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episode1.それはSNSから始まった…
1話-③
性別を明記できない理由を私は知りたい。性別を偽ってまでSNSをする理由が、私にはよく分からなかった。
「茜ちゃんはさ、BLとか乙女系とか好きで、偏見持たれたこととかってある?」
私は幸い、周りが人格者が多かったため、ヲタクであることがバレた時も、特に気にする素振りはなかった。
自分の好きなものは好きでいいんじゃない?としか言われなかった。
「ないです…。幸い周りには理解者が多かったので」
「良い人たちに恵まれているんだね。心の底から俺は純粋に羨ましいと思うよ。
だからこそ、君には俺の気持ちなんて分からないと思う。
男でBLが好きだと、世間からも同士たちからも偏見を持たれるんだよ」
腐男子に対して、嫌悪感を抱く人達がいるのは知っている。私は一切、偏見を持たないが…。
もしかして、疑われているのかな?信じてもらえていなかったのかと思うと、それがとても悔しくて。同時にとても悲しくて。
そういった感情で頭の中が今、グチャグチャしている。
「俺だって元々はちゃんと男性としてTwitterをやっていたんだ。純粋に友達がほしかったから。
でも、現実はとても厳しかった。最初は腐男子であることを受け入れて貰えたのかな?なんて思っていたんだ。
だけど、徐々に男がBLや乙女系ジャンルを好きなのって変だよねって言われ始めるようになって…。
最終的に俺は仲間外れにされた。同士なはずなのに、男だからという理由だけで」
耳を塞ぎたくなるような話だった。ネットで虐めって本当にあるのだと初めて現実を目の当たりにし、胸が痛んだ。
「どうして、男が好きになったらいけないんだ?別にいいじゃん。男が好きになっても。悪いことはしていないんだから…って思った。
そうやっていくうちに、俺は一つの覚悟を決めたんだ。男としてやるのではなく、女としてやっていくと…」
騙そうとしていたわけではなく、性別を隠す以外、手段がなかったんだ。
SNSがシビアな世界であることは重々承知している。明日は我が身だ。いつ自分が餌食にされるかどうかなんて分からない。
嘘をつかれていたことに対して、地味にショックを受けているが、この人が今話していることに嘘偽りがないことは明白である。
「事情はよく分かりました。正直、性別を隠していたことに関しては軽くショックを受けましたが…。
別に性別が男性と分かったからといって、私はいきなり態度を変えたりはしないので、そこはご安心ください。
だって私達は魂を分かち合った友じゃないですか。
だから、私は今まで通り美咲くんとお話したいです。それでもいいですか?」
今まで一緒に過ごしてきた時間に嘘はない。ならば、この際だ。性別の壁なんて乗り越えてみせようじゃないの。
女性だとばかり思っていたため、最初は戸惑い、面食らったが…。
時間が経てば経つほど、美咲さんが男であることが、段々と気にならなくなってきた。
寧ろ美咲さんが物凄い美人さんでなかったことに、心の中でホッとしている自分がいた。
あれ?よく見たら美咲さん。めちゃくちゃイケメン…。
って、美咲さんじゃおかしいか。美咲くん…の方が良いのかな?
どんどん頭の中が混乱していき、平静を保てなくなっていた。
こんなことは初めてだ。きっと後にも先にも起こらないことであろう。
「寧ろ俺なんかでいいんですか?俺、一応これでも男なので、何するか分かったもんじゃないですよ?
もしかしたら、腐男子なことは嘘で、君を取って食うつもりかもしれないって疑ったりしないんですか?」
「…はぁ。私はそこまでバカな女ではないです。
あなたは私に嫌われることが怖かったから悩んでいたんですよね?
