【本編完結済】底辺αは箱庭で溺愛される

認認家族

文字の大きさ
157 / 273

155-猪瀬

しおりを挟む
「猪瀬、来週からアメリカ出張に10日程行くぞ。」
「かしこまりました」
貴嗣様がおっしゃった。
珍しい。青島と出会ってからはあまり長期出張はしなかったのに。

マンションに帰って青島に報告すると、少しだけ顔を顰めた。
ここ数日青島は元気が無かった。
平静を装ってはいるが、フェロモンは番には正直で、何かを憂いているのが伝わってくる。
怖い怖い怖い…番が泣いている。
『助けて……』
抱きしめてやると乱れているフェロモンが少しだけ落ち着く。
頭を撫でれば、もっと…とせがんでくる。
可愛い可愛い俺の番……。
スマートウォッチが振動してハッとする。慌てて青島から離れた。
「すまん……」
「いや……」

自室に逃げ込んだ。
アラートがならなければそのまま流されてしまっていただろう。
頭を抱えた。
番契約とは本当に恐ろしい。
俺の意志は何処に消えようとしているのか。
貴嗣様は青島を求めていると言うのに。
ふわり、良いニオイがした。
洗濯籠から盗った番の靴下……。
認める。貴嗣様の事が無ければ俺は青島と普通の番として過ごしていただろう。この香りに狂わされ、その躰を喰らい尽くしていただろう。
最も、貴嗣様の事が無ければ青島と出会う事も無かった。底辺の底辺なαなどとの接点などなかったはずだ。
「青島……」
靴下のニオイを嗅ぎながら、ゆるく芯を持ち始めたソコに右手を伸ばしていった。
俺のツガ……



