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episode5.決意と変化
5話-⑤
「そういえば俺、最近仕事が忙しくてさ、あまりSNSを見ている時間がなかったから、情報が追えてなくて…。だから、もし新情報があったら教えてくれ。頼む」
いきなり話が変わった。三人で集まるとよくあることなので、もう慣れたが…。
先程の鈍感の人が誰なのかも気になるが、ここは美咲くんの話に乗っかることにした。
話の流れを壊さないことも大事だし、忙しくて情報収集ができなかった美咲くんにあの事を教えたいと思った。
そう。我々、ヲタクにとって最優先事項である情報を…。
「えっとね、アイスマのキャストが初めて全員揃うイベントが開催されることが決まったよ」
ついにキャスト全員が揃うイベントが開催されることが、この間、Twitterで発表された。
今までもキャストが出演するイベントが開催されてはいたが、全員集合することはなかった。
ついに満を持して開催されることが発表され、Twitterではトレンド入りするほど、ファンが歓喜した。
「それって…今からチケット戦争が勃発されるようなもんじゃねーか」
まさにその通りである。
だからこそ、Twitterではタイムラインが荒れたといっても過言ではない。
「そうよ。だから、まずはゲーム内で先行チケット申し込みが開始されるのよ」
アイスマはまだアニメ化していないため、よくあるBlu-rayやDVD購入特典として付く先行申込券などはない。
付くとしたらCDになるのだが、CDではなくゲームで先行というところに、日頃応援している我々ファンへの感謝を感じる。
まぁ、例えCD先行申込であったとしても、ヲタクは公式に貢ぐわけだが…。
「そこで、二人に提案なんだけど、一緒にチケット応募しない?」
綾香が皆で参加することを提案してくれた。
もちろん嬉しい。三人で行けるのであれば行きたい。
しかし、問題が一つある。それは…。
「ねぇ、そのチケットって、最大何人まで応募できるの?」
大体、こういうアニメ系のイベントのチケットの最大応募人数は、二人までになっていることが多いため、私はそこを確認しておきたかった。
綾香のことなので、人数の確認をしていないという致命的なミスを犯すことはないであろう。
しかし、後になって確認していなかったなんていうアクシデントを起こしてしまったら、仲間内で喧嘩が勃発されてしまうため、リスクは先に消化しておきたいのであった。
チラッと美咲くんを横目で確認してみたが、美咲くんも同様に不安そうな顔をしていたため、どうやら同じことを考えていたみたいだ。
あとは綾香がちゃんと確認していることを願うのみである…。
「それなら大丈夫よ。最大四人まで応募可能だから」
さすが綾香。既に下調べ済みであった。
どうやら、こちらが気を回しすぎたみたいだ。余計なことをしてしまったと反省した。
「それなら大丈夫そうだね。今から楽しみだな」
この面子でまたイベントに参加できることが、とても嬉しかった。
だから、神様。どうか私達にチケ運を下さい。席はどこでもいいので、三人でイベントに参加させてくださいと心の中で強く祈った。
「そうだな。今から楽しみだ」
「その前にチケットが当たるかどうかだけどね…。
まぁ、でも楽しみね。絶対に当ててみせるわ」
それが一番の難関である。なんとなくだが、この三人ならそれも難なく乗り越えられそうな気がした。
*
そして、楽しい飲み会はあっという間に時間が過ぎていき、お開きの時間となってしまった。
というのも、私と綾香は都内在住ということもり、時間を気にせず過ごせるのだが、神奈川県在住の美咲くんはそうはいかない。
神奈川まで帰るための電車の時間が決まっているからである。
私か綾香のどちらかの家に泊めてあげればいいのだが、異性ともなるとお互いに警戒してしまう。
いくら心を開いているとはいえども、性別の壁は多少あるのであった。
「それじゃ、俺はここで…」
「うん。またね」
「私達は今から二人だけで二次会をやるけど、あんたは気をつけて帰りなさいね」
