カエ

赫沙

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カエ

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 文化祭当日。僕とカエは、相変わらず踊り場にいた。部誌を改めて読み返しながら過ごしていた。我ながら最高傑作。物語の中のカエは、僕と永遠に過ごすために踊り場で自殺をするのだ。そして僕もその後を追って自殺をする。死んでしまえば時間は保存される。永遠に共に過ごすことが出来るし、僕らが生きていたことを大衆に知らしめることができる。美しい死のシナリオ、フィナーレを共に計画する。最高の絆。愛ゆえ成せる業。カエも出来には満足しているようで、とても楽しそうに読んでいた。

「小説はやっぱいいね。現実では起こりえないことも起こせちゃうのが面白い」

何を言っているんだ?現実になるよ?僕はそう言った。カエはきょとんとしていた。何でだ?前、小説と現実を融合させようって言ったらカエは承諾したじゃないか。今からカエは自殺して、僕がそれを追うんじゃないか。

「何言ってんの?・・・え」

僕はカエ腹をカッターで抉った。苦しみ倒れるカエにまたがり、頸動脈を切る。黒く染る踊り場。その中に美しく眠るカエ。ああカエ。自分で自分を殺すより、僕に殺されたかったんだね。なんで早く言わなかったんだ?早く言ってくれたら小説もそういう風に書いたのに。カエは死に方には拘りが強かったもんね。よかったよ最後に気づけて。美しいカエには美しい造花を贈ろう。向日葵の造花。君に一番似合う花さ。

・・・まって?僕はどうやって死ぬ?僕だってカエに殺されたいじゃないか。君だけ僕に殺してもらって、それなのに僕は自分で自分を殺すのかい?

嫌だよ?それじゃあ僕は傍から見たら、ただの自分の罪に耐えかねて自殺した殺人者じゃないか。美しい愛の死とはかけ離れてしまう。まずいまずいまずい。ダメだよカエ。僕も、君に殺してもらわなきゃ。起きてカエ。僕まだ死んでないよ?カエに殺してもらわなきゃ死ねないよ?美しいフィナーレにならないよ?それはカエだって嫌でしょう?カエ、ねえカエ。おきて。カエ。なんで返事しないの?ここに居るのはカエじゃないの?
カエ?カエ、どこに居るの?

カエ?

カエ



どこ?




カエが







カエが行方不明になった。







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