9 / 14
9 明日香さんは収穫を得る
しおりを挟む
「俺からみたら、いつも笑顔でいつも周りに誰かしらいるイメージだな。特に女子。学年学部問わずあいつ噂になってるから。そんで、友達から聞いた話だとかなりの好青年で、若干天然だとか」
羽田くんから扇真の話を聞き始めてまだ数分だというのに、何となく彼のことがわかってきたような気がする。いや、わかったというより、私が彼に抱いた印象とあまり変わらないといった方が正しいか。
なんだか、彼が私のストーカーであることが夢か何かな気がしてきた。
「俺の知る限り五人告白してふられたらしい」
「ごぼっ!?」
飲んでいたアイスコーヒーが変なところに入ってむせる。
「お!?大丈夫?」
驚いた羽田くんがテーブルにある紙ナプキンを渡してくれる。それを受け取り口元を拭いて、咳が止まるのを待つ。
「こほっ。ごめんね、ちょっと変な方に入っちゃって」
「あるよな、そういうこと」
「そ、それで。なんでふったのか理由知ってる?」
恐る恐る聞く。正直、返答次第ではむせるだけではすまない何かが起こる気がする。
「んー。なんでも好きな人がいるらしい」
「それって誰かわかる?」
「いや、わからない。教えてくれなかったらしい」
ほっと胸をなで下ろす。どうやら公言していないようだ。もし、公言していたなら私はまた…。
「でも気になるよな。あんなイケメンが好きになる人」
私は苦笑いして答えなかった。知らない方が良いこともある。主に好かれている側にとってだが。
「俺が知ってるのはこのくらいだけど、もっと知りたいなら、あいつのこと追っかけてる知り合い紹介するけど」
「そそそそれはいいかな!」
全力で否定してしまったが、そうか、とだけ返してきてお昼を食べ進める。気に障らなかったようだ。
それからは十五分程度だが、お互いが食べ終わるまで共通の知り合いの話などをして盛り上がった。
「今日はありがとう。わざわざごめんね」
「いや、久々に話せて楽しかったよ。またなんかあったら呼んで」
カフェを出ると、店の前で軽く別れの挨拶をして、お互い反対方向へと歩いた。
結局羽田くんはお昼を奢らせてくれなかった。
総合的にいってそこまで扇真に関してはこれといって有力な情報だとかはそこまでなかったけど、羽田くんとこうやって普通に話ができるということがわかったことが一番の収穫になった。目的変わってしまったけれど、私にとってはそれが何より嬉しかった。
授業まで時間がまだあったが、家に帰れるほどではないし、かといってさっきご飯を食べたばかりだから、どこかでお茶して時間をつぶすのも違うな、と思い大学へと向かうことにした。
羽田くんから扇真の話を聞き始めてまだ数分だというのに、何となく彼のことがわかってきたような気がする。いや、わかったというより、私が彼に抱いた印象とあまり変わらないといった方が正しいか。
なんだか、彼が私のストーカーであることが夢か何かな気がしてきた。
「俺の知る限り五人告白してふられたらしい」
「ごぼっ!?」
飲んでいたアイスコーヒーが変なところに入ってむせる。
「お!?大丈夫?」
驚いた羽田くんがテーブルにある紙ナプキンを渡してくれる。それを受け取り口元を拭いて、咳が止まるのを待つ。
「こほっ。ごめんね、ちょっと変な方に入っちゃって」
「あるよな、そういうこと」
「そ、それで。なんでふったのか理由知ってる?」
恐る恐る聞く。正直、返答次第ではむせるだけではすまない何かが起こる気がする。
「んー。なんでも好きな人がいるらしい」
「それって誰かわかる?」
「いや、わからない。教えてくれなかったらしい」
ほっと胸をなで下ろす。どうやら公言していないようだ。もし、公言していたなら私はまた…。
「でも気になるよな。あんなイケメンが好きになる人」
私は苦笑いして答えなかった。知らない方が良いこともある。主に好かれている側にとってだが。
「俺が知ってるのはこのくらいだけど、もっと知りたいなら、あいつのこと追っかけてる知り合い紹介するけど」
「そそそそれはいいかな!」
全力で否定してしまったが、そうか、とだけ返してきてお昼を食べ進める。気に障らなかったようだ。
それからは十五分程度だが、お互いが食べ終わるまで共通の知り合いの話などをして盛り上がった。
「今日はありがとう。わざわざごめんね」
「いや、久々に話せて楽しかったよ。またなんかあったら呼んで」
カフェを出ると、店の前で軽く別れの挨拶をして、お互い反対方向へと歩いた。
結局羽田くんはお昼を奢らせてくれなかった。