綾香と私はまだ飲み足りないという話になり、二人だけで二次会を開催することになった。
美咲くんには申し訳ないが、そういうことになったのである。
「一人寂しく帰る人間に言う捨て台詞か?!」
「ふふ。羨ましいでしょ?あんたは指でも咥えて悔しがってなさい」
綾香は美咲くんをからかって楽しんでいた。
それを悔しそうにしている美咲くんが、なんだか可哀想というよりは可愛く思えた。
「畜生…。俺だって東京に住みたいのに…」
「はいはい。あんたが悔しいことはもう充分に伝わったので、電車に乗り遅れないように気をつけた方がいいわよ」
「…分かった。もうそろそろ行くわ」
「それじゃ、またね」
「…うん。また」
美咲くんは改札口を通り、駅のホームへと消えて行った。
私はというと、綾香と二人でこの後どうするかまだ決めていなかったので、話し合うことにした。
「ねぇ、茜。家に来ない?」
綾香のお家に誘われた。これは…行くに決まってる。
だって綾香の家だよ?!きっとオシャレな部屋に間違いない。
「うん。行きたい。綾香ん家へ行こう」
「その前にお酒ないから、コンビニでお酒を買ってもいい?」
「うん。いいよ。たくさん買ってこうよ」
「いいわね。買ってきましょ。
それと茜、今日は泊まっててもいいからね」
正直、そう言ってもらえてとても有難い。
ここは遠慮なく、お言葉に甘えさせてもらうことにしよう。
「じゃ、泊まらせてもらうね。よろしくお願いします」
「はい。こちらこそ」
綾香ん家で飲めるのも嬉しいが、お泊まりできるのもとても嬉しかった。
こういう女子会的なのなんて、いつぶりだろうか。
頑張って記憶を蘇られてみたが、大学生の頃にやったのが最後かもしれない。
ということは、大学生以来である。なんだか学生の頃に戻ったみたいで、はしゃいでいる自分がいた。
「とりあえず、まずはコンビニでお酒を買わないとね…」
忘れていたわけじゃない。本日のメインでもあるお酒を…。
ただ、大好きな友達に誘われたことが嬉しくて、浮かれていただけだ。
だって、こんな可愛い子に誘われたら、浮かれない方がおかしな話である。
つまり、私はただ舞い上がっていただけということになる。
「だね。お酒買わないと…」
飲み屋から歩いて綾香ん家まで向かっているのだが、綾香ん家まであとどれくらいで着くのだろうか。
確か今日のお店を決めたのも綾香だった。幹事は美咲くんだったが、都内の飲み屋に疎いため、綾香が代わりにお店を決めてくれたのであった。
ということは、つまり綾香の家から近いお店を選んだということになる。
それにしても、徒歩圏内にあんな素敵なお店があるなんて、どうやら綾香は良い所に住んでいるみたいだ。
うちは都内とはいえども、もう少しランクが下がる。
羨ましい。それだけ綾香が頑張っているということになるが…。
やっぱり、看護師さんは給料が良いのだと痛感させられた。
「もうすぐで家に着くんだけど、この先にコンビニがあるの。そこでお酒を買いましょ」
やっぱり、どうやら近かったみたいだ。
というか、飲み屋からそんなに歩いていない。
思ったよりも近くてびっくりした。
「そうなんだ。じゃ、そのコンビニで」
暫く歩いていると、綾香が話していたコンビニが見えた。
「さっき話してたコンビニはここよ。とりあえず、中に入りましょ」
「了解です」
コンビニに着いたので、自動ドアの扉が開いた瞬間、そのまま中へ足を進めた。
そして、私は今からどんなお酒を飲もうか、ルンルン気分でお酒コーナーまで行った。
「ここのコンビニ、お酒コーナーがかなり充実してるんだよね」
確かに言われてみれば、かなり充実している。
あまり見かけたことがないような品種まで陳列されていた。
「すごい…。下手なスーパーよりあるじゃん」
「そうなのよ。まぁ、スーパーと違って、少し値は張るけどね」
確かにコンビニだと少し値段が高く付くが、この品揃えの良さならば、多少値を張っても構わないとさえ思ってしまう。
「そこは仕方ない。このコンビニの品揃えの良さに貢献しているということで」
ついヲタクの癖で、貢ぐのが当たり前となってしまっている。
このコンビニは重宝しておきたい。今後のためにも…。
