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episode9.アイスマイベント
9話-②
*
そして、そこから待つこと約一時間が経過した…。
「二人共、お待たせ。無事に頼まれてた物、全部買うことができました」
初の声優陣全員集合のイベントということもあり、会場の大きさも含めて、物販の列もえげつなかった。
あの列の中、全て買うことができたなんて。アイスマのスタッフの対応の良さを改めて実感させられた。
「ありがとう、美咲」
「本当にありがとう、美咲くん」
「いえいえ。とりあえず、グッズ開封式をやろう」
こうして、グッズ開封を行うことになった。
追加で購入したのは、缶バッジとリングライトと会場限定グッズだ。
リングライトはなんとか推しを引き当てることができたので、既に一個は確保できている。
なので、あと何個か欲しいなと思い、購入した。
缶バッジは推しが出せなかったため、追加購入で引き当てたい。
一応、交換の約束もしているので、なんとかなるが…。
会場限定は会場でしか買えないため、絶対に欲しいと思い、購入した。
ちなみに会場限定グッズは確定枠なので、確実に推しをゲットできる。
とりあえず、今から開封してみることにした。
「それじゃ、私から開けるね」
「おう、茜いけ」
「頑張れ!無事に推しが出せますように…」
いざ、袋を開けて、中から出してみた。すると…、
「え?こんなことってある?」
「まさかの一発目から出たね…」
そう。私の推しの慧斗様を一発で引き当てることができた。
自分の推しは自分で選んで買うと出ないことが多いが、人様が選んで買うと、自分の推しが来る確率が高くなるという法則がある。
まさか、その法則で引き当てるとは思ってもみなかった。
一応、交換の約束もしているので、事前に購入させて頂いたのと交換しようと思う。
推しはいくらあっても嬉しいし、何個も欲しいのがヲタクだ。
「自引きできて嬉しい…」
「俺も自分のことのように嬉しいよ。よし、次は俺がいくぞ」
一発目で自引きできたので、急にプレッシャーが走る…。
果たして、二個目も推しが来てくれるのだろうか…。
「行くぞ。…せーの、」
袋から出てきたキャラは残念ながら、美咲くんの推しではなかった。
しかし、我らが推しのグループ、KINGの皇 健人だった…。
「推しではなかったけど、健人様がきたよ。ある意味、ウルトラレア引いたわ…」
「中の人のこと考えると、本当レアよね…」
そう。皇 健人のCVは、あの人気声優の一ノ瀬 廉様。
廉様が声を担当していることもあり、実質、声優だけで見たら、かなり人気キャラクターである。
「そうだね。とりあえず、次いこっか」
綾香の番が回ってきた。綾香と美咲くんは同担のため、できれば理人様が二つ欲しいところである。
「それじゃ、私がいかせて頂きます…」
綾香が開封した。そして、袋の中から出てきたのは、なんと…、
「美咲ごめん。理人様、引かせて頂きました」
「マジか。すげー悔しい」
自分で購入したが故に、更に悔しさが増す。
こういうのは運とタイミングなので、仕方ない。
「あげるわ。美咲が代行してくれたから、そのお礼も兼ねて」
まさかの綾香が美咲くんに譲った。確かにここはなんだか譲らないと、心苦しい綾香の気持ちがヒシヒシと伝わってきた。
「いいのか?譲ってもらっても…」
「いいわよ。お礼なんだから。それにまだまだグッズはあるし、一応、事前に交換する約束もしてるから、大丈夫よ」
「そっか。それなら心置きなく俺がもらうな」
そう言って、美咲くんと綾香はトレードしていた。
きっと綾香なりに気を使ったのであろう。その優しさに胸の中に温かい気持ちが込み上げてきた。
「それじゃ、二周目いこっか。茜、よろしく」
「うん。任せて。私が理人様をもう一個出すから」
推しを自引きできた今の私なら、無敵な気がする。よっし、いくぞ…。
「それじゃ、いきます。…はい!」
袋の中から出すと、まさかのミラクルが起きた。そう、中身は…、
「はい、綾香。理人様出したよ」
「ありがとー、茜!本当すごいわ…」
「あぁ、本当にすげーな」
普段、ここまで引きが良いわけではない。今日はたまたま運が良かっただけである。
「今日はたまたま冴えてるだけだよ。今、ガチャ引いたら、URとか出せるかも」
「確かに…。やたら無敵の日ってあるよな。某ゲームのスター獲れた時みたいに…」
「それは少し大袈裟過ぎるけど、例えとしては分かりやすい例えよね」
「よし!ここから先は全部、茜に開封してもらおう」
「いいね!そうしましょ。はい、茜。任せたわよ」
こうして、流れに身を任されて、私が全ての開封を行なった。
皆の最推しはもちろん、二推しまで引き当てることができた。
その後、他のグッズの開封も行なった。リングライトに会場限定に購入特典まで…。
無事に全員の推しと二推しをお迎えすることができた。
「しかし、あんた達の運、すごいわね。二人の運を合体したからこそ、推しを引き寄せることができたのかもしれないわね。
なんだか運命の二人って感じで、相性ぴったりじゃない」
綾香にそう指摘されて、二人して顔を真っ赤にさせて、照れてしまった。
私達の反応を見て、綾香は楽しそうな表情を浮かべていた。
*
開演までの間、お約束していた方とグッズの交換をした。
お約束していた方達は、とても優しい方達ばかりで。楽しく推しを交換することができた。
慧斗様だけに限らず、瑞輝様も交換して手に入れた。
他にも気になっているキャラクターがたくさんいるので、そのキャラクター達も何個か交換し、手に入れた。
本当に綾香のお陰で、グッズもイベントもなんとかなったので、心から感謝している。
「綾香、ありがとう。あんまりこういった交換とか普段しないから、緊張してたんだけど、お約束していた方々がとてもお優しい方々ばかりで、交換するの楽しかった。
自分でもいつか交換してみようって思えたし、良い人達と交換できてよかったです」
「そう言ってもらえてよかった。実は茜に紹介した人達は、私が知ってる人達の中でも特別にいい人達なの。もしよかったら、SNSでも繋がってあげて」
是非、こちらとしてはとてもお世話になったので、お礼も兼ねて繋がれるのであれば、繋がりたい。
「寧ろこちらからお願いしたいくらいなので、後で教えてもらえると助かる」
「了解。それじゃ、向こうにも確認取ってから、連絡するね」
こうして、交換も無事に終わり、あとは開演するのを待つのみだ…。
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