翌日、出社してすぐに貴嗣様に青島の下着を納めた。
貴嗣様の目がいつも以上にトロンとする。ネコにマタタビ、貴嗣様に……。
そしていつも以上に長く隣室に籠もられていた。
なんだかモヤモヤする。
仕事はサクサクと進んでいった。貴嗣様の集中力が今日は特に発揮されている。出張が近いせいだろうか。
何かが変だ。
うなじがチリチリしている…………。



~~~~~~~~~~~~~~~
猪瀬、脚……の裏フェチ疑惑(笑)


ちょっと間が開いてしまいました。
それなのに短くてスミマセン。
こんなに短いのにアップするのも…と悩んでいるうちに数日がたってしまって、ああ、もういいや!と開き直りました。




ハート機能が追加されましたね。
皆様のイイネに感謝です!テンションがあがります
更新出来ていない『努力にまさる……』の方にもつけてくださって、うおっ!となりました。
次作、累兄さんを取るか智則を取るか……悩ましいですね。……大穴で徹?

もう少しでブクマ1080、煩悩十倍!
これも読んで下さっている皆様のおかげ。ありがとうございます!













    
しおりを挟む
感想 153

あなたにおすすめの小説

初夜に暴言を吐いた夫は後悔し続ける──10年後の償い【完結保証】

星森 永羽
恋愛
王命により、辺境伯ロキアのもとへ嫁いだのは、金髪翠眼の美しき公爵令嬢スフィア。 だが、初夜に彼が告げたのは、愛も権限も与えないという冷酷な宣言だった。噂に踊らされ、彼女を「穢れた花嫁」と罵ったロキア。 しかし、わずか一日でスフィアは姿を消し、教会から届いたのは婚姻無効と慰謝料請求の書状──。 王と公爵の怒りを買ったロキアは、爵位も領地も名誉も奪われ、ただの補佐官として生きることに。 そして十年後、運命のいたずらか、彼は被災地で再びスフィアと出会う。 地位も捨て、娘を抱えて生きる彼女の姿に、ロキアの胸に去来するのは、悔恨と赦しを乞う想い──。 ⚠️本作はAIの生成した文章を一部に使用しています。

運命の番は僕に振り向かない

ゆうに
BL
大好きだったアルファの恋人が旅先で運命の番と出会ってしまい、泣く泣く別れた経験があるオメガの千遥。 それ以来、ずっと自分の前にも運命の番があらわれることを切に願っていた。 オメガひとりの生活は苦しく、千遥は仕方なく身体を売って稼ぐことを決心する。 ネットで知り合った相手と待ち合わせ、雑踏の中を歩いている時、千遥は自分の運命の番を見つけた。 ところが視線が確かに合ったのに運命の番は千遥を避けるように去っていく。彼の隣には美しいオメガがいた。 ベータのような平凡な見た目のオメガが主人公です。 ふんわり現代、ふんわりオメガバース、設定がふんわりしてます。

伝説のS級おじさん、俺の「匂い」がないと発狂して国を滅ぼすらしいい

マンスーン
BL
ギルドの事務職員・三上薫は、ある日、ギルドロビーで発作を起こしかけていた英雄ガルド・ベルンシュタインから抱きしめられ、首筋を猛烈に吸引。「見つけた……俺の酸素……!」と叫び、離れなくなってしまう。 最強おじさん(変態)×ギルドの事務職員(平凡) 世界観が現代日本、異世界ごちゃ混ぜ設定になっております。

美形な幼馴染のヤンデレ過ぎる執着愛

月夜の晩に
BL
愛が過ぎてヤンデレになった攻めくんの話。 ※ホラーです

別れようと彼氏に言ったら泣いて懇願された挙げ句めっちゃ尽くされた

翡翠飾
BL
「い、いやだ、いや……。捨てないでっ、お願いぃ……。な、何でも!何でもするっ!金なら出すしっ、えっと、あ、ぱ、パシリになるから!」 そう言って涙を流しながら足元にすがり付くαである彼氏、霜月慧弥。ノリで告白されノリで了承したこの付き合いに、βである榊原伊織は頃合いかと別れを切り出したが、慧弥は何故か未練があるらしい。 チャライケメンα(尽くし体質)×物静かβ(尽くされ体質)の話。

幼馴染がいじめるのは俺だ!

むすめっすめ
BL
幼馴染が俺の事いじめてたのは、好きな子いじめちゃうやつだと思ってたのに... 「好きな奴に言われたんだ...幼馴染いじめるのとかガキみてーだって...」 「はっ...ぁ??」 好きな奴って俺じゃないの___!? ただのいじめっ子×勘違いいじめられっ子 ーーーーーー 主人公 いじめられっ子 小鳥遊洸人 タカナシ ヒロト 小学生の頃から幼馴染の神宮寺 千透星にいじめられている。 姉の助言(?)から千透星が自分のこといじめるのは小学生特有の“好きな子いじめちゃうヤツ“だと思い込むようになり、そんな千透星を、可愛いじゃん...?と思っていた。 高校で初めて千透星に好きな人が出来たことを知ったことから、 脳破壊。 千透星への恋心を自覚する。 幼馴染 いじめっ子 神宮寺 千透星 ジングウジ チトセ 小学生の頃から幼馴染の小鳥遊 洸人をいじめている。 美形であり、陰キャの洸人とは違い周りに人が集まりやすい。(洸人は千透星がわざと自分の周りに集まらないように牽制していると勘違いしている) 転校生の須藤千尋が初恋である

「オレの番は、いちばん近くて、いちばん遠いアルファだった」

星井 悠里
BL
大好きだった幼なじみのアルファは、皆の憧れだった。 ベータのオレは、王都に誘ってくれたその手を取れなかった。 番にはなれない未来が、ただ怖かった。隣に立ち続ける自信がなかった。 あれから二年。幼馴染の婚約の噂を聞いて胸が痛むことはあるけれど、 平凡だけどちゃんと働いて、それなりに楽しく生きていた。 そんなオレの体に、ふとした異変が起きはじめた。 ――何でいまさら。オメガだった、なんて。 オメガだったら、これからますます頑張ろうとしていた仕事も出来なくなる。 2年前のあの時だったら。あの手を取れたかもしれないのに。 どうして、いまさら。 すれ違った運命に、急展開で振り回される、Ωのお話。 ハピエン確定です。(全10話) 2025年 07月12日 ~2025年 07月21日 なろうさんで完結してます。

悪役の僕 何故か愛される

いもち
BL
BLゲーム『恋と魔法と君と』に登場する悪役 セイン・ゴースティ 王子の魔力暴走によって火傷を負った直後に自身が悪役であったことを思い出す。 悪役にならないよう、攻略対象の王子や義弟に近寄らないようにしていたが、逆に構われてしまう。 そしてついにゲーム本編に突入してしまうが、主人公や他の攻略対象の様子もおかしくて… ファンタジーラブコメBL シリアスはほとんどないです 不定期更新

処理中です...