「そうね。私もそう思って、このコンビニに課金してるの」
お店にも課金という発想は今までなかった。
私も今後、お気に入りのお店を見つけたら、課金してみようと思う。
「私も今日、このコンビニに課金する。自宅に持ち帰る用のお酒も買って帰りたいから」
すると綾香はグッドサインをこちらに向けてきた。
友達に自分のお気に入りや好きなものを気に入ってもらえると嬉しいものだ。
綾香もきっと誰かに分かってもらいたかったのかもしれない。このコンビニの良さを。
「程々にね。買いすぎると持って帰るの大変だし」
確かにそうだ。飲み物系は量が嵩むと重くなる。
とりあえず、たくさん買って、綾香ん家でほぼ飲み干すことにしよう。
「大丈夫!たくさん飲むから」
呆れ顔の綾香を無視し、酔ったテンションで謎にお酒を大量購入した。
「本当にそんなに買って大丈夫なの?」
綾香は最後の最後まで心配してくれた。
私からしてみたら、いつもより量が少ないくらいだ。
「うん。大丈夫だよ。だっていつもより飲んでないし、買ってないから」
「茜のその笑顔が怖いわ。大丈夫ならいいけど」
そんなに驚かなくてもいいのに…。
よく顔に似合わず酒飲みと言われるが、自分的にはそんなに飲んでいるつもりはない。
寧ろ加減が分からず、どこまで飲んだらいいのか分からないので、人に合わせるしかないといった形が多い。
「だって、綾香と飲めるって思ったら、思わず楽しみすぎて、はしゃいでたくさん買っちゃった」
誰かとこんなふうにお酒を飲むなんてこと、本当に久しぶりで、はしゃいでいる自分がいた。
相手が綾香だというのも大きい。今まで二人とお酒を飲むなんてことなかったから。
こうして二人と飲むことができたという嬉しさもあり、いつもよりテンションが高くなってしまっている。
「私も同じ気持ちよ。だけど、限度ってものがあるでしょ?
気をつけてね。飲みすぎて倒れたりとかしないでよ?」
「それは大丈夫。綾香に迷惑はかけたくないからさ」
すると綾香は少しムスッとした表情をこちらに向けてきた。
何か怒らせるようなことでもしちゃったのかな?
私はいつもこうやって間違えてしまう。どうして、空気が読めないのだろうか。
空気が読めて、スマートに対処できる大人の女性になりたい。そう。綾香みたいな女性に…。
「私、茜に迷惑かけられたことなんてないし、茜になら迷惑かけてほしいって思ってるんだよ?
だけど、大事な友達だから、身体を大事にしてほしいの。それだけは分かってね?」
もちろん、分かっているつもりだ。それでも私はいつも間違えてしまう。
もしかしたら、人の気持ちに鈍感なのかもしれない。
これを機に人の気持ちをもっと大切にしようと思う。
「うん。もちろん、綾香の気持ちは充分に伝わってるよ。
だから、ありがとう。身体に気をつけつつ、楽しんで飲むね」
「もちろん。楽しんで飲もうね」
そしてそのままコンビニを出て、綾香の家へと流れ着いた。
今すぐに飲まないお酒を冷蔵庫へとしまい、準備を整えて飲み会開始。
「それじゃ、改めまして乾杯~」
「乾杯~」
二次会なので、まず一杯目はカクテルのような可愛いお酒からにした。
綾香も同じようなお酒を飲んでいる。どうやら綾香もお酒が強いみたいだ。
「ねぇ、綾香もお酒強いでしょ?」
「まぁ、それなりに…」
「なんか嬉しいな。こうしてお酒強い女の子と一緒に飲めるの」
これまで仲良くしてきた友達があまりお酒が強い人がいなかった。
ちなみに美幸先輩は強いが、あまりの強さに漫研時代、付いていける人が私ぐらいしかいなかったため、漫研内での飲み会は禁止となった。
そのため、あまり先輩と飲んだ記憶がない。たまには先輩とも飲んでみようかなと、ふと思った。
「私も嬉しいよ。ヲタ友とお家で飲み会なんて初めてだからさ」
大人になると、自宅に招き入れる友人は限られてくる。
その貴重な友人の内の一人に入れて、とても嬉しい。
「私も最近は友達とお家で飲み会なんて久しぶりだよ。
居酒屋さんとかお店で飲むのもいいけど、お家で飲むのも悪くないよね」
「分かる分かる。たまにはこういうのも悪くないよね」
