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episode5.決意と変化
5話-⑦
綾香の気持ちがよく分かってしまう。
私も何かに夢中になると、それだけに集中してしまう癖がある。
特にSNSでフォロワーさん達と好きなことをリプライし合っていると、時間があっという間に過ぎてしまう。
いつも思うのだが、携帯機器を弄っていると、時間が経つのが早く感じるのは何故なのだろうか。毎度のことながら不思議なことだ。
「分かる。私も結構、違うことに熱中しちゃうと、うっかり忘れちゃうんだよね」
「あるよね。もう本当…何で忘れちゃうのかしら」
永遠の謎である。この謎が解明されることはないと思う。
だって理屈ではないから。ヲタクの習性みたいなものなのかもしれない。
「何でだろうね?不思議だよ。でも、それだけ熱中できるものに出会えたってことに感謝だよね」
「良いこと言うじゃない、茜。そうね。感謝しないとよね」
綾香と謎の会話を繰り広げていた最中、私のスマホが鳴った。
どうやら、美咲くんからの返信が返ってきたみたいだ。
「茜、返信きたんじゃないの?」
「あ、うん。そうだと思う。
ごめん。話の途中だけどチェックさせてもらってもいい?」
「どうぞどうぞ。私のことはお気になさらせず…」
「ありがとう。それじゃ、お言葉に甘えてチェックさせてもらうね」
早速、私はスマホを手に取り、着信音を鳴らしたのが美咲くんなのか確認した。
やっぱり美咲くんだった。先程の遊びの件についての返信だった。
《千葉にある某テーマパークに行かない?》
あれ?思ってたのと違う…。ってきり、いつも通り池袋で散策するのかとばかり思っていた。
千葉の某テーマパークか…。そういや、久しく行っていないことに気づいた。最後に行ったのがいつなのか忘れるくらいに。
美咲くんってもしかして、あの某有名なテーマパークのキャラクターが好きなのかな?
だとしたら、余程その某テーマパークに行きたかったのかもしれない。
というか、もう某テーマパークっていうのも面倒くさいし長いので、夢の国と略そう。
話を戻そう。思っていたのとは違ったが、たまにはヲタク関連の場所以外で遊ぶのも悪くないと思った。
《いいね。行こう。楽しみ》
まだ細かい日程は決めていないが、想像するだけで今からとても楽しみだ。
どんな格好をしていこうかな。アトラクションにもそれなりに乗れたらいいな。
行ったら何かしらグッズを買いたいな。そうだ。綾香にもお土産を買おうと思う。
「結局、二人でどこに出かけることになったの?」
綾香に訊ねられるまで、忘れていた。そうだ。私は今、ちょうど美咲くんから返信が着たからチェックしていたところだったということを…。
どうやら綾香は私達がどこへ出かけるのか、気になっているみたいだ。
私も逆の立場なら気になる。二人にヤキモチを妬くとかそんなんではなく、純粋にどこへ出かけるのか気になるから。
綾香もきっとそんな感じであろう。変に隠す必要もないため、素直にどこへ出かけるのか答えた。
「夢の国で遊ぶことになったよ」
「…え?!あ、そうなんだ」
驚く綾香。そりゃそうだ。今までヲタク関連以外で遊びに行くことなんて早々なかったのだから。
「久しぶりに夢の国に行くんだ。今から超楽しみ」
「…はぁ。楽しんできてね」
「うん、楽しんでくるね。お土産もちゃんと買ってくるね」
綾香はため息を零した。本当は綾香もディズニーに行きたかったんだな。
一緒に行けない分も、綾香にお土産を忘れずに買ってこようと心の中で誓った。
*
なんとか断られらずに、二人で遊ぶことになった…。
茜のことだから、“綾香も一緒にどう?”なんて、提案されるものだとばかり思っていた。
今は二人で一緒に居るから、俺に確認を取る前に、もしかしたら綾香を誘っていたのかもしれない。
綾香は空気を読む女だから、きっと誘いを断ったに違いないだろうけど…。
できれば、そうじゃないと信じたい。
デートだと思っていなくてもいい。それでも、ちゃんと俺の誘いに乗ってくれたと俺は信じたかった。