そうでなければ、腐男子であることを隠したりする必要なんてないですし。
そんなリスクを犯してまでヤリたいだけなら、恋活アプリをやった方が早いです。
…違いますか?」
段々とアホらしく思えてきた。これ以上、このやり取りを続けても不毛だからである。
だって、最初から答えなんて一つしかなかったのだから。
「確かにそうですね。これからもよろしくお願いします」
初めてできたヲタ友は、まさかの男であった…。
まぁ、いっか。男でも。美咲くん、いい人そうだし。
そのうち女の子の友達もできるといいな…。
「こちらこそよろしくね。美咲くん」
しかし、安心したのも束の間、逆に美咲くんは私なんかでいいのだろうかと、次第に不安が募り始めた。
SNSをやっているなら当然、お仲間も見つけられるはずだが、先程の話を聞いた後でこんなことを聞くのはあまりにも無神経である。
聞きたいけど聞けない…。でも、気になってしまう。本当は腐男子のお友達が欲しいのかどうか…。
「茜さんって、表情が顔にすぐ出るタイプでしょ?」
ギク…。どうやら、心の中を読まれているみたいだ。
これならいっそのこと、聞いてしまった方が早いのかもしれないと、開き直ることにした。
「すみません。嘘が下手で…」
「嘘つきよりは正直者の方がいいと思いますよ。
それで、俺に何か聞きたいことがあるんですよね?何でも聞いて下さって構わないですよ」
ここまで言われてしまったら、きっとここで引き下がる方が彼に失礼だ。
いっそのこと、潔く質問してみることにした。
「美咲くんは腐男子のお友達は欲しくないんですか?」
この質問を聞いたことにより、彼が傷ついてしまったとしても、これから仲良くするにあたって、私は彼の本音を知っておきたかった。
「そりゃ欲しいですよ。茜ちゃんだって腐女子のお友達が欲しいでしょ?」
できることならば、同性のお友達だってほしい。
しかし、腐男子と知り合える機会なんて早々にないので、彼との出会いも大切にしたいとも思っている。
「それはそうですけど…」
否定することはできなかった。あながち間違ってはいないからである。
「それはそれってことかな。とりあえず、今は茜ちゃんと仲良くしたいって思ってます」
私と?!何か目的でもあるのだろうかと、少し疑ってしまった。
「茜ちゃんはさ、BLとか乙女系とか好きで、偏見持たれたこととかってある?」
私は幸い、周りが人格者が多かったため、ヲタクであることがバレた時も、特に気にする素振りはなかった。
自分の好きなものは好きでいいんじゃない?としか言われなかった。
「ないです…。幸い周りには理解者が多かったので」
「良い人たちに恵まれているんだね。心の底から俺は純粋に羨ましいと思うよ。
だからこそ、君には俺の気持ちなんて分からないと思う。
男でBLが好きだと、世間からも同士たちからも偏見を持たれるんだよ」
腐男子に対して、嫌悪感を抱く人達がいるのは知っている。私は一切、偏見を持たないが…。
もしかして、疑われているのかな?信じてもらえていなかったのかと思うと、それがとても悔しくて。同時にとても悲しくて。
そういった感情で頭の中が今、グチャグチャしている。
「俺だって元々はちゃんと男性としてTwitterをやっていたんだ。純粋に友達がほしかったから。
でも、現実はとても厳しかった。最初は腐男子であることを受け入れて貰えたのかな?なんて思っていたんだ。
だけど、徐々に男がBLや乙女系ジャンルを好きなのって変だよねって言われ始めるようになって…。
最終的に俺は仲間外れにされた。同士なはずなのに、男だからという理由だけで」
耳を塞ぎたくなるような話だった。ネットで虐めって本当にあるのだと初めて現実を目の当たりにし、胸が痛んだ。
「どうして、男が好きになったらいけないんだ?別にいいじゃん。男が好きになっても。悪いことはしていないんだから…って思った。
そうやっていくうちに、俺は一つの覚悟を決めたんだ。男としてやるのではなく、女としてやっていくと…」
