【本編完結済】底辺αは箱庭で溺愛される

認認家族

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図書館を出ると、コンちゃんからメールがきた

『大丈夫?』
『うん。家でやるから、資料借りてきただけ』

コンちゃんは、俺が大学の図書館に行くのを嫌がる。
『ハコアルではね、陸が図書館でレポートやってる時に京極と出会うの。αなのに一生懸命勉強しているのが珍しくて、陸に声をかけるの』
イヤ、勉強しないと俺じゃ単位落とすから。俺みたいな下位αはもう一ランク下の大学を狙うのが一般的だ。だけど、兄が卒業した大学を俺も卒業したかった。
『あんまりにも珍述な陸のレポートに流石の京極もアドバイスをして』
……どうせ俺はお馬鹿ですよ。
『そのお礼に陸はラムネをあげるの。ラムネよラムネ?あの京極にラムネなんて渡すなんて珍獣でしょ!!』
……いや、大粒ラムネ、美味しいじゃん。疲れた時に良いんだよ。その場になったら、俺もラムネ渡すよ。……持ち歩いてるし。
『しかも、それだけで終わり。他の人だったら京極と親しくなっておきたいって下心があってお礼に食事とか誘うものなのに!ラムネなんて!目をつけられるに決まってんじゃない』
……いや、京極ってあの京極サマだよね?まだ学生だけど、グループ会社のうちいくつかをすで任されているっていう。まだ見た事はないけど、その京極サマだとしたら、時間給考えたらそんな事させれなくない?親切を仇で返すというか……。
『だったら、貴重なお時間を奪った分お手伝いしますとかなんかあるでしょ!』
……いや、俺の能力じゃ京極様の側近のお手伝いすら出来ないかと。
『なんでそんなに自己分析が正しいのよ!』
……ああ、うん。否定はしてもらえないと思ってはいたけど、コンちゃん、俺、君の未来の番だからね。一姫二太郎を目指して頑張る婚約者だからね。
うう……

『なら良かった(^o^)』
コンちゃんが笑顔メールを返してくれた。
本当は、図書館でレポートをやりたい。資料を持って帰るのは重いし、不足があったとき調べるのも楽だ。
でも、コンちゃんが不安がる。
ここが小説の世界とはおもわない。
熱を出せば辛いし転べば痛い、現実の世界だ。
全てが完璧な京極サマなんて存在しない。
会社を任されているというなら、自分より20,30上のαを使うのであればそれなりの苦労はあるはずだ。

コンちゃん、ここは小説の世界なんかじゃないよ。でも、君の安寧の為に、俺は君に従うよ。

けれど、
後日、手を伸ばしてきたあの男が京極サマだったと知る。
コンちゃんは物語の強制力とやらに怯えていた。
俺はと言うと、コンちゃんが言っていた状況との違いに安堵した。だってレポートなんて見てもらってない。珍獣認定なんてされてないし、なんなら、俺の存在にも気が付かなかったはずた。

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