暫くの間、二人でのんびり雰囲気とお酒に酔いながら、まったりお酒を飲んでいた。
そして、ふと先程報告を受けた彼氏さんのことが気になり、聞いてみることにした。
いきなり話が変わった。三人で集まるとよくあることなので、もう慣れたが…。
先程の鈍感の人が誰なのかも気になるが、ここは美咲くんの話に乗っかることにした。
話の流れを壊さないことも大事だし、忙しくて情報収集ができなかった美咲くんにあの事を教えたいと思った。
そう。我々、ヲタクにとって最優先事項である情報を…。
「えっとね、アイスマのキャストが初めて全員揃うイベントが開催されることが決まったよ」
ついにキャスト全員が揃うイベントが開催されることが、この間、Twitterで発表された。
今までもキャストが出演するイベントが開催されてはいたが、全員集合することはなかった。
ついに満を持して開催されることが発表され、Twitterではトレンド入りするほど、ファンが歓喜した。
「それって…今からチケット戦争が勃発されるようなもんじゃねーか」
まさにその通りである。
だからこそ、Twitterではタイムラインが荒れたといっても過言ではない。
「そうよ。だから、まずはゲーム内で先行チケット申し込みが開始されるのよ」
アイスマはまだアニメ化していないため、よくあるBlu-rayやDVD購入特典として付く先行申込券などはない。
付くとしたらCDになるのだが、CDではなくゲームで先行というところに、日頃応援している我々ファンへの感謝を感じる。
まぁ、例えCD先行申込であったとしても、ヲタクは公式に貢ぐわけだが…。
「そこで、二人に提案なんだけど、一緒にチケット応募しない?」
綾香が皆で参加することを提案してくれた。
もちろん嬉しい。三人で行けるのであれば行きたい。
しかし、問題が一つある。それは…。
「ねぇ、そのチケットって、最大何人まで応募できるの?」
大体、こういうアニメ系のイベントのチケットの最大応募人数は、二人までになっていることが多いため、私はそこを確認しておきたかった。
綾香のことなので、人数の確認をしていないという致命的なミスを犯すことはないであろう。
しかし、後になって確認していなかったなんていうアクシデントを起こしてしまったら、仲間内で喧嘩が勃発されてしまうため、リスクは先に消化しておきたいのであった。
チラッと美咲くんを横目で確認してみたが、美咲くんも同様に不安そうな顔をしていたため、どうやら同じことを考えていたみたいだ。
あとは綾香がちゃんと確認していることを願うのみである…。
「それなら大丈夫よ。最大四人まで応募可能だから」
さすが綾香。既に下調べ済みであった。
どうやら、こちらが気を回しすぎたみたいだ。余計なことをしてしまったと反省した。
「それなら大丈夫そうだね。今から楽しみだな」
この面子でまたイベントに参加できることが、とても嬉しかった。
だから、神様。どうか私達にチケ運を下さい。席はどこでもいいので、三人でイベントに参加させてくださいと心の中で強く祈った。
「そうだな。今から楽しみだ」
「その前にチケットが当たるかどうかだけどね…。
まぁ、でも楽しみね。絶対に当ててみせるわ」
それが一番の難関である。なんとなくだが、この三人ならそれも難なく乗り越えられそうな気がした。
*
そして、楽しい飲み会はあっという間に時間が過ぎていき、お開きの時間となってしまった。
というのも、私と綾香は都内在住ということもり、時間を気にせず過ごせるのだが、神奈川県在住の美咲くんはそうはいかない。
神奈川まで帰るための電車の時間が決まっているからである。
私か綾香のどちらかの家に泊めてあげればいいのだが、異性ともなるとお互いに警戒してしまう。
いくら心を開いているとはいえども、性別の壁は多少あるのであった。
「それじゃ、俺はここで…」
「うん。またね」
「私達は今から二人だけで二次会をやるけど、あんたは気をつけて帰りなさいね」
綾香と私はまだ飲み足りないという話になり、二人だけで二次会を開催することになった。
美咲くんには申し訳ないが、そういうことになったのである。
「一人寂しく帰る人間に言う捨て台詞か?!」
