恋愛
湯沢蕗(ユザワ フキ) 28歳
スターブルー・ライト航空株式会社 グランドスタッフ
×
向琉生(ムカイ ルイ) 32歳
スターブルー航空株式会社 副操縦士
「ーーじゃあ、俺と結婚しようか」
さらりと言われた言葉。
躊躇いのないプロポーズが私の心を乱す。
「大切にすると約束する」
指先に落とされた、彼の薄い唇の感触に胸が詰まった。
私は祖母の遺言に則って実家のカフェを守るため、あなたは広報動画出演の影響による数々の迷惑行為対策と縁談よけに。
お互いの利益のための契約結婚。
『――もう十分がんばっているでしょう』
名前も知らない、三年前に偶然出会った男性。
孤独と不安、さみしさ、負の感情に押しつぶされそうになっていた私を救ってくれたーーきっと、訓練生。
あの男性があなたであるはずがないのに。
どうして、同じ言葉を口にするの?
名前を呼ぶ声に。
触れる指先に。
伝わる体温に。
心が壊れそうな音を立てる。
……この想いを、どう表現していいのかわからない。
☆★☆★☆★☆
こちらの作品は他サイト様でも投稿しております。
不遇な令嬢は次期組長の秘めたる溺愛に絡め取られる。
翼 うみ
恋愛
父の会社を立て直す交換条件のため、ほぼ家族に身売りされた形で関東最大級の極道・桜花組の次期組長に嫁入りしたジェシカ。しかし母を亡くして以降、義母と義妹に虐げられていたジェシカは実家を出られるなら、と前向きだった。夫となる和仁には「君を愛することはない」と冷たく突き放される。それでもジェシカは傷つくことはなく、自分にできることを探して楽しんでいた。
和仁には辛い過去がありそれ故に誰のことも愛さないと決めていたが、純真で健気なジェシカに段々と惹かれてゆき――。
政略結婚から始まる溺愛シンデレラストーリー。
普通のOLは猛獣使いにはなれない
ピロ子
恋愛
恋人と親友に裏切られ自棄酒中のOL有季子は、バーで偶然出会った猛獣(みたいな男)と意気投合して酔った勢いで彼と一夜を共にしてしまう。
あの日の事は“一夜の過ち”だと思えるようになった頃、自宅へ不法侵入してきた猛獣と再会し、過ちで終われない関係となっていく。
普通のOLとマフィアな男の、体から始まる関係。
身分差婚~あなたの妻になれないはずだった~
椿蛍
恋愛
「息子と別れていただけないかしら?」
私を脅して、別れを決断させた彼の両親。
彼は高級住宅地『都久山』で王子様と呼ばれる存在。
私とは住む世界が違った……
別れを命じられ、私の恋が終わった。
叶わない身分差の恋だったはずが――
※R-15くらいなので※マークはありません。
※視点切り替えあり。
※2日間は1日3回更新、3日目から1日2回更新となります。
財閥御曹司は左遷された彼女を秘めた愛で取り戻す
花里 美佐
恋愛
榊原財閥に勤める香月菜々は日傘専務の秘書をしていた。
専務は御曹司の元上司。
その専務が社内政争に巻き込まれ退任。
菜々は同じ秘書の彼氏にもフラれてしまう。
居場所がなくなった彼女は退職を希望したが
支社への転勤(左遷)を命じられてしまう。
ところが、ようやく落ち着いた彼女の元に
海外にいたはずの御曹司が現れて?!
屈辱と愛情
守 秀斗
恋愛
最近、夫の態度がおかしいと思っている妻の名和志穂。25才。仕事で疲れているのかとそっとしておいたのだが、一か月もベッドで抱いてくれない。思い切って、夫に聞いてみると意外な事を言われてしまうのだが……。