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大学が夏休みになり私が陸に会える機会は減った。私と陸は単なる同じ大学に通う学生、そんな接点しかないのだと実感させられる。
私が専務を務める会社でバイトをしないか、そう提案をしたが陸には断られてしまった。
「俺程度が京極の会社内で働くなんて、真面目に働いている人に申し訳ないですよ」と…
半分は本音で、もう半分は……陸は私との距離を取りたがる。だが、陸の目には私に対する尊敬がある。だからおそらく、コンちゃんとやらのために私との距離を作っているのだろう。
こんちゃんとやらは陸が帝都大に入学するのを反対したという。それでも陸は義父の会社を継ぐためには帝都大でそれなりにコネを作っておいた方がいいと判断したらしい 。ならばコンちゃんよりも義父の会社を継ぐことを、いや コンちゃんとやら との未来のために義父の会社との両立を目指したのだろう
ならば…
「学生のうちに働いておくことはいい経験になる。学生という視点で会社内を見れるのだから。数年後、採用する側になった時に面接の際にはこの経験が役に立つだろう」
そう言うと陸は出社するようになった、週に1回だけだが。
……休み前に比べると私の陸充填率はさがる。それに比例して私のコンディションも悪化している。業務効率も明確に下がっている。αとはこうも番に左右されるものなのだな。知識としては学んでいたが実際体験すると全く違う。焦燥感に苛まれ意識を集中することができない。
24時間ともにいられたらと思わずにはいられない
軽蔑していた祖父の気持ちがわかるような気がした。
番狂いだった祖父。祖母に一目ぼれし、祖母が恋人と逃げないように孤島に閉じこめた。逃げ出せば見せしめのために島の使用人を殺した。そうして祖母を自分の庭に閉じこめた。
あの別荘に陸を閉じ込めて、番と共に時間を過ごしたい
甘美な誘惑…
祖父はたびたび私に別荘でのことを語っていた。
『お前は私に近いからな。私の経験を参考にするといい』
……
「猪瀬、シルバーウィークだが、毎年恒例の親睦会を志摩の別荘で行う。陸を連れてくるように」
猪瀬にそう伝えた。これだけで猪瀬であれば通じるだろう。
陸は別荘行きを拒否するだろうが、猪瀬が丸め込むはずだ。あの別荘が私にとって特別であることを猪瀬は誰よりも知っている。私の決意表明。どんな手段をとってでも陸を連れてくるはずだ。
おそらくコンちゃんを脅しの材料に使うのだろう。陸に大事にされているコンちゃんとやらがとても憎らしいが。その分、この程度は役に立ってもらおうじゃないか?
私が専務室で仕事をしている時に陸が秘書室にやってきたのが聞こえた。
私が耳を澄ませる。
「青島、我々は親睦を深める為にシルバーウィークに親睦会を志摩の別荘で毎年行っている。必ず予定を空けておくように」
陸の返答が遅れた。断る手段を考えているのだろう。
「コンちゃんと約束があるのか?京極家の懇親会より魅力的だなんて会ってみたいものだ。今後の事もあるし、専務室なら問題無い。来週連れて来い。」
私とコンちゃんとやらが運命だと思っている陸だ。反対するに決まっている。
「そんな事はありません!約束なんてしてませんし懇親会参加させていただきます!」
しまったと思っているであろう陸に弁解をする隙を与えてはならない。私が入室するとすかさず猪瀬が報告してきた。
「貴嗣様、青島も懇親会に参加したいとの事で許可しました」
「そうか、楽しみだな」
陸が猪瀬を睨んでいる。否定をしたくても、私の前でコンちゃんという名を出されたくないから黙るしかないのだ。
これで陸は私と24時間一緒だ。
この旅行で陸のΩ化を更に進められる。
そして、コンちゃんとやらの排除も進められる。 24時間一緒にいれば隙も生まれる。スマホから目を離す時もあるだろう。コンちゃんとやらの情報を奪い取って始末する。
~~~~~~~~~~~~~~~
あぁ…京極様が少しずつヤバい人になっていく……。
ん?元からではって?