「ふふ。羨ましいでしょ?あんたは指でも咥えて悔しがってなさい」
綾香は美咲くんをからかって楽しんでいた。
それを悔しそうにしている美咲くんが、なんだか可哀想というよりは可愛く思えた。
「畜生…。俺だって東京に住みたいのに…」
「はいはい。あんたが悔しいことはもう充分に伝わったので、電車に乗り遅れないように気をつけた方がいいわよ」
「…分かった。もうそろそろ行くわ」
「それじゃ、またね」
「…うん。また」
美咲くんは改札口を通り、駅のホームへと消えて行った。
私はというと、綾香と二人でこの後どうするかまだ決めていなかったので、話し合うことにした。
「ねぇ、茜。家に来ない?」
綾香のお家に誘われた。これは…行くに決まってる。
だって綾香の家だよ?!きっとオシャレな部屋に間違いない。
「うん。行きたい。綾香ん家へ行こう」
「その前にお酒ないから、コンビニでお酒を買ってもいい?」
「うん。いいよ。たくさん買ってこうよ」
「いいわね。買ってきましょ。
それと茜、今日は泊まっててもいいからね」
正直、そう言ってもらえてとても有難い。
ここは遠慮なく、お言葉に甘えさせてもらうことにしよう。
「じゃ、泊まらせてもらうね。よろしくお願いします」
「はい。こちらこそ」
綾香ん家で飲めるのも嬉しいが、お泊まりできるのもとても嬉しかった。
こういう女子会的なのなんて、いつぶりだろうか。
頑張って記憶を蘇られてみたが、大学生の頃にやったのが最後かもしれない。
ということは、大学生以来である。なんだか学生の頃に戻ったみたいで、はしゃいでいる自分がいた。
「とりあえず、まずはコンビニでお酒を買わないとね…」
忘れていたわけじゃない。本日のメインでもあるお酒を…。
ただ、大好きな友達に誘われたことが嬉しくて、浮かれていただけだ。
だって、こんな可愛い子に誘われたら、浮かれない方がおかしな話である。
つまり、私はただ舞い上がっていただけということになる。
「だね。お酒買わないと…」
飲み屋から歩いて綾香ん家まで向かっているのだが、綾香ん家まであとどれくらいで着くのだろうか。
確か今日のお店を決めたのも綾香だった。幹事は美咲くんだったが、都内の飲み屋に疎いため、綾香が代わりにお店を決めてくれたのであった。
ということは、つまり綾香の家から近いお店を選んだということになる。
それにしても、徒歩圏内にあんな素敵なお店があるなんて、どうやら綾香は良い所に住んでいるみたいだ。
うちは都内とはいえども、もう少しランクが下がる。
羨ましい。それだけ綾香が頑張っているということになるが…。
やっぱり、看護師さんは給料が良いのだと痛感させられた。
「もうすぐで家に着くんだけど、この先にコンビニがあるの。そこでお酒を買いましょ」
やっぱり、どうやら近かったみたいだ。
というか、飲み屋からそんなに歩いていない。
思ったよりも近くてびっくりした。
「そうなんだ。じゃ、そのコンビニで」
暫く歩いていると、綾香が話していたコンビニが見えた。
「さっき話してたコンビニはここよ。とりあえず、中に入りましょ」
「了解です」
コンビニに着いたので、自動ドアの扉が開いた瞬間、そのまま中へ足を進めた。
そして、私は今からどんなお酒を飲もうか、ルンルン気分でお酒コーナーまで行った。
「ここのコンビニ、お酒コーナーがかなり充実してるんだよね」
確かに言われてみれば、かなり充実している。
あまり見かけたことがないような品種まで陳列されていた。
「すごい…。下手なスーパーよりあるじゃん」
「そうなのよ。まぁ、スーパーと違って、少し値は張るけどね」
確かにコンビニだと少し値段が高く付くが、この品揃えの良さならば、多少値を張っても構わないとさえ思ってしまう。
「そこは仕方ない。このコンビニの品揃えの良さに貢献しているということで」
ついヲタクの癖で、貢ぐのが当たり前となってしまっている。
このコンビニは重宝しておきたい。今後のためにも…。
「そうね。私もそう思って、このコンビニに課金してるの」
お店にも課金という発想は今までなかった。
私も今後、お気に入りのお店を見つけたら、課金してみようと思う。