騙そうとしていたわけではなく、性別を隠す以外、手段がなかったんだ。
SNSがシビアな世界であることは重々承知している。明日は我が身だ。いつ自分が餌食にされるかどうかなんて分からない。
嘘をつかれていたことに対して、地味にショックを受けているが、この人が今話していることに嘘偽りがないことは明白である。
「事情はよく分かりました。正直、性別を隠していたことに関しては軽くショックを受けましたが…。
別に性別が男性と分かったからといって、私はいきなり態度を変えたりはしないので、そこはご安心ください。
だって私達は魂を分かち合った友じゃないですか。
だから、私は今まで通り美咲くんとお話したいです。それでもいいですか?」
今まで一緒に過ごしてきた時間に嘘はない。ならば、この際だ。性別の壁なんて乗り越えてみせようじゃないの。
女性だとばかり思っていたため、最初は戸惑い、面食らったが…。
時間が経てば経つほど、美咲さんが男であることが、段々と気にならなくなってきた。
寧ろ美咲さんが物凄い美人さんでなかったことに、心の中でホッとしている自分がいた。
あれ?よく見たら美咲さん。めちゃくちゃイケメン…。
って、美咲さんじゃおかしいか。美咲くん…の方が良いのかな?
どんどん頭の中が混乱していき、平静を保てなくなっていた。
こんなことは初めてだ。きっと後にも先にも起こらないことであろう。
「寧ろ俺なんかでいいんですか?俺、一応これでも男なので、何するか分かったもんじゃないですよ?
もしかしたら、腐男子なことは嘘で、君を取って食うつもりかもしれないって疑ったりしないんですか?」
「…はぁ。私はそこまでバカな女ではないです。
あなたは私に嫌われることが怖かったから悩んでいたんですよね?
そうでなければ、腐男子であることを隠したりする必要なんてないですし。
そんなリスクを犯してまでヤリたいだけなら、恋活アプリをやった方が早いです。
…違いますか?」
段々とアホらしく思えてきた。これ以上、このやり取りを続けても不毛だからである。
だって、最初から答えなんて一つしかなかったのだから。
「確かにそうですね。これからもよろしくお願いします」
初めてできたヲタ友は、まさかの男であった…。
まぁ、いっか。男でも。美咲くん、いい人そうだし。
そのうち女の子の友達もできるといいな…。
「こちらこそよろしくね。美咲くん」
しかし、安心したのも束の間、逆に美咲くんは私なんかでいいのだろうかと、次第に不安が募り始めた。
SNSをやっているなら当然、お仲間も見つけられるはずだが、先程の話を聞いた後でこんなことを聞くのはあまりにも無神経である。
聞きたいけど聞けない…。でも、気になってしまう。本当は腐男子のお友達が欲しいのかどうか…。
「茜さんって、表情が顔にすぐ出るタイプでしょ?」
ギク…。どうやら、心の中を読まれているみたいだ。
これならいっそのこと、聞いてしまった方が早いのかもしれないと、開き直ることにした。
「すみません。嘘が下手で…」
「嘘つきよりは正直者の方がいいと思いますよ。
それで、俺に何か聞きたいことがあるんですよね?何でも聞いて下さって構わないですよ」
ここまで言われてしまったら、きっとここで引き下がる方が彼に失礼だ。
いっそのこと、潔く質問してみることにした。
「美咲くんは腐男子のお友達は欲しくないんですか?」
この質問を聞いたことにより、彼が傷ついてしまったとしても、これから仲良くするにあたって、私は彼の本音を知っておきたかった。
「そりゃ欲しいですよ。茜ちゃんだって腐女子のお友達が欲しいでしょ?」
できることならば、同性のお友達だってほしい。
しかし、腐男子と知り合える機会なんて早々にないので、彼との出会いも大切にしたいとも思っている。
「それはそうですけど…」
否定することはできなかった。あながち間違ってはいないからである。
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