総合的にいってそこまで扇真に関してはこれといって有力な情報だとかはそこまでなかったけど、羽田くんとこうやって普通に話ができるということがわかったことが一番の収穫になった。目的変わってしまったけれど、私にとってはそれが何より嬉しかった。
授業まで時間がまだあったが、家に帰れるほどではないし、かといってさっきご飯を食べたばかりだから、どこかでお茶して時間をつぶすのも違うな、と思い大学へと向かうことにした。
0
あなたにおすすめの小説
敏腕SEの優しすぎる独占愛
春咲さゆ
恋愛
仕事も恋愛も、兎に角どん底の毎日だった。
あの日、あの雨の夜、貴方に出逢うまでは。
「終わらせてくれたら良かったのに」
人生のどん底にいた、26歳OL。
木崎 茉莉 ~kisaki matsuri~
×
「泣いたらいいよ。傍にいるから」
雨の日に現れた、30歳システムエンジニア。
藤堂 柊真 ~Todo Syuma~
雨の夜の出会いがもたらした
最高の溺愛ストーリー。
極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です
朝陽七彩
恋愛
私は。
「夕鶴、こっちにおいで」
現役の高校生だけど。
「ずっと夕鶴とこうしていたい」
担任の先生と。
「夕鶴を誰にも渡したくない」
付き合っています。
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
神城夕鶴(かみしろ ゆづる)
軽音楽部の絶対的エース
飛鷹隼理(ひだか しゅんり)
アイドル的存在の超イケメン先生
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
彼の名前は飛鷹隼理くん。
隼理くんは。
「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」
そう言って……。
「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」
そして隼理くんは……。
……‼
しゅっ……隼理くん……っ。
そんなことをされたら……。
隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。
……だけど……。
え……。
誰……?
誰なの……?
その人はいったい誰なの、隼理くん。
ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。
その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。
でも。
でも訊けない。
隼理くんに直接訊くことなんて。
私にはできない。
私は。
私は、これから先、一体どうすればいいの……?
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
大丈夫のその先は…
水姫
恋愛
実来はシングルマザーの母が再婚すると聞いた。母が嬉しそうにしているのを見るとこれまで苦労かけた分幸せになって欲しいと思う。
新しくできた父はよりにもよって医者だった。新しくできた兄たちも同様で…。
バレないように、バレないように。
「大丈夫だよ」
すいません。ゆっくりお待ち下さい。m(_ _)m
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
【R18】純粋無垢なプリンセスは、婚礼した冷徹と噂される美麗国王に三日三晩の初夜で蕩かされるほど溺愛される
奏音 美都
恋愛
数々の困難を乗り越えて、ようやく誓約の儀を交わしたグレートブルタン国のプリンセスであるルチアとシュタート王国、国王のクロード。
けれど、それぞれの執務に追われ、誓約の儀から二ヶ月経っても夫婦の時間を過ごせずにいた。
そんなある日、ルチアの元にクロードから別邸への招待状が届けられる。そこで三日三晩の甘い蕩かされるような初夜を過ごしながら、クロードの過去を知ることになる。
2人の出会いを描いた作品はこちら
「純粋無垢なプリンセスを野盗から助け出したのは、冷徹と噂される美麗国王でした」https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/443443630
2人の誓約の儀を描いた作品はこちら
「純粋無垢なプリンセスは、冷徹と噂される美麗国王と誓約の儀を結ぶ」
https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/183445041
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる