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episode1.それはSNSから始まった…
1話-②
待ち合わせの時間よりも、五分前に着いてしまった。
辺りを見渡してみたが、美咲さんらしき人は見当たらなかった。
もしかして、ドタキャン?やっぱり無理ですとか有り得るかも…。
心配になり、一応、美咲さんに連絡してみた。
《先に着いたけど、美咲さんは今、どこにいるの?》
まだ電車の中かな?そうだと思いたい。来ないとかいうパターンではありませんように…。
ピロリン~♪…と、メッセージが届いた音が鳴った。指でタップし、開いてメッセージの内容を見た。
《もう着いた。今、目の前を見て?》
目の前…?恐る恐る顔を上げて周りを見渡して見たが、美咲らしき人なんていなかった。
だって今、私の目の前に居るのは男性だ。美咲さんは女性だもん。この男性なわけがない。
もしかして美咲さん、私をからかってるのかな?
着いたと見せかけて、本当はまだ電車の中とか…。
まさかこの男性のわけがないよね。
もしかして、美咲さんの代わりにこの男性がやって来たとか?
美咲さん、やっぱり美人さんだったのか。こんなにイケメンな彼氏と付き合ってるなんて、羨ましい。
彼氏がいるなら、早く教えてほしかったなぁ…。
…って、呑気なことを言ってる場合ではない。まず、この状況を把握するところから始めないと。
えっと、まず私は美咲さんの秘密を知るためにここへやって来た。
まだ来ていないと思い、メッセージを送ってみたら、本人から直接、今、目の前に居るというメッセージが着た。
そして、私の目の前には今、男性がいる…。
ってことはやっぱり、もしかして……。
「茜ちゃん…だよね?俺、美咲」
気のせいなんかじゃなかった。紛れもない本人であった。
「あれ?間違えた?すみません、人違いでした」
私の脳は思考停止した。いや、何も考えたくないといった方が正解である。
ピロリン~♪…またメッセージが届いた。停止された頭を、無理矢理叩き起こしながら、メッセージを開いた。
《茜ちゃん~、どこ?先に着いてるんじゃなかったの?》
もう現実逃避をしている場合ではないと悟った。
目の前の彼が、私とずっとメッセージのやり取りを交わしてきた相手だと受け入れるしかなかった。
「あの、さっきは無視してごめんなさい。私が茜です…」
無視したことを美咲さん、いや、美咲くんに謝罪した。
美咲くん、怒ってないといいな。どうか怒っていませんように。
「茜ちゃんに会えて嬉しい。初めまして、美咲です。改めてよろしくね」
まだどこか認められない自分がいた。受け入れようとすればするほど、現実が辛く思えた。
「俺のこと、ずっと女の子だと思ってたよね?」
そりゃもう名前からして、どう考えても女の子にしか思えなかった。
「騙していたわけじゃないけど、結果的に騙してたみたいな形になっちゃって、ごめんね。
もし宜しければ、お茶しながらでもいいので、俺の話を聞いてくれませんか?」
彼の言う通り、結果的には騙していたことに変わりないが、どこか悪い人には思えなかった。
それに今までよくしてもらってきた恩がある。その恩を無駄にはしたくなかった。
美咲さんが男性だったからというだけで、ここで私が帰ってしまえば、美咲さん元い美咲くんを傷つけてしまうことになる。
彼を傷つけてしまいたくはなかったので、彼の話を聞くことにした。
「分かりました。とりあえず話を聞きます。
ですが、嘘偽りなく全てお話して頂くことが条件になりますが、それでも宜しいですか?」
これが私なりの最大限の譲歩であった。この条件を受け入れて貰えなかった場合は、全てなかったことにして帰ることにする。
私だってそこまでお人好しではない。時間が有り余っているわけではないのだから、いつまでも彼の我儘には付き合ってはいられない。
冷たい人間だと思われるかもしれないが、人間関係なんてこんなものだと思う。
もしかしたら、私は今日、これまで積み上げてきたものを全て失うことになるかもしれない。
そうなってしまった場合は、アカウントを削除し、新しく作り直せばいいだけのことである…。
「茜ちゃんに嫌われたくないから、全てお話します。
もちろん、最初からそのつもりでここに来てるので…」
どうやら、全てを失う道は閉ざされたみたいで、少し安心した。
「よかったです。その覚悟があるみたいで」
「じゃなきゃ、ここに来てませんよ。
俺に付いてきてください。近くに良いお店があるので」
彼の話を聞くために、彼のおすすめのカフェへと移動することになった。
*
「お待たせ致しました、カプチーノのです。
ご注文の品は全て揃っておりますでしょうか?ごゆっくりどうぞ」
運ばれてきたコーヒーを一口飲み、互いに心を落ち着かせた。
今から美咲くんの秘密を聞くため、心の準備が必要だからである。
まぁ、どう考えても男であることが秘密だと思うが…。
「今日はありがとうございます。俺のためにわざわざここまで足を運んで頂いて…」
基本的には礼儀正しい人だということが分かった。
バツの悪そうな顔をしていたので、どうやら自分が悪いことをしたという自覚はあるみたいだ。
自覚がないよりかは、まだマシではあるが…。
「それでその、あなたの秘密ってやっぱり…」
「ごめんなさい。騙すつもりはなかったんです。名前が名前だけあって、性別を聞かれる前にいつも勝手に女性だと勘違いされることが多くて…」
確かに名前だけを見たら、女性としか思えない。
もしこれで偽名だったら、確信犯に違いなかったが、どうやら偽名ではないみたいで安心した。
まさか美咲という名前で男性だとは思わない。
これからは、名前だけで勝手に性別を決めつけてしまうのは気をつけようと心に誓った。
「性別を聞かなかった私にも落ち度があると思います。
ですが、最近では男性でもBLや乙女系ジャンルを好きな方も増えてきたので、プロフィールに性別を明記されてる方もいらっしゃるかと思うのですが…」
辺りを見渡してみたが、美咲さんらしき人は見当たらなかった。
もしかして、ドタキャン?やっぱり無理ですとか有り得るかも…。
心配になり、一応、美咲さんに連絡してみた。
《先に着いたけど、美咲さんは今、どこにいるの?》
まだ電車の中かな?そうだと思いたい。来ないとかいうパターンではありませんように…。
ピロリン~♪…と、メッセージが届いた音が鳴った。指でタップし、開いてメッセージの内容を見た。
《もう着いた。今、目の前を見て?》
目の前…?恐る恐る顔を上げて周りを見渡して見たが、美咲らしき人なんていなかった。
だって今、私の目の前に居るのは男性だ。美咲さんは女性だもん。この男性なわけがない。
もしかして美咲さん、私をからかってるのかな?
着いたと見せかけて、本当はまだ電車の中とか…。
まさかこの男性のわけがないよね。
もしかして、美咲さんの代わりにこの男性がやって来たとか?
美咲さん、やっぱり美人さんだったのか。こんなにイケメンな彼氏と付き合ってるなんて、羨ましい。
彼氏がいるなら、早く教えてほしかったなぁ…。
…って、呑気なことを言ってる場合ではない。まず、この状況を把握するところから始めないと。
えっと、まず私は美咲さんの秘密を知るためにここへやって来た。
まだ来ていないと思い、メッセージを送ってみたら、本人から直接、今、目の前に居るというメッセージが着た。
そして、私の目の前には今、男性がいる…。
ってことはやっぱり、もしかして……。
「茜ちゃん…だよね?俺、美咲」
気のせいなんかじゃなかった。紛れもない本人であった。
「あれ?間違えた?すみません、人違いでした」
私の脳は思考停止した。いや、何も考えたくないといった方が正解である。
ピロリン~♪…またメッセージが届いた。停止された頭を、無理矢理叩き起こしながら、メッセージを開いた。
《茜ちゃん~、どこ?先に着いてるんじゃなかったの?》
もう現実逃避をしている場合ではないと悟った。
目の前の彼が、私とずっとメッセージのやり取りを交わしてきた相手だと受け入れるしかなかった。
「あの、さっきは無視してごめんなさい。私が茜です…」
無視したことを美咲さん、いや、美咲くんに謝罪した。
美咲くん、怒ってないといいな。どうか怒っていませんように。
「茜ちゃんに会えて嬉しい。初めまして、美咲です。改めてよろしくね」
まだどこか認められない自分がいた。受け入れようとすればするほど、現実が辛く思えた。
「俺のこと、ずっと女の子だと思ってたよね?」
そりゃもう名前からして、どう考えても女の子にしか思えなかった。
「騙していたわけじゃないけど、結果的に騙してたみたいな形になっちゃって、ごめんね。
もし宜しければ、お茶しながらでもいいので、俺の話を聞いてくれませんか?」
彼の言う通り、結果的には騙していたことに変わりないが、どこか悪い人には思えなかった。
それに今までよくしてもらってきた恩がある。その恩を無駄にはしたくなかった。
美咲さんが男性だったからというだけで、ここで私が帰ってしまえば、美咲さん元い美咲くんを傷つけてしまうことになる。
彼を傷つけてしまいたくはなかったので、彼の話を聞くことにした。
「分かりました。とりあえず話を聞きます。
ですが、嘘偽りなく全てお話して頂くことが条件になりますが、それでも宜しいですか?」
これが私なりの最大限の譲歩であった。この条件を受け入れて貰えなかった場合は、全てなかったことにして帰ることにする。
私だってそこまでお人好しではない。時間が有り余っているわけではないのだから、いつまでも彼の我儘には付き合ってはいられない。
冷たい人間だと思われるかもしれないが、人間関係なんてこんなものだと思う。
もしかしたら、私は今日、これまで積み上げてきたものを全て失うことになるかもしれない。
そうなってしまった場合は、アカウントを削除し、新しく作り直せばいいだけのことである…。
「茜ちゃんに嫌われたくないから、全てお話します。
もちろん、最初からそのつもりでここに来てるので…」
どうやら、全てを失う道は閉ざされたみたいで、少し安心した。
「よかったです。その覚悟があるみたいで」
「じゃなきゃ、ここに来てませんよ。
俺に付いてきてください。近くに良いお店があるので」
彼の話を聞くために、彼のおすすめのカフェへと移動することになった。
*
「お待たせ致しました、カプチーノのです。
ご注文の品は全て揃っておりますでしょうか?ごゆっくりどうぞ」
運ばれてきたコーヒーを一口飲み、互いに心を落ち着かせた。
今から美咲くんの秘密を聞くため、心の準備が必要だからである。
まぁ、どう考えても男であることが秘密だと思うが…。
「今日はありがとうございます。俺のためにわざわざここまで足を運んで頂いて…」
基本的には礼儀正しい人だということが分かった。
バツの悪そうな顔をしていたので、どうやら自分が悪いことをしたという自覚はあるみたいだ。
自覚がないよりかは、まだマシではあるが…。
「それでその、あなたの秘密ってやっぱり…」
「ごめんなさい。騙すつもりはなかったんです。名前が名前だけあって、性別を聞かれる前にいつも勝手に女性だと勘違いされることが多くて…」
確かに名前だけを見たら、女性としか思えない。
もしこれで偽名だったら、確信犯に違いなかったが、どうやら偽名ではないみたいで安心した。
まさか美咲という名前で男性だとは思わない。
これからは、名前だけで勝手に性別を決めつけてしまうのは気をつけようと心に誓った。
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