そしてそんなことを考えていた時に、俺のスマホが鳴った。
その相手はまさかの綾香からだった。
《あんたが個人LINEしたにも関わらず、私も誘ってきたから、ちゃんと断っておいたわよ。
頑張ってね。健闘を祈る》
やっぱり予感は的中した。同時に安心している自分もいた。
本来なら安心していい場面ではない。傷つく場面だと思う。
でも、俺は茜が茜らしいことに安心した。変に恋愛として意識されていないからこそ、俺の緊張も程良く解けた。
そして、傍でいつも支えてくれる綾香の存在も大きかった。
ここで綾香が茜の誘いに乗ってきてくれていたとしても、俺は構わなかった。
茜に誘いを断られるくらいなら、その方がまだマシだから。
だけど、綾香なら断るだろうと思っていたので、誘いには乗らないだろうという予想はしていた。
俺の気持ちを知っている綾香が、そんな無神経なことはしないだろうし、寧ろ綾香はそういったことに長けているから、気を使う方の人間だ。
そんな綾香には、色んな場面で助けてもらった。
助けてもらった分、形で返せるように頑張ろうと思う。
良い結果が報告できることを心の中で願った。
《ありがとう。教えてくれて。俺、頑張ってくるわ》
今の俺なら、茜に告白することもできそうな気がしてきた。
これでもし、告白できなかったら、俺は真のヘタレということになる。
こんなチャンスを逃すなんて、後にも先にももう二度とチャンスは回ってこないと思う。
絶対、それだけは避けたい。もう今の関係を変えると決めたのだから、後先は考えないことにした。
仮に告白してフラれたら、綾香にヤケコラボカフェにでも付き合ってもらうことにしよう。
その後、茜と気まずくならないようにするためにも、綾香と三人で遊ぶ計画でも立てれば、なんとかこの関係が壊れずに済むであろう。
俺が告白したことにより、この関係が壊れちゃったとしても、それでも俺が茜を想う気持ちは変わらない。
ゆっくり忘れていく努力もするし、友達としても上手くやっていける年齢にもなってきたので、今の俺なら上手くやっていくことも可能だ。
だから、大丈夫。もう迷うことなんて何もない。
あとは無事に当日を迎えるのみだ…。
どうか告白するタイミングが作れますようにと、心の中で願った。
そして、いよいよデート当日を迎えるのであった。
私も何かに夢中になると、それだけに集中してしまう癖がある。
特にSNSでフォロワーさん達と好きなことをリプライし合っていると、時間があっという間に過ぎてしまう。
いつも思うのだが、携帯機器を弄っていると、時間が経つのが早く感じるのは何故なのだろうか。毎度のことながら不思議なことだ。
「分かる。私も結構、違うことに熱中しちゃうと、うっかり忘れちゃうんだよね」
「あるよね。もう本当…何で忘れちゃうのかしら」
永遠の謎である。この謎が解明されることはないと思う。
だって理屈ではないから。ヲタクの習性みたいなものなのかもしれない。
「何でだろうね?不思議だよ。でも、それだけ熱中できるものに出会えたってことに感謝だよね」
「良いこと言うじゃない、茜。そうね。感謝しないとよね」
綾香と謎の会話を繰り広げていた最中、私のスマホが鳴った。
どうやら、美咲くんからの返信が返ってきたみたいだ。
「茜、返信きたんじゃないの?」
「あ、うん。そうだと思う。
ごめん。話の途中だけどチェックさせてもらってもいい?」
「どうぞどうぞ。私のことはお気になさらせず…」
「ありがとう。それじゃ、お言葉に甘えてチェックさせてもらうね」
早速、私はスマホを手に取り、着信音を鳴らしたのが美咲くんなのか確認した。
やっぱり美咲くんだった。先程の遊びの件についての返信だった。
《千葉にある某テーマパークに行かない?》
あれ?思ってたのと違う…。ってきり、いつも通り池袋で散策するのかとばかり思っていた。
千葉の某テーマパークか…。そういや、久しく行っていないことに気づいた。最後に行ったのがいつなのか忘れるくらいに。
美咲くんってもしかして、あの某有名なテーマパークのキャラクターが好きなのかな?
だとしたら、余程その某テーマパークに行きたかったのかもしれない。
というか、もう某テーマパークっていうのも面倒くさいし長いので、夢の国と略そう。
話を戻そう。思っていたのとは違ったが、たまにはヲタク関連の場所以外で遊ぶのも悪くないと思った。
《いいね。行こう。楽しみ》
まだ細かい日程は決めていないが、想像するだけで今からとても楽しみだ。
どんな格好をしていこうかな。アトラクションにもそれなりに乗れたらいいな。
行ったら何かしらグッズを買いたいな。そうだ。綾香にもお土産を買おうと思う。
「結局、二人でどこに出かけることになったの?」
綾香に訊ねられるまで、忘れていた。そうだ。私は今、ちょうど美咲くんから返信が着たからチェックしていたところだったということを…。
どうやら綾香は私達がどこへ出かけるのか、気になっているみたいだ。
私も逆の立場なら気になる。二人にヤキモチを妬くとかそんなんではなく、純粋にどこへ出かけるのか気になるから。
綾香もきっとそんな感じであろう。変に隠す必要もないため、素直にどこへ出かけるのか答えた。
「夢の国で遊ぶことになったよ」
「…え?!あ、そうなんだ」
驚く綾香。そりゃそうだ。今までヲタク関連以外で遊びに行くことなんて早々なかったのだから。
「久しぶりに夢の国に行くんだ。今から超楽しみ」
「…はぁ。楽しんできてね」
「うん、楽しんでくるね。お土産もちゃんと買ってくるね」
綾香はため息を零した。本当は綾香もディズニーに行きたかったんだな。
一緒に行けない分も、綾香にお土産を忘れずに買ってこようと心の中で誓った。
*
なんとか断られらずに、二人で遊ぶことになった…。
茜のことだから、“綾香も一緒にどう?”なんて、提案されるものだとばかり思っていた。
今は二人で一緒に居るから、俺に確認を取る前に、もしかしたら綾香を誘っていたのかもしれない。
綾香は空気を読む女だから、きっと誘いを断ったに違いないだろうけど…。
できれば、そうじゃないと信じたい。
デートだと思っていなくてもいい。それでも、ちゃんと俺の誘いに乗ってくれたと俺は信じたかった。
そしてそんなことを考えていた時に、俺のスマホが鳴った。
その相手はまさかの綾香からだった。
《あんたが個人LINEしたにも関わらず、私も誘ってきたから、ちゃんと断っておいたわよ。
頑張ってね。健闘を祈る》
やっぱり予感は的中した。同時に安心している自分もいた。
本来なら安心していい場面ではない。傷つく場面だと思う。
でも、俺は茜が茜らしいことに安心した。変に恋愛として意識されていないからこそ、俺の緊張も程良く解けた。
そして、傍でいつも支えてくれる綾香の存在も大きかった。
ここで綾香が茜の誘いに乗ってきてくれていたとしても、俺は構わなかった。
茜に誘いを断られるくらいなら、その方がまだマシだから。
だけど、綾香なら断るだろうと思っていたので、誘いには乗らないだろうという予想はしていた。
俺の気持ちを知っている綾香が、そんな無神経なことはしないだろうし、寧ろ綾香はそういったことに長けているから、気を使う方の人間だ。
そんな綾香には、色んな場面で助けてもらった。
助けてもらった分、形で返せるように頑張ろうと思う。
良い結果が報告できることを心の中で願った。
《ありがとう。教えてくれて。俺、頑張ってくるわ》
今の俺なら、茜に告白することもできそうな気がしてきた。
これでもし、告白できなかったら、俺は真のヘタレということになる。
こんなチャンスを逃すなんて、後にも先にももう二度とチャンスは回ってこないと思う。
絶対、それだけは避けたい。もう今の関係を変えると決めたのだから、後先は考えないことにした。
仮に告白してフラれたら、綾香にヤケコラボカフェにでも付き合ってもらうことにしよう。
その後、茜と気まずくならないようにするためにも、綾香と三人で遊ぶ計画でも立てれば、なんとかこの関係が壊れずに済むであろう。
俺が告白したことにより、この関係が壊れちゃったとしても、それでも俺が茜を想う気持ちは変わらない。
ゆっくり忘れていく努力もするし、友達としても上手くやっていける年齢にもなってきたので、今の俺なら上手くやっていくことも可能だ。
だから、大丈夫。もう迷うことなんて何もない。
あとは無事に当日を迎えるのみだ…。
どうか告白するタイミングが作れますようにと、心の中で願った。
そして、いよいよデート当日を迎えるのであった。
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