【本編完結済】底辺αは箱庭で溺愛される

認認家族

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俺は親父の書斎にドナドナされた。
「さて、私がなにを言いたいかわかるか」
 ゴミでも見る様な目
「……俺が不用意な発言をしない為かと」
「正解だ。一応、脳はあったんだな」
 ………………それが、息子へかける言葉だろうか。
『君が未熟児で生まれた。陸様は君につきっきりになった。君が成長しても順番は変わらない。陸様の中で君、菫さん、累さん、会社…………そして貴嗣様。君は悪くない。元々、貴嗣様には限界量だったから気にしなくていい』
『え、親父の地位 低すぎじゃね?』
猪瀬さの言葉にホッとしつつもそう言うと今少しだけ困った顔をした。まさか、父さんの中での親父の優先順位、猪瀬さんより下とかそういうことはありえないよな、さすがに……?
 まぁ、αの執着というものは俺も分かるし、何より最高位αなのにご褒美待ちの犬と化している親父を見てると多少気の毒で恨む気にはならないけど。
 それに、愛情がない訳ではないのもわかってる。親父が、俺にキツくなるのは俺が父さんを奪おうとする時のみだ。そんなつもりはないけれど、今回も、俺の行動の何かが親父の琴線に触れたのだろう。

「ゆう君といったな、その子は」
「…………はい」
 親と好きな人の話をするときって、みんなこんなに緊張するものなの?
 こんなに威圧を受けるものなの?
「で、お前はそのβがΩになってくれないかと願っているが、彼にそんな気配がない。 それで悩んでいると、そうだな?」
 頷いた。
「αは感覚の生き物だ。お前は何を感じ取った?」
「…………器となるものの 不足。ゆうくんにはΩの素質が微かにあるけれど、極々微量だから、βになってる。なんか、流れ落ちてる感じがした。それを溜め込んでくれる器がゆうくんにはないって気がした。結晶みたいに何か核となる何かがあれば……」
 親父が嗤った。
「それで陸に聞こうとしたのか」

 本能的に後ずさった。
 カタカタと震えが止まらない。
 この人は時々 俺に冷たいが今日ほど強い殺気を受けたことは無かった。
 俺は、狂王の逆鱗に触れたのだ。
 内ももが温かいもので濡れた。

「あ………………」

 親父が舌打ちした。
「陸にバレたらどうしてくれるんだ」
 僅かに殺気がやわらぐ
 そう言いながら タオルを投げつけてきた。

「拭きなさい。陸に不審に思われたくない。暖かい家庭をプレゼントすると約束したんだ。」

 ………………
 震える手でなんとかふく。


「お前の直感は正しい。彼にはΩ因子もα因子もある。昔は違ったが今は混血が進んでいるから、βでもΩやαの因子を持つものも多い。だが、その因子が出すフェロモンを溜め込まなければΩやαにはなれない。
βの彼にはその器がない。」

親父はゆうくんの事を知っていたのか。そして既に調べているのか。
αは伴侶を守る為に近寄る者を調べるが俺のクラスメイトの血液まで手にいれていたのか。
『陸に約束した』から。


「器と核か、いい線いってるな。……陸は元々強いΩ因子を持っていた。フェロモンも多く生成されてはいたが器が無かった。Ωフェロモンは陸の体内に留まる事もなく排出され、フェロモンが陸の体を書き換える事も無かった。そして私と出会った。」

父さんはαだったときいた。Ωの菫さんと婚約関係にあったとも。それを教えてくれた使用人は翌日には居なくなっていたけれど







「陸の体内に残った京極の精子が核となり私が強く願う事で私のフェロモンに変更因子が混ざり…やがて器ができてΩになった」

 ゆうくんは、まだ俺の事をそういう対象として見てくれてない。βの常識に囚われているから、俺がゆうくんに核を与えて器にとなると……

「昔ならまだしも現代でそれは不可能だ。軟禁などしようものなら警察がやってくる」

 警察なんてこの家だったらどうとでもできるはずだ。親父に本気で対立しようとするヤツなんて自殺願望のあるもの位だ。国にその願望はない

「だが、陸はそれを知らない、何よりも陸にばれる。その様な事態は許さない。自分がすげ替え可能なパーツだという事を忘れるな」

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