「私も今日、このコンビニに課金する。自宅に持ち帰る用のお酒も買って帰りたいから」
すると綾香はグッドサインをこちらに向けてきた。
友達に自分のお気に入りや好きなものを気に入ってもらえると嬉しいものだ。
綾香もきっと誰かに分かってもらいたかったのかもしれない。このコンビニの良さを。
「程々にね。買いすぎると持って帰るの大変だし」
確かにそうだ。飲み物系は量が嵩むと重くなる。
とりあえず、たくさん買って、綾香ん家でほぼ飲み干すことにしよう。
「大丈夫!たくさん飲むから」
呆れ顔の綾香を無視し、酔ったテンションで謎にお酒を大量購入した。
「本当にそんなに買って大丈夫なの?」
綾香は最後の最後まで心配してくれた。
私からしてみたら、いつもより量が少ないくらいだ。
「うん。大丈夫だよ。だっていつもより飲んでないし、買ってないから」
「茜のその笑顔が怖いわ。大丈夫ならいいけど」
そんなに驚かなくてもいいのに…。
よく顔に似合わず酒飲みと言われるが、自分的にはそんなに飲んでいるつもりはない。
寧ろ加減が分からず、どこまで飲んだらいいのか分からないので、人に合わせるしかないといった形が多い。
「だって、綾香と飲めるって思ったら、思わず楽しみすぎて、はしゃいでたくさん買っちゃった」
誰かとこんなふうにお酒を飲むなんてこと、本当に久しぶりで、はしゃいでいる自分がいた。
相手が綾香だというのも大きい。今まで二人とお酒を飲むなんてことなかったから。
こうして二人と飲むことができたという嬉しさもあり、いつもよりテンションが高くなってしまっている。
「私も同じ気持ちよ。だけど、限度ってものがあるでしょ?
気をつけてね。飲みすぎて倒れたりとかしないでよ?」
「それは大丈夫。綾香に迷惑はかけたくないからさ」
すると綾香は少しムスッとした表情をこちらに向けてきた。
何か怒らせるようなことでもしちゃったのかな?
私はいつもこうやって間違えてしまう。どうして、空気が読めないのだろうか。
空気が読めて、スマートに対処できる大人の女性になりたい。そう。綾香みたいな女性に…。
「私、茜に迷惑かけられたことなんてないし、茜になら迷惑かけてほしいって思ってるんだよ?
だけど、大事な友達だから、身体を大事にしてほしいの。それだけは分かってね?」
もちろん、分かっているつもりだ。それでも私はいつも間違えてしまう。
もしかしたら、人の気持ちに鈍感なのかもしれない。
これを機に人の気持ちをもっと大切にしようと思う。
「うん。もちろん、綾香の気持ちは充分に伝わってるよ。
だから、ありがとう。身体に気をつけつつ、楽しんで飲むね」
「もちろん。楽しんで飲もうね」
そしてそのままコンビニを出て、綾香の家へと流れ着いた。
今すぐに飲まないお酒を冷蔵庫へとしまい、準備を整えて飲み会開始。
「それじゃ、改めまして乾杯~」
「乾杯~」
二次会なので、まず一杯目はカクテルのような可愛いお酒からにした。
綾香も同じようなお酒を飲んでいる。どうやら綾香もお酒が強いみたいだ。
「ねぇ、綾香もお酒強いでしょ?」
「まぁ、それなりに…」
「なんか嬉しいな。こうしてお酒強い女の子と一緒に飲めるの」
これまで仲良くしてきた友達があまりお酒が強い人がいなかった。
ちなみに美幸先輩は強いが、あまりの強さに漫研時代、付いていける人が私ぐらいしかいなかったため、漫研内での飲み会は禁止となった。
そのため、あまり先輩と飲んだ記憶がない。たまには先輩とも飲んでみようかなと、ふと思った。
「私も嬉しいよ。ヲタ友とお家で飲み会なんて初めてだからさ」
大人になると、自宅に招き入れる友人は限られてくる。
その貴重な友人の内の一人に入れて、とても嬉しい。
「私も最近は友達とお家で飲み会なんて久しぶりだよ。
居酒屋さんとかお店で飲むのもいいけど、お家で飲むのも悪くないよね」
「分かる分かる。たまにはこういうのも悪くないよね」
暫くの間、二人でのんびり雰囲気とお酒に酔いながら、まったりお酒を飲んでいた。
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