そんな事はありません
貴嗣様は全世界でも数人しかいない最高位αで神のように全知全能で……!by猪瀬
私が専務を務める会社でバイトをしないか、そう提案をしたが陸には断られてしまった。
「俺程度が京極の会社内で働くなんて、真面目に働いている人に申し訳ないですよ」と…
半分は本音で、もう半分は……陸は私との距離を取りたがる。だが、陸の目には私に対する尊敬がある。だからおそらく、コンちゃんとやらのために私との距離を作っているのだろう。
こんちゃんとやらは陸が帝都大に入学するのを反対したという。それでも陸は義父の会社を継ぐためには帝都大でそれなりにコネを作っておいた方がいいと判断したらしい 。ならばコンちゃんよりも義父の会社を継ぐことを、いや コンちゃんとやら との未来のために義父の会社との両立を目指したのだろう
ならば…
「学生のうちに働いておくことはいい経験になる。学生という視点で会社内を見れるのだから。数年後、採用する側になった時に面接の際にはこの経験が役に立つだろう」
そう言うと陸は出社するようになった、週に1回だけだが。
……休み前に比べると私の陸充填率はさがる。それに比例して私のコンディションも悪化している。業務効率も明確に下がっている。αとはこうも番に左右されるものなのだな。知識としては学んでいたが実際体験すると全く違う。焦燥感に苛まれ意識を集中することができない。
24時間ともにいられたらと思わずにはいられない
軽蔑していた祖父の気持ちがわかるような気がした。
番狂いだった祖父。祖母に一目ぼれし、祖母が恋人と逃げないように孤島に閉じこめた。逃げ出せば見せしめのために島の使用人を殺した。そうして祖母を自分の庭に閉じこめた。
あの別荘に陸を閉じ込めて、番と共に時間を過ごしたい
甘美な誘惑…
祖父はたびたび私に別荘でのことを語っていた。
『お前は私に近いからな。私の経験を参考にするといい』
……
「猪瀬、シルバーウィークだが、毎年恒例の親睦会を志摩の別荘で行う。陸を連れてくるように」
猪瀬にそう伝えた。これだけで猪瀬であれば通じるだろう。
陸は別荘行きを拒否するだろうが、猪瀬が丸め込むはずだ。あの別荘が私にとって特別であることを猪瀬は誰よりも知っている。私の決意表明。どんな手段をとってでも陸を連れてくるはずだ。
おそらくコンちゃんを脅しの材料に使うのだろう。陸に大事にされているコンちゃんとやらがとても憎らしいが。その分、この程度は役に立ってもらおうじゃないか?
私が専務室で仕事をしている時に陸が秘書室にやってきたのが聞こえた。
私が耳を澄ませる。
「青島、我々は親睦を深める為にシルバーウィークに親睦会を志摩の別荘で毎年行っている。必ず予定を空けておくように」
陸の返答が遅れた。断る手段を考えているのだろう。
「コンちゃんと約束があるのか?京極家の懇親会より魅力的だなんて会ってみたいものだ。今後の事もあるし、専務室なら問題無い。来週連れて来い。」
私とコンちゃんとやらが運命だと思っている陸だ。反対するに決まっている。
「そんな事はありません!約束なんてしてませんし懇親会参加させていただきます!」
しまったと思っているであろう陸に弁解をする隙を与えてはならない。私が入室するとすかさず猪瀬が報告してきた。
「貴嗣様、青島も懇親会に参加したいとの事で許可しました」
「そうか、楽しみだな」
陸が猪瀬を睨んでいる。否定をしたくても、私の前でコンちゃんという名を出されたくないから黙るしかないのだ。
これで陸は私と24時間一緒だ。
この旅行で陸のΩ化を更に進められる。
そして、コンちゃんとやらの排除も進められる。 24時間一緒にいれば隙も生まれる。スマホから目を離す時もあるだろう。コンちゃんとやらの情報を奪い取って始末する。
~~~~~~~~~~~~~~~
あぁ…京極様が少しずつヤバい人になっていく……。
ん?元からではって?
そんな事はありません
貴嗣様は全世界でも数人しかいない最高位αで神のように全知全能で……!by猪瀬
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